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[先に離れた孝博を見送りながら、自分も軽く空を見上げ]
さぁっ、て。私もそろそろ戻ろうかしら。
暗くなるのも早いだろうし。
じゃ、お先に失礼するわ。
[言って桜の下から少し離れた場所から、振り返り。]
お祭り、上手く行くといいわね。
[最後のそれは、晴美に向けてのものだったが。
視線は彼を通り越し、咲かない桜の枝を見据えていた。
にっこりと笑んで、再び前を向いて旅籠へと向かう。]
[去り際の利吉の声は聞き流したか聞いていなかったか。]
・・・あァ、未だ痛てェ。
今日は帰ッか。
[久々のベアクローは余程効いたのか、小さくぼやきながら、旅籠への道を行く。]
[話を誤魔化す様子の蓮実に、言いたくない理由があるのだろうと悟り。それ以上の言及は止めた]
外のことを、取り入れなきゃ、変わるものも、変わらないのかも、ね。
外に出た、孝博君、印象がかなり、変わってたし。
そう、だね。
祭りには、皆、参加する、だろうし。
ああ、そうだ。
今年の祭り、綾野が取り仕切るって言うのは、聞いた?
[声のトーンが落ちたことに気付きはしたが、その理由までははっきりとは把握出来ず。ただ、どこか後ろめたいことはあるのだろうか、と言う考えは浮かんだ。それを言葉に出すことは無かったが]
…男性に送られるなんて、いつ以来かな。
[独白は、微妙な色を帯びる]
でも、助かるよ。慣れた場所はともかく、此処で迷うのは一大事だ。
…旧知の……?
旅籠にどなたかいらっしゃるのかな?
[きょとりとしつつ、歩みを進め]
はたから見れば、逆に見えるんだろうけどね。
[首を軽く横にかしげながら裕樹を見上げながらくすりと微笑みかけて、
そのしぐさと二人の状態はまさに性別逆転状態とかきっと突っ込む人がいたら琉璃が切れるだろう。]
なれない道は大変だからね。
最悪野宿だなんて笑えないし。
[続く質問には]
うん、旅籠の息子の孝博って。
たぶんあってるんじゃないかな?
ああ。やべ。
俺は情報収集中だった。
すっかり話し込んじまったぜ。
っつーわけで、俺も離れるよ。
大人達は、かくして、闇に消えるってな。
じゃな。
[言って、利吉がタバコ片手に、ゆっくりとその場から*離れていった*]
おう、お休みおっさん。
と、確かにもう暗いな。
俺も宿に戻るか。
祭りは明日、ね。もう俺の用事はケリがついてるが…。まぁせっかくだし見物していくことにするぜ。
じゃ、またなー。
[その場の面々に挨拶し、踵を返す。]
なぁんだ、四歳差じゃんー
[しっかり真顔で言い切る。だってそうじゃん。
それから、こっくり頷いた。]
うん。かわいい、呼び方。はるちゃん。
――って、りきっちゃんまたね!
逆に見えても俺は構わないが…。
まあ少なくとも、現状は互いに理解があるし、それで良いんじゃないか?
[語りつつ歩く内、旅籠は眼の前に]
孝博…?ああ、一瞬だけ会ったな。
仕事の早い男の子だ。
[思い出して、くすりと笑う]
[小百合の立ち去り際の言葉を僅かにいぶかしむものの]
……ああ、そうだな。
だが、むしろその言葉は綾野に掛けるべき言葉だと思うぞ。
[追求はこなかった。表情は変えない。自然と流すように]
ええ。そうですね…何一つ動かない状態だと…徐々に沈殿していきますからね…
まあそれにしても、孝博は変わりかたは大きいとは思いますが
[微かな苦笑。
そして、自分はあまり変わっていないと思うが、はたしてどうだろうか?とも己で考えつつ]
ええ。皆。…おや、綾野さんが?それは初耳でしたが
[とはいえ、まるでおかしいことでもないわけだが]
ああ、だから、史人も戻ってきたのですかね
[まだ出会ってこそいないが戻ってきているらしい史人を考えれば、そこでやっと合点がいく]
[旅籠の見える辺りまで来た頃、名前を呼ぶ声が聞こえたか、ふと顔を上げた。]
ん、アレ・・・
琉璃サン?・・・・と、昨日の。
[3年振りでも、彼女――もとい彼の姿は見紛えようもなく。
その隣に昨日の客も見えて、出した声は届いただろうか。]
[そのまま座して喋り、旅籠に入ってきた面々をみて多少驚きながらも久方ぶりに会う地元のものであれ、外のものであれに挨拶や軽く近況のことなどを交わせば、その後あてがわれた部屋に*引っ込むだろうか*]
私、小説書いて、出版してるから、少しだけ、外と関わることがあるんだけど、ここが、取り残されてるような、印象を受ける時が、あるんだ。
外では、当たり前のことが、ここには、無い感じで。
何だか、寂しい、感じが、するの。
孝博君は……確かに、変わりすぎかも。
最初、面影探すのが、大変だった。
[その時のことを思い出して、クスリと笑った]
そう。
だから、史人も、呼び出された、みたい。
玲ちゃんに、まくし立てられた、みたいだよ。
[小さく笑いながら、余計な情報も付け加えてみたり]
[戻る道が孝博とは違ったのか、途中誰とも会わずに。
結果的に旅籠に先に戻り、中に居た榛名にこんにちはと軽く会釈し、傍に居た蓮実には、少し驚いた。]
蓮実さん?あれ?久しぶりー。
奇遇というか、こんな所で会えるなんて思わなかったわ。
[思わぬ知り合いの顔に、驚いた。]
噂をすれば、影が…と言うやつかな。
[後ろからの声に、どうも、と手を上げ。
旅籠の扉を開いて中へと]
……蓮実?
………噂をしたつもりはないんだが。
どうしたんだ?また旅行の最中か?
[親しげに声をかけ、近くの榛名に気付けば頭を下げた]
あ、小百合ちゃん。
待ってたんだ、よ。
[旅籠に現れた小百合を見て小さく手を振る。用事を済ませる前に、彼女から聞こえた言葉に瞳を瞬かせて]
あれ、蓮実君と、知り合い、なの?
[交互に、二人に視線を送った]
まぁ、たしかに。
重要なのは僕たちがどう思うかだね。
[旅籠の前に着き]
そう?
彼は立派に育ったのかな?
[くすりと笑みを浮かべ、噂をすれば影]
こんばんわ、孝博。
お兄さんが会いにきてやったぞ。
[おどけるように笑いかけて]
早速家の手伝い?親孝行だね。
[更に現れる見知った顔ぶれ。その者達にも小さく手を振って挨拶し]
…裕樹君も、蓮実君と、知り合い、なの?
何だか、顔見知りばっかり、居る、みたいだ、ね。
あれ、琉璃も、来たんだ?
[先程別れたはずの琉璃までも旅籠に現れたことに瞳を瞬かせ、首を傾げた]
何?楽しい噂でもしてくれてた?
[はぁいと祐樹にはにこやかに軽く手を振った。
榛名が待っていた、というのには、思い出したようにあー!とちょっと叫んで。]
あわ。わざわざ待っててくれたんだ!ごめんなさーい。
ちょっと桜を見てたらうっかり話し込んじゃって。
あー、うん。
ちょっと前にその…バイクで事故った時に色々助けてもらって。
[ちょっとバツが悪いのか。苦笑しながらそう話した。]
おや、蓮実まで?
なんだか、本当にたくさんの人が集まってきてるみたいだね。
[笑いかけて懐かしい話に花を咲かせたりとか]
旅にでてからどれくらい立つっけ?
いろいろ言う人もいるみたいだけど。
[くすりと笑いかけながら]
ボクには外の世界にいくとか考えも及ばないけどね。
気にしないで。
早く来すぎた、だけだし。
旅籠に来たお蔭で、久しぶりに、蓮実君とも、会えたし、ね。
[大丈夫、とでも言うようににこりと小百合に微笑んで。持ってきていた小説を小百合に渡した]
そう、なんだ。
人との出会いって、不思議だね。
こうやって、思いがけない、ところで、再会したり、する。
[涼の言葉に青筋立てて拳をきつく握りしめていたが、はあと息を吐くと]
もう好きに呼べ。
まったく、瑠璃にしろ何故俺様をそう呼ぶのだ?
おや、榛名もこっちにきてたんだ。
うん、孝博が帰ってきてるって聞いてちょっと顔見せについでにかわいい弟分(?)をかわいがってやろうかと。
[くすりと冗談めかすようにそういって笑いかけて]
さっき晴美も探してたし、たっぷりもまれたりしたのかな?
[くすくすと笑いかけて]
噂?
何、2人してオレのコト気に掛けてたの?
そりゃァ光栄。
[裕樹も同じような扱いなのは、未だ性別を認識していない故か。
けらと笑いながら。]
いやァ、お久し振りッス。
お変わり無いようで。
[瑠璃に掛けた言葉に他意は無い。きっと。]
手伝いのつもりじゃァ、無かったんスケドねェ。
[僅かに苦笑を混じらせながら、2人の後ろから顔を覗かせる。
何処に行っていたのか、コダマがするりと足許を通って中へ入って行った。]
3回偶然が続けば、必然の香りがするって誰かが言ってたけれど…不思議なもんだな。
[蓮実から、此処が地元だと聞けば眼を円くして]
そういう事は、紅い巫女の伝説貸した後に教えとけよ!
…それとも、まさか気付いてなかったのか?
[呆れた表情で眺め]
ああ…俺たちは、なんと言うか旅行仲間、なんですよ。
前に旅先で知り合ってそれ以来。
[何だか賑やかな旅籠に、楽しそうに笑うけれど。
ふわ、と欠伸が出てしまい]
…ま、積もる話しもあるが、それはまた明日な?
ちょいと、俺は眠い。
他の皆さんも、俺は先に。
おやすみなさい。
[ひらり、手を振って部屋へと戻って*行く*]
うん。
ちょっと、用事があって、ね。
今しがた、終わったんだけど。
[琉璃の言葉に頷きながら軽く説明して]
孝博君とは、まだ、会ってなかったんだ、ね。
ふふ、そう言えば、昔から、可愛がってたっけ。
[笑いながら、するりと中へ入ってきたコダマにも「お帰り」なんて言ってみたり]
そう?うーん、でもごめんね。
ああ、ありがとう。早速今晩読ませてもらうわ。
[春名から小説を受け取って、ありがとうと笑んだ。]
そうね。色んな縁があるものだわ。
…ぁ、ってことは蓮実さん、この村の人なんだ?
[今更というか。春名が親しげに話すということは、おそらくそういう事で。
尋ねれば蓮実からは肯定の言葉が帰ってきて、村に来て何回目かわからない『へー』を口にした。]
たまには親孝行してもばちはあたらないよ、きっとね。
[にぃと意味深げな笑みを浮かべて孝博の背中をぱしぱしとたたき]
孝博はあかぬけた感じ?
悪く言えば都会に毒された?
[裕樹と蓮実の様子に何事かと思えばその説明に納得がいったように]
なるほど。
二人はお知り合いで。
うん、なんかこう運命的なものをいろいろ感じる出会いばかりだね。
[額を押さえる孝博の背中をぽんぽんと矢指叩いてやり見上げる形になりながらにこっと笑いかけて]
元気だしなよ。
[何も知らない男なら一発で元気になるかもしれない。おおよそそんな感じの。]
[蓮実と裕樹のやり取りを眺め、クスクスと笑う]
旅行仲間、か。
度々一緒に、色んな所を、回ってたのかな。
[自分には出来ないことで知り合った二人には、羨望の視線が向けられるだろうか。部屋へ戻る裕樹には、「お休みなさい」と声をかけて見送る]
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