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― 宿直室 ―
[掠れた春陽の呟き>>89にピクと肩が震える]
……何、が
[はじまった、と言うのだろう。
響の死が、そのはじまりだと言うのか。
問おうとした言葉は思い詰めたような眼差しを前に飲み込まれた。
やがて紡がれた春陽の言葉>>90にゆるく頷く]
――…ああ、そう、だね。
[同意の言葉を向けるが直ぐに動く気配は無い。
凶悪な殺人者がいるかもしれぬこの学園内で
一人になるのは危険だとも思うから
春陽が宿直室を出ようとすれば学長に促すような眼差しを向けた]
―― 保健室 ⇒ ――
[リネン類は実は重い。
ふらふらしている人だけに持たせるわけにはいかないから。
両手で自分ももてるだけ抱えて、マコト達が向かう場所へ]
[鉄錆の匂いが強くなれば、抱えたシーツにうつむいて。
色々とこらえていた。
彼らが、目的地にたどり着くまで]
─少し回想/パソコン室─
[桜子に促され>>56パソコンから離れると、彼女の側の椅子に腰掛けた。
一言二言は交わしただろうか、それすらも記憶に残らぬ程不安に苛まれ、しんと静まり返った広い室内がそれを余計に掻き立てた。
それでも、何か話して気を紛らわそうとした時。]
マリーちゃん。良かった…って…一人なの?
高峰君、見つからなかった…?
学長も二人のこと、探しにいったんだけ、ど…
…佑、が?
[マリーの返答は、響にも学長にも会えなかったことと、佑が響を探しにいったというもので。
響の親友である幼馴染なら彼の行き先も分かるかもしれないと思ったけれど、それよりもパソコン画面で見たあの不吉な文章から嫌な予感をひしひしと感じ、表情がまた青褪めた]
―宿直室―
[途切れた言葉に、答えは返さなかった]
……おれ、行ってきますから、
諏訪先輩は、ここに。
[同意の言葉を発した佑一郎>>97に目を向けて、言う。
学長が共に来るなら、少し戸惑うような視線を室内に向けたが、特に何か言うでもなく。
パソコン室へ向かう足は、少しずつ速度を増して行った]
─ →パソコン室─
[戻ってきたパソコン室で、最初に目に入ったのは、安堵したような桜子の姿>>82]
……なんぞ、あったん?
[問いかけの言葉は、期せずして友梨と似たようなもの。
状況の説明は友梨に任せて、一先ず、持ってきたトレイを手近な机に置いて]
……おま、明るいなぁ。
[周囲との温度差を作る友梨に突っ込みを入れたりしつつ。
パソコン画面の変化の話を聞くと、一度友梨と顔を見合わせた後、そちらへ向かう]
[桜子がマリーにパソコンの画面が切り替わっていることを教えるのも、マリーがそれを聞いてどう動いたのかも気にかける余裕はなく。
どうか、ただの悪戯であって欲しいと祈るしかなかった。
桜子が外の様子を見にいくと言い出すまで、何も話さなかった。
話せなかった。]
─回想・了─
……ホントに、かわっとる、な。
[見慣れた文章。ほんの少し、表情が険しくなる。
>>93 桜子の、祈るような呟き。
>>94 それを聞いて、自分の方を見る、友梨。
すぐにはそちらを見ずに、一つ、息を吐いた]
……そう、だな。
確かめんと、あかん、これ。
[やや間を置いてから、低く呟く。
その声には、いつもの軽い響きはほとんどなかった]
─パソコン室─
…桜子ちゃん?
……気持ちは分かるけど、せめて、誰かが戻ってくるまで待っていよう?
戻ってきたら、私も一緒に行く、から。
[立ち上がった桜子>>82に、自分も同じよう立ち上がりその肩に手を乗せた。
本当は、自分も幼馴染と、その親友である彼のことが気がかりで落ち着いて待ってなどいられなかったけれど。
後輩を一人で行かせるわけにも、一人置いて出ていくわけにも、この部屋を空けるわけにもいかないと思い、それを堪えていた。
だからこそ、慎太郎と友梨が戻ってきたのを見ればほっと表情は和らいだ。
けれど戻ってきたのが二人だけと気付けば、それはすぐに案じるものに変わった。]
― 宿直室 ―
気をつけるんだよ。
[何に、気をつければ良いのかも分からないけれど
パソコン室へと向かう春陽に声を掛け見送る。
ここに、とその心遣いが有り難かった。
入れ違いに現れた春>>100が見詰める先にゆると眼差しを落とす]
――……。
[何を言えば良いのか分からない。
言うべき言葉が見つけられず沈黙の帳が下りる]
―― 宿直室前 ――
[ぽとり]
[ぽとり]
[抱えているリネンや毛布に、しずくが落ちた。
奥歯を食いしばっても、食いしばっても、落ちるそれ]
[目的の場所から、人影見えた]
……な、にが、あったんです、か?
[荒い息をしながら問うてみた]
非常口、まっか……、で!
[後は言葉にならない。
答えが返ってきても、こなくても、彼が行く先を邪魔しない。
宿直室に飛び込むアズマと裏腹に、その外。
視界に何かが入らないよう、廊下に背をつけた。
ずりずりと、力が抜けていく]
―1F廊下―
……あ、
[幼馴染に声を掛けられて>>99立ち止まる。
その横を通り過ぎて行く春のことは目で追うだけで、引きとめることはできなかった。
春枝>>108の声も届いて、少し口を噤んでから]
高峰先輩が、
[小さな声の続きは紡がれない。
けれど宿直室へ向けた視線と、漂う臭いから、その先は知れただろうか]
二人とも、おかえりなさい。
あの…二人だけで、戻ってきたの?
高峰君とか、学長とか…佑、諏訪君とか、会ってない?
[友梨からコップ持ってきましたよ、と明るく声をかけられるとぎこちなく微笑んでありがとう、と礼は言ったものの。
二人からも響達に会わなかったと聞けば、表情は翳る。
桜子からPCの画面が変わったことを聞いた二人がそれを確認するのも、不安げな表情で見守った。
重い空気が室内を包んでいるかのように感じられた。]
あの、さ。
[その空気を無理やり払うように、できるだけ明るい声で皆に声をかける。]
友梨ちゃんたちも戻ってきたことだし、今度は私が外出てもいいかな。
うちの部室の方、たしかレトルトとか置いてたはずだし…
携帯コンロもあったかもしれないから、それも探しといた方がいいかなって。
そんなわけで、誰か荷物もちに付き合ってくれる?
[そう言って笑顔を向けた。
それに返事をくれる人はいたろうか。]
[幼馴染は何か答えただろうか]
……パソコン室、見てくる。
多分、人、いるだろうから。
[それだけを言って顔を背け、足を進める。
背を向けた後の春枝の様子>>109には気付けなかった]
─パソコン室─
ん、ああ。
じっとしてても、気ぃ、滅入るでしょし……。
[蛍子の言葉と、それを受けた桜子の言葉に、はあ、と一つ息を吐いて頷いた]
誰かのこっとらんと、行き違い続きでまずいでしょーし。
留守番、引き受けますよ。
[ハルヒの答えが浸透してくるまでは、少し時間がかかった]
……高……峰………?
なんで? ちがう。どうし、て?
[水の覆いがかかる瞼を大きく開けて。
呆然と呟いた]
─パソコン室─
だなぁ。
お前、少し落ち着いて休憩した方が良さそうだわ。
[>>119 大人しくしてた方が、という友梨にうんうん、と頷いて]
それ、謝るところか。
……んでも、気ぃつけてな?
なんぞ、みょーな感じ、するし、な。
[>>120 申し訳なさそうな桜子には、ひらひらと手を振りながらこう言って送り出した]
ありがと、それじゃお願いして良い?
…て、キユリちゃん怪我したの?
絆創膏持ってる?なんならついでに取ってくるけど。
[慎太郎と友梨が留守番を引き受けてくれるのを聞けば微笑んだものの、友梨が指を切ったと聞けば眉を寄せ心配そうに見つめ。
森たちが持ってくるはずと聞けば、そう、と少し安心したように表情は和らぐが無理しちゃダメだよ、とをかけるのは忘れなかった。
そして、桜子に握られた手をぎゅっと握り返して。]
それじゃ、行ってきます。
佑たちのことも探してくるつもりだけどしばらく探しても見つからなかったら戻ってくるから。
[そういって、桜子と一緒に部屋の外へと出た。]
―2F廊下―
[階段を駆け上がると息が切れたが速度は緩まない。
程なくパソコン室が見えてきたところで、川島は足を止める。
丁度、目的地から出てくる姿>>120があった為に]
百之喜さん、
[そのうちの一人の名前を口にした]
― 宿直室 ―
――…響はこんな姿誰にも見せたくないと思った。
だから、ボクがシーツを掛けた。
[眠るような姿勢の響を見詰めたまま
春の問い掛け>>121にポツポツと言葉を返す。
此方へと向けられた視線を感じれば顔を上げて]
……ン。
[確認するような声に小さく頷いた]
おかしい、って、何で?
─2F廊下─
あれ。川島、君?
[桜子と二人外に出ると、少し先で立ち止まっている春陽の姿を見つけた。
どうしてそんなところで、と不思議に思い声をかけそちらに近付いた。]
どうしたの?露島君は一緒じゃ…
あ、そうだ、高峰君に会わなかった?
佑と学長も探してるはずなんだけど。
─パソコン室─
はいな、任されました。
ああ、絆創膏は、はるさんたちに頼んでありますんで、大丈夫ですわ。
[>>123 蛍子にも、やっぱりひらひらと手を振って送り出す]
……とにかく、気ぃつけて。
[短くぽつりとこう言って。
視線はまた、パソコンの画面へと移ろった]
─パソコン室─
[無機質にシスメを映す画面を、しばらく睨むように見ていたもののやがて、ふい、と視線をそらす]
ま、一気に色々おきたしなぁ。
休める時に休んどいた方がいいと思う。
……今のうち、って可能性もあるしな。
[>>129 冷や汗たらす友梨に、口調だけは軽く言う。
未だに完全容認に抵抗しているモノが現実だとしたら。
下がる後ろは、もうないような気がするから]
─2F廊下─
一之瀬先輩も。
……誠とは、さっき会ったんですけど、その、
[そのすぐ後ろに蛍子>>126の姿。
いざ問う声が上がれば、一度躊躇うように口を噤み。
ややあって、重い口は再び開いた]
高峰先輩、非常口で、血を流してて。
……多分、殺されたんだと、思います。
[言いながら相手を見ることが出来ずに、視線は床へ落ちた]
今は、宿直室に。
諏訪先輩も、一緒にいます。
― 宿直室 ―
ボクも信じられない。
響が、こんな事になるなんて、信じたくない。
[春の言葉>>130と姿が先ほどまでの自分と重なるような気がした。
痛みを堪えるように柳眉を微かに顰める]
春……。
[毛布に隠れ見えなくなる友の顔。
その姿を見詰めながら名を紡いだ]
ボクにも、わからない。
けど、――…これは現実で、
響の命を奪ったヤツが未だ近くに居るかもしれない。
[非常口で倒れていた響にまだ温度が残っていたことを思い出し
抑えた声でぽつ、と呟いた]
[もし許されるなら。
一人ででも、今すぐに駆け出して。
幼馴染の側に行きたかった。
かける言葉など、何も持ってはいないのだけれど。]
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