情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[呟きの後、しばし物思いに落ちていたが。
えいかが色を落とすのに、我に返り。
眠る音彩の頭を撫ぜ、その側を離れる]
……あ、鞠。
[その時まで、気づかぬままだったのか。
今更のように、朱と金の華を捜してきょろきょろと]
[おのこが目を細めるには気付かぬも、続く言葉は眉根を寄せる。]
迷子とな。
隠されし皆、そうではないのかえ。
[虫の居所悪いのか。
それとも腹が減りすぎて、虫が怒っておるのやら。]
さて、そなたは迷うてはおらぬのか。
我は…
[荒れる心のままに募りかけ、黙り込んだよな風漣の様子にようやく気付いて口を噤む。]
…すまぬの。
腹が減りすぎて気が立っておるわ。
ありがたく馳走になるとしよう。
[道具箱を引き寄せるを目の端に、二人の傍を過ぎ膳へ着く。]
[背負い箱の隠しから、昨日と同じ水飴を取り出し、えいかの膳の横に、そっと置く]
明日もお出かけなら、ひとつお持ちになるといい。
[囁き残して、己も夕餉の膳に向かう]
[ころり、転がり来る華の紋。
それに気づいて、笑み浮かべ。
差し伸べた両手で受け止め、そう、と抱きしめる]
よかった。
[それが、何に対するものかは、わからぬものの。
呟きには、安堵が込められようか]
[膳に置かれたは見覚えのある甘露。
未だ手にしたままの棒と見比べれば、同じであるは明らかで、]
そなた…!
否、なんでもない。……すまぬの。
[森で醜態を見られたかと、さっと面に朱が走る。
なれど囁き残し離れる姿に、威勢は萎んで消えそな礼を。]
[琥珀は揺れて、鞠抱く童へと。
安堵が込められた声音に、己の舞扇をそうと押さえた。]
……どうしたの?
[揺れる琥珀が自身に向けば。
紅緋はひとつ、まばたいて。
朱と金の華の紋は膝の上。
鮮やかなる色彩は、白花色の上に映えようか]
[えいかの礼には笑みだけを返し、あやめには、別の飴をひょいと差し出した]
あやめ嬢もおひとついかがです?
滋養にもなる、水飴ですよ。
[まずは腹を満たすと決めたよに、凍り豆腐を口へと運ぶ。
瞼伏せ箸運ぶその前に、あやめを窺ったは気づかれたや否や。]
迷い惑いはすれど、迷わせはせぬが。
人でなくば定めも異なろうか…
[耳へと届く烏の言の葉に、箸を休めて小さく返す。
眉を寄せるは酒精ゆえではないが、そう思われても否定せぬ。]
なにもない。
なにもない…はずじゃ。
[紫黒を見ずに言い切り、言い澱む。
なにせ惑い疲れて眠りの内、膝の飴にも気付かなかったゆえに。]
言の葉を紡ぎて他の心を揺らすは、
迷わせるにも繋がるだろうよ。
[視線に気づきしかは不明なれどもそう呟いて]
其方がそう言うのならばそう言う事にしておこう。
なにかあるもなにもないもまた、己が心次第。
俺の風情が職人に見えますかい?
なんのしがない薬売りですやね。
[ふいに詠ずる口調になって、ぽん、と箱の胴を叩く]
粉薬に水薬、煎じ薬に、膏薬と、なんでも揃えてございますよ。
[鮮やかな紅緋が瞬くを見る。
その無垢とも言えそな眼差しに、琥珀はゆらりゆらと揺れ、]
ああ、そなたが鞠は大事なのじゃなと。
そう思うただけじゃ。
[吸い寄せられるは白花の上の朱と金の華。
鮮やかなる色彩に、琥珀はしばし魅せられる。]
[調子良く、口上述べたすぐ後に、箱にもたれて、欠伸を漏らす]
…とはいえ、ここでは…用も無し……
[うつらうつらと、*頭が揺れる*]
[えいかの言葉に、紅緋はまた、まばたいて]
うん、大切。
手放してはいけないの。
[言いつつ、片手でそう、と華の紋を撫ぜ]
……約束なの。
[呟く声は、果たして他者まで*届こうか*]
そういったものには疎いものでね、
見えるかと言われてもとんとわからぬよ。
薬売りか、なるほど、はてなさてな。
――……おやおや、眠りの刻限かな。
[朱の唇が紡ぐ言の葉に、琥珀は朱と金の華から離るる。]
ああ、そうじゃな。
かくも我はたやすく迷う。
…なれど言葉を交わさずば、何のための言の葉か。
[琥珀を逃げるよに伏せて、膳も半ばに立ち上がる。]
さて、どうやら我はもう十分なようじゃ。
眠り込まぬ内に、下がらるとしよう。
[うたた寝する烏をちらと見やり、童子に袖引かれ*座敷を後に*]
〔眠る紫苑の男を立ち去る白の君を見送り、
聊か行儀悪く指に纏はる飴を舐め取りて。
膳の席から立ち上がり縁側へと向かへば、
叉も行儀悪く細き足を外へと投げ出さむ。
膝の上には花冠、
手の内には風車。
真白がゆうらり揺れて、
羽根がくうるり廻る。
仰ぎし天には変わらず星はなきままで、
朱唇は空気を振はすも音を紡がずに。
けれどもそれも束の間の時、
*眠りの淵へと落ちゆくか。*〕
[白の花咲く野を、白の袖翻し、白の霧に包まれて。
蜻蛉(かげろう)のように頼りなく、ゆらりゆらりと歩み往く。]
[時の移ろいはわからねど、白の衣が霧に濡れれば、袖翻るも重くなろうか。]
[あちらもこちらも霧に白く包まれて。
されど、決して交わりはせず。]
[たん――]
[ふわり衣翻し、跳んだ先は…元の場所。]
…やはり、繋がらぬか。
もしやと思うたのじゃがな…
[撫子色から零れるは落胆か、はたまた諦観の吐息かや。]
[落ちたくないと言った眠りの淵]
[見る夢はしりたくないことも教えるか]
[一度失せた筈の]
[戻らぬ筈の、小さな黒真珠の入った守袋]
[中身は既に失せていようか]
[真実の夢には]
[何ら効力を持たずに]
[されど今一つ忘れたことが]
[忘れを許さず、暴くのをやめる]
[白の闇の中]
[*目覚めて悲鳴は口の中*]
[朝餉を取りに踵を返し、ふと思い出すは白の花冠。
戯れに一輪摘んで、薄き唇紡ぐは何のいと。]
ゆく…かえる…ゆく…かえる…
[ひらりはらり、散りゆく白は*朝霧に溶けて*]
[朝餉を終え久々に館の外へと歩み行く。行くその先は―]
確かこの辺りだった―よな?
[見る位置が違う故か確信までは至らぬが、恐らく間違いないだろう。
―そこは初めて降り立った地、記憶を失って最初に見た景色―]
[己はここの何をそう気に入っておるのかと思わず苦笑いをもらし―]
そう言えば―まだ試しておらんかったな。
[ふっと真剣な面持ちとなり、小川へ向かい歩を進める。
まだ少しばかり離れておるが―
たっ――
僅かに勢いをつけ軽々と飛び越して―
――たん
しかし降り立ちしは元の岸―]
―やはり閉ざされておる、か。
[ただそれだけを確かめて、再び館へ戻り行く―]
[ゆる、と眠りの淵より浮き上がる。
開いた紅緋は、幾度かのまばたきの後、周囲を写し。
傍らにいた童が起きているや否やを確かめる事もせず、ただ、苦しげに見えてか頭を撫でて、床から抜けだす]
[童子たちに誘われるまま、朝餉を済ませて。
華の紋を抱えて、ふらり、ゆらりと館を抜け出る]
[風に揺れ舞う白の花。
その中をふらり、ふらりと彷徨いて。
やがて、深き緑に足を踏み入れる]
…………にてる。
[包み込む静謐に、零れるのは呟き。
そのまま、宛もなく、奥へと進み。
やがて、たどり着けるは小さき祠。
紅緋がまばたき、それを見つめ]
ひいや ふうや……
[静寂の後、紡がれしは唄]
みいや ようや……
[てん、てん、と。
つかれて回る、華の紋]
いつやの むさし
ななやの やくし
ここのや とおや
[ひょう、と。
投げられ、還る、華の紋。
小さな手は、受け止めたそれを確りと抱きしめ]
……ゆく、かえる。
……風漣には、わかんない。
[小さな呟きを残して、童はその場を離れる。
そのまま何か探すよに、*静謐の奥へと*]
[目覚めたなら、まず湯あみをする。
白く薄い肩の下まで湯に浸かれば思わず吐息をひとつ。
ややしてから、自分の体を蜜色で見下ろした後、もう一度ためいきをついてから湯殿を出る]
[今日もやはり髪をおろしたままで縁側に面した板の間でお天道の日を浴びる。
やがてあたたかさと入浴後の気だるさゆえにすぅとしずかに寝息をたてるだろう。
そのうち両の膝を抱えこんでころりと丸くなって眠る様は、まるで赤ん坊のようでもあるだろう*か*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新