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……甘いっ!
[避けられた時点で、その動きは想定の範囲内。
大鎌を振り切った勢いを生かし、くるり、優雅なターンが決まる。
ふわり、と舞い上がった真紅のマントが、『星姫』の視界を遮った。
動きの止まる『星姫』の足元へ向け、大鎌が逆方向へ振り抜かれ、その足を払う]
……終わりましょうか?
[体勢を崩す『星姫』に向けられるのは、艶やかな微笑。
横に流れた銀色の大鎌が上へとその刃を上げる。
『星姫』は立ち膝に体勢を戻し、せめて一撃、とばかりに飛び込んできた。
躊躇う事無く、振り下ろされる、銀。
紅が舞い散り、そして]
……『魂の檻』にお行きなさい。
[静かな声が響く。
『星姫』の一撃が届くよりも早く、大鎌はその左の肩を深く、鋭く抉っていた。
崩れ落ちる様を見やる瞳に感情はなく。
鎌から離した左手を、す、と前に翳す。
そこにふわり、と現れるのは『スター』のカード]
……まったく。
今回の『デュエル』、一筋縄ではゆかぬようね。
[ため息混じりに呟き、大鎌を再びカードへ転じる。
描かれた死神は、先ほどよりも*色鮮やかに*]
うふふ。
私には、口が上手でいらっしゃるのね。
あぁ、でもこれからが本番かしら?
ディーノさまなら、勘違いされないだろうと判断してのことですから、お気になさらず。
[失礼云々は気付いていたのかとか、内心浮かんだかもしれず。
けれどやはり言及しない]
―廃墟―
[カルロスの頭を鷲掴んでいるのならその体勢のままで]
俺はもう、願い事は決まってるから。
[にこりと、屈託のない笑顔ではっきりと言い切る]
…う、本当に食べたい。
腹空くなあ…。
[肩を落とし頭をもがくりと落とした。
割と空腹度は高いらしい]
林檎ですね。…はい。どうぞ。天使さん
[帽子の鍔に手をおき、揺するように動かせば、その隙間より落ちてくる赤い林檎を手にとり、仰々しい態度で差し出す]
[エリカが黙秘する様子には溜息では無く笑う気配が現れた。大方の予測がついているのだろう]
そん時ゃ気張るがよか。
[小さく返された言葉にやはり笑いが返った]
[据え膳、に引っかかったらしい青年にポツリと]
そっちのお嬢さんとか、お前さんt…ちょっ!
[なんかとんでもない事を口走った気がするが、言い終わる前に青年の手が伸び、流石に避けきれず]
見ても何にもでねーっての。
…どうせ触るなら、こっちが良いと思いません?
男性にしろ、女性にしろ、恥じらいがありますもの。
[にっこり笑いながら、エリカの頭を撫でたり]
……この前みた鳩といい、その林檎といい、どっから……。
[本当に出てきた林檎に、思わず呆れたような声が上がる。
何となく、餌付けされかけているようで癪だが、食べるものを無駄にしない、は下街で生きる上での大原則。
というわけで、しっかり受け取った]
[ケイジの笑う気配には、また少しむくれかけるものの。
続く言葉には、しっかりと頷いていたりする]
別に「据え膳」って言うか、食えりゃ何でもいいぜ?俺。
[もしかしたら「据え膳」の意味をわかっていないかもしれませんこの男。
心なしか冷えたような気がするのは気のせいじゃないような]
―廃墟―
[がっしりと掴んだ頭が余計なことを口走ったような気はするが、脳内は大変都合よく処理をしてくれた模様で]
俺と彼女はそういうつもりじゃない。
[きっぱりはっきり言い切って]
…ちゃんと眼球が嵌ってることは理解できた。
[それすら無いとでも思ったような口振り]
─飼い主より遠く離れた廃墟の一角─
[命じられた小猿は目的の人物を見つけ出し、その戦う様の一部始終を隠れるようにしてじっと見つめていた。戦う相手との会話、動き、その全てが小猿を介し、主の下へと届けられる]
[事が終われば小猿はすぐさまその場を離れ。森の枝葉に紛れ主の下へ──]
……て、ちょ。
[とかやっていたら、ロザリーに撫でられ。
何となく、騒ぐ気力もなく、翼がへしょ、となったかも]
……なんか……調子、狂う……。
目立ちたがりやさん…?
[奇術であれば、一つに注目を集めるのは、他の注意を逸らすため。
先程の自分の闘い方も、また似ていて。
だから目立つことが手段か目的か、首を傾げ考える]
エイキチさま。
…後で、お会いしてみたいですわね。
[和やかに笑ってみせたり]
―廃墟―
むーん、残念。
[見なかったというカルロスに落胆の溜息をつく。
黄色箱には大いに興味を示したが、頭を掴むカルロスは止めず]
―廃墟―
あは、もう既にありますか。そうですよねー。
[願いがあればこそ魅入られもする。
屈託の無い笑顔に軽く肩をそびやかした]
もしかして何も食べてないです?
じゃあそっちのチョコ味はマイルズさんが貰うといいです。
私は猫缶の方を貰いますからー。
[別に猫缶をくれるとは言っていなかったような]
いえいえ〜。上手になった覚えはございませんね〜。
ですが褒め言葉として受け取りましょうか〜。
[ニコニコと浮かべる営業スマイルで、ロザリーの気にせずという言葉には素直に従う意を示す]
おや、鳩はあのときのですか。ですが種がわかってしまっては楽しめませんよ?
[疑問を抱くエリカにはそう応えた]
ありゃ、振られちもうたかのぅ。
[笑みながらエリカの頭を撫でるロザリーに、わざとらしく落胆の色を声に乗せる]
じゃけぇ、その考えには同意するかのぅ。
こげなおっちゃんに触るよかマシじゃろて。
おぅさ。
目立つためじゃ。
[とは言え、何故と言われても特に意味は無かったりする]
エイキチじゃったらそんうち戻って来るじゃろて。
……とか言うとる間に戻って来よったの。
[男の頭上、樹の枝から「キィ」と言う鳴き声が聞こえる。男が見上げると、小猿はぴょいと枝から飛び降り、仮面の額に着地してから肩の定位置へと降り立った]
…具合、悪いんですの?
[へしょんとなった翼に首を傾げ]
いたいのいたいのとんでいけー。
[頭をなでさすひらー。
真面目な表情を作りつつ、和やかな声で言ってみた]
―廃墟―
リディアにもあるんだろう?
こんなことをしてでも叶えたいこと。
[詳しくを聞くつもりはない。
けれど首は問うように傾げられて]
ああ、ここに来てからはまだ。
水は確保できたから食料はのんびりでいいかなと思って。
…て、いいのか?
[いや自分が貰っていいとカルロスは言ってなかったが]
ま、手品師に種を聞くのは無駄だろうけど、ね。
[返される言葉は想定の範囲内。
故に、ため息混じりにこう呟きながら、手の中の紅を見やり]
……ん、あ。
エイキチちゃんだー。
[鳴き声と気配に、呑気な声を上げつつ、片手をぱたぱた振った]
んー、まぁ一応教会の人ならその辺りは堅いのかね?
とりあえず誤解らしいことはわかった。
[へらりと、それでも笑みを浮かべて。冷や汗も浮かんでいるが]
……一応視力はいいんだぜ?
つことで放してくれねぇ?
[そういう意味じゃありません。
リディアの落胆には視線だけ向けて]
役に立たなくて悪ぃな。
[とだけ返して]
ええ。そういうことですよ〜。不思議だと思ったり楽しんでくだされば手品師冥利に尽きるというものですからねぇ〜
[なんだか翼がへちょっとなってても営業スマイルな笑みで答える
まあつられて撫でるなどはしないが]
おや、噂をすればなんとやら、ですかね
[と、戻ってきたエイキチを見て口にする]
……具合が悪いって言うかー……。
[気が抜けた、とはさすがに言えずに言葉を濁す。
真面目な表情でいたいのとんでけ、といわれると、えーと、と困ったような声を上げていたり]
「ウキッ」
[手を振られ小猿はエリカへと手を振り返す。それを見て男は腕をエリカの方へと伸ばし。意図の伝わった小猿がその腕を伝ってエリカの下へと]
[猫缶を所望する声に目をぱちり]
って、猫缶でいいのか?
…あ、そうかぁ
[カードからの情報を思い出しポン、と手を打つ]
それじゃ、猫缶はそっちのお嬢さんに、な。
でもって、これはその「聖騎士」さんに、っと。
あ、チョコ味が嫌ならチーズ味とフルーツ味もあるけど?
[いくつ持ってるんだと突っ込んではいけません、本当に]
えぇ、もちろん褒め言葉ですわ。
安心してお受け取り下さいな。
[柔らかく投げる声は、表の世界で用いられるものとなんら変わりない。
ちら、と紫紺は狐面に向いて]
おっちゃんであるのなら、軽々しく頭を撫でたら、それは怒られる気もしますね。
私は構いませんが、相手は乙女ですし。
種や仕掛けがわかりすぎると、面白くなくなる事が多いもんねぇ。
[『面白くなくなる事』の内容は、相当多岐に渡りそうだが、あえて仔細には言わず。
手を振り返した小猿がやってくると、わぁい、とはしゃいだ声を上げてぽふぽふ撫でる。
なんでかんで、気に入っているらしい]
―廃墟―
[ふ、と息を吐いて両手を解く。冷や汗は見て見ないフリ]
堅いも何も、厳禁だ。
[やれやれ、と言わんばかりに肩は降りて]
…いや、チョコで充分。
……ありがとう。
[食料を貰ってしまうと、先程まで鷲掴みしてたこととか何だか色々申し訳なくなったりして。目線は逸れて礼も小さくなるだろうか]
―廃墟―
そりゃあまあ。
なければ逃げたい相手もいるみたいですしねー。
[首を傾げるマイルズへ曖昧に笑って頷く。
空色は一瞬だけ翳ったかもしれない]
探すと色々見つかりますよー。
昨日はウエハース食べました。
だから、どうぞどうぞ。
[すぐにいつもの口調に戻る。
据え膳話題も何かズレているのを感じれば、なんだかなーと呟いて、冷気もいつのまにか散じていた]
んー、いやそこまで期待してませんでしたし。
でも見つかったら教えてもらえると嬉しいですー。
[カルロスの視線にぱたぱたと手を振った]
あら、可愛い。
[両手の指先を合わせ、エリカへと駆け寄るエイキチを眺める]
…奇妙な組み合わせ、にも見えますけれど。
お友達なら、そういうものなのでしょうか。
[えーと、と戸惑うエリカには、紫紺の瞳が細まり微笑みを向けた]
そうかのー。
別んやましいもんは無いんじゃけどのぅ。
[撫でたのも宥めようとしただけだったし、と少し不思議そうに言う。野郎に乙女の感情なぞ分かるはずもなく]
[一方エリカに撫でられて居る小猿は嬉しそうに鳴いて。ぴょいとエリカの手の中へとダイビング]
えぇ。では遠慮なく。手品師にとっての嬉しい褒め言葉に感謝しますよ〜
そしてあのかたがエイキチさんですよ〜。私も先程あったばかりですがね〜
天使さんはお気に入りのようですねぇ
[ロザリーの柔らかい言葉を素直に受け取るようにしつつ、エイキチの説明をする]
仲良うなったら奇妙もなんもなか。
コイツぁ賢うての、色々手伝いもしてくれるけぇ。
[エリカ達の下で楽しげにしている小猿を見やり、そんな言葉を返して。男は自慢げに両腕を組んで居る]
―廃墟―
普通の食事がしっかりあるなら選びませんけどねー。
でも味悪くないんですよ?
[変化の詳細はともかく、獣相があるのは知る人は知ること。
人姿の時でも平気で食べたりするのだが]
どーもですっと。
[用意がいいなーとカルロスの荷物を覗いたりした]
[困惑していたのは、色々と思い出していたから、というのもあるのだが。
取りあえず、説明する必要もないか、とそれは言わずに]
[小猿が手の中に飛び込んでくると、やはり嬉しげな様子でぽふぽふと。
ひとまず、尻尾への突っ込みから始まりかけた暴走は、治まった*らしい*]
そういうことですねぇ〜。教えないのは私達手品師の気遣いですのでそこで納得してくれると助かりますねぇ〜
[仔細については気にもせず、ただ手品師としての言葉を口にして]
それにしても…戦いの現場を盗み見ることはどうやらほとんど叶わないようですねぇ
[カードから伝わる情報を元に唐突にそんなこと呟いた]
[解放されて左右に頭を振って]
厳禁、かぁ。そりゃ難儀だな。
俺は「いい声」が聞けりゃそれでいいんだけど。
[さらっとぽろっと問題発言。「いい声」は多分ちょっと意味が違う]
そんなモンでよければいくらでも出せるから、気にしなくていいぜ。
有るようでないんだよな、食いもん。
[俺もたまには違うもん食いたい、と零して]
探せばあるかもなぁ、ドーナツ。
猫缶、って結構いけるもん?
[今度試そうと思ったとか]
んじゃ、これはお嬢さんに…リディア、だったか?
[言って猫缶を取り出し手渡して]
やましいものがあったら、なおダメです。
[元乙女、現淑女はきぱと言い切って]
ダメ以下かもしれません。
…そうしたら私刑ですわね。
[にっこり華やかな笑顔のまま、何か呟いていたり]
―廃墟―
それは大変そうだ。
[肩を竦めて軽い調子で小さく笑う。
翳る空色を知りながらそうしたのは、先の苦笑を軽い口調で流してくれたことを理解していたからか]
それなりに探したつもりだったけど、…本当につもりだったみたいですね、俺は。
じゃあ遠慮なくいただきます。
[手の内の黄色の箱を軽く揺らして]
それじゃあ、今度お礼に何かあげられるようにもう少し探してきます。
また近い内に、二人とも。
[ケープの裏のポケットの中で一番大きいだろう部位に箱を落として、二人に軽く手を振りながらオフィスビルを*後にした*]
[紫紺はエイキチに向きつつ、奇術師の言葉に淡い笑みを浮かべる]
動物に好かれる人に、悪い人はいないのだったかしら?
[正確には、動物が好きな人、だったかもしれない。
少しばかり、紫紺を狐面にはしらせ、唇に指を当て自慢げな様子を見た]
…それなら、悪い人ではないのかしら。
エイキチさまは、賢い、と。
覚えておきましょう。良いご友人であるのだと。
じゃから無い言うとろうて。
そげに下心ありそうに見えるじゃろか。
[からかいはせどもそう言うのは一切無かったりする。たまに素で妙な行動には出るが]
やれ、ワシゃそろそろ暇するかの。
休息も重要じゃて。
[言いながら小猿を呼び寄せ。伸ばされた腕を伝って小猿は定位置へと]
戦いの様を見たいばどっかで張るしか無かろうて。
尤も、こん場所ぁ駄々っ広いがの。
ほんじゃワシゃこの辺で。
[聞こえた呟きに返し、挨拶をすると上方へと飛び上がる。枝葉の中を隠れ行くようにして男はその場を立ち去った]
―廃墟―
どんな声やら。
[裏仕事もしていれば噂を聞いたこともあったか。
聞こえた会話に小声でポソリと呟いた]
よし、また探そう。
普通に食事としても食べられますよー?
[かなり酷い食事もしてきた生活ゆえの感想だったりもするが]
そです。リディア。
ありがとうございまーす。
[手渡された猫缶は腰のポーチに仕舞い、ぺこっと頭を下げた]
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