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→ 集会場・広間 ―
[その保父の掌が、亡くす象徴の赤に染まっている事は、恐怖でしか無い。過去に彼が流血した際にも、他の子供より蒼褪めて取り乱したように思う。
それでも、年下にも関わらず気丈なミハエル>>104たちの姿も在ったため、平静を保とうとは努めた。幸い、団長の姿は部屋からの遠目にしか確かめて居なかったから、踏ん張れる。]
…クレム兄さん、……うん。
[唯、手を洗うという声には、安堵したように頷いてみせただろう。
広間へと自分も足を戻し。]
……団長さん、は。
[それから、誰へともなく、ぽつりと問うように呟いた。
――ライヒアルトとエーリッヒが目にしている、白き壁>>86>>98の存在は、未だ知らない。**]
― 集会場・外 → 広間 ―
[立場上、といった自分の言葉には、無意識に『人の上に立つべき貴族として』と、『人々の指導者・蒼花を持つ者』としての、両方の意味を含めていただろうか。
クレメンスが眉根を寄せた様子>>106には、僅かに首を傾げたものの。
相手が伯父だとまだ知らないので、単に年少者に対する気遣いだと思って特に気にしないことにした。
もしかしたら、コートにはべったりと赤い手形がついたかもしれないが>>100、今はそんな事を気にしている状況じゃない]
ブリジットさん、貴女は中に……
[自分の名を呼ぶ声>>109が聞こえれば、振り返り。集会場の中に促そうとしたが、その前に彼女の顔色は悪くなっただろうか]
大丈夫ですか?
[ユーディットがその場に駆けつけているようなら、彼にブリジットを支えてもらうように頼んだろうか。
屋内へ戻る時には、自分もブリジットを支えようとしただろう]
― ライヒアルト&エーリッヒが戻った後・広間 ―
[ライヒアルトとエーリッヒによる、村へ続く道を塞ぐ白い壁の報せを受けたのは、広間で紅茶を飲んでいる頃になるだろうか]
自衛団もすぐには来れない、ということですか。
[閉ざされた場がつくられた事を知ると同時に、屋外に放置されている遺体の事を考えて]
…………では、ギュンターさんをあのまま放置しておくわけにもいきませんね。
[この場に居る中であの手の遺体に免疫があり、それなりに腕力がありそうなのは、クレメンスとユーディットと、自分くらいだろうか?
彼らの協力が得られるようならば、ギュンターの遺体を別の場所へ運び、雪による仮の埋葬を行なう事を提案する。
クレメンスが上着をかけたとはいえ、あのままにしておけば、ベアトリーチェや他の女性の目にも付くだろうと思えば、人目につかない場所へ移動しておきたかった]
現場を荒らしたとかなんとか言われたとしても、ボクが責任を取りますから。
[自衛団がこの場に駆けつけた際に、自分が生きていなかった場合は責任は取れないが。
その場合でも、『貴族の我侭』があったとなれば、彼らが必要以上に責められる事はないだろう**]
― 前夜/台所 ―
知らないうちに置かれてた荷物で転んだ?
そうか。ビーチェ、痛かっただろう。
たまには自分の身でも覚えないとなあ。
まあ、待ってろ。ここで逃げて化膿させたら自業自得に数えるぞ。
そん時は痛いどころじゃ済まないと思っとけ。
[自分が置いたのではないけれど、いつもはやられる側。犯人である少女を脅かすように言った。
薬はブリジットの言い添え>>72の効果もあって復讐抜きだったが。
すり傷の方は痛みなしともいかなかろうが、普段使う消毒薬よりはずっと沁みなかったはずだ]
この程度ならこれでいい。
いつもこうはいかないから、気をつけろよ。
[普段の自分は棚上げに、そんな忠告をしたりもして。
水を飲み、台所から出る時にはチラチラとユーディットを気にしていた。蒼花と思しき徴>>65が晒されている意味が汲み取れなくて。
そういえば幻燈歌も知らないようだったと気がつくのは、部屋に戻ってからだった]
― 昨日・台所 ―
[>>49ブリジットの謝罪が聞こえたら、気にしないと告げるだろう。]
そんな気にしちゃ駄目よ?むしろ私の方はほら、後で残り物食べたりする方が慣れちゃってるから、人より先に食べるのって落ち着かないの。
[だから平気なのだと告げて。>>67ブリジットに花の事を問われるとちょっと苦笑した。]
あ、これ?
えーと、……まぁそんな感じ?
[はっきりそうだと言わないのは、これを入れた経緯がまぁちょっと今となってはこっぱずかしい物だったりするのが原因だ。
だからなるべくミハエルの前でも長袖着て見せないようにしていたはず。まぁうっかり見られていたかもしれないが、それはそれだ。]
[>>69ベアトリーチェの視線も感じると、にっこり笑って。]
そーそ、青いお花よー。綺麗でしょ?
[と言った。つまりは主への賛辞へと代えられるのだが。
ベアトリーチェが薬を嫌がってそうな様子はわからなくはないので笑って。ゼルギウスが丁度よく台所を訪ねれば>>70、汲み置いてある飲み水用の桶から一杯コップに注いで渡しただろう。]
ゼルさんもいい匂いねー。
みんないい石鹸使ってるなぁ。
[とは彼から香るラベンダーの香りに反応して笑む。
まぁエーリッヒといいゼルギウスといい、男ばっかりがいい匂いなのもどうかとも思うのだが、それはそれ。当然ミハエルは除く。
戻るとミハエルもジュースは飲み終えていただろうか。ベアトリーチェが飲むというのなら同じように給仕し、ブリジットにはスープを渡して、その辺りの片付けも全て終えてから部屋に戻った。
おそらくだいぶ遅くなっただろうが、すぐ寝入った為に物音があったとしても気づく事はなかった。]
[翌日。寝入りが遅かった割には早く目が覚めたわけだが、完璧な身支度をして扉を開けるまでにはまた少し時間がかかり。結果クレメンスの声が微かに聞こえてから、何事かと部屋を出て行き目にした物に、流石に驚きは隠しきれなかった。]
―――…っ。
ギュンターさん………。
[惨劇から目を逸らせない。が、クレメンスがしている用に周囲を確認するが、たどり着いた頃には彼やライヒアルトの靴後しか見あたりはしないか。
顔色があまり変わったように見えないのは、しっかりしてある化粧のせいだろう。
ともあれその後にブリジットが来たなら>>113ミハエルの頼み通り彼女を支えて。ある程度、室内まで運べば一度、>>104お茶を用意する為に台所へと向かうだろう**]
― 前夜/個室A ―
俺のは石鹸じゃなくて製油だけどね。
そこまで細かい準備はしてこなかったから、代用品。
こう女性も多い場所で汗臭かったりしたら悪いだろ。
[いい匂い>>117と言われて笑い返した]
ユーさんが支えるべきものなのか。
もう一輪はどこかに咲いているんだろうか。
[ありがとうと水を受け取った時に見えた腕には蒼い花があった]
なんだか男っぽい手だよな。あれ。
主従で逆にしてる意味って何かあるのかね?
[ベッドに腰掛け、しんしんと降り積もってゆく雪を見ながら呟く。
思考が横道にそれがちなのは、外に出さないようにしてるつもりな不安のせいだったか。
集中しきる前に、視界は白一色に塗りつぶされていった]
あ……。
[真白の中に、少年の姿が浮かび上がった。
動揺して首を振ると、それは少年の格好をした少女の姿に変化して固まった。変化する前と変わらず、足元にある影は等身大の姿のまま。人間だと確信する]
うん……。
[トサッと仰向けに倒れこむ。
軽い酩酊感にも似た感覚に、大きく息を吐き出した]
何とも変な気分だ。
しかしこれ、本人に伝えようか、ユーさんに伝えようか……。
[視界はまだ白いものに覆われたまま。
手探りで布団を捲って中に潜り込み、後は意識が落ちてゆくにまかせた]
― 翌朝/個室A→集会場外 ―
[大声>>77によって夢の中から現実に戻ってくる。
階段を駆け下りていった足音>>84に目を開く。
機嫌の良くない顔で部屋を出た。エーリッヒ>>93の後に続くように外まで出て、無残な姿に息を呑んだ]
検視、するまれもなく見えるけど。
一見しただけでも中身が足りてない。
死因が分かってればこの場合、十分すぎるだろうし。
[エーリッヒとクレメンスの遣り取りに口を挟む。
ミハエルの声には少し早く気がつくも、反応は二人の方がずっと早かった]
確認しておきたいなら、俺は止めない。
[ユーディット>>118にも同じように言って、目を閉じ冥福を祈った。着いてからずっと眉は寄りっぱなしだった]
─ 集会場を離れる前 ─
[エーリッヒやクレメンスがミハエルを制止する時も、特に声を上げる事はせず。
己の呟きに同意するクレメンス>>101の言葉に、そうですね、と頷いてから村へと向かおうとした、のだが]
……それは、いいけど……大丈夫、か?
[同行する、というエーリッヒ>>96に、僅か、眉を寄せて問い返す。
足取りの覚束なさを案じてものだが、強く押し留める事はしなかった。
そうして、白の壁の前へとたどり着き──]
─ 村へと続く道 ─
[やや遅れて到達した後、しゃがみ込んだエーリッヒの様子>>97に、眉を寄せて。
一つ、息を吐いた]
そう、だな……。
村の方がどうなっていか次第……では、あるけれど。
すぐに手を差し伸べてもらえるかと言うと……難しいか。
[春まで、という言葉>>98は否定できず、自然、天鵞絨には険しさが乗る]
自衛団が、どれだけ団長の身を案じているか次第、な気もするけれど。
……とにかく、集会場へ戻ろう。
ここにいても、凍えるだけだ。
[静かに紡ぐ様子は、やはり、冷静さを失しておらず。
状況を、粛々と受け入れているかの様。
それを指摘されたとしても、未だ無自覚の事について説明する事はできぬのだが]
……立てるか?
[それでも、案ずるように問いかけながらエーリッヒに手を差し伸べる様子はいつもと変わらぬもの。
手は取られたか、否か。いずれにしろ、エーリッヒが動けるようなら、集会場へと取って返す。
道中、常ならば一度は胸元へと伸びているであろう右手は隠された十字架に触れる事はなく、ただ、緩く握られたままだった]
……あ、そうだ。
ありがと、な、あれ。
[雪道を進み、集会場が見えてきた所でふとある事を思い出し、短くこう告げる。
あれ、とは土産の事か、添えられていたメモの事か。そこに触れる事はせず]
……折角見つけてきてくれたんだから、ゆっくり聴けるといいんだけど。
[もし手に入るようならば、と、頼んでおいたのはとある曲のオルゴール。
記憶に微かに残る、実の両親が奏でていた曲と良く似た旋律の物がある、と聞いて求めたもの。
短い言葉に返ったのは如何様な返事だったか。
いずれにせよ、集会場へ戻るまでは、天鵞絨は穏やかさを宿していたものの。
戻った先で、雪崩の事を伝える時には、それは冷たい険しさに摩り替わっていた。**]
そだな。ここにいても寒いだけだ、へへ……
外から助けを来ること信じて、俺らにできるのは待つことばかりか。
そだな。
なぁ、ラーイ。俺も人狼っていうの、まだピンとこねえ。こんなことになっても、単にギュンターの爺さんは、熊とかに襲われただけじゃね? とか……
馬鹿かな、俺。
[小さく頭を振り、集会場への道を戻る。酔いも冷めよう、この現実。足取りは重けども、行きよりも確かだった]
[口数は少なくなった。重くもなる。逃げ道はなくなって、人殺しのナニカと一緒に同じ空間に取り残されたのは確定的なのだ。
少なくとも帰り際の道中にて話しかけられて]
どういたしまして。
まー、気楽に頼んでくれ。こっちも帰る楽しみが増えるからさ。
[こっちも安堵する。こういう時でも、昨日から続く今日は確かにあったのだと知れて]
[そして、神妙な表情で集会場に辿りつく。
冷静に状況を伝えるライヒアルトに対して、こっちは、「自衛団が気付いてきっと助けにきてくれる」と前向きに激励するのに徹した。**]
─ 広間に戻る途中 ─
[一番最後に戻る心算だったが、ゼルギウスの言葉>>122も尤もで。
粗方戻ったのを確認してから、ライヒアルト達のことを任せて先に中へと入る。
玄関へと足を踏み入れた時、反対の扉からブリジット>>109が現れる姿を見た。
外には出るな、と伝え、その直後に見えた表情に、はた、と左手に視線を落とす。
極力赤が見えぬよう、ぎり、と左手を握り込んだ]
[思えばブリジットは幼い時から血に怯えていたように思う。
まだ料理に慣れていない時、手を切った自分を見て酷く取り乱したこともあった。
彼女を宥めるにも苦労した程。
今回は彼女も何とか落ち着いているようだった>>112から、洗ってくっから、と告げて安心させ。
クレメンスは着替えを取りに個室へと向かった]
─ 2階 個室E ─
んっとに、随分と懐かれたな、あん時に比べりゃ。
[鞄から右手だけで着替えを引っ張り出しながら思い出すのは、ブリジットを引き取った時のこと。
詳細は知らされず、両親を失った子だと告げられて引き取った当時、全く懐かれず、言うことを聞かず。
そんなブリジットにはほとほと手を焼いた。
当時、自分がまだ保父としての仕事が不慣れだったことを差し引いても、だ]
[それが急に変わったのは、あの子が迷子になった時だったか。
いつまで経っても戻らず、方々を探して、目撃証言からようやく向かった先を知り。
声を張り上げて探し回った末、見つけたブリジットはクレメンスを見て泣いていた。
たった1人で彷徨い歩いて、心細かったのだろう。
クレメンス自身、見つかったことに安堵を覚えていたが、勝手な行動を取ったことに対しては捨て置けず。
「1人になって泣くくれぇなら勝手にどっか行くんじゃねぇ!」とその場で怒鳴ったのだった。
それから泣きじゃくるブリジットを背負い帰路について。
その間、「もうこんなことすんじゃねぇぞ」等といくつか窘めの言葉を向けたことを覚えている]
[翌日、対応が変わりすぎて父と呼ばれたのは衝撃的過ぎたが、今では良き想い出だ]
─ →浴室 ─
[左手は握り込んだまま、腕だけで着替えと石鹸、タオル等を持ち。
階下へ降りると浴室へと直行する。
誰も入っていないのを確認してから、使用中の白い札を下げて中へと入った]
流石にのんびりは入ってられんな。
[脱衣も右手だけで行い、左手は開かない。
服に付くと洗うのが大変だから、と言うとても保父的な理由からだった]
[湯船に浸かる前に手を洗い、石鹸で身体を洗い。
烏の行水が如く手早く済ませた]
………やーだねぇ。
運命(さだめ)なんざクソ食らえだっつーのに。
[もう二度と見ることは無いと思っていたもの。
先程は赤がべっとりと付着していたため見えなかったが、今ははっきりと左掌に浮き出ている]
俺が選ぶ選択肢なんざ、1つしかねぇよ。
[課せられた運命に副うものではない。
たった1つのエゴが、自分を動かす動力源なのだ]
[1〜2分だけ湯船に浸かり、脱衣所に出るとタオルで水気を拭き取り持って来た服に着替える。
今まで着ていたものは脱衣所にある洗面台で軽く手洗し、纏わりついた血の匂いを落とした。
袖を捲くり服を水洗いして、良く絞ってから入浴セットを持って浴室を出る。
進路はそのまま広間へと向けられた]
─ →広間 ─
[広間に戻った頃にはライヒアルト達も戻っていたか。
広間を横断し、洗った服を乾かすために暖炉の前を陣取る。
袖は捲くったままだったから、左二の腕の烙印が顔を覗かせていたが、あまり気にした様子は無かった]
責任なんざ、取る必要ねぇだろよ。
んなこと言ってる状況でもねぇ。
[雪崩の報せの後、ミハエルが言い出した事柄>>114に対し、やや吐き捨てるように言った。
この先きっと、そんなことを気にしている余裕は無くなる。
団長の仮埋葬については異を唱える理由も無く。
それに対しては進んで手を貸すことだろう。
左掌は極力人目に触れぬよう、気を配る*こととなる*]
― 広間(ライ&エリ帰還後) ―
[クレメンスが戻ってくれば、会釈くらいはしただろう。
その腕にある烙印は、父に仕える使用人の数名にもあるものなので、すぐに何かはわかったが、特に言及はしない。
けれど、ふとなにかを思い出しかけた。
昔、幼馴染みの腕に見たなにかと、子供の頃に両親の話を聞いていた事と。
その両方が中途半端にまじって、軽く頭を振る]
ええ、ボクもそう思いますよ。
でも、世間には、現場のことを何一つ考えずに自分の価値観だけを押し付ける、頭の固い人はいるものですから。
念のために言っておくだけです。
[責任なんてとる必要ないという言葉には、そう笑顔で応じる。
そういう輩ほど、権威には弱く。貴族が言ったことであれば、その善悪は考えずに全て肯定するものだ、とは経験上知っている]
― 広間に入る前 ―
[自分では確り立っていた心算でも、年上だからと張った虚勢は通じなかったのだろう。気付けば支えられていた>>113。]
あ、……ごめんね。ミハエル君。
ユーディットも、ごめんなさい。…有難う。
[同じ状況に立っているにも関わらず、周囲を案じる落ち着きを持つミハエルには頭が下がる。情けないと思いつつも有難く手を借り、よろけそうに成った歩みを支えてくれたユーディット>>118にも、謝罪と感謝とを向けるが]
…?
[そのユーディットの細腕は、女性として想像したものよりも力強く感じた気がした。同時に、その腕に昨日刻まれていた蒼い花を思い出す。幻燈歌に、それを思い起こさせる句は無かっただろうか。
昨日は苦笑したユーディット>>116の心の内も解らず、ゼルギウスもユーディットに視線を向けている>>115横で、迷った挙句、案じるようにも相槌を返すだけに反応を留めたけれど。]
─ 集会場への帰り道 ─
そこまで、明確なものはないけど。
……神の使徒としてなすべき事は、口伝として伝えられてる。
[対処マニュアル>>127、という言葉には、わりと呆気なくこんな言葉を返していたとか。
人狼の存在を認められぬ言葉>>128には何も言わなかった。
正確には、言おうとしたらまた、不自然な息苦しさを感じて、言葉が途絶えただけ、なのだけれど。
土産の礼を口にしたのは、その苦しさから逃れたい想いもあった、とは、肩の茶猫だけが知り得るか。
ただ、返された安堵の様子には、こちらも同じ想いを抱いていた、のだけれど]
─ 集会場 外 ─
……ゼル?
[集会場へと戻り、最初に目に入った姿>>122に瞬き一つ]
まさかとは思うが、わざわざ待ってた?
……身体冷やすだろうに。
[呼びかける声には、呆れの響きが乗る。
ともあれ、状況を問われたなら、一つ息を吐き]
……詳細は、皆のいる所で説明するが……雪崩で、道が塞がった。
[端的に、状況を説明する。返されたのは淡々とした反応で。
それに戸惑いながらも、中へ、と二人を促した]
─ 集会場 広間 ─
[中に入り、空気の暖かさにほっと息を吐く。
戻るのと前後して、湯を使っていたらしきクレメンスが戻って来たか]
……遅くなりました。
それで、村への道の事ですが。
[雪崩による状況と、復旧までにかかりそうな時間。
それらについて、端的な説明をする様子は、自衛団長と問答していた時よりも一層冷ややかで。
親しいものであれば、さすがに異変の断片を感じうるか。
その後の、ミハエルとクレメンスの責任云々のやり取りに天鵞絨は僅かに細められ]
……元より、伝承の……『幻燈歌』の再現を求めた時点で、団長殿、並びに自衛団はそこを承認しておられるはず。
中央からの書簡の事もありますし。異論自体出はしないでしょうよ。
[ごく静かなまま、そう、言い切った]
― 広間 ―
[外から戻ったライヒアルトとエーリッヒの傍らには、ゼルギウスも居たか。
帰って来た二人>>126>>129を見て、雪の中飛び出して行った事にようやく気付く。ライヒアルトに案じる視線を向けるのは、理由を知らぬ彼の不調を知るため。唯、約束通り、それを言葉に出すことはしない。]
…雪崩?如何して、こんな時に…。
[冷静な説明と、添えられる前向きな声を聞く。重なる現実の惨さに目を瞑り、ユーディットが用意してくれただろう紅茶のカップに持つ指先にも力が籠った。
その後、上げた視線は暖炉の前に場をとるクレメンス>>136の下へ。その姿がもう血に濡れていない事に安堵の息を零すものの、左手を庇っている――ように見えて、瞬く。原因を探すように姿を眺めたので、二の腕の烙印も僅か見えたが、その場で何とは理解至らなかった。一瞬腰を上げ掛けるも、]
…、ギュンターさん。
[ミハエルの提案によって人々が動くなら、勿論その邪魔をする事はなく。
唯、交わされる会話とミハエルの笑顔>>137には、複雑そうな表情にも成った。]
―部屋J―
[朝。
団長>>7を呼ぶ声は部屋まで届いて、浅い眠りから引き上げられる]
んー……
[目を擦り、ふるふると頭を振った。
未だ完全に目は覚めていないようで、すぐに確認しようと飛び出して行くことはせず、まずは窓の傍に寄る。
ほんの少し開いて]
さむ、
[入って来る空気に身を竦めながら、隙間から下を覗き込んだ。
そこに、白を染める赤いいろはない]
[暫くそうしているうちに、目も徐々に覚めてきた。
窓を閉じる。その掌には絆創膏。
昨夜脅しの割には痛くない治療を受けた後、部屋に戻ってから自分で貼ったらしい]
……帰りたい。
[着替えと共に入っていたそれは、恐らく親が入れてくれたのだろう。
自衛団から知らせを受けた彼らが何を言ったか、ベアトリーチェは知らないが。
呟きと共に、白い息を吐いた]
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