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―翌日/宿一階―
[宿の親父に頼んだ後、カウンターへと近づく。
オトフリートが置いた本>>2:354はまだその場にあった。
ぱらり、とページを開いたときにフォルカーがやってきて、ゲルダが守られていた、とか呟くものだから確認するように紙面に瞳をむけ]
――これ、か。
[自衛団を呼んでくると駆け出した少年の声>>62を聞きながら無機質な文字が伝える情報を読み込んだ。
守る力を持つ存在のことを。
アーベルが死んだ翌朝になくなったゲルダを思う。
一年に半月程度しか滞在していなくても、何度も訪れているから二人の仲が良いのは知っていた]
アーベルが守れる人だったとしたらゲルダを守る、だろうなあ……
[わかりやすかった青年を思い。
見極めるものだと名乗り出たゲルダのことを素直に信じそうでもあったアーベルがそんな力を持っていて、本当にゲルダが見極めるものなら……昨日殺されず今日殺されたことの理由はつきそうで。
ただ、それが証明されたわけではないから、考えすぎとも思えるのだった]
─ 前日/外 ─
[返された答え>>22に、大きく息を吐く。
気持ちがわからない、とは言わない、言えない。
ひとつ欠けたとはいえ、殺したくないものは自分にもまだいる。
ただ、それが理由になるか、となると、また、別問題で。
ゲルダやアーベルにとっては理不尽でしかないのは、問うて確かめるまでもないこと]
……ったぁく……。
[怪我した箇所を示されると、はあ、とため息ひとつ。
理由にも突っ込みは入れたい所だが、この場でそれを問うのは躊躇われて]
……自業自得だ、無茶しいめ。
[その場は、痛ぇ、とぼやく唇の動き>>39にさっくりと突っ込みを入れるに留めておいた]
ん、ああ。
……この人手不足の状況で、何もしないわけにはいかないし、ね。
[フォルカーに助力を求められ>>56、頷きを返す]
そこの無茶しいは、ちゃんとリーゼ嬢に診てもらえよ?
……面倒、とかいうのは、却下ね。
[ヘルムートの言葉>>40を受け、友にはきっちり釘を刺しておく。
深緑の瞳が笑っていない、即ち、いろいろと感情が混濁しているのは、説明するまでもなく伝わるはず]
─ 前日/宿・二階角部屋 ─
[亡骸の安置やら何やらが一段落すると、角部屋へと戻り。
各自の名を書き連ねた紙に、自分が把握している新たな状況を追加して]
……あれ、は。
どう、見るべきかなあ。
[はっきりと見て確認したわけではない、が。
何かしら、力の一端らしきものが見えたフォルカーの様子。
手にしたペンをくるり、と回して、しばし、思案の素振りを見せる]
……同じ力を持つ者が同時に現れた、ってケースは、確か、ない。
例外が発生しているのでなければ……。
[どちらかは、とは、声には出さず、代わりに深く、息を吐いて。
そのまましばし、まとまらない思考に沈み込んだ]
─ 翌日/宿・一階 ─
[翌日の目覚めを呼び込んだのは、悼みの響きを帯びた声>>52。
呼ばれた名が名だけに、嫌な予感を感じて、階下へと急ぎ]
……っ!?
[目に入った光景>>46に、言葉が失せた]
……じょーだん……きっつ……!
[思わず零れた言葉、それを抑えるように口元に手を当てる]
……二度も、見たくねぇよ、こんなの……やってらんね……。
[は、とひとつ息を吐いて、近くの壁にもたれかかる。
きちんと括っていなかった髪がばさ、と広がり、顔色が隠れたのは、個人的にはありがたかった]
─ 翌日/宿屋 一階 ─
[昨日フォルカーに頼まれ>>56アーベルを運ぶ時、重さに負けてふらついたりして手伝わせたのを後悔させたかも知れないのは僕の中ではさて置いて。
ゲルダの身体を整えている時にベアトリーチェ>>50と、やや後にフォルカー>>61がやって来た]
ベアトリーチェ、あまり近付かない方が良いよ。
君まで汚れてしまう。
[ゲルダの傍で座り込む様子にそれだけ声をかけ。
その後はフォルカーに任せようとする。
が、彼の呟き>>62を聞いて、はたりと虚ろな瞳を瞬かせた]
……ああ、そう言えば。
昨日は、誰も襲われていないんだっけ。
[誰に言うでもない呟き。
直結するのはおかしい話だったかもしれないけれど。
ゲルダが力持つ者であるならば、護られている可能性は高かったため、彼女が護られたのか、と思考が働いた]
[その前後にはイレーネも来ていた>>59ようで、やや後に要請を受けた宿屋の主がシーツを持って来る。
それを受け取ると、フォルカー>>62が自衛団へ知らせに宿屋を出て行った]
うん、気を付けて。
[何に、と言えば自衛団に、と言う事になる。
未だ人狼が居ると分かった以上、何を言われ、何をされるかは分かったものではない。
それを見送って僕はシーツをゲルダの横へと広げた]
─ 翌日/宿・一階 ─
[壁にもたれた状態で、呼吸と思考を整える。
昨日は誰も襲われていない、けれど、今日はゲルダが襲われた]
一度、護ったと仮定するなら。
それなら、そのまま護り続ける方が、自然。
[声に出して思考を整理する。聞く者がいても、お構いなしに]
けれど、それは、なされていない。
何故に、か。
[他の力あるもののために逸らしたか、それとも力を振るえなかったか。
状況と照らし合わせたなら、より綺麗に流れが描けるのは、後者]
……考えられる可能性は、ほぼ、ひとつ、か。
─ 翌日/宿屋 一階 ─
[固定するのは難しそうであるため、包むシーツを袋状にすることにし。
広げたシーツの上にゲルダを一つずつ並べて行く。
全て並べると左右からシーツの端を引っ張って来て重ね。
頭部側と足部側の端をそれぞれしっかり結んだ]
ええと……誰か、運ぶの手伝ってもらえます?
[主に言葉が向くのは壁に凭れかかるオトフリート>>67。
様子がおかしいことには直ぐには気付けなかった]
─ 翌日/宿・一階 ─
[たどり着いた可能性は、恐らくは誰もが考え付くもの。
護り手はアーベルであり、その死によって守護を失したゲルダが人狼の牙にかかった、と]
……なれば、問題となるのは……。
[アーベルを殺めた友は、その事実を知るや否や、という点に行き着く。
そちらは、心情的には考えたくない可能性で。
一度、それを振り払うように首を振った所にかけられた、声>>71]
……え……あ、はい?
[知らず、上がったのは惚けた声だった]
あ、ああ……確かに、このままには、できないし、ね。
─ 翌日/宿屋 一階 ─
すみません、お願いします。
[今度はイレーネ>>72とオトフリート>>73両方へと言葉は向けられる]
シーツの両端を持って運びましょう。
オトフリートさん、足側、お願いします。
[そう言って僕はゲルダの頭部側へ。
イレーネには僕と同じ箇所を持ってもらうのを頼むことになるか]
ええと……アーベルを運んだ部屋に運んだ方が良いですかね?
─ 翌日/宿・一階 ─
ああ……大丈夫、ですよー。
[こちらを見る視線>>72に、できるだけ明るく返し。
手早く髪を括り直すと、ヘルムート>>75に頷いて足側を持った]
ん……そう、だね。
一緒の方が、いいでしょ。
[離しておく必然性などはないのだから、と。
行く先の確認には、こう言って頷いた]
─ 翌日/宿屋 一階→二階 ─
じゃあ、そこにしましょう。
[同意を得られた>>76ので、ゲルダはアーベルの下へと運ぶことになる。
今回は女性だったのと、イレーネの助力>>78もあったため、どうにかふらつかずに済んだ。
昨日運んだアーベルの部屋へゲルダを運ぶと、その隣に並べるように横たえる]
……これで良いですかね。
助力感謝します。
[手伝ってくれた二人に礼を言うと、二人を運んだ部屋から出て行った]
……ところで、お二方。
昨日、ライヒアルトさんはアーベルを殺したことについて、何か仰ってましたか?
[事が済んだ後のやり取りを知らないため、ライヒアルトと親しいように思う二人に問いかけてみる]
―回想 深夜―
[生きたい。 生きたい。 死にたくない。
女の行動原理はただそれだけ。
『親が教えてくれなかったから。』
リートに言った、その言葉は事実だ。
だが、身に宿っている力は霊能者ではない。
“獣”の力だ。
相方はこれをゲームだと、割り切っているようだった。
自分にはゲームだと割り切るほどの心構えもない。
頑張りたくない。でも、頑張らねば自分が死んでしまう。]
…頑張るノ。
[占い師を護る守護者たるアーベルはもういないから。]
─ 翌日/宿・二階 ─
[二階の部屋に、二人の亡骸を並べて寝かせ。
短い黙祷の後、そこを離れる]
いや……現状、このくらいしかできませんしー。
[礼の言葉>>80には、軽く返して。
その後に投げられた問いには、ふ、と目を伏せた]
……本人曰く、『信用してないから』と『一人差し出すなら』アーベルだった、との事で。
……言いたい事は、ま、わかんなくもないんです、けど、ね……。
[先に行き着いた疑問があるから。
自然、言葉尻は調子が落ちた]
─ 翌日/宿屋 二階 ─
……そうですか、『信用していない』と。
では、ゲルダが嘘をついているのだとしたら、本当の占い師はどこに居るのでしょうね。
[『一人差し出すなら』と言う部分については疑問は抱かないため、そのままに。
オトフリート>>83から聞き得、イレーネ>>84からも同意を得た答えに、そう言葉を紡いだ]
伝承の通りなら、生者から見定める者が居るはずなのでしょう?
未だ隠れているとでも言うのでしょうか。
偽者が出たと言うのに、悠長なことですよね。
それに、アーベルを殺すことでそれを証明する手段はあったのでしょうか。
[死者を見定める者の存在は話から知り得ていても、それが誰なのかは知らない。
故にその疑問が口を突いて出た]
─ 翌日・宿二階 ─
[暫くしてから、まだ熱い身体を起こし獲物を左手で掴む。
利き手は暫く、無理には使えないだろう。
むしろ体調は悪い。まともに動けるかどうか。
ぼんやりとした頭のまま、廊下に出ると水を求めて階下へ向かおうとして、何処かの部屋の前で知り合いらが屯しているのを見た。
獲物を持つ手しか空いていなかったので、いつものように手を振る事はしなかったが。]
[人が徐々に集まってゆく。
自らの上げた声が他の者を起こしたとは気付かずに。
ヘルムートの助言>>68に
生前のゲルダを求めるかのように伸ばしかけた指先がピクと跳ねた。
触れて、如何するの。
触れて、揺すって、抱きしめても
儚くなったゲルダが目を覚ますことはない。
血にまみれて迷惑をかけてしまうだけ――?
手はゆると自らの膝上に置かれ
触れることが出来ぬままだった]
[フォルカーの呟きが聞こえてはたとする。
その姿を認めれば>>62安堵にも似た色が過ぎった。
守られていた。
そうかもしれない。
一度は考えたことだが今となっては牙もつ者のみが
知る事だろうか]
フォル……。
[手に触れたぬくもりに泣きそうに歪む相貌。
知らせに駆け出した彼の背を見詰めながら
彼のぬくもり残る自らの手の甲をぎゅっと握った]
─ 翌日/宿・二階 ─
……まあ、今の状況から鑑みたなら、ゲルダ嬢が力持つ者であったのは、疑うべくもないでしょーねー。
伝承には、狼に組する人間の存在なんかも記されてますけど。
……彼女が偽りを言っていたというなら、ああする理由が掴めないですし。
[ヘルムート>>86に返すのは、自己分析を交えた言葉。
見極める方法、という言葉に、視線はふと、先にすれ違ったクロエ>>85が向かった方へと流れる]
……死者を見極める……と、思しき力を持つ者も、いるようですけれど。
今んとこ、確証はないんですよねー。
─ 翌日/宿・二階 ─
[と、話している途中で、部屋から出てくる姿>>87が見えた。
深緑が、じと、と座る]
……こらそこの無茶しい。
何をふらふら、歩き回ってるかな。
[どう見ても本調子でない様子に、声が低くなる。
当人にそれは伝わらないが、ジト目だけでも十分。かも知れない]
―宿二階―
[ヘルムート>>86がこぼした疑問への答えは持っていない。
ゲルダ以外に名乗り出るものがいなかったのも事実だったから。
だからそれには答えられなかったけれど、続く、証明する手段と言う言葉に先ほど読んだ本の一文を思い出し]
あたしにわかるんなら話ははやいんだろうけどなあ。
[小さな吐息をこぼし。
入れ違ったクロエや少年がそれらしき話をしているのは聞こえていたとしても理解はしていないから、未だに判断はつかず。
ライヒアルト>>87が部屋から出てくるのが見えればひら、と手をふり。
『しんどそうだけど、大丈夫かい』と仕草でたずねた]
─ 翌日/宿屋 二階 ─
[すれ違うことになったクロエ>>85から問われたなら、ゲルダの死と状態を告げて。
オトフリートの返答>>90には]
…そうですか。
人狼に組する人間なのだったら、協力者を襲う必要はありませんね。
…確証はなくとも、死者を見定める者が居るのは確認されているのですね?
ふむ……それをライヒアルトさんが知っていたなら、事に及ぶのも道理、ですか。
[視線の流れる先も虚ろな瞳で追って、可能性を記憶に留める。
それからオトフリートの言葉>>91で噂の人物が居ることに気付き、そちらへと一度視線を向けた]
おはようございます。
加減は如何ですか?
[ライヒアルト>>87に対しては傷の具合を問う。
イレーネの言葉>>92を聞いたなら]
…そうですね、自分で分かるなら、早いのでしょうけれど。
[持ち得ないため、その部分は如何ともしがたかった]
─ 宿二階 ─
[聴覚が無いだけに視覚は良い。
交される話題の一端がはこの位置からでも垣間見えて、少しふらつく意識を集めた。
オトフリートの目>>91が見えると、こちらも半目のまま。
獲物を一旦横へと立てかけ、『水飲みてぇんだよ』と水を飲む仕草を億劫そうにして見せた。
イレーネの仕草もみえ>>92『まぁ何とか』と、こちらにも返した。
空元気も見せることは出来なかったが。
つまりはその程度体調は悪い。]
─ 宿二階 ─
[獲物を置くことでヘルムートへの挨拶>>94にも、ひらと振って返す事は出来た。
体調に関しては、緩く首を振る。『よろしくない』という意を込めて。
交される話題の一旦、霊能者に関するそれが見えれば、僅かだが認知できる程度表情を変えた。
普段であれば知らぬふりを決め込むが、体調の悪さから、上手く取り繕う事が出来ずにいた。]
―回想・前日―
[怪我をしたらしい、ライヒアルトに応急処置を施しながら幾度か理由を尋ねただろう。
自分にとってアーベルは怪しいと思えない人であったから、彼が何かを感じたのであれば聞いてみたかった。]
…こんな状況だからなのかな。みんな、想像もつかないことを平気でやってくれちゃうよね。ほんとに。
[ぼやくように呟いて治療を終えるとそのまま部屋へと戻っていった。]
─ 翌日/宿・二階 ─
……そういう事、かな。
確かめる手段があるなら、手段の一つとしては、在り得るものと言える。
[ヘルムート>>93に頷く。
虚ろな瞳が視線を追うのに、伝わったかな、などと思いつつ]
……水飲みたいなら、持ってくるから、大人しくしとけ。
そんな、ポーズも決められないような状態で、階段でこけたらどーするんだよ?
受身とれんだろ、今。
[億劫そうな仕種>>96に、突っ込みを飛ばす。
相変わらず淡々とした声音は、傍で聞いてる方が薄ら寒くなるかも知れない。
僅かな表情の変化>>97もあって、深緑の温度は更に、下がった]
─ 宿屋 二階 ─
そうですか…。
では、無理はなさいませんよう。
[そうライヒアルト>>97を気遣うも、向ける虚ろな瞳は相手の僅かな反応に凝視する気配を見せる]
……ライヒアルトさん。
アーベルを殺すことで、何か得られましたか?
[彼自身何か知っていることは無いかと、そう問いを向けた]
─ 宿・二階 ─
ああ、おはようございます、と。
[呼びかけ>>100に振り返る、その時は深緑の温度は戻るから、ある意味理不尽かも知れない]
さて、今の所は確認も出来てません。
……何より、朝からそれどころじゃありませんでしたからねー……。
― 回想・前日 ―
[ゼルギウスに大人しく手当てされながら、アーベルを殺した理由を問われれば、イレーネやオトフリートにしたのと同じ事を告げるだろう>>22。伝わりにくければ言葉にして。
終われば感謝を伝えてから、その日は部屋に戻り出なかった。
服を持ち去るクロエ>>79にも、去り際感謝を伝えながら、
いつしか深い眠りの中へ。]
─ 宿二階 ─
[クロエがオトフリートに霊能者として認識されていた事は知らない。あくまで自分の確信している霊能者はフォルカーだけだった。
だからこそ、誰からも隠しとおしてもいた。
オトフリートから>>99の突っ込みに、何がポーズだと顔に出たが、仕草にはせず。
受身が取れないには少し睨んだ。
なことはない、と顔が言っているが、もしそうなった場合、受身を取ったとしても被害は甚大だろう。
深緑の温度が冷えるのは見え、目を細める。
何か勘付かれたか、とは内心だけで思った。]
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