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―少し前/二階廊下―
彼らの、願い……。
[不思議そうにゲルダの言葉>>99を繰り返す。
彼女の言う彼らかどのように接してくれたか覚えている。
大事な思い出は記憶から消えることなどなくあり続けた。
エルを騙すという彼女の意思を聞けば
女は其れを邪魔することは出来ない]
あの方の心は私にはわかりません。
理解できるとすれば、それはゲルダさんだけかと。
[少しだけ困ったように眉尻を下げて口を噤んだ]
―二階廊下―
[エルゼリートが戻ればゲルダに任せるかのように
なかなか口を開こうとも動こうともしなかった。
彼女をチラとみてからミーレへと手を伸ばす。
白猫を両の手でそっと受け取れば柔らかなぬくもりが腕にある。
何だかほっとするような、そんなぬくもり。
そういえばエーファもミーレと仲良しだった。
双子であるフォルカーも猫好きだったりするのだろうか。
白猫を抱いたまま、ライヒアルトを運ぶエルゼリートを見上げ]
……ありがとうございます。
[と、感謝の言葉をぽつと向ける。
暫くは廊下に座り込んだまま、ゲルダが動くのを見送った]
―ゼルギウスの部屋―
[ふ、とオレは短く息を吐く]
……そっか、オレには何も言わなくて、お前らには伝えたんだ。
[アーベルの言葉>>107を受けて、オレは呟きながら顔を上げた。
パッと見、少し悲しげに笑んでいたように見えたかも知れない]
それを知ってるのって、お前とブリジットだけ?
[オレは不意に気になったことをアーベルに問うた]
[エルゼリートとアーベルがゼルギウスの部屋へと消える頃。
女はミーレをその肩に乗せて壁を支えにし立ち上がろうとする。
無理をしたせいか左足には酷い痛みが奔り苦痛に顔を歪めた]
……ん。
[小さく声を漏らすのみで痛いとは言わない。
ミーレが案じるように鳴くと、返事をするかわりに抱き直して
ライヒアルトが眠るその部屋へと入ってゆく。
左足を庇うように少しだけ引き摺りながら]
─回想・浴室─
[昔人狼に出会ったというアーべルの話>>87>>88を、ただ黙って聞いていた。
彼の胸の内は解らない、だから何もいえることもなく見つめるだけで。
けれど。]
…どうして?
私も貴方も、変わらないじゃない。
[勿体無いことを言うという彼>>89に、首を傾げた。
自分も彼も見極められていないから、人狼と疑われる可能性は高いだろう。
どれ程近くても、使用人としての立場を守ってきた彼は、自分を殺せないのではないか、そう思ったからこその願いは受け入れてもらえたかは解らない。
けれど、自分の願いを、受け止めて。
頭を撫でてくれる手は、温かかった。
泣けるくらいに。]
─回想・終了─
―広間→―
[アーベルに引き止められ、忠告の言葉は確かにもっともで立ち止まった。
自分のことも大事だとその言葉に動きが固まる。
ゲルダが来てアーベルと会話しているが、会話が耳に入っていなかった]
……
[どういう意味でアーベルがそれを言ったのか、いつもの冗談に近いものなのか、よく、わからない。
アーベルが二階に上がるのを見送ってしばらくしてから]
行ってくる…
[ブリジットがまだその場に残ってたのならそう告げて二階に上がっていった]
― ゼルギウスの部屋 ―
[エルザはゲルダに知らせてもらえなかった事にショックを受けている…ようにも見えた。
実際は人の感情なんてよく分らない。
お嬢が考えてることは分りやすいんだけどね、とかふと余計な事を思った。]
んーフォルカーは知ってるネ。俺が教えたから。
[表情を全く変えないまま、さらりと嘘をついた。]
シスターは分んないや。
知ってる風にも見えたけど…聞いてないしネ。
[こちらは真実を伝えた。
全員知ってるって伝えたらどうなるんだろう、なんて思ったけれど止めておいた。]
―ゼルギウスの部屋―
んー、そっか。
じゃあやることは決まったな。
[フォルカーが知ってて、ナターリエは知ってるかが微妙なところ。
アーベルから伝え聞いた話>>115に、オレは一つ呟いた。
アーベルが正しいことを言ってるか確かめる術はない。
でもオレにとっては見聞きしたことが全てだからな。
オレは呟きと共に笑みを浮かべる。
浮かべた柔らかな笑みをアーベルが見たなら、女性らしい印象を強く与えることだろう]
―ライヒアルトの部屋―
[寝台の傍には黒革の書物がある。
その上に置いたままにされている十字架。
片方の腕でミーレを抱いた女はもう片方の手でそれに触れた]
同じだったら良かったね。
[誰一人同じ存在など無いと知りながら
それでも同じであればと願ったあの日が何処か遠い。
彼が大事にしていた飴色の楽器に気付けば泣きそうな笑みが浮かぶ]
ラーイの奏でる音色が好きだった。
弾いて、って、強請ったこともあったね。
[此処に来てからも微かに聞こえた旋律に安堵した。
もう彼の音色は聴けないのだと思えば寂しい。
嗚呼、私はまだおとうとの死を認められていない。
何処かでそんな声が聞こえた気がした]
―→二階・廊下―
ブリジットさんは、アーベルのこと大事?
[階段を上りながらついてきたブリジットに振り返らずにぽつりと。
二階に上がると二人の姿は見えないので、どこかの部屋に入ったのだろうかと]
― ゼルギウスの部屋 ―
やる事。
[そっか、と呟く。
何をやるか、知る術もないが、思う所は2つしかない。
どっちになるのかな、とは胸中だけ。
エルザが浮かべた笑みに、群青は一つ瞬いた。
今までとはどこか違う印象。何だろうと、内心で首をかしげる前に、ふいに意識せずに口から零れた。]
行ってらっしゃい、エルザ姉さん。
[にこりした笑みは、最初に告げた時と同じもの。
言った後で、殴られるかな、と少しだけ覚悟はした。]
ああ…そうだ。
あのさ、ゲルダの姉さんの両親が死んだトコって知ってる?
さっき姉さんが墓参りに行くっていったからさ。
ついでに祈りの一つでも唱えておこうと思ってね。
―→二階・廊下―
え?
…えぇ、大切な人よ。
[先を歩くフォルカーから、声だけで問われて。
前を向いている彼女に表情は見えないけれど、穏やかな微笑みで頷いた。]
―→二階・廊下―
じゃあ、同じ、だね…
[そう言葉を返す、相変わらず振り向くことはなく。
意識は二人の行方の方に]
どこ、かな?
[並ぶ部屋のドアを眺めていた]
─二階・廊下─
そうね、同じね。
……フォルカーちゃんは、誰でも、良いの?
[こちらを向くことなく、探す様子に。
そう、声をかけて。]
……貴女は、そんなこと、してはいけないわ。
エーファちゃんが、命を落とした意味が、無くなってしまうもの。
― →岬 ―
[気をつけてと言われれば、ありがとうと礼を。
それから、外へ向かった。
風は少し冷たい。ストールは、しっかりと首元に。
崖の淵まで行くと、いつのまにか手は強く握り締められていた。
苦笑して、片手で握っていたブローチを、そのまま落とす。開いた手は少し血が滲んでいたけれど、気にすることはできなかった]
……僕も連れていけばよかったのに。
[あの時に。呟いて、息を吐いた。
ここから落ちたら無事ではいられないだろう。では人狼は?
考えてもわからない。
灯台の壁に背をつけて、ただ、唇を噛み締めた]
[誰でもと聞かれたので]
アーベルと、ブリジットさんは…殺さない……
[エーファの話題になれば]
意味って、何……?
エーファの方が、生き残るべき、だったよね。
[感情のこもらない言葉をぽつりと]
―ゼルギウスの部屋―
[アーベルが危惧したこと>>120は起きなかった。
オレはアーベルを見ぬままに、ただくつりと口端を持ち上げて笑うだけ]
ん、ああ…。
この先にある、岬。
アイツ、ようやく出来るようになったのか。
近付くことも出来なかったのにな。
……様子見てくるか。
[途中で足が竦んでる可能性も無くはなかったから、オレはゲルダの様子を先に見に行こうと扉に近付いた]
―ライヒアルトの部屋―
――…付きあわせてごめんね、ミーレ。
[シーツに包まれているとはいえライヒアルトの血は香る。
鼻のよい子には辛かったかもしれないと謝罪の言葉を口にした。
エーリッヒが亡くなってからミーレをみていたのはエーファ。
では、エーファが人狼に襲われてからは――。
考えて案じるような眸を向ける]
おなかすいてたりするのかしら。
[子供達にしたように優しく白猫を抱きしめて小さく問い掛けた]
[殺す相手を探すと彼女は言った。
人狼、ではなく。
それはつまり、誰でもいいと思っているらしいと推測できた。
だから、彼女の腕に手を触れて。]
…貴女の手は、汚れちゃいけない。
エーファちゃんは、きっと、綺麗なままで、生きて欲しいと願ってる。
[彼女にそう言いながら、ゼルがライヒアルトと対峙する前に言ったことを思い出す。
彼もきっと、そうだったんだ。
私を、守りたかった。命だけでなく、人の命を奪うことからも。]
貴女とエーファちゃん、どちらかが生きるべきだったなんてことはない。
それでも、エーファちゃんは…殺されてしまった、けれど。
貴女が、誰かを殺せば。
エーファちゃんは、悲しむわ。
大好きな貴女が、傷つくのも、傷つけるのも。
貴女は、エーファちゃんが、自分のせいで誰かを殺そうとすることに、耐えられる…?
―灯台傍―
[そのまま地面に座り込んで、手を開く。
まさかアーベルによって、自分の花のことがエルゼリートに伝えられているとは思わず、だからこそ考える。
……どうやったら逃がせるだろうか。
蒼い痣が痛みばかり与えるから、右手で、左手の甲に爪を立てて。
痛みで痛みを抑えようとしても、結局のところ意味はない。
ついには考えることを放棄して、手を落とした]
特別な力も何もないから、見つけることも守ることも……
[ぽつりぽつりと、それはアーベルに間違ってないと言われたこと]
だから、殺さないと、守れないんだよ……
[そこで初めて振り返り]
アーベルも、間違ってないって、言ってたよ。
[じっとブリジットを見つめながら]
アーベルがそう言ってくれたんだよ。
[微かな笑みを浮かべていた]
―ゼルギウスの部屋→二階廊下―
うっかり落ちたりはしたくないからな。
気を付けるよ。
[アーベルの忠告>>130は素直に受けて、オレは譲られた道を進んで扉を開けた。
階段へと進路を取ったならフォルカーとブリジットの姿が見えたか。
探されていたとは知らないから、そのまま横を通り過ぎて階段へと向かう]
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