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緊急事態ですか、ら…!?
[相手の属性を単純に見抜けるほど、修行したわけでもなく。
白虎の力を借りてるだけなので金行以外が使えるわけもなく。
そんなこと言われても!と思ったけれどそれを口にする余裕など、それこそどこにもなく]
――っっ!!
[立ち上がりかけた所に返される術。
爪を変化させ、簡単な盾のようにして顔を庇うのが精一杯。
より鋭さを増した破片に腕を脇を切り裂かれて、細かな傷を幾つも負う。流れる血に、ちょっとクラリとした]
あー、そですか。
そゆことですか。うはー。
[重ねて“白虎”と呼ばれることで気付いたことが一つ。
だが今更引くわけにも行かなくて。というよりここまでやられて引けるほど人間ができてもいなくて]
物騒なのはお互い様じゃありませんかい。
[黄金の気に応え咆哮する大地の龍。咆哮に応える大地の槍。
境内の礫を跳ね飛ばしながら、蒼い木葉型の刃を打ち落としていく]
こんの、離せっ!
[腕や足に絡みつく植物を乱暴に刃で叩き切り、幾筋か身に絡めたままで槍の間を駆ける。爆発する龍と槍の礫に紛れながら、構えられた戟へ躊躇いなく踏み込んで]
――はっ!
[気合一閃、黄金の気を纏う剣で突きを放つ。それは身に突き刺るのではなく、少年の背を弾き飛ばし大地に叩きつけた]
ったく、手間、掛けさせおってからに、バカ!
[こちらも植物に絞められ青痣出来ーの、木の葉の刃に切られキャミがレースになってやがるーの、満身創痍。紙一重。
それでも剣を肩に置いて見下ろす目は、眼鏡越しにでも迷いはなく]
……頭だけやのうて、体も冷やしときや。
[一言告げて、大丈夫なん?と笑った]
[次に視界に飛び込んできたのは、地面に倒れているキョウヤの姿だった]
キョウヤ!
[体中の血の気が引いていく感覚に、足が崩れそうになるが、其れよりもまず先にキョウヤの体が心配だった。まだぶつかり合った力が荒れ狂っているであろう境内を、友人に向けて駆け寄る]
[決着ついた恭也と璃佳の傍へと歩み寄る]
おい。
何でこうなったかの説明、聞かせてもらおうか?
[言葉に怒気が孕んでいるのはおそらく気付けることだろう。倒れる恭也の傍に行き、膝を突いた]
全く、普段から鍛錬してれば、受身ぐらい取れただろうに。
[この状況見て言うのはそれだけか]
[階段を上りきった先の境内。
そこに立ち尽くすヒサタカを見つけ、声を掛け……ようとするが、その向こう側の状況を見て、言葉を失う。
そこに居たのは、倒れ伏すキョウヤと]
…………リカ。
[ガリッと爪を噛み、一瞬リカを怨敵を見る目で睨みつける。]
[それから、振り向いて見つけたサキに、やほーと手を振ってみる]
ちょーどよかった!
あんな、悪いねんけど手当てと冷やすんお願いできひん?
友情に厚いんはいいねんけど、ちょーっと冷静さ失うてやってさ。
あ、でも野放し禁止せなあかんやも。
さすがに五神内で暴れられる度にうちが止めなんは困るからなー。
[疲れたーと、その場に尻餅ついて、剣を消した両腕を後ろにつく。
そのまま伸びをするよーに顔を後ろに背けたら、石段を上がってきてたヒサタカの姿が視界に入った。うわーと情けない声が出る]
本命来る前に体力切れしてもうたやんか、キョウヤんのアホー!
頭は最初から冷えてる。っつーかこれで大丈夫そうにみえたらもっと度の強い眼鏡を買うことをすすめる…まあ死んでない…
[手を地面に突いて起き上がろうとして、一度失敗して、ようやく自分の怪我の具合を知る。
破片とかそういう飛び火で怪我したのだろう。そりゃくらくらするはずだ、出血大サービスものだ本当。
また起き上がろうと手を突いて、地面と見合いするはめになる。結局戟の刃を地に着きたて杖代わりにして、璃佳やすぐに来た幸貴の手を借りようとはせず意地で立ち上がり]
…そう…死んでないんだよなぁ…ぁあ…
[穂先を抜いて。鈍すぎる動作で璃佳に向けるような動きになるも]
……無理。死ぬまでやるほうが不義理だな。そんなもん抱えさせるなんて最悪だろうし降参だなぁ。こりゃ
[そのままくるりと刃の部分を上にして杖に、もたれるようにして、幸貴に答えようとして、久鷹とその奥のマリーをみる]
そういう事です。
――…喧嘩を売る相手を間違えましたね。
僕は、降りかかる火の粉は全力で払う主義ですので。
[物騒で結構ですよ。
頬へ薄く線を描いた紅から一筋滴るそれを、ちろりと舌で掬い舐める。
口の中へと広がる鉄の味。親指で、強く拭う。
――…嗚呼、]
…そろそろ、終わらせません?
[相手を見据える瞳は、細く――何処か、冷やかに。
ニィ、と。笑みが深まると共に、漆黒が、掌の中で三度形を変えた。
手の中で細く伸びた漆黒が、弓状へと姿を成て。
ギリ、と引き絞る。
――その切っ先を相手へと真直ぐに狙いを定め]
……なんなんだ。
[もはや出てくるのは呆れ。
どうやら眼鏡二人組による戦闘らしきものがあったようで、まー何とどっちもみっともはずかしいような状況になっていること。
ため息をひとつつくと傍観者らしい神宮寺に視線を向けて]
…何事?これ。
[わけがわからないとばかりに首をかしげる。
一緒にきた女子が、何やら眼鏡女子を睨んでいたのには気がつかなかったが]
手当てはこちらでする。
その用意もしてるからな。
[璃佳にそう返すも、表情は厳しいまま]
友情に厚いと言うが、何故そうなった?
そうなった要因はどこから来たのかね。
[その口調は璃佳を問いただすかのように。本命、の言葉にその理由は大体察しがつきつつあるが]
…あんなときに受身なんてとれるか。ってか誰かさんのおかげで俺受身だけならかなり自信あるぞ
[幸貴のどうしてという問いに答えるのはどうも気まずくてそんな言葉だけを幸貴に返し…てる横で説明する璃佳を見て嘆息して]
あのな…一日二日ぐらい待ったっていいだろうが。…まあでれんってのは厄介だけどよ。
[済ませてから考える思考だった]
[寄ってきたサキの声は怒気篭ってるは、デート中のはずのヒサタカはおるわ、と思ったらなんかデートの邪魔したせいか恨み骨髄っぽいマリーに睨まれるわ、ぼへーと役に立たんっぽいヒビキは言うに及ばずで。
とりあえず、四面楚歌なんはわかった。ちょっとだけ涙が出た]
……ヒサタんが妖魔っぽいんで確認しよー思うてキョウヤんに呼び出し頼んだら、逆に襲われたんやけど。
なんでうちがこんなに睨まれなアカンのかなー。
[疲れもあってちょい声が遠いです]
無理してんじゃないよ。
治療場所まで運んでやるから、座ってな。
[無理に立ち上がり、そのまま戟に凭れる状態になった恭也を見上げ、座るように促す。
何事かと問いかけてきた響に視線をやれば]
とある原因で悶着があってね。
今しがた決着がついたところ。
最初から分かってたんなら。
[変化する漆黒にスゥと息を吸って、吐く。
気息を整え、軽く膝を曲げる。まっすぐに引き絞られるのを見ながらまた深く息を吸い込んで]
――意味深なことするなあぁっ!
[発声で鍛えた一喝と共に地面を蹴った。
紙一重で避けられるかどうかの軌道。それでも弓形態なら懐に飛び込めばこちらにも勝機は見える]
[璃佳の説明には溜息が漏れる]
冷静さを失わせることをしたのは、璃佳、お前自身だ。
恭也と久鷹が仲が良いと知ってるのなら、そんな情報与えられてどう思うかくらい分からんか?
全く…五神同士で力の削り合いなんて…。
[苦々しい口調で言いながら、苛立たしげに前髪を掻き揚げた]
……ん?
[ やる事終えて、校舎から出て。
家に帰ろうか、あっちへ行こうか。
そんな事を考えていると、得たのは違和感。
常人ならば気付かないであろう、
「なんとなく避けたくなる」ような感覚。
それは、気と気のぶつかり合いによる乱れによるか、
或いは意図的に張った結界の所為か、――さて。
どちらにしろ、其処で起こっている事は容易に想像出来る ]
ご苦労なこって。
[ まるきり他人事の態で呟いて、其方へと足を向けた ]
つーか、そこ! 死ぬほどやってどーすんのさ!
そもボコるってのも憑いてんの引っぺがす為やろーが!
出てってvなんて言うて大人しゅう出てくれるんやったらボコらんかてええけど、世の中そんな甘うないねんもん。
ゆっくり命削る病気みたいなもんやで? 命にかかわる前にとらな。
[キョウヤの言葉に、へたり込んだ姿で文句つける。
気脈の満ちる大地の上に立つ学校。そこでバランスが乱されれば、そこに居るもの達への影響は計りしれない]
悶着、ねぇ。
[明らかに表情は、馬鹿じゃねえのと言わんばかりに眼鏡ーズを見る。
五神、という言葉に少しぐらいを眉を跳ね上げたかもしれないが]
…じゃあ、本当に身内でドンパチやってたんだ。
馬鹿じゃねえの。
[今度ははっきり口に出す。
彼らのつっぱしりが若さというものならしょうがないかもしれないが]
ま…敗者に何があるなんてない。骸にならんだけマシなわけだが。
[幸貴の座ってろという言葉は流した。というか座る心算はない
しかし融合というのは凄いな。呪いのように体が弱い普段の自分なら絶対意識が飛んでるぞ。なんてひそかな感心をしつつ]
久鷹…旅行いくまでに治すから心配すな
[一応無事であるよういったが、はたして効果があるのか否か]
んな文句ばっか言うんやったらサッキーがしてーなー。
動け言われて動いたら今度は文句言われるてなんやの。
…まあ、ちーっと性急やったかもとは思わんコトもないけど。
[溜息。周りを見上げる瞳は未だ黄金のまま]
んな甘いコト言っててええのん?
一日二日待ったらホンマに覚悟できるん?
その間に、何かあって…うちはうちの大切な人ら守れんかったら絶対に後悔する。したら動いて後悔する方がマシやもん。
[リカを睨んでいた彼女だが、少なくとも今ヒサタカに手を出す気はない風であることと、リカがこちらを見てることに気づくと、感情仕舞い込んで笑顔。ある意味怖い。
とりあえず、ヒサタカその他大勢の居る場所まで歩いていくと、ヒサタカの背中にギュッと抱きついてみたり。
当たってる? 当ててんのよ。]
[響のはっきりした言葉にまた溜息をついて]
ああ、ホント馬鹿馬鹿しいよ。
『五神』の力が欠けたら、『地』にも『天』にも影響が…。
[言いかけて、言葉を切った。それはどんな意図によるものか]
[力を凝らし、『隔離の陣』を形作る外殻を強化する。
内からも外からも、容易くは破れぬように。
……ついでに、こちらとは不用意なシンクロをしないように、気をつけつつ。
その背にはまたいつしか、銀光沢を帯びた五色の翼が開いていたものの。
強化の完了と共に、消え失せて]
……従姉殿、聞こえてるだろ?
後で、怪我人運び込むから……色々、頼む。
[内側へ向けて声をかけると。
比較的近場でぶつかり合っていた力の元へ向かうべく、足早に屋上を離れる。
……一瞬、飛んでいったろか、と思ったが、一応は止めておいた]
ぁーん?知るか。祓った後の中身とかな。
っつーか言っただろ。蒼龍がすっげーむかつくと
[と璃佳に返したのは暗に知らん情報満載だったとかで。]
申し訳ありませんね。賢い生き方は十年後ぐらいに気が向いたら学びますよ
[つかれてるのもあってとても上級生に対する態度ではない返事を響に]
[座ろうとしない恭也にまた溜息一つ。
文句たらたらな璃佳には]
こっちはこっちでやることやってんだよ。
アタシが言ってるのはやるなら方法選べってことだ。
恭也を経由して久鷹を呼び出すにしても、言い方があっただろう。
ったく、今回のことでやること更に増えたじゃねぇか…。
[まぁやるのは自分じゃなかったりするけど]
…ふーん。
[正直、天も地もどうでもいい自分にとっては欠ける欠けない以前にまずあの馬鹿後輩がどうにかするべきだと思っているのだが]
はいはい。
……少年老い易く学成り難し、気がついた時にぽっくりなんてなってないといいな。
[むしろ、ちょうど二人の中間属性であることを思い出し]
…しかし、なんて言うか…お前ら、ドングリだな。
[眼鏡といい、学年といい、龍同志の背比べ]
存在しない未来のことなんて知らん。っつーか璃佳にとって大切なのが…やっぱいいや。これもない未来かもしれんし
[璃佳に返したのは。居直りで、そのまま不安定な鈍い動きで歩く。
向かう先は単に木陰だとか。暑かったらしい]
馬鹿バカゆーな。
うちかてやりとうてやったんちゃうわ!
[ヒビキにもぶーたれて、ぷいと顔を背ける。
その際、チラ見したマリーがなんかやたら笑顔で戦慄が走った]
やば、馬に蹴られる。
[極小さな声で呟き、冷や汗だらだらで目を逸らしっぱなし。
なんかドングリとか聞こえたけど、言い返す気力は既に*空でした*]
[リカの言い分に、マリーではないが唇から血が流れ出るくらい噛み締めた]
……所詮、天界云々言っても、この程度か。才能があろうがなかろうが、それを制御せず、ただ与えられた知識の正贋すら確認せず、悪戯に争いを起こす。どれだけ今まで影で世界を支えていようとも、やっている事の縮図はここにある。
[己の力が漏れぬように気配を消して鳥居の上に隠れていたソレも、小さく頷いた。
昔からそうだった。生まれたからには必死に幸せになりたいともがいて頑張って来たのに、天界は何も話を聞かない。常に自分達こそが世界を動かす歯車のため、異端は切り捨てるという思考しか持っていなかった。おかげで大陸から日本に渡ってきて、殺生石に封じ込められてしまった。
今回もそうだ。
ようやく新しい命として転生を利用して殺生石から脱出した途端、生まれたというだけで異端と決め付ける。自分は地脈など触ってもいないし、世界を壊したいとも思っていない。大体影響が出るほど力など持っていないのだ。勝手に乱れた地脈までソレの所為にされた困るのだ]
……所詮は強者の理論。どれだけ時間が立っていようとも、元々下にいようとも、『今』居ずに視線も下げずに行った決定の結果がこれだ。
[そう言って、彼はリカとサキを睨み付けた]
……俺は関係ない。関係ないが、もし火の粉として降りかかるなら黙っちゃいない!
もし、うちの大切な人が妖魔やったら?
そんなん…目ぇ覚ませ、て張り倒すに決まってるわ。
[キョウヤの声に、こちらも居直りっぽく言い返す。
その少し声に力がなかったのは疲れの為だったのか、*それとも*]
運良ければ十年ぐらい生きれるんじゃないですかね
[運が良くて十年かよとか。いうのを木陰に向かう途中響に返しながら]
そか。話す機会あったらどうなってたかねぇ
[まあそれもいいか。なかった未来だし。と内心で呟きつつ、居直る璃佳に振り返るわけでもなく言って、やっぱり木陰にいこうと]
[少女の傍を掠める一閃に、――眉を寄せる。
…嗚呼、裏が「程ほどにしろ」と言うから。
加減だなんて、慣れない事をするとこうなるというのに。
脳裏で交わした会話に責任を勝手に押し付けて、舌打ちを零した。
漆黒の形状を咄嗟に棍状へと変えて、攻撃を防ごうとするも
既に懐に入った攻撃を回避するには到らずに。
正面から僅かに逸らした軌道は、肩から首筋へと掛けて、――深く、緋色を走らせた。
少量、とは言い難い紅が地面へと、吸い込まれて、滲む。]
…意味深も何も。
――…初めから、人の話を聞く心算も無かったでしょう。
[八つ当たりは止めて頂けませんか。
解けるように姿を失う漆黒を手放して、溜息混じりに言葉を返す。
傷口を押さえるも、暫し止まりそうになかった。
……ああ、服一着ダメにしましたね、とか。
考える事はあらゆる意味で庶民だが。]
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