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[駆け抜けるペンギンに ぽふぽふーん と
真っ白な魔法生物たちは弾き飛ばされていきます。
けれど、外より中のほうがふわふわは多くって。
つるっ
とうっかり踏んで滑ったのが運のつき。]
[ しゃーーーーーーーーーーっ ]
[ ぼふんっ ]
[そのまま談話室にだいびんぐ。
ふわふわの大群にぶつかってストップしました。]
―回想―
[クロエが治癒魔術を使うのや、ゼルギウスがウェンディの血を吸うところを、ふふっといつもどおりの笑みを浮かべながら見ていたところで、ローザにいなくなった面々のことを話しかけられ]
ええ。食堂のふわふわを追い出すんですって。
…働き者よねぇ…んふっ
[ライヒアルトがお人好しという言葉にはこっそり頷いていた
そうこうしているうちに寮母の登場とともに調べたことを聞き、続いてカヤからギュンターのことも聞いて]
―回想終了―
[二度目の治癒魔法の成功?にほっとした時、いきなり部屋が一瞬白くなり目が眩んだ]
何、今の――。あれ?カヤ先輩とウェンデル先輩がいない
どこに行っちゃったのかしら?
[カヤが逃げてウェンデルがふわもこに埋まっていることなど露知らず。きょろきょろしていると、突然何かが談話室に飛び込んできた]
・・・えっと、ペンギン?
[ふわふわの大群にまぎれているペンギンをじーーと見た。
穴が開くくらい見つめた]
…あらぁ?残念ねぇ。私も触ってみたかったのに…
[ほぉ…っと嘆息して、光には些少目が眩みながらもウェンディを羨ましげに見る…つもりでふわふわのなかで見失って]
ペンギン?
[クロエの声にそっとみた、ペンギンだ。ふわふわとペンギンだ]
[ギュンターを探し歩き、外から寮内へ入ろうとして。
自分の腰辺りの高さの何かが横を通過して行った]
……カヤ先輩?
[服装他を見れば彼の先輩なのは明らかなのだが。
疑問符が浮かんだのは普段見られぬ長い髪やちょろりとはみ出た耳のため。
声はかけども止まりそうにない相手をそのまま見送り、青年は寮内へと入る。
向かう先は皆が居るであろう談話室]
[目を回しているペンギンに近づいてみる。つんつん突っついた]
ペンギンさん、大丈夫ですか?
あら。ゴミを一杯くっつけてますね。
[ペンギンの傍にしゃがみこんで、丁寧にゴミをとる。と、やおらペンギンの左前脚を手にとり、不思議そうな表情を浮かべた]
[廊下でふよつくふわふわを避けながら歩み進めて。
辿り着いた談話室の扉を開ける]
………。
[中がふわふわだらけになっているのを見て速攻で閉めた]
…何か食って来よ。
「ライ…良いのか? あれ」
特に害はないだろ。
[鴉がおろつきながら青年に訊ねるが、即答されて黙りこむ。
ふわふわを掻き出すような労働はもうしたくないのが心情]
[ はっ ][ ふるふる ]
[つんつんされて、くるくるがぴたり。
まんまるのひとみが、クロエを見上げました。]
[ごみを取ってもらうのは少しくすぐったくて、
じたじた暴れかけたのですけれど、
不思議そうなかおを見て首を傾げます。]
あーえーとー。
…どうしようこれから。
[とりあえず食堂掃除と腹ごなしは済んだ。
他にやることとなると、やっぱり例の原因探し、になるわけだが。
とりあえずさっきのアレが成功したかどうかもままならないのが。]
うーん、やっぱりも一回、人の多いところで使った方がいいよなぁ。
またすっぽ抜けても最悪誰かに当たればいい、はず!
[とか前向きに考えて。
人の多いところといえば、とりあえずさっきの談話室くらいしか思いつかないもので。]
わ、私談話室にいってみます!
食堂片付いたって言ってもこようかなーっと。
[そんなこんなで杖もったまま、食堂を出ようと入り口に走ってって。]
─回想/談話室─
[心境を一言で説明すると]
……何がどうしてどうなってんのよ。
[で、終わった。
寮母を見送った後、ウェンデルの遺言?を聞き。
その後にやって来たカヤと情報を交換した後の魔力の波動。
あふれ出るふわふわを見た瞬間──]
あ、あたしもう、無理だかんねっ!
こんな大量の、さばききれないからっ!
[カヤの耳とか、埋もれたゼルギウスとか、突っ込みいれてる余裕はなく。
即行、開いた窓から離脱していた]
[ペンギンが首をかしげるのを見て、慌てて前足を離した]
あ、起きました。よかったですね。
暴れちゃ駄目ですよ。ほら、ゴミがまだ付いてます。
[頭についていた大きなゴミを取ると、頭を一回撫でた]
もしかして、ペンギンさんも魔力で生まれたのですかね。
ふわふわみたいに大量発生しちゃうのかしら?
[疑問を口にした]
─そして現在、上空─
[離脱後、最初に目指したのは上。
寮母から聞いた結界の範囲や強度など、確かめたい事は色々とあったから。
……ついでに、上空なら、ふわふわも数が少ない、と思ったのも、ある。のだが]
……甘かった。
こいつら、気流にのると何時までも飛んでるんだっけ……。
[何かの弾みで気流に乗ったのか。
高い所にもふわふわはふよふよと]
んー……。
[つんつん。
ぺたぺた。
ぺしぺし。
……げしっ]
物理攻撃も、ダメか。
アーデル姐さんクラスで転移できないんじゃ、あたし程度じゃ無理よねぇ……。
アストラルサイドにも、干渉あるって事でしょ?
[傍らに浮かぶ真紅の龍に問えば、返るのは肯定]
……はあ。
打つ手ナシ、か。
[更に移動した先は食料保管庫。
先のこともあって食堂に向かうつもりはなかった。
まだ彼女らが居るかも知れないため、顔を合わせ辛い]
果物でも何かあれば…お、みっけ。
[収穫済みの林檎を二つ三つ失敬して左腕に抱え込む。
食料を確保すると再び外へと向かった。
中に居てはまた何かに巻き込まれるような気がしたためでもある]
[外と言っても寮から然程離れるでもなく。
傍に生えている樹の根元に座り、しゃくりと林檎に齧り付いた]
とりあえず、ここにいても仕方ないし。
……降りよ。
[やっぱり、まだまだ疲労は残っているようで。
はふ、と息を抜いて下へと滑空する。
いつもなら、何て事のない着地動作──なのだが]
て、ちょっ!
[着地予定ポイントに、ふわふわがいたもんだから。
慌てて回避しようとして、目測を誤り、結果]
[離された左の手とクロエとを交互に見たのはいっとき。
それからはカルメンに視線を奪われていたのでした。
零れ出た疑問には ふるふる ふるる と首を振るのです。
いっぱいの自分を考えたら、ちょっとこわくなったみたい。
でも、この状態だとうまく喋れないものですから、辺りをきょろきょろ。]
─外─
[しゃく、と何度目か林檎を齧ったところで。
目端に空から降りて来る何かを捉える。
視線を向けて眺めていると……]
………。
[コケるのが見えました。
もしゃもしゃ林檎を租借しながらコケた誰かを眺め見てたり]
……いったたた……。
[普通なら、両足でちゃんと着地できる所が、結果は前方飛び込み姿勢でスライディング。
傍目には、白と黒の塊の墜落と見えるかも]
あー……誰もいない……よ、ね?
[さすがに今のは間が悪すぎる、と。
慌てて起き上がって周囲きょろきょろ]
[カルメンの言葉に目を見開いた。ペンギンはその言葉に頷いている]
え、獣人・・・ですか?ペンギンの?
すみません、僕、今までペンギン型の獣人を見たことがありませんでしたので、てっきりふわふわの仲間だと思ってました。
だって可愛いし。ごめんなさいね。
[ぺこぺこペンギンに謝った]
[しっかり一部始終見ていましたとも]
……大丈夫か?
[声はかけるが林檎を食べながらのまま。
手を貸す素振りは見せない]
[よもや見られていたとは思わず、なんとなく凹んだかも知れない]
あー……うん。
一応。
[かけられた声に、こっくり頷く。
その場に座り込んでいるのもどうかと思いつつ。
立ち上がるには、まだしばらくかかりそうだった]
うん、何とかね。
色々あって、疲れてるだけだから。
[近づいてきた鴉の問いにも、一つ頷いた]
ええ、ペンギン型…よぉ
だってほら…気配がねぇ
[とクロエに曖昧な説明。探査系の魔術というほど高級でもない常時持っている感覚であるが、言葉で言うには難しく]
ふふっ。そうよねぇ…可愛いわ…あら?
[空腹の音に少し瞬き]
何かあるかしらぁ?
[そういえば食堂にいった面々が戻ってきてないなぁと思い出し]
疲れてる、か。
まぁ、この状況で疲れない方が不思議な気がするけどな。
[自分もあれこれあり過ぎて今休憩を取っているような形でもあり。
ゲルダの言葉に納得しながら、再び林檎をしゃくり]
…食うか?
[唐突に訊ねながら、ぽんと林檎を一つ宙へ投げる。
鴉がその落下地点に滑り込み、ボレー状態でゲルダへと林檎を仲介した]
アーデルさんから話は聞いたか?
結界が強固過ぎて破壊での脱出は無理そうだ。
ギュン爺とは連絡取れねーっつーし。
気配でわかるのですか。
うーん、僕はまだひよっこだから全然気配とか分からないんです。
[カルメンの言葉に感心し、そして響いたお腹の音が聞こえれば、ポケットの中をがさごぞ]
前にカレーが合ったような気がしましたけど、もうふわふわに埋もれてどこにあるのかわかりませんね。
あ、飴がありますけど、ペンギンさんは魚の方がいいのかしら・・。
[非常食代わりの苺飴をペンギンの左手に持たせてみる]
[可愛いと言われてうれしくないわけはありませんから、
くちばしをあんぐり開けて キュウ と小さく鳴きました。
何かあるかしらのことばに、期待をこめて、きょろきょろり。]
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