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[向かう道の向こうから、見知った顔を見着ける。
何時も穏やかな笑み浮かべているように見える青年]
…――――、し、食堂、の。
[宿屋の食堂を何時も利用しているゲルダの認識では、
アーベルは宿屋の息子、より食堂の女将さんの息子、のよう]
…こ、ここんにちは。
[顎を引いて上目で見るのは何時もの表情薄い顔で
歩いていた足をゆっくり止めてかける声は小さい]
[歩けば歩くほど、遠くに点のように見えていた人の輪郭がはっきりとしてきます。
右手を振ってくれたその人>>33は正しく僕の目当ての人でした。
そうと分かれば、自然と早歩きになっていました]
……。
[ぶつかりそうなくらい近くに来てから足を止めて、僕よりずっと高い位置にある顔を見上げます。
話したい事が沢山ありました。何から話そうかを考え]
……あ、こんにちは。
[危ない、うっかり挨拶をするのを忘れるところでした]
……。えっと、今、大丈夫……かな。
[それから相手の都合も聞かなくてはいけません。
そういえばさっきすれ違った人がいました。もしかしたら僕が来る前に、ここに来ていた客なのかも知れません]
─ 広場 ─
[淡い陽射しの下、玉と水晶をどう組み合わせるか、と思案していたのはどれほどの時間だったか]
……ん。
[ふと、翠が上へと向く。
村では数少ない、空が見える場所。
その上に広がる青は、いつからか、陰りを帯び始めていた]
まいったな、これは。
今夜は、月光は望めない……か?
あまり、遅くはしたくないんだが……。
ゲルダさん、こんにちは。
[宿屋は食堂も兼ねているため、ゲルダの認識>>48はあながち間違ってはおらず。]
これから、食事ですか?
[小さな声でも、あまり気にせず。
笑みを浮かべながら、こて、と首を傾げた]
しかし、そうなると……どうするか。
[自宅兼工房は、やや奥まった一画にある。
天気が崩れるなら家に戻ってもいいのだが、もし予想に反して天候が崩れなかった場合、またここまで来るのが面倒と思えて]
……一度戻って、着替えて。
それから、近場で待機、が妥当か、これは。
[そんな呟きを漏らして、一先ず足を向けるのは、自宅の方]
[こてりと傾げられる笑みに、こくり と
一文字の眉のままに 小さく頷いた]
…――きき今日の日替わり、何…?
[おずおずと尋ねてしまうのがメニューの事だったのは
今頭の中を支配しているのが空腹だからかもしれず。
彼の傾けた頭と同じ方向に 少しだけ頭を傾ける]
―少し前・厩―
いつも、世話をかけるね。
[飼葉桶を用意するアーベル>>44の背に礼の言葉を投げ掛ける。
旅塵に塗れたマントとブーツを行儀悪く脱ぎ散らしながら]
最近、様子はどうだい。
何か変わったことはないかい?
此方は――
[と、柔らかな笑顔を浮かべる青年に、女もまた穏やかな笑みを向け世間話を振る。
話込もうとして、彼が機敏に立ち働く様子を思い出す]
……アーベル君も忙しいだろうに、引き止めてしまってはいけないね。
独り旅を続けると、どうにも人恋しくてなってしまうよ。
[やれやれと肩を竦め、次の仕事に向かうだろうアーベルを見送った*]
―エーリッヒの住居前―
……そっか。良かった。
[さっき立ち上がりかけていたようにも見えたけれど、本人が休憩中と言っているから良いことにしました。
促される通り>>53に彼の隣に腰掛けます。さて]
……。大丈夫だったら、エーリィと話したいなって思ったんだ。
[いつも、改めて言う程の用があるわけじゃありません。
だけどこうして知っている人とお喋りすることだって、想像力を養う為には大切なんです。……なんて、本当はただ僕が話したいだけなんですが。
勿論邪魔にならない程度にしようとは思っています]
あ、甘いものも持ってきたよ。
[僕は持ってきた手提げ袋の口を引っ張ります。
掌の上に、綺麗な包装紙に包まれたお菓子を幾つか乗せて、相手に向けて差し出しました]
─ 自住居内 父の工房 ─
[父の前にある白いキャンパスが、どんどん鮮やかになっていく。
それを見ている娘の顔は、ただただ嬉しそうな、笑顔で。
父から声をかけられているのにも暫く気付かない程、鮮やかなキャンパスに夢中だった。]
へ?
あ、お父さん、呼んだ?
[数回名を呼ばれて、ぱちぱちと目を瞬かせ首を傾げる。
また聞こえてなかったのか、と苦笑混じりの父から頼まれた用事は、お使い。
そろそろ行商がくる頃合だから調味料や干肉などを買ってきて、と言われたことを復唱して、頷く。]
[こうして実家から人が来るようになったのにも理由がある。
昔からの趣味を生業としようと考え始めた頃から
将来について親とよく衝突しその度に家出した。
家出といってもこの村から出るでもなく
歳近い友達の家に厄介になるというささやかなもの。
すぐに見つかって連れ戻されるのが常だったけれど]
――…もう、急に居なくなったりしないのに。
[小さく零れた言葉は実家の召使いには聞こえなかったよう。
問い返す声に、なんてもないと軽く首を振る。
報告に戻るらしい召使いをいつものように見送った]
─ 自宅兼工房 ─
[途中、すれ違う人々と挨拶を交わしながら、家まで帰りつく。
元は家族三人で暮らしていたのだが、今は一人住まいの家には、村──というか、この地方ではあまり見られない、組紐を生かした装飾がなされている。
それらは、亡き父の故郷独特のものだというが、今ひとつピンとこなかった]
……いつかは、見に行くのもわるかないんだろうけど。
[今は、そんな気にもなれずにいた。
ともあれ、まだ湿った服を着替え、戸締りをしてから改めて家を出る。
着替えた、と言っても、両親が他界してからは黒しか身に着けぬ青年は、見た目で大きく変わる事はないのだが]
今日の日替わりは、焼き魚がメインの定食だったよ?
[日替わりなどのメニューを聞いてくる人は、割と多く。
相対している人の頭の中が空腹に支配されている、とはあまり考えてなかった。
ナンもどきのパンなども出たりするが、
それは常と言っていいかもしれない。]
─ 自住居内 父の工房→外 ─
それじゃ、いってきまーす!
[元気に挨拶をして、外に飛び出す。
役場の名簿には、この娘について以下のように記されている。]
────────────────────────
■名前:ロミ=マリオン Romi=Marion
■年齢:11
■職業:画家の娘
■経歴:この村には父親と10年前から二人で暮らしている。
父親はこの村出身、母親については他界したということしか知らない(聞かされていない)。
10年前、画家として名を上げた父が生まれ故郷であるこの村に戻ってきた際一緒に連れてこられた。
父親の工房も兼ねている住居は集合住宅>>0:4からは離れているが太陽の光が僅かに差し込む場の傍にある。
日の光が当たる場所には父親の使う絵具の原料である植物用の畑があり、現在はその畑の管理がロミの仕事になっている。
────────────────────────
― 宿屋→広場 ―
戻ってきてからいただきます。
[食事は、と尋ねる女将さんに答えて宿から出た。
広場からの道しか覚えていないので、まずはそちらに向かう]
さっきより肌寒いかしら。
[この村特有のヒヤリとした空気が一層冷たく感じられて、軽く腕をさすった]
―少し前>>56―
大丈夫ですよ、これも俺の仕事のうちなんで。
[父は父で仕事があって。
動物好きも相まって、馬などの世話は青年がやるようにしていた。]
最近、ですか?
んー、ここは相変わらず、ですねぇ
[普段と変わらない日々を思い返しながらミリィの言葉に応え]
いえいえ。
母から、ちょっと休憩してこいと言われてましたし。
後でミリィさんの話、聞かせてくださいね。
[にこ、とミリィへ笑みを向けながら手を振って、その場を離れた。*]
…――あ、あ、ありがとう。
…、
[もらう返事に、常は無表情の中の口端を片方微かに上げて
頷くと、余り櫛の通されていない髪が揺れる。
手を口許に上げて少し考える素振りを見せた後
彼の背後へと視線を向け、それから彼へと戻して]
… ――、
…じゃ、じゃあ、
[彼は食堂側から来ているのだから、何か用事なのだろう
そう思って、開きかけた口は閉じて。
彼とすれ違うかたちになる方向へ、足を踏み出した]
─ →広場 ─
[一先ず、広場まで道を戻る。
見上げた空は、やはり、暗い]
……これは、本格的に難しいか……。
[呟いて、眉を寄せる。
父親譲りの黒髪が、ひやりとした風に揺れた]
ん。……少し、臭うかも。
[脱ぎ散らかしたマントとブーツを拾い上げ、眉を顰めた。
旅の疲れで浮腫んだ足でブーツを履き直す気にはなれず、裸足のまま厩を後にする]
雨になるのかな。
[湿気を含んだ冷たい風に頬を撫でられ、空を仰ぎ。
小走りに宿の食堂へと向かった]
どういたしまして。
[礼>>67に、嬉しげな笑みを浮かべて応え。]
はい、また後で。
[気晴らしとして外に出ているので、青年に用らしい用はないのだが。
食堂へと向かう人に手を振って見送る形となったか。]
―エーリッヒの住居前―
……。うーん。
[僕が話したい事と言ったら、迷うくらいにたくさんあるのです。
例えば昨日の夜読んだ物語の事だとか、今持っているお菓子を買いに行った時の話だとか、どれも他愛ないものばかりですが]
えっと、それはクッキー……あ、マカロン、かな?
[考えているうちに、包装紙の一つが彼の手に渡りました>>64。
チョコレートやキャンディよりも少し大きめの包みだから、多分それだった……はずです]
─ →広場 ─
えーと…この時間だと広場かな?
それか宿屋かな?
[行商人がいるのはどこだろうと考えながら、駆け足でまずは広場へと向かう。
こういうお使いもいつものことだ。
父はあまり外に出ない。
その分絵を描いていたいのだと言う。
娘も父の絵がいっぱい見られるのは嬉しい。
でも出来上がった絵はすぐにどこかへ行ってしまうから、出来上がらないと良いとも思う。]
お父さんの絵が、喜んでもらえるのは嬉しいんだけどなぁ。
[画商から先生と言われる父の顔はあまり嬉しそうじゃない時があって。
その時は、ただでさえ絵がもっていかれて悲しい娘の気持ちが余計に悲しくなる。]
……一雨来るかなー?
[ゲルダと別れた後、あちらこちらへ足を向け。
徐々に湿気を含むようになってきた風に顔を空へと向ける。]
…ウェンデルのところに行くか。
どーせ惰眠貪ってるんだろうし。
[ぽり、と頭を掻くとそちらの方へ足を向ける。]
―食堂―
[アーベルと別れ向かうのは彼が来た宿屋の扉。
入る前から外に魚が焼ける良い匂いが漂っている。
リーズナブルな値段で食事が取れ、頼めば包んでもくれるので
ゲルダが毎日のように訪れる、宿屋内の食堂。
扉を開ける前 ふと空を見上げる。
雨が降る前の独特の、匂いがした気がしたから。
そのまま無言で扉をくぐり、中へと入ると、
顔馴染みの女将の笑顔が迎えてくれる]
…――あ、あの、ここ、こ此れください。
[通された席で、書かれている物を指で指し示す。
本日の日替わりメニュー。焼き魚らしい。
注文を聞いた女将が背を向けると ふ と息を着き
グラスに入った水をこくりと一度飲んだところで
ゆったりと 無表情の侭に辺りを見渡した]
─ 広場 ─
……ん。
[呼びかける声>>71に、瞬きを一つ。
振り返った先に立つ女性の姿に、あれ、と惚けた声を上げた]
……ノーラさん?
[以前、仕事を請けた美術商の妻の事は、忘れてはいない。
依頼自体が印象に残るものだったからこそ、なのだが]
お久し振りです……お一人ですか?
― 自住居 ―
ってぇ……
[ごろっと寝返りを打った拍子、頭の方に置きっぱなしにしていた本に当たった。
目覚めの時間だが正直な話、遅い。
序に言えば、まだ半分位寝ていた。
常日頃より、扉に鍵をかける習慣なんぞ持ってはいない。
ぶつかった、というより寝る時に置いた侭だった本を眠そうな琥珀の瞳で睨みつけ――
――そしてまた、ベッドに逆戻りである。寝汚いにも程があった]
これはどこかから買って来たのかしら?
[そう訊ねてからもう一口齧ろうとして。
裾をダメージ加工したコートを伝って身体を上ってくる存在に気付いた]
あら、パラッシ。
あなたも食べたいの?
[膝の上に上ってきた小さな存在──それはこの洞窟には居るはずの無い、樹上生活を送るはずのリス。
以前洞窟に迷い込んだのを保護して、そのまま居つかれた存在だった。
リスは膝の上にちょこなんと佇んで、じっ、とマカロンを見詰めていた]
─ →広場 ─
[考えごとをしながらだったからか、いつの間にか目的地に近付いていた。]
あ、もーじき…
わきゃあ!?
[広場だ。
そう口に出しかけたところで何かに躓き、そのせいで大声が出た。
そのまま前に思いっ切り転ぶ。
当然、痛い。
即座に起き上がれなくて、倒れ込んだままちょっと涙目。]
―ウェンデルの家―
おじゃましまーす。
[コンコン、と二回ノックしてウェンデルの家に入る。
ノックしたのは後での文句軽減のためだったりするのは、それとして。
――ベッドで寝ている様子に蒼は半眼になり、そ、とベッドサイドに近づくと。]
うちで食事したいなら、とっとと起きろ、ウェンデル。
[遠慮会釈なくのしかかってやった。
表情は笑顔のままだったりする。]
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