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──2F・ハンスの部屋前(E)──
[そう、人間が勝った場合は、どうなるのか?
他にも過去の日記はあるのだろうか?
問いはあろう。
だが、全ての試練が終わった時にこそ全ては見えてくるのだろう。
本来、契約の神は厳しいものだ…。しかし今は、それを告げようとは思わない。]
ありがとう。
この試練に勝利しよう。
喩え、どちらかが死す事になったとしても。
神からの試練に打ち勝とう。
[強く、微笑み、頷く]
[彼の声が聞こえた気がした。]
…カティア?
カティア=リーデル?
…そうか、君はやはり…
[だが、ロザリオはない。
彼女の言うように、彼の罪は消えたのだろうか]
>>154
シスターを泣かせる気ですか?
神父さま、きっと神さまだって死なせたりしない、あなたのこと。
[クレメンスの決意の言葉に柔らかく笑って]
俺だってあなたのこと、死なせたりしない。
…こんな大口叩けるような力、ありゃしないけど。
もちろん、神さまに願っていいなら俺自身も無事でいたいし…
そのつもりでいきますよ。
はい。勝ちましょう、試練に…!
[最初は小さく叩くだけだったような窓が鳴る音。
ついに窓は大きく悲鳴をあげ、ユリアンもハッとする。
中からハンスの声も聞こえた]
窓が、破られた?
やっぱり中にいるようですね、ハンスさんも…!
はんちゃん、おはよう?
[もう一本の手斧を抱えて、窓の下から声を掛ける。
出てこないなら、出せばいい。
前に誰かがやっていたこと。]
[オトフリートをじっと見て]
なんでかしらね。あなたには、言っておかなくちゃと思ったの。
アーベルが、あなたには聞いて欲しいって思ってる気がした。
[静かに自分の髪をかき上げた]
笑ってもいいわよ、感傷だって。
ああ、ありがとう。
君は自分で思うよりも力がある。
信じなさい。
[ユリアンに微笑み、]
もしも私が死んでしまったら…ナターリエの事を頼む。
彼女を守ってやってくれ。
[頼み終えると、直ぐに表情を引き締める。]
外から破られたようだね。
私達が中に入るためには、扉の内側にある家具を退かさなければならないようだ。
[扉から覗く家具は、向こうに押し倒せば隙間が開くかもしれない]
>>161
[破られた窓の下から響いてくる、少女の声]
ああベアトリーチェもまた、試練を乗り越えようと努力していただけの神の子どもだったのかも、しれない…
[ただ、自分が馬鹿だから。
あるいはその高尚さゆえに、少女の思索から紡がれる言葉を、自分ははっきりとは理解できないでいるだけなのかもしれない]
…追い詰められたハンスが窓から飛び降りても、扉の前の物をどけてこっちに出てきても、同じことですね。
こっちから中に入れそうなら、尚いいけど…
[ユリアンとしては油断のない身のこなしのつもりで扉横の壁に背をつけて、隙間から中を覗こうとする]
>>163
[褒められた子供のように頬を紅潮させるユリアンにとって、今「力」とは…暴力を意味してしまうのかもしれなかった]
神父さま、あなたがそう言ってくれるなら…勿論俺は信じます。
シスター…あの天使みたいな人のことだってきっと、守ろうと思ってます。あの人からの恩は返そうと思っても返しきれない位だ。
だけどそんな事は聞きたくない。もしも死んでしまったらなんて。
[暗くなりかける表情を引き締めて、鍵のかからないその扉の、僅かな隙間から覗いた扉内側にある家具目がけて腕を伸ばした。
栄養の不足し続けた細い腕も、たまには役に立つ。
恐らくハンスには悪夢のようにその腕は伸びて、家具を押し――]
倒れた……かな?
[手ごたえがあった気がして、それでも開くのかどうかはわからないがクレメンスに報告し、自身は扉横に待機し続けている]
[アーベルの首のすぐ傍でしゃがんで、対峙した。
本人は、あんまり見てほしくはないのかもしれないけど]
・・・イイ顔?今の状態だと、前より想像、難しいわ。
[頭を撫でたかったけれど、半壊している。]
そうだね。
私は死なない。
だから君も、試練に打ち勝つために頑張りなさい。
[素早い動きで壁に身を寄せ、腕を伸ばすユリアン。
ハンスがまた、何事か中で言ったようだった。
「犯人」という、推理小説めいた単語が飛び出している。
強く押された家具は…
ユリアンの言葉に頷くと、扉を押し開く。
まだまだ、ハンスの場所まで行くには家具に埋もれているが、人一人が入れる(勿論、身を狭めたりしなければいけないだろう)隙間が出来たようだった。]
ナターリエはとても優しい子だ…。
[小さな呟きは聞こえただろうか。それとも]
[イレーネを見ながら、わずかに目を細める]
[アーベルの感情には安堵が強かったけれど、エーリッヒは…]
[目を、閉じる]
死が、救いとなる人もいるのかもしれない…。
[あたしは、決してそうではないけれど]
[こちらを見るエルザの視線に気付いて]
死が、救いに・・・。
・・・でもそうでない人は、戦うしかないわ。
[淡々とした口調は、少し冷たく響き目の前の人のよう]
全員、が、死で救われるわけでは、ないのに。なんで、どうして・・・。
[脳裏に浮かぶのは、あたたかい笑顔のひとたち]
>>167
…はい。
力の及ぶ限り!
[頑張りなさい、その言葉に強く頷いて。
ハンスが中で何事か言う言葉に心乱されることもなく、クレメンスの手によって押し開かれた扉を観察した。
どうやら扉前は、ありったけの家具で埋もれている。
それでも人一人、入れる隙間はできたようだ]
どうぞ、神父さま。
[ナターリエの名を呟くクレメンスの声は、耳に届かなかった。
神父がハンスの部屋へと先に入る事を促す手で扉を指しただけ]
ハンスと最初に言葉を交わすにふさわしいのは、あなただと俺は思うんです。
神父さまの声を聞いてそれでもなお、落ち着きを取り戻せない人がいたらそれは……神さまに仇なす者だからなんだと、思う。
神さまを、そのお声を聞く神父さまを恐れる、悪魔側の…人狼側の者だからなのだと、俺は考えます。
だからどうぞお先に。
[ユリアンは注意深い目をして、ハンスの部屋の扉横に*佇む*]
―back court―
[どこかぼう、としたように。
あまり話もきちんとは聞けて居なかったかもしれない。
だが途中に口にされた名前は、どこかで聞き覚えが…]
ああ。確かlibraryで…
[小さく小さく...は口にする]
[イレーネを見つめ返しながら、声に少し力がこもる]
ええ。救いなんか、あたしは要らない。
たとえそれが目覚めなのだと言われたって…。
[はっとした]
死んだら、起きる、とあの子は言ってた…。そうだ。ねえ、誰がベアトリーチェを自由にしてあげたの?
[イレーネがアーベルの首を見る様子は、やっぱりlaceのcurtainで覆われたように、薄く、遠く感じる。
エルザの声は...の耳にはっきりと届いたのがなぜか不思議なことだった。]
苦しみの生より解放されて死の世界がわたくしたちの前にある。
だけれどその世界は決して自ら望んではならないもの。
苦しみを耐えてやがてその扉に辿り着いたときに、死は安らぎとなりましょう。
死の闇は安らかに。
すべてのものは等しく安らぎ、やがて次の生を受けるのだから。
[零れた祈りの言葉。
それはうたうように]
[エルザの強めな口調を静かに聞き]
・・・ベアトリーチェ、を、自由にしたのは、クレメンス。
[下を向いて、眉を顰め]
この、「神の試練」に耐えられない人を、・・・殺して・・・解放してあげるんだと・・・ベアトリーチェと、約束してた。
…それで、解くのを黙って見ていたの?
[その声は氷のように冷たく、鋭く]
解放。安らぎ。そんな世迷い言を信じるの?ねえ、シスターも。
[クレメンスはユリアンに頷く。]
分かった。
私が先に入ろう。
だが、結論を急いてはならないよ、ユリアン。
[クレメンスは、家具と家具との間に挟まれるように中に入ろうとした。]
…さっきは訳が分からなかったのだけど、みんながハンスの部屋に集まっていたのは、そのため、なの?
その、解放とやらのためだというの。それとも、彼を、人狼だと疑ってなの?
[エルザの冷たい声に、振り向き]
・・・黙って。ほんとう、ね。あの時は、クレメンスがベアトリーチェを、殺そう、と、しているのだと思ったから。
[だからあの時は安堵してしまったのだ。
クレメンスの変貌が、怖くて。穏やかさは変わらないのが、余計に怖くて]
色々、言った、気もする。でもそれは縄を切ったあと、ね。
・・・ナターリエは、自分の大事なものを、護ろうとしてるのよ。
[ナターリエのほうを、ちらりと見る]
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