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[その場を離れる少年を見送った後。
自衛団は来ないのか、と外の様子をみたり、取りあえずテーブルを磨いたり、と時間を潰している内に、二階から何か、物音がしたような気がして、天井を見上げる]
……なんだ?
[零れたのは、訝るよな呟き。
ともあれ、何かあったのか、と蒼鷹を伴い、二階へ。
部屋を回って、何かなかったか、扉越しに問い歩き、そして]
……カルメンさん?
何か、ありましたか?
[その内の一つから、まだ新しい血の臭いを感じて。
嫌な予感を感じながら扉をノックする。
中から返事はあったか、否か。
何れにせよ、開けますよ、と声をかけて扉を開け。
その先の光景に、しばし、息を飲んで立ち尽くした**]
―朝/宿屋/個室―
[ゲルダが無事二人を迎えられたか気にしつつも、食堂を後にしたのは、無理はできないとゼルギウスが一番佳く判っていたからだ。
薬が効いたのか、胸が痛むことなく貪る眠りの世界は、
妻が傍に在るからか身体の状況に対して、酷く優しい。]
んっ……イレーネ?
―――……イレーネッ!?
[そしてその優しい眠りから覚める切欠も、イレーネという存在。
傍らにない温もりに気がつくと、名を呼び飛び起きる。]
―――……っ!?
[と、ポタリ――シーツの白に散る紅。
薬のおかげか、それとも気が高ぶっている所為か、痛みはないけれど。
ぐっと喉が鳴る、うちから競り上がってくる感覚に、慌ててシーツを剥ぎ、口元に添えた。]
もう、あまり時間、ないっぽいなぁ。
[吐ききってしまった後、紅に染まったシーツを、同じ色の眸で見る。
ライヒアルトの佳く効く薬も、それは痛み止めであり、根本的な治療とはならない。
汚してしまったシーツの行方を思案して、どうしようもなく、一先ずベッドの下へと放置した。]
―朝/宿屋/ユリアン個室前―
[廊下に出ると血の匂いが濃厚に漂うのは、2つの血の匂いが混じるから。
昨夜殺されたカルメンの、それより後の時間襲われたユリアンの。
カルメンの死を識ることが出来ていなかったのは、彼女の死が、夫婦が部屋に戻った後の出来事だからだろうか。
ゼルギウスの脚は、迷うことなくより濃い血の匂いのする方へと焦り走る。
心裡、昨日アーベルとベッティが真っ直ぐにブリジットの部屋に行くを疑ったが、血の匂いを理由にあげられれば、なるほどと謂わざる得ないと、探すという立場になって思う。]
――……イレーネ!!
[果たしてそこに妻の姿があった。
あがった息を整えると、動かぬ妻の傍に寄り、背後からそっと抱き寄せた。]
もう、心配したんだよっ
[此処最近、当人比押さえていたスキンシップを、もう控えることはしない。
――……自分の先が、見えてしまったから。
イレーネを背後から抱きながら、紅は無残な姿となったユリアンを見る。つっと細くなる紅玉は、どこか羨ましそうに亡骸を映した。]
『 ご め ん ね 』
[音にならない唇の動きは、誰に対しての謝罪だったか。
背後から抱いていれば、その唇の動きは妻にも読み取ることは*出来ずに*]
─回想・事を起こす少し前─
[借りた宿屋の一室。
ダーヴィッドが処刑され、作家が襲われ。
それを踏まえてこれからどうするかを考える。
自分達の中に紛れ込んでいる人狼を探し、屠らなければいけない。
けれどダーヴィッドの時のように自衛団に任せてしまったら。
信じると、信じたいと思った人が処刑されてしまうかも知れない]
[そんなことをされるくらいなら───]
[ミハエルは、自分の取るべき途を選んだ]
─夜/カルメンの部屋─
[部屋の隅で扉をノックする音と声を聞く。
未完成の人形に顔を埋めたまま、ピクリと僅かに反応したが、声を返すまでは至らず。
そのままにしていたら、扉の開く音が聞こえた。
顔を上げるのも億劫で、部屋の隅で動こうとはしない]
[直接声をかけられたなら、ようやくゆるりと顔を持ち上げることになるか。
その表情は呆とした、感情の籠らないものだった*ことだろう*]
―夜/カルメンの部屋―
[驚きは、短い刹那。
一つ、深呼吸をして、血の臭いに眉をひそめる]
……カルメンさん……。
[倒れた女性、座り込む少年。紅に染まる刃。
起きた事は理解できたが、そこに至る経緯はわからず]
……お前さん……が?
[ミハエルに、短く問いを投げる。
こちらに向いた表情>>109に感情らしきものはなく。
返る答えがどうであれ、そうか、と呟いて]
……『約束』。果たせなくなっちまいましたね。
[カルメンに向けて小さく呟く頃には、先の声かけを訝る者の訪れもあるか。
何があったか問われても、返せる言葉は、見ての通り、の一言だけ**]
― 朝/宿屋 ―
[騒がしい誰かの声、喧騒で娘は目覚める
何度か寝なおした様子らしく殆ど寝付けなかったようで。]
……また、何かあったの?
[誰とでもなく疑問を口に。
扉の向こう、死臭を気にしていると寝巻のまま飛び出して。
ゼルギウスとイレーネの姿を見詰め、訊ねるまでもなかっただろうか、
ユリアンが血を流し床に伏せている様子が見え、]
ユリ、アン…?
――――…そんな、しっかりするのだよ!
[駆け寄ろうとするが、最早全てが遅く*]
[何処かの部屋の喧騒には気づいたが、夫のもとを離れるのを躊躇い、時折交わされる言葉を扉越しに聞くだけで。
結局片時も離れる事はせず、時折その長い白を指に絡めては口許に引き寄せて、ぼんやりと夜を過ごしやがて眠りに落ちてゆく。]
―朝―
―――あ…ゼル?
[後ろから抱き締められれば、硬直していた身体は腕の中でゆると溶けてゆく。青は赤を見上げようとしたが、後ろから抱き締められ上手く出来ずに結局俯いた。妻の顔色は俯く事で知れなかったが、時折小刻みに震える様からどういった感情かは伺い知れるか。
辛うじて、心配したとの声には、ごめんなさいと小さな声を返して。]
ゼル、ユリアンさんが……
[それからそれ以上は何も言えずに、目を閉じ静かに自分の中に沸いた感情が過ぎ去るのを待った。
血の匂い濃い中にいたため、そして夫の顔を見なかった為に、夫が隠した秘密と言葉は今も知る事は*出来ずにいた*]
―回想:宿屋・厨房―
[イレーネが中へときて、それはちょうど片付け終わってからのこと]
どうした?
ああ、一人で大丈夫だぞ、こんくらいたいした怪我じゃねぇっての。
[怪我や治療のことを言われればひらひらと手を振って、そう笑いかけた]
こんくらいの怪我でそんな大げさにしてたらゲルダなんて毎日包帯だらけだぞ。
[さらにそう返してから水を取りに来たらしく、グラスと水差しをイレーネに渡した]
―昨夜:宿屋・自室→カルメンの部屋―
[その日の夜は、アーベルの薦めもあって早々に自室に戻ることとなり、
その日はおとなしく言うことを聞くことにした。
それでもすぐに寝付けるわけでもなく、日記もすでに書き終えていたのですることもなく自室にいながら。
二階の物音が聞こえたのは少したってからだろうか。
部屋を出て二階へとあがる。
ひとつ空いたドア、そちらに向かうとアーベルの姿と、それから部屋の中にいるミハエルと、
倒れたカルメンの姿。
殺された血に埋もれたリアルな死体を見るのははじめてで、
自分は声を出すこともできずアーベルの後ろで、ミハエルに問いかけるのを聞いていた。
誰がきてもしばらくは反応なく、カルメンにかける『約束』との言葉だけは妙にはっきり聞こえたような、そんな気がした。
ようやく反応を示すのはしばらくたって、アーベルに話しかけられてからのことだろうか**]
―昨夜:宿屋・カルメンの部屋―
[どれくらいそうしていたか、アーベルにかけられた声にはっとそちらの顔を一度じっとみてから、
言われたことを理解するのには少し時間がかかったかもしれない]
あ、ああ、わかった。
ゲルルン、ミハエル、行くぞ。
[ぎゅっと二人の手か服のすそを握り、それは自分の感情を押し込めるためだったかもしれない。
二人が動かないようなら引きずるような形でその場を離れて一階へ向かおうとした**]
─昨夜/宿屋・カルメンの部屋─
[掛けられる問い>>110には感情の籠らない表情のまま]
───そうだよ。
皆、選ばないから。
僕が……選んだんだ。
[紡ぐ言葉は普段と違い子供らしさを含んで。
その言葉にも問いは及んだだろうか。
問われたなら>>108の思惑も口にするだろう]
[傷に気付かれたなら治療するようにも言われただろうか。
不意に呼ばれた名>>111に翡翠を向けたなら、そこで初めて表情を変化させた。
色々な感情が入り混じり、眉尻を下げる。
ゲルダに言葉を返すことは出来ず、未完成の人形を抱えたまま自分が使用した武器を拾い上げ。
ベッティの手>>117を振り払い、連れ出して欲しいと他に頼むアーベル>>116や集まって来た者達から逃げるようにカルメンの部屋から出て行った]
─ →昨夜/宿屋・自室─
[駆け込んだ先は自分が借りている部屋。
抱えていた未完成の人形を机の上に置き、上着を脱いで。
上着の汚れていない部分でで突剣を拭こうと思ったが、こびり付いてしまって容易には取れなかった]
……お風呂、行こうかな。
[顔も赤が飛び散り、擦り傷も出来ていて。
鉄錆の匂いも纏わりついていたから、それを洗い落とそうと。
布で突剣と十字架を包み、着替えを抱えて部屋を出る。
浴場までの廊下は、やはり他から逃げるように足早で移動して行った]
─ →昨夜/宿屋・浴場─
[服を脱ぎ、頭から湯を思い切り被る。
途端、左腕に痛みを感じ右手で傷口を押さえた]
いたっ──。
[赤が溢れるほどでは無かったが、流せばまた滲み出るような状態で。
朱に染まった湯が身体を伝って行く]
……この程度の痛み。
3人に比べたら───。
[先に死んだ2人と、たった今自分が手にかけて来た人物を思い、歯を食いしばる。
痛みに耐えながら顔に付いた赤と鉄錆の匂いを流し取り。
持って来た突剣と十字架も綺麗に洗い流して乾いた布で水分を拭き取った。
腕の傷はハンカチでどうにか縛り、着替えて浴室を後にする。
十字架に収められた突剣は、いつも通り上着の左胸の内ポケットへと仕舞われた]
─ →昨夜/宿屋─
[風呂に出た後、誰かに呼び止められたりはしただろうか。
カルメンについてを聞かれたら、自分が思う通りに答えて。
傷に気付かれて手当するよう言われたなら、渋々応じたことだろう。
その後、解放されたなら、その日は自室で泥のように眠るのだった]
─翌朝/宿屋・自室─
[眠りは深く、喧騒が聞こえても最初は起きることも無かった。
部屋まで呼びに来た者は居ただろうか。
起きて騒ぎの下へ向かったのは、一番最後だったかもしれない]
…ユリアンが?
襲われた、のか…。
……うん、彼は人狼じゃない、ものな。
[呟きを聞き咎めた者が居たかは定かではない。
喧騒の中でも、意識は未だ夢現に*あった*]
― 昨夜/宿屋 ―
…何が如何してこうなったんだい…
[漏らした言葉は、事の顛末をうまく理解出来ない様に印象付ける。言葉とは裏腹、内心では誰かがやらねばいけない事だとも解っていたけれど。
それでも、自分より年下の少年が凶行に走らざるを得ない状況下に胸のあたりが酷く冷えるは感覚を娘は気にしていた。]
僕は、きっと追い詰めてしまったの、だね…
[言の葉はごく小さく紡がれる。傷に気がつくとライヒアルトがその場に居れば、お願いするように眼差しを送るが。それきり部屋を後にするミハエルに声を掛ける事は出来ず。
自分に何か出来る事と言えば、外に居る自衛団員へ声を掛け、カルメンの事を伝える程度が精一杯で。クロエも呼ばれるか気にする様子で彼女を伺う程度ではあったけれど。]
―――――… ぼくは
[どうしたらいい?と帰らぬ返事を胸裡で呟いた]
―昨夜・宿屋―
[ミハエルには手を振り解かれて、ゲルダは自衛団員にと、
結局階下に下りてからは一人になり厨房の方へと向かった]
はぁ…、カルメンを…ミハエルがねぇ……。
[そこにどんな理由があったのかはわからない、彼の様子からそれをすぐに問いただしにいくこともためらわれて]
私より適任者はいっぱいいるわな。
[ぽつり呟き、水差しとコップの用意をして食堂に戻れば人の姿はそこにあっただろうか、
誰もいないのならば一人いすに座り視線が映すのは、観賞用においてある銀の食器セット]
役立たずの私にできんのは覚悟きめることくらいかね。
[小さく呟く言葉は殺すことか、殺されることか、あるいは……**]
―昨夜―
無理矢理だなんて人聞き悪ぃな。
そんな事してねぇよ。
手荒な事するように見えるのかね。
[ゲルダの言葉>>98に心外だなと呟いて苦い笑み]
話せない事、ね。
何時かそういう時がくるといいな。
[其れを聞き出すような真似はしなかった。
願いを聞き届けてもらえば感謝の言葉を彼女に向ける]
……嬉しいもんかねぇ。
[自分には分からないと言った風に薄く紡ぐ。
安堵を見せる彼女>>99に嗚呼と頷いて微かな笑みを浮かべた]
―昨夜―
[部屋の寝台に寝そべって本を読んでいれば
廊下からはざわめきが聞こえた。
起き上がり様子を見に行くとカルメンの死を知る事となる。
誰が為したか、其れを聞けば柳眉を顰めた]
選ばないから、選んだ、か。
[小さく呟くのは青年が選べないうちの一人の言葉。
呼び止める間も無く風呂へと向かうミハエルの左腕に赤が見えた。
怪我をしたのだと思えば部屋に一度戻り治療の為の道具を手にして
ミハエルの部屋の前で彼が戻ってくるのを待つ。
姿が見えれば有無を言わさず引き止めてハンカチの巻かれた腕を見る]
そんなんじゃ鬱血しちまうぞ。
[後は黙って渋々いった態の少年の手当てをして部屋に帰した**]
― 昨夜/宿屋 ―
[それきり娘は言を喪い、カルメンが運ばれ終わり喧騒が鎮静化するまで廊下前で佇んでいた。何より――ミハエルがカルメンを手に掛けた事がショックだったのか、傷心を隠せず、誰に対しても泣きそうな顔をしていた事だろう。]
……なんてクロエに言えば好いのだい?
[有様を彼女に伝えるのは、酷く酷な気がして。
死んだ者の想いが解る幼馴染を案じる様に呟かれた。
アーベルが独り言ちを呟くのを聞けば頸を傾ぐが、
返答は得られる事は無いだろう。]
…アーベル君?
[謝罪を口にする青年を見やり娘は不思議そうに蒼の青年を覗う>>128*]
─回想・昨日─
[湖畔でライヒアルトの傍ら泣き疲れる前。
自衛団長が銀の短剣を渡してきた意味と、自分の命を大事にしろと言われ。
ライヒアルトが自分を案じて言ってくれているのだと思えば、首を振ることはしなかったものの頷く事も出来なかった。
次に気付いた時には、自分が借りた部屋のベッドの中に居て。]
…あ、れ…?
[先程のことは、夢だったのだろうかと思いかけたが。
泣いて腫れぼったく感じる瞼が、現実だと教えてくれた。
それでも、何故自分がここにいるのか解らず身体を起こしながら考えて。]
ライ兄が、運んでくれた…?
―朝/宿屋/ユリアン個室前―
[震える妻の身体をきゅっと抱きしめて、彼女の裡に沸いた感情が落ちつくのを待った。
その間に、ゲルダが、もしかすれば他の者も、集まるを紅は見る。
その中の最後の方か、ミハエルの姿が見えれば、その挙動に紅玉を瞬かせた。]
ミハエル……君……―――?
確かに、ユリアン君は、人間で間違いないけれど……―――
[何も尋ねない妻から、身を離し、けれど代わりに手を繋いだ状態でミハエルに声をかける。
もしかすれば、夫婦だけか、ミハエルの仕出かしたことを知らぬが故に。]
[自分で帰ってきた記憶がなければ、それ以外に在り得ないわけで。
とことん迷惑をかけてしまったことに気付いてどうしよう、と悩んだ。]
こんなんじゃ、子ども扱いされても仕方ないなぁ…
[いや、子供の方がマシだろう。
泣くだけ泣いて、疲れて眠るなんて子供よりも性質が悪い。
それに、きっと泣き顔もみられてしまった。
恐らく自分を追いかけて欲しいと彼に頼んだのはゲルダだろう、彼女にも見られていたらきっと心配しているはずで。
とにかくライヒアルトとゲルダに迷惑と心配をかけたことを謝ろうと部屋から出ると。]
……この、臭いって…
[この数日で何度か嗅いだ覚えのある鉄錆の臭いに気付いた。]
― 昨夜回想/別れ際 ―
あ、違うのだよ
僕の我儘を通すみたいな事になっちゃったから
…ライヒ君は悪くないのだよ
[>>126言い方が拙かったな、とバツが悪そうな顔をして。
苦い笑みが見えるとふるふる頸を振った。]
……うん、だから、早く其の時が来れば好いなって
[未だ駄目な素振りを見せながら娘は俯き。]
…嬉しい物なのだよ
心配されたら、想って呉れてるんだなって感じるよ
……一人ぼっちじゃないなって嬉しくなるんだ
些細なことでも、僕にとっては最上の…
[青年に伝わらなくてもそう応える。
その代わり娘は言葉通りに、はにかんだ*]
― 現在・宿屋/ユリアンの部屋前 ―
[そうして。仮令服が汚れようとも娘は名を呼び続けていた。裂かれた喉、心臓が喪われている現状は絶望的だった。]
……やだよ
お父さんのように立派な行商人に成るんじゃなかったの?
相棒のナーセルだって、君の事待ってたよ
[腕に触れてみたけれど、冷たい感触はもう熱を宿さないと知れる。暫く佇んでいれば、暫しの後に立ち上がりそっと遺体にシーツを掛けた。一人で運び出す事なんて出来なかったから、自衛団の人を呼ぼうと立ち上がる]
ゼルギウス、さん、…イレーネさんの身体に障るから、さ
早く此処から出て、傍に付いていてあげて、よ
[それだけ、震える声で二人に伝えて。誰か来ているようなら娘は部屋の中のあり様を伝えようとして。カルメン、ユリアンと立て続けの死は、未だ終わらぬ日を予感させた。
寝巻の裾が染まったままなのも構わず、娘はその場で力なくへたりこんでいる*]
[カルメンの部屋からはミハエル達はもう引き上げた後。
その場に残っていたのはアーベルとゲルダだけだったろうか。]
…一体、何があったの…?
[カルメンの身体は既に運び出され、この部屋が誰に宛がわれたものかも知らぬ身には何も解らずそう問いかけた。
そこに自衛団員がやってきて、自分の名を呼ぶ。
昨夜そうされた時に見せられたのはダーヴィッドだった。]
貴方達…今度は、誰を殺したの。
[また自衛団が処刑したと勘違いして彼らを睨みつけると、お前達の手で殺したくせにと言われ、目を見開きゲルダ達を見つめ。
そんな自分を、自衛団員はダーヴィッドの時と同じように詰め所へと引っ張り連れていった。
そして引き合わされた、その人は。]
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