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─ 庭園 ─
[想いを背負い込み過ぎているように見えるエーファの唇から紅が落ちる>>68。
堪える感情を具現化したかのよう]
エーファ、血。
[指摘して手を伸ばし、彼の肩に手を置こうとする。
次いで、問いの答えが返り、エーファが視た二人の名を得た]
…そっか、分かった。
ひとまず中入ろう。
……でも、エーファが探せるってんなら、ユリアンはなんだったんだ?
アイツも誰が人狼なのか分かるっぽかったんだけどな。
[中へと促した後に呟いた疑問。
着替えると言って駆け出したエーファには届いたのかどうか。
走り去るエーファを見遣ってから、イヴァンもまた屋敷の中へ*]
―回想・客間で―
[こちらが知っていることを、イヴァンも薄々気付いてはいたようだった>>61
どこまで納得したかはわからない。男自身、自分がそうなるまで御伽噺と思っていたのだから]
「場」について前から知っていたのは本当だよ。
でも、こんな事になるとは思っていなかったな。
なんだろうね、君たちを死なせたくないって思うから黙ってた、って感じかな。
[光の者が人狼を狩ろうとするように、闇の護り手は人狼を護ろうとするのだろう。
それが何故か、正しいのかどうかもわからずに]
[どうしたい、と短く向けた愚問。
それに返るのは、ある程度は予想通りの答え>>62]
生きる事を諦めていないなら、いいんだ。
人狼だから死んでくれ、なんていわれて、そうですかなんて言える人はいないと思うよ。
[彼らの中に強い意思がある事を知って、笑う]
「場」が壊れたなら、人を食べたいっていう衝動も収まる筈なんだ。
[だからどうか、それまで見つからないで欲しいと、願うのは胸の内だけに止め。
カルメンの「聲」が聞こえないと言われたならいぶかしむのは少しだけ]
何か、あったのかもしれないな……
[その予感が当たるのは、それから少し後の事。*]
―庭園―
[カルメンを運ぶ用意をしながら、ふと見ればイヴァンが感情を押さえ込むように手を握りこむのが見えた>>65
今は抑えて欲しいと思う。
願いが届いたか、次にこちらに向けられたのはどこか穏やかな願い事>>66]
いいよ。
カルメンとも約束していたからね、演奏を聞かせるって。
落ち着いたら声をかけてよ。
[必ず、と約束をしてカルメンを運ぶ。
残る二人も、すぐに戻ってくるだろうと思いながら。*]
[話している途中で、あることに気づいた。]
じゃあ、今ここに残っているのは4人?
オトフリートさん、イヴァン、エーファ、ぼく……。
人狼はまだいるんでしょうか?
『場』が終わったかどうか、いつわかるんですか?
[オトフリートから答えはあっただろうか。]*
─ 庭園→自室 ─
[短い指摘に蒼が瞬く。
自分を保つ事に意識を向け続けていたから、肩に伸びる手には気づけなくて。
かかる重みに、びく、と小さくない震えが走った。
その場から駆けだしたのは、触れられている状態から逃げだしたい、そんな気持ちも少なからずあった]
…………わかんない、よ。
[自室に駆け込み、は、と息を吐いた所で零したのは小さな呟き。
それは、駆けだす直前に届いた疑問への、率直な答え]
わかん、ないけど。
……信じたい、よ。
[力がひとだから、と示しただけではなく。
祖父を亡くした時に向けてくれた言葉が、嬉しかったから。
だから信じたい、というのは偽らざる思い]
[ふる、と首を振り、手にしたままの短剣を見る]
……ちゃんと、手入れ、しないと。
[血の付いた刃物は、ちゃんと手入れをしないといけない、というのは、薬学の師からの受け売り。
もっとも、彼の人が示したのは治療道具の事だったけれど]
……やんなる、よなぁ。
これが、形見になっちゃうとか、さ。
[祖父がこれをお守りと称した意味は、今なら何となくわかる。
零れた声が震えているのを感じ取ると、ぶん、と頭くを強く振って刃に着いた血を拭い。
それから、着替えを持って部屋を出た。
向かう先は大浴場。温かい湯を使って血を落とし、返り血のついた服を着替えて。
銀の短剣は、相変わらず上着の内にしまい込んで]
……いこか、モリオン。
[待っていた黒猫に呼びかけ、歩き出す。
どこに行こうか迷って、結局は、人のいそうな広間へ向かう事になるのだけれど。*]
―広間―
[ユリアンが入れてくれたお茶に礼をいい>>69、こちらが今見てきたことを提示すると、ユリアンはやはり酷く驚いた様子で。
口論でも、と言う言葉に、彼は知らなかったかと軽く首を振って]
エーファは「誰が人狼かわかる」力を持ってるらしい。
『幻燈歌』の「見出す者」がエーファだったんだ。
それで、カルメンがそうだってわかったらしい。
[そんな風に伝えるべき事実だけを伝えてお茶を一口飲んで
その後に続けられた質問>>70には、どこか困ったような表情を浮かべた]
エーファを信じるなら…彼がそういう嘘をつくと思えないから信じるけど
人狼はカルメンだろうね。
[まずはそこだけを確定のように言って、ユリアンが残りの人数に気付いて問いを重ねる>>75のには、考える「ふり」をする]
─ 厨房〜広間 ─
[オトフリートとのやりとりの間だったか。
彼か、あるいは広間へやってきた者が空腹だと言えば、
厨房へ赴き、自分で作った魚の香草煮を温めて深皿に盛り付ける。]
我流ですが…ぼくも一人暮らしなので。
[謙遜の言葉を添えてテーブルへと出すだろう。]*
まだ居るかどうかはわからないなぁ……
君やイヴァンがそうだとは思えないし。
[知っていることを伏せて「わからない」と返す。
彼が生き延びる事を望むなら隠し通さなければいけない]
ユリアンから見たら、俺は怪しくみえるかい?
[そんな風に問い返し、ちらちらと様子を伺うユリアンを見ていた。*]
─ 屋敷内 ─
[中へと入り、人が居るだろう広間へ向かうにはしばし間が空いた。
感情の整理のためだ。
地下へ続く階段の中間辺りに座り込み、しばらく黙り込む]
……………
[エーファはユリアンとライヒアルトが陽のひかりの下にいたと言っていた。
詰まり現状、オトフリートと自分のことは視ていないのだろう。
まだ人狼がいると判断されるなら、矛先が向くのは2分の1]
…生きるのを諦める気はねー、が。
[やり辛い、と思うのも已む無し]
─ 広間 ─
[広間へ向かうとユリアンとオトフリートが居た。
何かを話しているようだったが、よ、と短い挨拶だけ向けて適当な席へ座る*]
─ 玄関前 ─
[広間に向かう前に、ふと思いついて外へと出た。
足を向けるのは氷の堤に砕かれた橋の方]
……あ。
[風に乗って、人の声が届く。
どうやら、復旧作業は始まっているらしい]
…………でも、まだ、かかりそう…………だなぁ。
[外への道はいつ開くのか。
そして、それまで自分は生きていられるのか。
考えても詮無いとは思うけれど、ふと、そんな事が過る]
……なー、モリオン。
[小さな声で、抱えた猫へと呼びかける]
ライヒアルトさんとユリさんが陽のひかりで、あの人は月のひかりだった。
……もし、まだ終わってないとしたら、あと、二人。
でも、演奏家さんって、なんかこう……おおかみっぽくないんだよなぁ。
[言われなければ、意識を彼に向ける事はなかった。
極論すれば、黙っていれば逃げきる事だってできたはずだ。
なのに、わざわざ自分に意識を向けさせた──その意味は、どこにあるのか、それはわからないけれど]
でも、あのひとが、違うとしたら。
[転がり出るのは、単純消去法。
無意識、唇をまた噛んで]
……って。
[先ほど切った部分が痛んで、顔を顰めた。
黒猫が、呆れたようににぃぃ、と鳴く]
るっさいよ、もう。
[その響きにむぅ、となりながらも、黒猫を離す事はない。
抱えている温もりは数少ない縁と感じているから]
……もどろか。
[切れ切れの声に耳を傾けながら、踵を返し、今度こそ向かうのは、広間]
─ 広間 ─
[広間に入り、最初に感じたのは空気の温かさ。
それにほっとしながら中を見回して]
……ライヒアルトさん、は?
[そこに欠けている姿に気付いて、誰にともなく問いを投げかける。
答えを聞くのが何となく怖くて、黒猫を抱える腕に力が入った。*]
―広間―
[話の途中、ユリアンが用意したという料理>>79を運んでくるのをじっと見て]
俺も町に居るときは自炊だけど、こんな風にちゃんとした物は作れないよ。
[と素直に感想を述べておいた。自分の料理については謙遜ではなく事実である。
そうして、先の質問に「わからない」と返すと、明らかに落胆したのが見て取れた>>85]
いや、人狼がいなくなれば終わるよ。
残っていたら…そうなるかもしれないけど。
[それは事実だから、落胆を覚悟でそう告げる]
ユリアンにも出来る事はあるよ。例えば、エーファを励ますとかね。
[気休めにしかならないだろう言葉は、それでも男の視点では間違いなく彼にしか出来ないことだった]
[暫くして、イヴァンが広間に顔を出すのを見て>>83、少しだけ安堵する]
お帰り。
[短い言葉には短く返す。
やがて、エーファも広間に顔を出すなら、全員がここに集まる形になるのだろう。
エーファが誰を見て誰を見ていないのかは知らないが、自分とイヴァンはまだだろうと思う。
さて、どうしたものかと思いながら、残ったお茶を口に運んだ。**]
[食事中のイヴァンに小声で、]
昨日もだけど、その前も、……ありがとう。
[わからないという顔を返されると、]
倒れて、ずいぶん迷惑をかけたみたいなので…。
[申し訳なさそうに言い添える。]*
─ 広間 ─
[投げかけた問いに、ユリアンは目を伏せて小さく首を振る。>>92
その仕種に微か、身を震わせた直後に、端的な答え>>93が返された]
……ぇ。
[それに対して上がったのは、掠れた声。
かくん、と力が抜けて、その場に座り込んだ]
…………また?
[いっちゃったの、と。
声には出さないけれど、その言葉は頭の中をぐるりと回る。
黒猫が案ずるように鳴くのが、どこか遠い。
しっかりしなきゃ、と思いながらも、どこかがふつり、と切れてしまったような感覚に囚われ、動けなくなっていた。*]
─ 広間 ─
[頭の中がぐるぐるする感覚は、祖父の死を目の当たりにした時と近いもの。
元引きこもり少年は、本当の意味で他者に心を許す事が滅多にない。
その彼が信を向ける、というのは実は相当な事で。
それだけに──失った反動は、大きくて]
…………。
[ユリアンが椅子を引いて、座るように促す。>>97
出されたお茶の香りが少しだけ気を静めてくれたけれど、漣は消えなくて]
……わかん、ない。
けど。
いるなら、さがさなきゃ。
[探してみつけて。
その先にあるものを思うと、どこかが軋むような心地がした]
……ライヒアルトさん、部屋、なんだよ、ね。
ちょっと……行って、くる。
すぐ、戻ってくる、から。
お茶、このまま、冷ましとい、て。
[途切れがちにそう告げた、直後にだっと走り出す。
立ち上がった時の弾みで離された黒猫が、慌てたようにその後を追いかけた。**]
―広間―
[やがて、着替えてきたエーファが広間に姿を見せた>>89のにも]
お帰り。
[と一言掛けただけ。
下手な慰めは、今は意味がないと思うから。言う資格が自分にあるのかと、思うから。
ライヒアルトについて聞かされて座り込む様子>>96に目を伏せる。
イヴァンとユリアンが言葉を交わす様子>>95>>98は目で追うだけで]
エーファ、少し休んだ方が……って
[落ち着くように促す声は聞こえないのか、広間を出て行く様子>>100を見送って]
まぁ……仕方がないかな。
エーファ、あの人の事信用してたみたいだし……
[彼の立場を思えば尚更、これから背負うだろう重さに目を伏せる]
[まだ人狼はいるのか。居るとすれば?
あの旅人は何か
そんな会話が続く>>103>>105のを聞いて]
最初は静かだったのに、イヴァンが「人狼か」と言った途端豹変しましたね、そういえば。
[見たことに多少の誇張を加え、やはり否定していた事は伏せて。
彼らが、「彼」がどのような選択を選ぶのかを見守っている。**]
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