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[ふる、と首を振った後、翼を広げて舞い上がる]
さて、と。
……探し物、って、苦手なんだよねぇ……。
取りあえず、森の方、行ってみよっかな……?
[そんな呟きを漏らしつつ、向かうは緑の場所。
理由は特にない。
強いて言うなら獣の本能、野生の勘、と言ったところか]
─ →公園近辺─
あ、あん狼ん姿、ほんもんじゃ言うん忘れた。
まぁええかぁ。
[エリカに言い忘れたことを思い出したが、信じるも信じないも自由と割り切ることにした]
ふふ…ええ…私の勝ちですね。なかなか骨が折れる闘いだったのはさすがですねぇ〜
では…勝者ですので、全てを奪います
[足場よりふわりと降りて、カルロスへと近づき。くすりと冷酷な笑みを浮かべて、トランプを二枚放つ
そのトランプはカルロスめがけて一直線に突き進み。突き刺さる直前で孤を描いて、二枚のカードを掻っ攫って手品師の元へと戻る]
はい。これにて此度のショーはおしまい。最後までご観覧ありがとうございました〜
[そういって悪戯っぽいような営業スマイルを浮かべ世界と運命の輪のカードを手に取った]
……。
[そうやって、色々と歩みを続けるうちにようやっと目的の品は入手できた。
それにしても、ここまで短時間のうちに残った人間に近づくなどとは思ってはいなかった。
実のところ、運が悪くて目的の品を入手できなかったのは別にして、カードを持ち合わせた者同士は惹かれあう運命にあるので、自身の無意識領域において体が勝手にそちらに向かっているだけのことではあった]
……。
[電子パッチなどを当てて、傷の手当てをすませると、そのまま、その場所で休息。
……しようと思ったが、少しだけ新しい人の手が介入しているのを発見して、その場から離れて、結局最初にいたビルへと歩みを向けた。
実は、ブラウンがいるビルの1Fでそれらを見つけたのだと分かったら、さすがの男もどのような顔をしたのかは誰が分かるだろうか]
倒される前に倒せばいいのですもの。
問い質すにもその方が楽。
[硬い音を響かせて氷刃と短剣尾がぶつかり合った。
その表面に霜を浮かばせそうなほどの冷気が剣から流れる]
楽しんでいただけたら。
素直に教えてくださるかしら?
[鋼の鳥を弾かんとする勢いで横薙ぎに剣を振る。
同時に相手の体制を崩そうと右から足払いを仕掛けた]
─公園近辺─
[ふわ、と。
気配を隠して舞い降りた先で感じたのは覚えのある冷気]
……これは……氷華ちゃん?
やり合ってるのは……。
[数歩、歩みを進め。
対峙するものたちを、視界に捉える。
飴色が微か、険しさを帯びるも、声など出す事はなく]
…
[集音機が微かな音を拾う。
が、此方に向かってくる様子も、殺気も感じられず、結局は闘いの方に目を向けていた]
『愚者』の勝ち、か。
奇術師だけに、面妖な。
『愚者』で更に厄介になってるようにも見えるねぇ…
しかし、派手にいっちゃいましたねぇ〜
[自分で言っておいて何を言うのか。とでもおもわれそうだが、気にせずに、トランプを複数枚手にとる。絵札は三つ葉を翳し]
四つの葉に満たなくても多少の願いなら叶うものですよ〜
[なんて暢気な声音でトランプを軽く上になげると、薄い緑色の光となって自分とカルロスを包み込み]
少しはマシになったでしょ〜?これはサービスですよ
[薄緑色の光が消えた頃には傷口も痛みも多少は治まるだろう]
本当に骨が折れたけどな。
[動かせぬ利き腕。懐のカードが手品師の手に渡るのを視線だけで追って]
…あぁ、もうカードはあんたのもんだ。大事に使ってくれよなぁ?
……あんたなら、きっと『運命の輪』を上手く回せる。
俺なんかより、ずっと…
[そう言って俯く]
悪い…一人にしてくれるか?
[もう用は済んだろう?とそう告げて]
……っと。
[ふと、カードから伝わる感覚に、胸ポケットに目を落とす]
カード、動いた……?
勝ったのは……『手品師』さん、か。
落ちたのは、『風刃』さん、と。
[小さく呟き、ゆる、と首を傾げる]
……厄介そうなの、残ってるなあ。
ええ、せっかくですしねぇ〜。もちろんできる限り上手く使いますよ〜。あなたの分までかはわかりませんけどねぇ〜
[カードについて言う言葉にはそう返して]
それでは、私は次の公演もあるでしょうし、カルロスさんは観客席でゆっくりしちゃっててくださいな〜。もしかしたら観客席にも好みの人がいるかもしれませんしねぇ〜
[そのために治療したとも言えるがそれは口にはせずに]
では、ごゆっくり
[嫌味でもなく。ただ一人にして欲しいという言葉を尊重するように、広場を後にした]
[さて目的はあれど当て所なく歩いていた男。どうやって探したもんかと考えて、懐から取り出す一枚のカード]
………いやいやいや。
こげなんで使うんは阿呆やろ。
[手にしたのは『ハイプリエステス』のカード。けれど流石に使うのは止めた。再びカードは懐へと直される]
[しばらくふらりと歩き続けて、ふと見つける目的の姿]
お、仕事人のおっちゃんやなかー。
[殺気も無く暢気な声をかけるが、相手は反応するか否か]
[広場からしばらく歩いてから、ふぅと息を吐く
先程までは余裕の態でいたが、さすがにあちこち痛いし、消耗もしている。それでも余裕の態でいたのは手品師というプライドゆえであり
そして人がいてもいなくても変わらない。疲労からのため息は先程の一つで]
さぁ〜て。第三幕のもう片割れはどうしてますかね〜。そして第四幕はどうなるんですかねぇ〜
[そんなことを相変わらず暢気に口にして。廃墟を…そしてもう一つぶつかってる闘いの気配を覗き見できるビルを*探しにいった*]
ひはっ、なるほど然り
勝者は正義、負ける奴に人権なんざあるわけねぇ
[哂いを垂れ流しながら、鍔迫り合いを楽しむ。
だが、さらに力が加えられると、抵抗することなくその力も利用して横に跳び足払いをかわす。
そして、右手を突いて体を捻ると]
聞きたいなら、もっと楽しませてみな!!
[左手──すでに射撃形態へ変化していたゼロの銃口をリディアに向け、逆さ向きのまま発射。
数多の『鋼針』がリディアへと襲い掛かる。]
……。
[帰り道の途中、出会うのは先程エリカと会話していたケイジ。
思わず、煙をため息のように吐き出した]
……何か用か。
[だが、すぐに警戒をしたように懐に手を入れたまま、ケイジの言葉に応じた。
ちらりと、逃走経路の確認。そして、カードの情報の確認。
───そこで、『風刃』が『手品師』に負けたことを知ったが、特に態度に出すようなことはしなかった]
あぁ、「また」な…
[それだけ言って見送る。手品師が完全に見えなくなったところで大きく咳をする]
…やべ、血ぃ混じってら…
[折れた肋骨が肺を傷つけたか。
だけど、それでも、笑う
すぐに治ると判っているから]
早く、帰りたかったけど…
やっぱまだ帰れねぇわ。
[小さく笑う。
本当は解っているのだ]
[帰るべき場所はとうの昔になくなってしまった事]
いんやぁ、見かけたけぇ、声ばかけた。
[嘘つけ]
[溜息混じりの煙もどこ吹く風。相手の心情なぞお構いなし。警戒し懐に手を入れる様子も眺めたまま、男は自然体で立つ]
そいや、おまはんみたいなんがこん『デュエル』ば参加しとるんも不思議ば話じゃのぅ。
なんぞ目的でもあるんかね?
弱肉強食。
獣の世界の論理ですね。
[硬質な剣戟は何度響いたことだろう。
足払いは振り払うままに避けられてこちらも歩を踏む]
――Eisschild.
[再び間合いを詰めようとすれば銃口がこちらに向いている。咄嗟に氷の盾を生み出しながら避けるが、幾つかは間に合わずに左の肩口へと刺さった]
っっ。
――Eisturm.
[じわりとした感覚に眉を寄せながらも意識を集中させる。
盾が鋼針を受け止めて散った氷片は再び鏃となって、先程よりずっと少ない数だがラストの顔めがけて飛んだ]
早く、会いたいんだけどねぇ…
[笑う。カードを得たら望んだこと]
俺って、何時か死ねるのかねぇ…
そうしたら、会いにいけるのに…
[目を閉じて、自分がゆっくりと「魂の檻」に引き込まれていくのを笑って受け入れる**]
……。
[無表情に。
ケイジを見つめた。
その眼の中はとても暗く、まるで闇なのではないかと思うほどに底を見通せないほどの暗さだった]
……。
[次に、煙を大きく吐き出した後は、以前と同じような無表情。
ただ、一言、小さく呟く]
……別に。
面倒な相手が残っちまったなぁ。
まぁ、面倒じゃない相手なんて居ないがねぇ。
[そう、一人ごちると、外へ出ようと階下へと降りる]
…誰か居たっぽいねぇ。やっぱり。
[自分が来たときよりも、物がある場所の埃が無くなっていたためか。
ぽつりと呟けば、それ以上は気にしないのか、外へと出て、集音機に指を当てた]
[ふる、と軽く振った後、その場から距離を取る]
このやり合いの結果次第なとこもあるけど……。
[どう、動いていくか。
興味、だけで動くには、限度もある、と思いつつ]
……でも、やっぱり狐のおにーさんは、殴らないとなあ。
[そんな気持ちもあったりで、思考は上手く定まらないが。
ともあれ周囲を見回し、高く伸びた木の、特に高く枝の上へとふわり、陣取り。
今は、森の中の対決の行方を*見守ろうと*]
ありゃ、教えてくれんかいね。
そら残念じゃあ。
[相手とは対照的な飄々とした佇まい。大仰に竦めた肩の上で、小猿がじぃとスティーヴを見つめた]
ま、仕方なか。
無理に口ば割らせぇ気ぃばなかしのぅ。
それはそうと、随分派手ばやりおうたらしいの。
教会んにーちゃんと。
ビルば崩すほどたぁ思わんかったき。
室内ば、おまはんが有利っちゅーことかいのぅ。
……。
[ケイジの飄々とした様子にも動じず、ただ黙って煙を吐き出す。
肩の上の小猿には一瞬だけ視線が動き、すぐにケイジへと戻る]
……どうだろうな。
[質問の答えには、やはり、肯定とも否定とも取れない言葉。
非常に話我意の無い男ではあったが、それは逆に感情も内なる想いも、全て自身の中に仕舞ったまま、誰にも悟らせることが無いということでもある。
下手すれば、死んでも何も語らぬまま、何もかも全て闇へと消し去るのかも知れない───そう、男への投げかける全ては闇に消えていく故に、男は闇の象徴でもあった]
ひはっ!!
[放たれた鋼針はリディアの左肩を抉る。
しかし、向こうもやられてばかりではなし。
数は少ないが、的確に顔面目掛けて飛来する鏃に眼を見開く。
急所をガードした左腕にざくざくと鏃が刺さり、血が噴き出し、頬からも、かすったのか血の線がじわりと浮かぶ。
右手で地を叩き、後ろに跳んで着地。
そうして、ガードしていた左腕を下ろした下にあったのは、]
……………きひ、きひひ、きひひひひひひひひひひひひひひひ
[その口元を今までにないほどに歪めた狂笑。
だが、ぴたりとその笑いが止まると]
おーけー、本気出してやんよ
これに勝てたら、喋ってやってもいいかもな
[そう呟く左腕からはポタポタと血が流れ続ける。]
……んむ。
なんも語らず、なんも表さず、けぇ。
無駄ばなか。
それが依頼成功率ほぼ100%ば秘訣かのぅ。
余計なもんば首突っ込まなば、そん分成功率ば上がるけぇ。
面白かことばなーんも言わんに、なかなか面白か男じゃのぅ。
[かかか、と楽しげに笑う。雰囲気は崩さないが、標的を定めるかのような言葉。面白いと言う感情こそが、男の原動力]
……。
[笑うケイジを、今までと同様無表情に見つめ、煙草を口にくわえたまま、くるりと振り返って、歩き出した]
……もう用件は無いようだな。
[今までとは違い、標的を見つめるような表情になっても、男は何も変わらない。
今までにも何度もあったことだ。それと何も変わらない。
そして、このような人間が、いきなり仕掛けてくることは、ほぼ有り得ない。
もっと、それっぽい場所を仕立て上げてから仕掛けてくるのが、このタイプの人間だ。
そう考えると、警戒は解かぬまま、男はゆっくりとした動作で、それでいて、今までとは違う経路で最初に休息していたビルへと*帰っていった*]
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