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ワウ!
[疾風はスティーヴの足元に纏わりつつ、その足元を前足でテシテシと叩いては玄関に向けて吠える、を繰り返す。
スティーヴが玄関へと向かうまで、それは続けられる。]
……私には人の心は視えない。
思いたいように思うしかないものかな。
真実は、あって、ないもの。
[独り言のような、ことば。
手を邪険にすることなく、眼を細め、
ちいさく吐息を零した]
私には、信じることは、難しい。
信じても、それは、とてもか細い糸だから。
疾風、静かにしろ。起きるぞ。
[懸命に侵入者を知らせる子犬に低く命令し、ラスに布団を掛けて玄関へ出る。
そこにあった意外な顔に、片眉を上げた。]
……驚いたな。どうした、何か用か。
そういうものだろう。
誰の目にもあきらかな真実もない。
お前はお前のしたいようにすればいい。
[手を離す。]
あァ、そうだ
お前は、世界のことわりとは、何だと思う?
[犬の泣き声が止むのと共に、聞こえてくる足音。
呼び鈴代わりの便利さに軽く感心していれば、出てきたのは明らかに、そこの家人ではなく]
いや、まあ…こっちも驚いてるんだけど。
何かって、一応お見舞いのつもりでね。昨日、少し具合悪そうなトコに、更に負担かけたから…果物の一つでも差し入れようかと。
[果物籠を持ち上げ、示す]
そっちは、どうしたの?
クゥ!
[言われた事が分かるのか、疾風は大人しく嬉しそうにスティーヴの後をついて歩く。
カルロスの姿を見ると、クゥ?と高い声を出して首を傾けた。]
[首を傾げる疾風を見れば、膝を折り、視線を下げる]
お前、ここんちのか?賢そうで何よりだ。
育ての親の躾が良いのかね?
[小さいものの扱いが得手そうなラスを思い出し、頷く。
数日前に、犬の賢さに関する話で不機嫌になっていた事を思い出せば、非常に複雑な表情を浮かべたかもしれないが]
……そうか。
負担をかけたなら当然だな。部屋にでも置いてやれ。
[カルロスの示す籠を見、頷いた。出所など知らない。]
俺は睡眠不足で倒れた馬鹿を寝かせていただけだ。
………どいつもこいつも。
[低く呟き、カルロスを見る。]
流石にね…普段だったら女の子の見舞い以外は行かないんだが。
まあ、俺にだって、罪悪感の一つくらいはあるのさ。
部屋に…って、断り無く上がっていいもんなの?
[既に玄関に入っているのは、置いておき]
そもそも、ラス本人は――…って、そう言うことか。
一応聞きたいこともあったんだが、止めとくか。…全く、虚がもう普通の人間にも影響しだしてるなんてことは無いんだよな?
[ひとりごちるように呟き。スティーヴの視線に気づけば、静かに見返した]
…何?この村にそういったバカと強情張りが多いのは非常に同意したいところだけど。
顔を見ずに帰る見舞いがあるか。
……お前がそれでいいなら代わりに置いてくるが。
他にも病人がいるんだ。早くしろ。
[鼻を鳴らし、一歩身をずらす。
顎をしゃくって部屋の方を示した。
掴み上げた疾風は腕に抱き、軽く背を撫でて宥める。]
普通の人間に、か。
…………わからん。
[嫌な想像に苦渋の顔になる。
同意には知らぬふりをし、先立って歩き出した。]
……前言撤回。客を追い出すような奴に、この果物はやらん。
[睨むような視線と、大人気ない言葉。
悪戯を仕返そうと伸ばした手。
けれどスティーヴが疾風を持ち上げるのに、空振る。
誤魔化す様に、靴の埃を払い立ち上がった]
…なんだ。アンタでも、そんな風に笑うことがあるんだな。
そこまでは知らないが……
最近きいたばかりでね。
[肩を抑える様子をみる。
何を気にしているのかは、すぐにわかった]
……一体、なにを意味するものか、お前にも聞いておこうと思っただけさ。
[宙を掻く四足に浮かべた笑みを指摘され、への字口になる。]
………いいからさっさと行け。
[結局、返した答えは愛想のない促し。]
他に…病人?まあ、この騒ぎだし、心労で倒れた人が居てもおかしくはないか。
[ラスの家の事情を知らず、適当な一人合点。
部屋を示され、頷きを返し、そのまま家へ上がりこむ。
疾風を宥める様子には、驚いたように軽く眼を見開く]
俺にも、分からないけどさ…少し、昨日ラスの羽根に影が差したみたいに見えたのが、気になって。
…神経過敏にでもなってんのかね。やだやだ。
[愛想の無い促しには、含み笑いを浮かべた]
[一人合点するカルロスの言葉は、否定も肯定もしない。
黙って部屋の扉に手をかける。
その背に届いた言葉の内容に、目を見開き振り返る。]
……影、だと。
―――それは確かなのか?
[先程、上空から感じた違和感。
あれほど懐いていた疾風が怯えている様子。
嫌な符号だけが組み合わさる。
無意識に力を入れた扉が小さな音を立て、微かに開いた。]
[足音を潜めて、スティーヴの後を付いて行く。
軽く呟いた言葉に、驚く様子にはこちらもまた驚いて、]
あ…いや、木漏れ日かなんかだと思うんだけど。
でも、ちょうどその時、ラスの羽根を近くで見てたから、ちょっとの間だけ暗くなったのは、確かだ。
[運ばれていたとは、言いにくく。事実のみを口にする。
けれどその表情には、流石に違和感を覚え]
何か、あるのか?
[音を立てる扉が、嫌に緊迫感を増したような気がして唾を飲む]
最近、聞いたばかり?
[鸚鵡返しに繰り返す]
……理というからには、
皆の中で、「当たり前」であることなのだろうけれど。
[聞いてどうするのかと、
口にはせずに視線で問うた]
…ぅ…
[部屋の中から、苦しげな声が漏れる。
薄い布団の中、長い体を胎児のように小さく丸め、体中から汗をかいている。
その目は糸のように閉じられたまま。
背の翼胞が、強く脈動している。]
[小さな舌が無精ひげの生えた頬を舐める感触がした。
慰めてくれたらしい子犬の頭を少々乱暴に撫でる。]
………どちらにしろ、確かめるのが先だな。
大丈夫だ。もしそうでも…ちゃんと元に戻してやる。
[半ば己に言い聞かせる様に呟き、カルロスに頷く。]
遠目だしはっきり見た訳でもない。
ただなにか…違和感を感じた。
………さっき見た時は確かに薄金の羽根だったがな。
[詳しくは外でと目で告げて、扉の内へと入る。
扉の側で疾風を宥めつつ、カルロスを待った。]
[部屋に入れば、疾風はクゥ、と小さく鳴いたかと思えば、グル、と怒ったように喉を鳴らしたりもする。
落ち着かない様子で、スティーヴの腕をかりかりと引っかいた。]
そう。
最近、ね……
[くすりと嗤う。
エリカの様子に、狐はやはりもう一度頭を撫でて]
それを壊すというのは、どういうものなのかと、考えていたんだが
当たり前だというのなら、それは――
とぶこと、も、あるか。
[スティーヴの言葉に、かすか心臓が冷える。
あまり、今回の事で核心に踏み込むような事はしたくなかった。
それ以上に、核心に踏み込むような人物に気付きたくは無く、視線で告げられる内容に僅か躊躇した。
それでも頷きを返し、部屋の中へ。
手近な場所に、果物の籠を置き、顔を覗きこむ]
…随分、苦しそうだな。
[熱を見ようと手を伸ばし、…止まる。
方向を変え、薄い布団の上から、翼胞に触れようと]
なんだ…これ……?
[苦しげに呻くラスの姿に、眉間に深い皺を刻む。
どう見ても大丈夫とは程遠い姿だった。
更に汗をかいた様子に、傍らに出しかけた服を目で示す。]
……着替えさせられるか?
俺がやってもいいが、疾風の様子がおかしい。
[鳴いたり唸ったりと、落ち着かない様子の子犬の背を撫でる。
腕を引っかく姿は懸命に何かを知らせているように見えた。]
[全身があつく熱を持っているが、最も熱いのは翼胞だった。
触れれば必要以上に強い脈動と有り得ない程の熱を感じられるが、色の変化等はわからないだろう。
意識は完全に手放しているようで、荒い息の合間に呻くばかりで全く起きる気配は無い。]
クゥ…
[疾風はスティーヴの腕の中、唸るのをやめて完全に怯えた体勢になってしまい、カタカタと震えつつ眠る主人から顔を逸らす様にしている。]
[触れれば、酷くきつく眉を顰める]
…ああ、着替えさせるのは良いんだが……。
翼胞がおかしい…。これは、医者を呼ぶべきじゃないか?
[近くにある服の籠を引き寄せ、ラスが着ている服を脱がしていく。熱と、脈動]
エリカ嬢
[目を強く瞑った彼女の頭を、やさしく撫でる。
声もそれに合うほどに、ふだんには見えない毒のようなやさしさが。]
――異端は、厭か?
[手持ちのハンカチで汗を拭い、けれど、それでも足りずに、籠の下に敷いていた布も使う]
全く…女の子以外の服を脱がしても、こちとら何も楽しくないんだぞ、と。
つっても、起きる気配すら無い…か。
[唇を噛む。スティーヴを振り返り、]
飛べない俺より、アンタの方が速い。施療院に行ってくれないか?
…これが普通の治療でどうにかなるか分からんが、熱を抑えることくらいは出来るはずだ。このままじゃ、脱水症状を起こしちまう。
ああ、頼む。
…………先生か。
[完全に怯えてしまった子犬を強く抱き、後から覗き込む。
脱がされた服の下、翼胞が強い脈動をするのが見て取れた。]
施療院に運びたい所だが、病人の様子を見ると約束した。
………先生を呼んできた方が早いな。任せていいか。
[足を扉の外に向けながら、視線を投げる。]
どうやら意見は一致したようだな。
――ラスを頼む。
[唇を噛むカルロスに頷き、疾風を抱いたまま外へ。
小屋に入れてやり、近くの木から飛び立った。]
ああ、こっちは任された。出来ることは少なそうだが。
[投げられた視線を受け止め、しっかりと頷く。
常より、低く鋭い声で、]
…出来るだけ、速く。頼む。
[部屋を出るスティーヴを見送る]
[額に汗を浮かべつつ、体を仰向けへともぞと動かす。
自分の鼓動を確認するかのように右手を胸に当てながら顔をゆっくり巡らせると、そこにあった顔に少しだけ驚いた表情をした後、]
…カルロス?
寝込みを襲うなよ…
[細く開いた目で、うわごとのように口の中だけで呟いて、口の端を上げてにまりと笑う。
だがその笑みは力無く、息はまだ荒い。]
[汗を拭い終え、籠に入った服を広げる。
着せようと、ラスの方を向けば]
…起きたか?…意識はしっかりしてるか?
[静かに声をかける。けれど、あまりにあまりな返答に]
お前の寝込みなんぞ襲っても、何も楽しくない。
…んな軽口叩く前に、果物でも食って水分補給しとけ。
今、スティーヴが医者呼びに行ってる。
[溜息を吐いた後、食えるか訊ねる様に林檎を指差す]
……異端でも、
想ってくれる、ひとはいる。
[ふるりと、ほとんど震えるように首を振る。
けれど否定は、言葉とは裏腹に、肯定するような響きがあった]
…ん。
[半身を起こし、指差された林檎に手を伸ばす。
――が、その手が林檎にたどり着く前に、布団から起き上がると]
ああ、親父をみてこないと。
あとお袋と…
[ふらと、覚束ない足取りで部屋を出ようと扉へと向かった。]
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