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ん?
[彼はすぐに入っていった]
[誰の部屋だろうとそちらに向かう]
[部屋の中から声がした]
…
[へぇ、と、小さく口が動いた]
[胡桃色と、灰銀色。
白の上に、鮮やかな色。
鉄に似た臭いが、強く満ちていた]
……何、やってんの。
[少女が何を言っているのか、わからなかった。
だって、こんなに綺麗に咲いているのに。
――違う、これは、彼女の花じゃない]
起きなよ、リュー。
寝ぼすけ。
起きないと、グリンピース御飯に入れるよ。
[脇を擦り抜けてベッドサイドに左手を突いて、リューディアの頬に触れた]
[冷たかった]
[ミハエルが掃除をした広間はしかし、それが簡単に落ちないことを意味していた]
[かすかに黒い]
[しかしそのままキッチンへ向かう]
[食べやすいものを用意しておこうと思ったのか]
[スクランブルエッグを]
[スチームミルクを]
[そしてやわらかいパンとバターを机に置いた]
こんなに、冷えてる。
下で温まろう。
早く行かないと、御飯取られるよ。
[レディ=アマンダに。
……違う、彼女は、もういない]
それに、こんなに汚して。
掃除とか洗濯、誰がすると思ってるの。
[ノーラさん?
……違う、彼女も、もういない]
[ユリアンがリディの傍に寄る。
くたり、と触れていた手が床に落ちた]
もう、食べなくて、いいね。
もう、食べられない、ね。
もう、痛くない、ね。
苦しく、ないね。
[視線はリディへと動いて]
もう、いないんだね…。
……お嬢様どころか、お姫様気取り?
でも、生憎と僕は王子様じゃないんだよ、眠り姫。
[返事は、無かった。
蔦の伸びたような蒼い花は千切れて、赤を帯びている。
それより何よりも、あるべきはずのものが、無かった]
なんで、そんな大切なもの失くすの。
[それは彼女自身の手によるものでないのは、明白だった]
……っきろよ、
馬鹿、
リューディア……!
[涙は出なかった。
泣かなかった。
泣けなかった。
泣くことは、出来なかった]
[――クァ、][鴉がないている]
[イレーネの言葉が聞こえる。
わかっている。
もう、彼女は、 ないのだと。
それでも、わかりたくなかった]
本当にかわいそうに
[くすと笑う]
[食べ終わった食事を片付ける音]
人の心を持つからこそ、人であるのに。
泣けないとまで思われているんですねぇ、人狼は。
ユリアン…!
[運んでもらった時、聞いた言葉が甦る。
ユリアンに聞いてくれ。
咄嗟に手が伸びた]
お願い。
もう、休ませて、あげて…。
[その腕を掴もうと。
大した力ではなかったけれど]
……、
………っ……。
[声すら、出なかった]
[腕を取られて、顔を上げる。
定まらない視界に、灰銀色が映った]
ごめ、ん、イレーネ……
僕の方が年上なのに、ね。
[体勢を直して、彼女に向き直る。
片手でバンダナを解き、前髪を掻きあげた]
美味しかったですかね、人は。
[囁いた声は、――届いただろうか]
[狼だけの言葉は使えずとも、人には聞こえぬだろうほど小さい声]
[ふるり、と頭を振る。
涙無く慟哭している青年に]
…誰か、呼んでこないと。
シスターか、クレメンスさんか。
[先にその二人が浮かんでしまったことで。
嫌でも再確認させられる]
身体を拭く、布とか、も。
もって、こないと。
[立ち上がろうと、ベッドに手をついた]
[解いたバンダナをリューディアの胸上にかけた。
汚いと言って嫌がるかな、そんなことを思う]
……ん、僕が呼んでくる。
具合、よくないんでしょ。
無理しないで。
[作ろうとした笑みは、上手く行かなかった]
[もう一度見上げれば、強張った表情。
無理に笑おうとしている様子に、身体ではない場所が痛んだ]
…うん。
お願い、します。
ユリアンも。
…無理は、しないで?
[バサという羽ばたきが聞こえた。
クァという小さな鳴き声も]
うん。ザフィーアも。
よろしく、ね。
−二階個室−
[目が覚める。][ぼんやりと瞬きをして、頭をかいた。]
[部屋の外から声が聞こえる。悲鳴のような、怒声のような。][はっきりと届かない内容。]
[何を騒いでいるのか。][聞こえなくても。][よく、判っていた。]
…ぁーぁ。
たくさんたくさん……って
言ってたのにネ。
[一人ぽつりと呟く声色は、少女の響きをしているのに。][どこか、低い。]
ザフィーアは、いいよ。
ここにいて。
昨日は、僕のそばにいたんだし。
それに今は少し明るいから、平気。
[途切れがちな言葉は、やや淡々としていた。
鴉の返事を待たず、部屋の外へ、そして、ひとまず階下に向かう]
[我に返った]
ああ、いけない。
まったく、気持ちよすぎますねぇ。
誰が洗ってくれてたんでしょう
[呟いて、持ち直す]
[暖かい湯で濡らしたほうがいいのだろうかと、廊下に出た]
…だネ。
美味しそうだったから、ね。
蒼い花はとっても。
[一人呟くそれは。][返した返事は、誰へのものか。]
[ぼんやりとした眼差しは変わらず、窓の外を見つめ。][空は白と青が混ざる。][とても、綺麗な。]
…あ。
[カラスは立ち去る背にクァと鳴くと、こちらにやってきた。
覗き込まれるように見られれば、小さく息を吐いて目を閉じた]
戻ってきたら。
手伝おうね…。
上手く、やってたってのに。
嬢ちゃんは嬢ちゃんのままで、いられるはずだったのに。
[たとえ破綻していても。][それでも、こんな所で色々なものが崩れることはなかったはずで。]
…これがシステムの力、かネ?
何もかもが狂ってくような…
[それを口にすれば、ちくりと頭に痛みは走り。][顔を歪め。]
……それとも、これが正常?
[それを口にしても、痛みは無かった。]
……、
[開いた口から声は出なかった。
浅く息を吸って、吐く。
喉の傷が、僅かに痛みを訴えた]
リューディアが、
……部屋で。
汚れているから、タオルを、って。
あーごめんデスよ。
はいはい、もうなんも考えませんから。
[再び誰かに明るく話しかけるようにして。ベットから降り大袋を手にし。]
…たとえ、限界近くても。
[その手を一旦止めて。][その一言だけ低く囁いた後。]
とりあえずやる事ダケやっときますか。
サボると旦那恐ぇし。
[すぐに明るい声色へと変わり、薬草をすりはじめた。][その手つきだけは、少女のそれと*変わらず*]
……何が。
[意味が、わからない]
泣けません。
だって、僕も、変わらない。
[手を払って、頭を振る。
バンダナのない髪は、バラバラに乱れた]
それより、早く、行かないと。
……きっと、寒い。
変わらなくても、泣いていいんですよ。
君は人なんですから
[にこりと笑う]
[頭から外れた手は、自分の持つタオルに添え]
そうですね。
でも
[風呂場の方を見て]
そんな顔をしていたら、心配されますよ?
あとで、シャワーを浴びましょうね?
[次いだ言葉]
人じゃなかったら、
[顔を上げる。
彼はすでに、タオルを持っていた。
偶然だろうか。それ以上思考する余裕はなく]
――泣いたら、いけないんですか。
Kyri……
[呟きかけた言葉はやはり途切れた。
どちらを選ぶにしても、それは]
それでも、どうか。
リディちゃんは。先生は、ノーラさんは、エーリさんは…
[ゆっくりと目を開く。
立ち上がる。どうにか動ける。
痛みもだるさも消えてはいないけれど。
バンダナはそのままに、その上から毛布を掛けて]
ごめんね。
荷物、触るよ。
[返事はなくともそう声を掛けて。
中から着替えを出して用意しておいた]
……そう、ですね。
きっと。
[問いを重ねたかったが、今はリューディアの方が先だった]
僕が、持って行きます。
[手を伸ばす。
彼に、あの姿を見せたくないと思った]
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