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―翌日/宿・一階―
[ベアトリーチェが頷けば二階のベアトリーチェの部屋まで連れて行くし、断られるのならしばらくそのそばに留まっている]
……水か何か、持ってこようか?
[辛そうな様子にそうやってたずねながら、少女を構って死んだものの傍に行かないのは一種の逃避だろうと、思考の一部で冷静に自己判断していた]
― 翌日 ―
[翌朝、体を起こしてすぐに物音が響いた。
父親>>18の後に続いて覗き込むと、椅子に座る人の断面図が見えてしまった。
両手で口を押さえる。悲鳴は喉に絡んで出なかった]
─ 翌日/宿・一階 ─
に、しても。
一体、どっから出てくるのかね、こういう発想。
[シーツの上に横たえた亡骸。
しげしげと眺めたいとはさすがに言えない状態に、小さく呟く。
近づく気配>>29に気づいたのは、その時。
僅かに眉を寄せつつ深緑を向け、昨日よりはマシか、と見て取ると、手伝う、という仕種に頼む、と返して頷いた。
そんな、手が止まった隙に、訪れたものがあり]
……ったぁ……。
[よろめき、後ろに下がるベアトリーチェの姿>>32に、しまった、と思う。
出来れば、彼女には見せたくはなかったのだが]
……間、悪すぎ……。
[知らず、ぼやきが口をつく。
ともあれ、今は止めてしまった手を動かし、白の中に青年を包み込む。
ベアトリーチェの傍らにはイレーネの姿>>37も見えたから、後はそちらに任すべき、と判断した]
― 翌日 ―
[学者>>18が椅子から下ろして、失われたのがデザイナーなのだと分かった。横たえられるのを凝視しながら息を吸って吐いて吸った]
なんで、半分だけとか。
バラバラとか。
[そこに意味を見出そうとして、出来なかった。手伝うことがあればと、唇を横に引いて横たえられた遺体に近寄った]
─ 翌日/宿一階 ─
……わからん、ね。
じー様のあれも大概強烈だったが。
[近づいてきたフォルカーの疑問>>44に、は、と息を吐く]
ただ……こうやって見ると、まるで、あれだな。
……遊んでる……って、感じだよねぇ……そうだとしたら、趣味悪すぎるけど。
[半眼で吐き捨てる深緑には、珍しく憤るいろ。
それは一度目が閉じられる事で掻き消えて]
ま、とりあえず、二階まで運ぶか。
このままにしておくわけには、いかないしね……って。
ヘルムートくん、部屋、どこ?
[浮かんだ疑問は、完全に素、だった]
ベア?
[行商人>>37の声に顔を上げた。
蹲っている姿は見えなくて、背伸びして廊下を見た]
お水。持ってくる。
[コップを取りに一度厨房へ戻った]
― 回想/前日 ―
[ありがとうの言葉>>38に少女は緩く目を細め
それを口にしたフォルカーにのみ小さく頷く。
まだ辛いだろうと思えばそれ以上何かいうのは躊躇われた。
クロエが嘘を吐いているように見えなかったと彼が言えば>>39
少女は少しだけ考えるような間を置いて]
夢をみたのは本当かもしれない、ね。
夢は思っていた事や考えてた事、願った事をみたりも、するし。
[夢を語ったクロエが何を思っていたかは知れなかった。
事実が如何なのかも知れない。
けれど夢は夢。
事が起こる前に言ったように少女は夢を深くは捉えていない]
― 翌日/宿屋一階 ―
[廊下で蹲り咳き込んでいた少女の傍らに人の気配がして
案じる言葉が掛けられた>>37
それがイレーネの声であると気付けど
空っぽの胃からこみ上げ掛けた酸が喉奥に触れ
直ぐには顔を上げられなかった。
けほ、と何度目かの咳が零れ、漸くそれが収まりゆく]
――…イレーネ、さん。
[大丈夫、と強がるよりも少女は彼女の厚意に甘える事を選ぶ]
水、もらえると嬉しい。
[少しだけ嗄れた声音で、たずね>>40に頷いた]
あ……。
[フォルカーの声がして其方へと視線を向けるが彼は既に動いた後>>46]
― 翌日・一階 ―
[順番に人の姿が見えたが、複数いるならばそちらに任せてオトフリートを手伝った。
遊んでいる>>45、との言葉に微かに目を細めたものの。
部屋何処には、知らないのかよという顔を見せつつ、自分も知らなかったとか。]
― 宿一階 ―
どうして遊んだりできるの。
分からないよ。
[学者>>45が憤るところなんて見たことが無かった。
怖さを感じて肩を震わせ首を振った]
ごめんなさい、分からない。
父さんに聞いてみる。
[デザイナーの部屋は覚えてなくてそう答えた。
水を取りに行くついでに聞いてくることになるが、修道士は知っていたかもしれない]
――…ん。
[死を悼む姿にへなりと眉尻を下げる。
惨状に驚き、恐怖し、終わっていない事に絶望を感じた。
ヘルムートとは交流が少なかったせいか
死を悼み悲しむという事をすっかり忘れていた事に
少女は普通をどこかに忘れてきたような気持ちになる]
─ 宿・一階 ─
……あのねー。
部屋行き来するような付き合いがあった訳でもないんだから、さすがにそこまでは知らんって。
[見えた表情に浮かぶもの>>50に、無駄にきっぱりと答える。
遊んでいる、という言葉への反応には気づいても、その場では何も言わず]
俺にも、わかんないね……というか。
……わかりたくもない。
[首を振るフォルカー>>51の様子に、一転、静かに呟いて]
ん、頼むね。
[聞いてくる、という言葉にはきっちり甘えて送り出した]
[ベアトリーチェの表情は無残な死体を見たせいだろうと思い、その頭を優しく撫でる]
昨日で、終わればよかったのにね……
[残ったのは疑えない、疑いにくいものばかり。
どうしたもんか、とため息をつく]
― 宿一階 ―
[グラスと水差しを出しながら、奥に戻っていた父親にデザイナーの部屋を聞いた]
上がってすぐの部屋だって。
[修道士>>50も知らなかったようなので、聞いてきた部屋を伝えた。
配膳台の上におくと一杯汲んで少女>>53のところへ持っていく]
大丈夫…?
[平気なはずはないと思いながら聞いた]
[優しい手の動き>>54に少女は少しだけ表情を緩める。
イレーネの言葉に微か、頷く気配]
ん、終わってなかった。
クロエさんが人狼で終わりだと、思ってたのに。
でも、ヘルムートさんが、襲われて……
[元歌姫を手に掛けたデザイナーは人狼でない事を知る。
ならば、誰が――?
けほ、と嗄れた咳が言葉を紡ぐのを邪魔した。
微かに柳眉を寄せて少女は考えた事を口にする]
人狼はひとりじゃない?
[少女は少年の言葉を疑う事無く
自分の知る其れを組み立て、整理してゆく]
[フォルカーの尋ねに少女は其方へ顔を向けた。
汲まれたばかりの水を少年から受け取り>>55
少女はこくんと喉を鳴らし一口水を嚥下する。
喉を苛んでいた其れは水に溶けて薄れていった]
ありがとう、フォル。
ん、少し、落ち着いてきた。
[大丈夫の代わりに仄かに微笑をみせる]
─ 宿・一階→二階 ─
ん、ありがと。
……じゃ、ここは頼むね。
[戻ってきたフォルカー>>55から目的地の場所を得ると、静かな口調でこう言って]
じゃ、さくさくと行くとするかぁ。
いつまでも転がしとくのは、さすがに悪い。
[横たえたままの亡骸を見やり、それから、ライヒアルトの方を見て。
一方を支えてもらう形で、二階の部屋へと向かった]
― 宿一階 ―
[きっぱりされた説明>>53には、ひらひらと手を振り『へいへい』とこちらも無駄に手話付きで返した。
こちらの反応にどう思ったか、当然知る由も無く。
フォルカーの言葉が見えて>>51、それにも少しだけ目を細めるが、口に出来る言葉はなかった。
友人と同じようにフォルカーを待ってから、返事>>55を聞いてそこへと向かおうと。]
[イレーネの労>>57いに小さく頷く。
此処に容疑者を集めた自衛団長はもういない。
彼は人狼が何人いるか知っていたのだろうか。
もう容疑者として集められた者は半数近くまで減り
自分を含め六人しか残っていなかった]
まだ居るなら、誰なんだろ……。
如何してヘルムートさんをこんな風に……
[半分を失った彼の姿を思い出し柳眉をきつく寄せる。
人には出来ぬように思う行為。
未曾有の危機と語った自衛団長の思いが
今、少しだけわかったような気がした]
─宿・二階 個室─
[教えられた部屋に入ると、亡骸を今までと同じようにベッドに横たえ、短い黙祷を捧げる。
自身の『恩人』をその手にかけた青年に、思う所がなかったわけではないが]
……だからって、こんな最期は迎えてほしくなかったんだけどねぇ。
[は、と零れるのは嘆息。
それから、そんな感傷めいたものを振り払うように首を振って]
……で、だ。
亡骸の横で切り出す話題としてどーか、とは思うんだけど。
ライヒ、お前、さ。
……何を、どこまで、知ってんの?
[静かに投げかけたのは、こんな問いかけ]
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