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う……
[嗅ぎ慣れないにおいを洗い落としてしまいたい気分だ。目を閉じればよどんだ血だまりがフラッシュバックして、何度も何度も瞬きをして額に片手を当てた。
鷹津の声に視線をやって、彼の苦笑を見れば]
なんで……笑ってられるんだ、あんた……?
[喉の奥から絞り出すように。声は擦れている。さんざん霧に向かって叫んだせいか、この事態のせいか。
退屈な日常は好きではなかった。つかの間のアルバイトやゲームで非日常を味わう事が楽しみだった。
だけど、殺人なんて非日常なことは、一生身近に起こるわけないと思っていた。**]
リアルジンロー、って。
[聡の言葉>>69に、"とても信じられない"とでも言いたげに笑う。
錆びたにおいの正体も、その原因も知って尚、この生々しい感覚を疑わずにはいられない。
自らの頬を抓ってみる。痛い。じわり、と広がる熱は、確かに本物なのだ。]
なんかの、ドッキリか、実験とかッスか?
[はは、と乾いた笑いを零しつつ。占い師COだなんて、ジョークも行き過ぎている。
なんせ、これが"人狼ゲーム"だと言うならば、それに則って進行すると言うならば、彼らは一体何をするつもりなのだろう。]
――は、よってたかってぶっ殺されました、だっけ?
[なんとなく、どこかで見た、うろ覚えの文章をぼそり、と呟いていた。
処刑、という言葉>>62を使った男をちらりと見やる。]
ソレって、もしかしなくても、そーゆーつもりなワケ?
それとも、どっかに投票フォームでも、ありましたっけ?
[どうしたって、口をついて出るのは否定的なニュアンスをはらんだ言葉ばかりである。
人が死んだ、という事実への衝撃にも勝る、粛々とルールが組み立てられるかのような流れへの抵抗。
一度は顔を合わせたはずの女性の死への悲哀や憤怒は、不思議と込み上げなかった。**]
……っても、さ。
はまるから認められる、納得できる、ってのは別問題だけどね。
こんなわけわかんない状態で殺し殺されしてください、とか、じょーだんじゃない、って俺も思うよ。
思うけど。
[ここで一度、言葉を切り。
ほんの少し、目を伏せる]
……なんにもしないで殺されるのも、やっぱ、抵抗あるんだよねぇ。
[これがゲームなら。
この人数なら、たった一人を引き当てればいいはず、だけど。
現実にそれをやれ、と言われると、躊躇いが先行するのは当然で。
割り切り切れないその部分への苛立ちを示すように、がじ、と頭を掻いた。*]
─ 浴室前廊下 ─
………っざけないでよ。
人狼は、ゲームだから楽しいんであって、実際にやるなんて…っ。
[RP村でも舞台から出られないと言う状況を作り出すことがある。
館の外を取り巻く霧はまさにそれ。
そう言う意味でも符号は確かにあって。
それでも受け入れ難いのは、実際にひとが死んでいるため]
ドッキリでも実験でも嫌だよ!
ひとが一人死んでんだよ!?
こんな悪趣味なドッキリ、あるもんか!
[綾野の死が作られたものとは思い難い。
遺体を良く見た訳ではないけれど、漂う臭いは不快なものだし、造られた物にしてはリアルすぎる。
喚きながら聡>>75や裕樹>>72の言葉に言い返し、怯えと憤慨の色を綯い交ぜにした瞳を向けた]
……あたし、広間に行って箱見てくる。
香月さんがダミーとして殺されたって言うなら、シスメ増えてるはずでしょ。
それ見てから、考える。
[増えてなければ良い、そんなことを思いながら、珠樹は行き先を告げその場を離れようとする。
途中、はた、と思い出したように踵を返し、礼斗へと歩み寄って]
これ……ありがと。
[握っていた眼鏡を礼斗へと返した。
一人で行動しない方が良いと言われていたが、誰もついて来ないようなら一人で広間へと向かう**]
[リアル人狼という言葉に、楠木が乾いた笑い声>>72を上げるのを聞いた。
どうしてこんな状況を見て、そんな冗談が言えるのか。
胸を掻きむしりたくなる嫌悪感に、表情が歪む。
そこへ重ねて、鷹津の言葉>>74だ。
ぎり、と強く奥歯を噛み締める。]
あんたの言ってるのとは訳が違うだろ。
自殺なんか……死にたいやつは勝手に一人で死なせとけばいいんだ。
これは殺人だ!望んでないのに殺されてるんだ!
彼女が望んで死んだって言うのか?言っとくけれど、少なくとも僕は死にたくない。
……鷹津さん、僕にはあんたがふざけているように見えた。
そうじゃないなら、悪い。だけど不愉快だった。
[彼の内心を口調から推し量る事は出来ない。
ただ、なぜ笑うのか、それが礼斗には理解することはできなかっただけだ。]
馬鹿馬鹿しい。
ゲームとこの状況を一緒にするなんて……あんたら染まりすぎだよ。
じゃあ狼は誰だよ。
何が楽しくて殺すつもりなんだ。
[既に敬語を使う気はそがれている。
どうやら飛河>>77も同じ考えのようで、彼女の言葉を無言で肯定した。]
[広間にいくという飛河の声を聞きながら、彼女の方向を振り向かず足先を睨みつけていた。
すると、離れかけていた気配がこちらにもどってきて、眼鏡を手渡してくる。]
あ、ああ……もう大丈夫か。
いや!待ってくれ、僕も見に行く。
[この場を離れたかったのもあるし、今は鷹津の顔を見ていたくなかった。
頭に叩き込んでいたはずの内訳がふと蘇る。
狼は一人、占い師が一人。狂人も霊能も狩人もいない。
だが、「リアル狂人」が発生する可能性が無いわけじゃない。
生き残るためにはどうすれば良いのか――礼斗の思考は、ただそれだけに向かっていた*]
─ 浴室前廊下 ─
[結局、落ち着いていられるのは、リアル経験の差。
休止中の一年間にあった諸々の出来事は、混乱した状況下で冷静になる、という習慣をつけさせていた。
もっとも、それを説明する気はないし、説明した所で感情的になっている相手には伝わらないだろう、と。
そう、思うから、そこに言葉を重ねはしなかった。
それが、相手にどんな感情を抱かせるか、まで思考が廻る余裕はない]
……一人死んでる、って事は、本気で殺す気でいるヤツがいるって事なんだよ。
だったら、こっちだってそれなりの気構えでいなかったらまずいでしょーに。
[ぶつけられる言葉返す言葉はどこまでも淡々と。
広間へ向かう、という二人にはそれ以上言葉をかける事はなく、は、と一つ息を吐いて。
振り返るのは、脱衣場に倒れた綾野の方]
……これからどーするにしろ。
あのまま、晒しとくのは、問題、か。
[望まぬ形で死に至ったであろう女性。
その身体をそのまま、晒しておくのは忍びないものもあり]
……なんか、かけるもの、探してくるわ。
[そう、言い置いて歩き出す。
このままじっとしていも始まらないし──何より、少し頭を冷やさなければ思考が次に進みそうになかった]
[人が死んだのも、全部含めてドッキリなら良いだろうと思えど、それは実際に見ていない者の言い分である。
珠樹>>77や礼斗>>79の主張を、ただぼんやりと聞いていた。
これがリアル人狼、だなんて、馬鹿げているとは思うけれど、否定する気もなかった。
そういうもんなのかな。その程度の浅い感慨。
ただ、一つ、問題は、一般的な人狼ゲームの進行に則ろうにも、…はその手段を知らない。
ポケットの端末が、処刑投票用のプルダウンを表示することはない。
だから、]
……これがリアル人狼にしたって、話し合って成立するモンなのに、
ああ、あの二人、ゼッタイ話なんか聞かないッスよ。
[ゲームを遊ぶならば、それなりの覚悟が必要である。]
っていうか、どこまでがシステムどーりなんだろ。
[なんだか妙に口が回る。いつの間にか、自分はゲームの中にいるのだと、その前提を作り上げたかのように。]
タイムリミットとか、あんのかな。あってもおかしくねーよな。
[ぞわり。と、また背に走る悪寒と、反して酔っ払ったように顔は熱い。]
だって、じんろーだし。
[誰ともなしに呟くように、そんな言葉を零す。
出口の見えない状況の模索とは、チープな自己暗示と、さして違いはない。]
[ふと、顔を上げる。
一度握ったスマートフォンを再びポケットへと押し込みながら、占い師を自称する彼を引き留めるように、声をかける。]
……あのさ、キクチさん……だっけ。
その、占い結果のメールって、いつきたの?っつか、あの人……タカツさん占うって、選んだンスか?
[自己紹介を軽く聞き流したことを、人生でこれほど後悔したことはないかもしれない。
確認するように、そう問い掛けた。]
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