情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
─ 一方その頃、あちら側─
「さて……大体の状況は把握できた所で……どうしたものか」
零れ落ちてきた機鋼の仔竜、その話を一通り聞いた所で、影輝の王は館広間の天井を見上げつつ、小さく呟いた。
空間に干渉し、崩しに行くのは容易いが。
創り上げた力の大きさなどを加味すると、手順を誤ればややこしい事になるわけで。
「ったぁく……ほんとに、竜族は厄介事を持ち込んでくれる」
……大元の大元が何かは、取りあえずおいとくらしい。
「とりあえず、現状こちらからできるのは、安定取り、か。
恐らく、時空竜が一度は無茶を通してくるだろうから、後はそれを安定させてバイパスにすれば、脱出経路の確保はできるだろう」
なんせ、あいつの仔だからなあ、と。
呟く所からして、行動予測の基準は時空の竜の生命の父──影竜王の気質であるらしい。
それもそれでどんななんだ。
「にしても、空間に関する専門家が揃って捕まる、ってのも、一体どうなんだか、ねぇ……」
ぼそり、とこんな事を呟いて。
菓子を食べて落ち着いたのか、うつらうつらしている機鋼の仔竜の様子に苦笑めいた表情を向けた後、影輝の王はふらり、館の外へと向かう。
外に出て、改めて上を見上げる。
ぼんやりと浮かんで見えるのは、『複製』の空間か。
近くて遠い場所にあるそれをしばし見つめた後、天へと手をかざして愛刀・草薙を呼び寄せる。
同時に、具象化するのは貴紫の六翼。
最も力を繰りやすい状態を取り、ふわり、ゆらりと光の粒子を散らしてゆく。
「……ヴィオ、聞こえるか? 聞こえてるなら、返事しろ」
『複製』側にいる、自身の分身へと呼びかける。
その声が自身の元へと届いたなら。
「時空竜に、伝えとけ。
『空間に風穴空けるのは一度で十分、後は、こっちで安定させる。
寝込まれると厄介だから、自重してくれ』」
……こんな指示を出していたとか*いないとか*。
[握られた手から伝えられる冷気には気持ち良さそうに]
んー。竜族は私達より肉体への依存が強い人多いって言うし。
仕方ないのかも?
[自分も良く居眠りするのは棚に上げてます。
まぁ本気で眠るのは力の消耗によることが多くはありますが]
うん、力抜いておく。
[そうして瞼を閉じ休んでいた。
ふわ、と身体から抜けていった何かを強く意識することもなく。
それが同属ではない親しき力に引き寄せられるのも*気付かずに*]
[緩やかに知覚の糸を伸ばす、触れていくのは、様々な感情の波、心の流れ、ある者は楽しげに、ある者は哀しげに、ある者は不安に揺れて、そうして、他ならぬ己自身に向かう複数の疑念。それら全ての感触を楽しみながらも、ふと触れた陽光の精の感情には、僅かに呆れたような視線を向ける]
おや…
[ふいに幽かに感じたのは影輝王の意志]
あちらでも苦労なさっているようで。
[笑みを深めて呟いた]
[やがて、手にしたカップを空けると、足りなくなりそうな湯を沸かしに厨房へと歩み入る]
『しかし、あの方は、探査の鎖も跳ね返してしまいそうですねえ』
[そうなってしまうと、この空間の外に跳ね飛ばされるのは時空竜の方で、それはいかにも面白くないと顔を顰める]
『と、いうか…』
[湧かした湯をきっちりと茶葉を計った大きめのポットに注ぐ]
居眠りしている間にやっちゃうとか、面白過ぎますよ。
[くつくつと笑いながら呟いて、砂時計をカタンと回転させた]
[オトフリート達から粗方の話を聞いて、今置かれてる状況を把握する]
その核になっちまってる奴をこの空間から追い出しゃ皆出られるわけだな。
で、そいつを特定する術とかはあんのかね。
[聞けばオトフリートが読み取る切欠を持っているらしい。情報収集を生業としてはいるが、ここでは接触出来る風精の数も少ない。自分は役立たずかね、と座っていたソファーの背凭れに体重を預けた。それと同時にセレスを追わせていた風が傍へ戻って来る]
……お前はどこ行ってたんだよ。
『えーとぉ……おちびちゃん見失っちゃってぇ。
そしたら変な力感じてぇ……えへv』
えへv じゃねぇよ。
ちまっ子がどこ行ったかはもう分かったから、お前うろちょろしねぇでそこに居ろ。
[風がぷーと膨れたが無視]
[ミハエル達が居る側ではなく、本来の空間で影輝王がきりきりと働き始めた頃。
”空間に風穴を開けるらしい”と聞きつけた翠樹王は花火大会か何かと勘違いでもしたらしく、お茶と菓子を抱えて見物準備を整えていたようだが──
そんな事は知る由もなく、ミハエルは時折ブリジットの頭を撫でたりしながらクレメンスを監視したりしていた。]
そういえば、人間も一日のうち半分近くを眠って過ごすな。私たちにとっては基本的に、肉体の持つ意味は強く無いが……あいつらにとってはむしろそれが自然なのかも知れない。
[当然のようにブリジットの居眠りは計上に入っていない様子で、何となく納得した仕草。(しかし昏倒することは日常的ではないと思われる)
広間から出てまた戻ってきたクレメンスをやっぱりじろじろと見ている。]
[ゆら、と浮上する意識。
探査に力を特化させている時は特にそうなりがちなのだが、夢見はある意味最悪で]
……縁起わりぃ……。
[目を開けるなり、口をついたのは、そんな呟き]
[影輝王の分身たるふわもこの上げた声に、ちらと目をやり、唸り声をあげた時空竜にも笑みを零しつつ、黙って新しい紅茶をいくつかのカップに注ぐ]
熱いお茶でもいかがですか?皆さん。
[氷精の不信まみれの視線にも動じず、にこにこ]
………?
[現実との通信中とは知らず、微妙に真剣な雰囲気に瞬きひとつ。
声を掛けるも憚られつ見守れば、ふわりと紅茶の香りが届いた。
視線を流せば、心の魔の姿。僅かに眉を顰める]
紅茶より珈琲が良いなー。
[くあ、と欠伸しながらクレメンスの問いに答えてみたり。オトフリートが起きたらしいことに気付けば、「おはようさん」と声をかける]
[縁起悪いのはなんなのか。
もしかしたら、好物と嫌いなモノの組み合わせの事かも知れない……なんてのは、さておいて]
……ん。どうなさいましたか、分身殿。
[甲高い声を上げた後、こちらへやって来たすみれ色のふわもこに、きょとり]
さて…………と
[そう呟くと、ごそりと懐に手を入れ取り出したのは1枚のカード
ピッとそのカードを空中に弾くと、数秒虚空でクルクルと回転していた後、バチンという音とともに一瞬輝いて消失]
これでよし、と
じゃあ、皆さんのところに戻るとしますか
[そう言ったかと思うと既にそこに姿はなく]
[お茶の誘いは軽くスルー]
[覚醒したらしいオトフリートにも特に声はかけない]
……ところでハインリヒと言ったか、
お前は人間のくせに随分と風と仲が良いのだな。
[彼らが何を話しているかまでは判らないが、]
……二度も三度もやりたかないですよ、と。
[ぼそ、と呟いた。
短時間とは言え、休息を取ったことで身体は大分、軽い。
やるなら今のうちか、などと考えつつ、椅子から立ち上がる]
[時の竜が起きるなり飛んでゆくふわもこを、似た色の瞳で見送り。
神父殿からの紅茶の勧めを、警戒しつつ口を開き――]
…ぃぇ、わたくしは……こほ、
[断りの言葉が出る前に、咳き込んでしまい。微妙に困った顔]
あん?
俺一応精霊使いだからな。
小せぇ頃から風の声を聞き駆け回った仲だぜ。
[小さい頃一緒に駆け回ったのは今居る風ではないが。ミハエルにそう答えつつ、クレメンスの返答には]
ちぇー、苦手が居るから好みはお預けされちまうのかよ。
んじゃ紅茶でも良いや。
[くれ、とは言わずに要求]
おりょ、オトフリートどこ行くんだ?
[訊ねた言葉は相手に届いただろうか。咳き込むナタ・リェに気付けば、「大丈夫か?」と声をかける]
[紅茶の人気の無さに、がっくりと肩を落として哀しげに眉を下げた]
そんなに信用ありませんか?別に毒など入れていませんよ。
[証明するように、カップを手にしてこくりと一口]
はい、どうぞ。
[やっと飲んでくれそうな相手が現れたと、嬉しげにハインリヒにカップを手渡す]
申し訳ありませんが、これで我慢してください。これ以上オトフリートが弱ってしまうと、麒麟殿も哀しまれますし、皆さんも困るでしょうからねえ。
[香り高い水色が揺れる。
おかしな匂いは感じられない――少なくともこの姿では]
え…ぇ、…大丈夫、です。
[気遣うハイン殿へと頷き、カップへと口を付ける。
出て行く長い黒髪の尻尾は見えたなれど、視線だけで見送って]
[声やら視線やらは気づいていたが、取りあえず答えはせずに。
外に出て、精霊鋼の腕輪から漆黒の光鎖を具象する]
……さて、どの辺りにぶち込みますか、と。
[煌めく黒を周囲に舞わせつつ、零すのはそんな呟き]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新