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食べれるよ?
好き嫌いは、大地のお恵みを無駄にしてしまうと、母様も、舞弥のにいさまもおっしゃるもの。
[さも当然、と言わんばかりにさらりと告げるか。
叫ぶよな様にはくすくすと、楽しげな笑みをこぼしてみせ]
いやいやよりは、望まれての方がよいのかな。
でも、好き嫌いはよくないの。
[えいかの苦笑には、真面目な様子でこう返し。
紙風船を見やっての言には、うん、と楽しげに*頷いてみせ*]
はてさて、どうだろうね。
もしかすると、あるかも知れぬよ。
左様に望むのであれば。
[えいかへと返す言の葉はどこか軽く]
それ程に嫌われては、椎茸も可哀想だ。
[庭に下り立ち座敷へと眼差し向ける]
[―ややして続きを語り始めた時にはまた何時もの様子に戻っていた]
――俺が音彩と同じかもう少し小さい時分の時もそうした者が居てな―一人っ子の俺にとっては兄の様な人だった。何時も村一番高い木の上まで連れて行ってくれてな、ここの事を語って聞かせてくれたんだ。それがまた楽しくてな―親の言う事も聞かずに度々遊びに行った物だ。
[楽しき事を思い出してか何所か夢見る様な目で―だが、それも長くは続かなかった―]
[やや俯けば、くせのある前髪がその面を陰に隠して。
す、と立ち上がれば童たちと離れ、縁側へと歩み出る。]
[されど話は気になるのか、座敷からそう遠くないところ
――ちょうどあやめの傍近くの梁へと背を預けやる。]
[琥珀揺れれば白い足に、緑の葉に、梔子の布に惑おうか。]
それが他の子供達の気に入らなかったのだろうな―ある日、俺が狙われてな―あの人が俺を庇ってそいつらをやっつけたんだが―
[知らず裾を握り締めた手が震えるは怒り故か悔しさ故か―]
―その所為でとうとう村に居られなくなってしまったんだ。
―俺は、あの人の一家が闇に紛れて逃げる様に去っていくのを見送る事さえ出来なかった――
[だが、真に辛いのはそれから後であった―]
―翌朝、村の近くの谷底であの人の親と弟が見つかったと聞いた―あの人だけが奇跡的に助かって、何所かの寺に預けられたとも―
う、うー。
[自分も食べねばならなかったろうかと]
[小兄の言葉にうなり声]
[だけれど既に膳はなく]
[あったとしても食べられなかろう]
……つぎはがんばるけ
[皆の口々の言葉に]
[それだけを口にして]
[がっと立ち上がる]
[長き沈黙の後、三度語りは続けられん]
―その少し後だったな、あのほしまつりの夜が来たのは――それから先の事は烏も良く知ってるだろう?あの時お前の様に戻る事を選ばなかった理由はこれだった訳だ―
[―ふっと笑みを浮かべて]
―烏のお陰で俺は立ち直れた―ありがとう、感謝している。
……否、
[あやめの声が耳に入れば、ふると頭を振って僅かに瞼を開ける。
が、面も眼差しも上げぬまま紡ぐは、先ほどの話の蒸し返し。]
…答えあるなら、考えるもよいかな。
たとえば、そこな色は…揺藍殿の忘れ物じゃろか。
…お話は解りましたが。
[礼を言われれば、尚不思議そうに雅詠を見返す]
俺のおかげ、とは、不思議なことを。
何もした覚えはありませんがね。
[ふるふると首を振り]
――短い間だったが共に居てくれた―それだけで十分俺は癒されたんだ―
[分からないだろうけどなと苦笑しつつ]
はてさて…共にあったは、まこと短き間…
礼を言われるは面映い。
ですが、そうですねえ。
「れく」が元気であったなら、それは俺にも嬉しいことではありますよ。
[静かに言うも、瞳はどこか和もうか]
[話が終わる気配を感じれば、袖の下で小さく息を吐いて。
ゆるり琥珀を上げようか。]
…ああ、目立つ色ゆえにそうかとな。
[ゆらり琥珀揺らし、ぽつり言葉落ちる。]
ゆかれたは…何故じゃろうか。
恐らく帰るよりは…よいのじゃろうがの。
[取ったその布を]
[ぱたぱたぱた]
[幾度かはたいて]
取ったんじゃけど
ゆらにいさま、どこじゃろ?
[こてんと首かしげ]
[二人のねえさまの場所へ]
ゆかれたよ、彼の地にね。
[音彩へと投げる言の葉は短くて]
人の地にて叶わぬ望みも、
人の理なき処なれば叶うかと。
――かなしき雨の止めば好いと思う。
[ねいろの問いに、答えてよいものか迷う。
姿消えて思い出したは、ひとたび呼ばれし時の天狗の選別。
ゆえに、童子らのささめきに、ゆかれたと思うたのだけれど。]
さてな、知るは天狗ばかりなり。
…すべては天狗の掌の上じゃ。
[神巫の告げしは狭間なれど、場所知らぬなら知らぬと同じ。]
天狗さましか、そこのこと知らんの?
[白のねえさまの言葉に]
[目をぱちくりとさせて]
なんもこわいこともあらへんのなら、
とてもよい場所なんね
〔伏せし紫黒の眼をゆるりと開きて、
風に揺れるは藍墨茶の衣の袖ばかり。
白き夜の下にて咲きし、
闇を溶かせしやうな花。
人の形成れども異なるものと映ろうか、
静謐の空間に小さき鈴の音ぞ鳴り響く。〕
[言葉なくしたまま、闇色の花に目を奪われて。
身動きならず、ただみつめ。
小さき鈴の音鳴れば、ようよう金縛り解けようか。]
…そなた、
[ひゅと喉が鳴る。
かつて見た天狗は、どのよな気配であっただろう。]
ひとたび返され
ふたたび呼ばれ
…みたび呼ばれることはあろうか。
なにゆえに還せしか――
なにゆえに呼びしか――
何方へのこたえも同じ、望みしがゆえに。
ゆくもかえるも、望み次第。
貴方が望みのままに、此方はありましょう。
[零れし言の葉は個としてか天狗としてか]
[あやめの言葉に、ひととき目を閉じて、えいかの顔を見遣る]
天狗の里に迷う者は…やはり現世に留まりきらぬものなのでしょうかねえ。
[その視線は、幼き者たちにも、彷徨って]
おらぁ、ここ、迷うてきたん?
[困ったような言葉になって]
迷うてきたんかなぁ……
ここにこれて、おらぁ、うれしかよ
皆にあえてうれしかよ
[大兄の言葉に、首をかしげて]
あやめねえさまは、やっぱりやさしい思うんよ
そうだなねいろ。
[子供の言葉に微笑んで]
天狗は優しい。あやめ嬢もな。
天狗の里も優しかろうよ。
ならば、行くかい?
もとの場所には戻れずとも。
[それは、ねいろに尋ねたものか、それとも己の心にか]
ひとたび返されたも、
ふたたび呼ばれたも…我が望んだがゆえと。
[返るはあやめの言葉か、天狗の答え合わせか。
紫黒を見つめれば、ぽつぽつと心に浮かびしかねてよりの想いが溢れて零るる。]
なれば…我はかえるはおそろしや…。
かつては帰り待つものあれど、今は誰そ待つもなし。
ひとりはかなし…
ここでいかねば――我はとわによばわれよう…
[思い起こすは天狗の唄。
久しく忘れていた、とうの歌詞。]
迷うか否かは、
さて、わかりはせぬけれど。
呼ばわりし音にこたえしは、
皆、それぞれに理由あってのこと。
やさしいと思うならば、
やさしいと貴方の心が感じるからでしょうよ。
此方が真にそうであるかは、縁のなきこと。
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