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─食堂─
[廊下に零れ出るふわふわは仕方ないものとして、扉から食堂へと入り、ふわふわを掻き分けて窓辺までやって来る。
並ぶ窓を全開に開け、ふわふわを掬うようにして外へと投げてみる]
…時間かかりそ。
ボウルかトレイ使って纏めて掃き出した方が良さそうだな。
……って、何でお前まで来てんだ?
[イヴァンに対し振り返ると、何故かベッティも居て。
居ることに疑問を投げかけつつ、積んであるトレイを二つ手に持った]
わたもこ詰め合わせ、いん食堂って感じ?
[ライさんに相づち打ちつつ、ついてきたベッティに視線を向ける]
ああ、俺はイヴァンな。こっちは異界龍の白雪さん。氷破の龍だから触ると冷たいから気いつけてな。
…そうねぇ。アーデルハイドさんもまだ帰ってこないし…あまり長いこと閉じ込められるのもつまらないものねぇ
[と、談話室を出ようとするライヒアルトにいう。
今は楽しんでるらしい。ふわふわが暖かいから]
あらあら?小さい女の子だけに可愛いを使うものじゃないわよぉ…。例えばこのふわふわも可愛いでしょ?クロエちゃん?
…でも、聞き分けのない子はだーめ
[クロエにアタックした菫色のふわもこをぽふんと横に払いのける]
[上がった悲鳴にきょとり、と瞬き。
それで少しは落ち着いたようで]
そんなこと言ったって、魔法使おうが使うまいが増えてるみたいだしっ!
逐一拾って、外になんて出してらんないでしょ、そんなに膨れたのっ!
……なんか、攻撃性あるのも居るみたいだし。
[最後は菫色を見ながら、ぼそり、と]
[談話室で一触即発の頃。
カヤは身軽に寮内の保管庫に滑り込んでいた。
食べ頃の洋梨を広げたマフラーに包み、斜めに背負う]
ん、これくらいでいいかな。
あまりたくさんだと重いしね。
[自分の分は味見も兼ねて既に食べた。
腹の足し程度になるといいなと希望的観測しつつ戻りだす]
[カルメンにぺしっとはたかれた菫色ふわふわに視線をやると、なんだか大きくなっている気がした。気のせいだと思いたい]
確かに魔法を使うのは危険みたいですね。
別のところにまとめて移動させても、その倍に増えそうな気がします。やっぱり一匹一匹地道にどかすしかないのかしら。
[わしっと目の前のふわふわを掴み、談話室の窓を開け、外に放り投げた]
ここは魔法学院…魔法なんてそこらぢゅうにあるしねぇ…
[何もしなくても増えていくのだろうとゲルダの答えに同意しつつ]
あ…ゲルダちゃん…アーデルハイドさんに怒られない程度にねぇ。
[暴れて備品が壊れたら大変とか]
―一方その頃 中庭―
ほんとうに。
どこもかしこも、いっぱいみたいだ。
[流れ流れて辿り着いた中庭のあちこちにもふわふわ。
他の人たちは避難したのか姿は見当たりません。]
[浅黄もふをもふった。もふもふ。]
むしろ、いない方がいろいろ平和なんじゃないのかなぁ…。
[ぽそりと言った!居ないのをいいことに要らん事言った!]
確かに正確な原因は分かってないけどぉ。
ちょ、ちょっと大きくなっちゃっただけよ、うん。
これなら潜りこむような悪さしないわ?
[そういう問題じゃありません]
攻撃なのかしら?
ちょっと度を越してじゃれついてるようにも見えるけど。
[度を越したらそも問題な気がしなくも無いが]
…う。
いやほら、相手ゲルダだし。
戦ってないですからね、先輩。
[ウェンデルの言葉にちょっと詰まりながら言い訳を。
思いっきり防御するつもりでマナを集めてたのは内緒である]
―食堂―
うわ、もこだらけ!
中にもふっとしたら気持ち良さそうだなぁ…。
[ライヒアルトとイヴァンの後をふわもこ抱いたままおっかけて、たどり着いた食堂の感想はそんな感じ。]
にしても何かすごいみぃみぃ鳴いてるねー…。
何だろ?何か言ってるけど聞き取りにくい…。
[実際にふわもこが鳴いているわけではないのだが。
どうにも勝手にふわもこの微弱電波を受信しまくっているような。]
[とかぶつぶつ言いながら、ライに何でといわれて。]
だ、だってあっちに居たらゲルダさんにこの子まで叩き出されそうで…。
[これこれこういう経緯ですと返しながら。
イヴァンの名乗りと注意には、こっくりはーいと頷いた。]
ええと、竜と契約してるって事は、ゲルダさんと同じ学科です?
[言いながら、ライからトレイを一個もらおうと、食堂へダイブ。]
でも、こうして生まれ出るものは仕方ないわぁ…生まれるものには責任はないものなのよぉ…
[とクロエにいいながらも突進されたら危なそうな大きさの山吹色のふわふわを外に出す。こっちは外に出しても構わないと思ってるらしい]
あら?ゼルギウス君ったらまぁ…聞こえちゃうわよ
[ぼそりと呟いた声にくすくすと笑った。
だが実際あの寮母ならそれぐらい地獄耳でもおかしくないだろうと思ってるのもあるかも]
[ふと辺りを見回してみますと、
世界樹のちかくにこんもりとした山がありました。]
‥‥‥‥‥?
[おそるおそると、近寄ってみます。]
[横にもぞっと動いてきた大ふわふわを横目で見て。
さてどうやって外に出せばいいのやらと悩んだりもするわけだが]
魔力は確かにそこら中に。
場合によっては自然に集まるものでもありますしね。
となると…無限増殖?
[流石にそれは困ると思ったらしい。
カルメンの言葉にちょっとだけ顔が白くなった]
……アーデル姐さんに殺されるような無茶はしないわよ。
[カルメンの突っ込みにぼそりと一言。
ゼルギウスのぽそりには、それなんて死亡フラグ、と思った。思いっきり思った]
潜り込む潜り込まないじゃなくて、そもそもこんなにもさもさふわふわしてたら、あたしたちの生活スペースが圧迫されるでしょっ!
……とにかく、そこら転がってるのは、表に放り出すっ!
[ふわり。
右手を中心に灯る、紅い光燐]
…ここでも叩き出すことに変わり無いが。
[ベッティの返答ににべもなく返す。
両手にトレイを構えると、下から掬い上げるように、尚且つ風を巻き起こすように動かして、ふわふわを窓の外へと追いやる。
風に乗ったふわふわはその流れのままに窓からどんどん出て行った]
[外に掬い出したふわふわから『キャー』なんてテレパシーが聞こえたが無視]
おお、ベッチー、ふわふわの声が聞こえるんかい?
[少しはマシな覚え方ですがはい]
いや、俺は雷撃学科さ。二行以上の呪文が覚えられないから転科したんさー。
[にこにこぱ]
そうねぇ…ふわふわにとってはここは、とても居心地のいい環境じゃないかしら?
困ったわねぇ…
[少し顔が白くなるローザに答えながら、はぁ…と嘆息。ただ声の響きからは困ってる様子はないのは相変わらずで]
ええ…上手くやるのよぉ。ゲルダちゃん。ふふっ
[とゲルダの呟きには頷く。基本的にはそれぐらいの融通はいいでしょとか思ってる]
[きっぱりはっきり言われたライアヒルトの言葉にガーンとなりながら。
とりあえず持っていた薄青色のふわもこだけは飛ばされないよう死守。]
だ、だめー!うちのピノ君だけはー!
[すでに名前までついている。
ぶん投げられたトレイは、うひょぁとか言いながら両手でキャッチ。
ふわもこピノ君は自主的に頭の上に避難した模様。]
[前触れもなく空が翳り雷が落ちた理由なんて、知る由もありません。
‥‥‥埋もれていたのが、「最強」の、その人だったことも。
なんたって、吹き飛ばされたふわふわの群れといっしょに
しびれていたのですから。
世界樹に落雷しなかったのは、
世界樹のおかげでしょうか、
使い手の力によるものでしょうか。]
[ふわふわかきわけ、トレイを確保]
お、器用だな、ライさん!
よっしゃ、ひとつ俺もやってみるさ。
「ちょいと、お待…!」
[頭の上の白雪さんが、何やら慌てて止めようとしたが時すでに遅く]
どっせえええええっ!!
−廊下−
[ふわふわはフワフワしてるだけで今のところ危険ではない。
あくまでも今のところは、なのだが。
どうしようかと常緑の瞳をクリクリ動かす]
んー。廊下は走らない、だけど非常事態だよね。
魔法より増える可能性は低いし
よーい、どん!
[たんっ!と廊下を蹴ってふわふわの上を駆ける。
踏まれた分だけ二つに増えたが、その他は異常なし]
おぉ新しいあだ名が。それもいいなぁ。
[本気で間違ってるとか知らないしまぁどっちでも大差ないので、イヴァン嬉しそうに笑顔で返し。
ふと訊ねられた事にはほえ?と不思議そうな顔をしたまま。]
えー?他の人は聞こえないんですか?
んとね、さっきから何か言ってたよー。
えーと。
影響がどーとか。
誰かのせいで、止まらないとか。
一匹ずつ潰していこうか?とか。
[イヴァンにそんな事をけろりと言いながら。]
雷撃ってえーと…あ、魔法剣技!
そっかー確かに剣とか向いてそうだー。
イヴァンさんおっきいし強そうだし。
[呪文覚えられない事まで含んだつもりは一応ないです。はい。]
‥‥‥は、はひ‥‥。
[しび しび しすぎて、ろれつも回りません。
ふわふわの山から生還したその人――
さっき拳骨を落としたこわい女の人は、
きょろ きょろ 誰かを探しているようでした。]
「気のせいだったのかしら」
[何が、と聞く口は、やっぱりうまくまわりません。]
っ…。
んだよディルク。
…は? 雷?
[雷に驚いた鴉の喚き声に頭痛がするような感覚を覚える。
聞けば外、おそらく中庭で雷が落ちたとのこと]
……大方アーデルさんじゃねぇの?
何があったかまでは知らねぇけど。
気になるなら様子見て来い。
[指示された鴉は雷に怯えながら中庭の現場へと急行]
[カルメンの言葉には、軽く、頷いたかも知れない]
……異界に満ちしアヤカシの力、我が友を介し、我が力とならん……。
[ふわ、ふわり。
舞い散る光燐に、ふわふわがちょっと増えたり膨らんだかも知れない]
……界と界、裂き、繋げ、我に仇なせしものを遠く、廃せ……。
[ふわりと広がる紅の光燐。
高く差し上げられる右手と、同時、広げられる翼]
時空の道なる罠、開かれん!
[詠唱完成。
広がった光燐は、床に転がったりそこらを舞っているふわふわを捉え、どこかへと消していく。
人が持っているものに関しては、巻き込み防止にか、一応は手出しはせず]
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