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…約束を、違える訳にはいかないから。
これだけはしないと、…
[呟いて息を吐く。
意を決して、狼の後ろ足は大きく跳躍をした。
ガシャアン!と高い音を立てて窓ガラスが割れ、
その身はミハイルの家、ローズウッドの扉の部屋へと踊りこむ]
[それでも、ミハイルがどこにいるのかは知らなかったし。
駆け出す気持ちに寝不足の体はついていかなくて。
早足程度の動きで森から離れようとしたとき、川の方から音が聞こえた気がして振り返る。
視界に入ったのは、狼か、それともユーリーだったろうか]
…ミハ…ッ
ごめ、ん……!
[狼の足は止まる事無くそのまま疾走する。
素早くキリルの遺体を見つけると駆け寄り、
その腕へとかぶりついて。
首をぶんぶんと振り、その手首から先を千切りとる。
その間、ロランはその首にただただしがみつくのに必死で
ぎゅう、と、黒銀に顔を埋めていた。
――ミハイルの顔を見たくない、と言う風でもあって]
[森の中には入らなかった。
川辺の砂利を踏み、戻ろうとすれば
華奢な人影が眸に映り込む]
カチューシャ …
[彼女の姿を見詰める男の目許がふ、と和む]
――ロラン!!!…ロラン!!
[名を呼ぶことしか出来なかった。
「ごめん」と言ったっきり、狼の躰に顔を埋めるロラン。
人間だ。感情を持った、ただの人間。
眉間に皺が寄る、]
……これから、どうするつもりなんだ…!!
[銃は手中にあるが、大きな狼を前にしても構えるのも忘れて、ロランへと問う。]
[人影が見えてほっと息をついた。
それがユーリーだと知れば、安心したように肩から力がぬけて]
ユーリーさん……
[その表情までは見えなかったけれど、呼ばれた声は聞こえて。
駆けるというよりは早足、という速度で彼へと近づいた]
ロラン、居たの。
狼に、掴まってた……ミハイルさんを探しにいくって……
やらなきゃいけないことがあるって……
[不安そうな瞳で背の高い人を見上げ]
ミハイルさんが、どこにいるか、知ってる……?
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