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[利吉、榛名さんが倒れたの知ってたかしらとは内心で。
知ってて言ったなら相当だけどともこっそりと。
まぁ違うだろうけど、とは希望含めた結論。]
そっか、会えてよかったわね。
[笑う涼の頭を、よしよしと撫でる。
良く見れば少し顔も赤いのは、やっぱり泣いた跡だろうか。
まぁでも利吉居るし。問題…ないかと思いながら。]
カテキンもいいけど、ビタミンも取らせた方がいいわよ。
ビタミンCとか足りなくなりやすいって話しだし。
[会話に没頭していたからか、琉璃の声を受け止めそこなった。普段ならば気付いたかもしれないのに]
…うん。
そんなこと、しなくて済めばいい。
でも間に合わなかったら。
その時は、私も――。
[目を瞑って息を吸う]
[綾野の死。それだけでもショックなことだが、榛名の頭にはもう一つ疑問が浮かんでいる。先程漏れ聞こえた”言い伝え”の言葉]
[この村で誰かの死と言い伝えが繋がると言えば、自分が題材にしたあの話]
[咲かぬ桜に浮かぶ薄紅。咲かせてはならぬ花の開花。頭の中で組み立てられていた予感は、涼の一言で確信となった]
さ、くらが、さい、た…?
それ、って…。
[過去に一度しか起きなかった、伝承で残されていた出来事。それが今再び起きたと言うのか]
どくってなぁに?
[よくわかんなくて、さゆりおねーさんとりきっちゃんを見比べる。うーん。]
そっか、ビタミンC。
いっぱい入ってる料理作れるようにする!
そうやって、信用がもらえるのは有難いが…。
[孝博の言葉が誤解に基づいているとは気付かずに]
そうせなら、本人の許可の方が有難いですね。
彼の言うように、大丈夫には……思えない。
[榛名の様子を心配そうに見つめ、何かがあればすぐに動こうと]
[ふと感じた人の気配と、名を呼ぶ声に視線は一瞬そちらに向くものの]
……覚悟を決めるのは、構いやしねぇが。
お前の手は、まだ、物を作れる。
わざわざ、汚そうとするな。
……壊さなきゃならない時に動くのは、作る事の出来なくなった俺に任せとけ。
[目を瞑る様子に、静かに、諭すような言葉を向け、それから]
……ところで、俺の気のせいでなきゃ。
琉璃が来てるんじゃね?
[声がしたぞ、と。告げる声はいつもと変わらず、軽いもの]
[家の中に気配は感じる、
自分なら勝手に入っても大丈夫だろうが、昨日の事件のこともあり]
うん、こまったな。
玲、史人?
[もう一度先ほどよりも大きめの声で呼ぶ]
そう…一体誰が何の目的で。
[そこはまだ掴みきれない部分でもある。]
餅は餅屋…ふぅん、そうならない可能性が高いわけね。
[一瞬、考え込むと同時に目の奥が冷めるが、すぐに元に戻った。
会話していた蓮実には気づいただろうか。]
ここも色々ありそうだから、仕方ないのかしらね。
[閉鎖的だから、という言葉は使わずに、そう濁しながら言う。
言いながら、榛名の様子も少し注視しながら。]
いえ。
[利吉にそう短く返す。素っ気ないように聞こえたかもしれないがいちいち言ってる暇がなく。小百合の目の雰囲気が一瞬変わった気がしたがそれも今は考える時間も持てずに
榛名の肩に手を置いて、顔を覗き込むように見る。]
落ち着いてください。
話していた事は…事実ではあるようですが…落ち着いてください
[ゆっくりと、静かに呼びかける]
――……。
[決定的な一言は、兄の静かな声に止められて外に出ず]
…え?
[パチパチと目を瞬いた。
そこに再び響いてきた声]
あっ、ごめん、琉璃兄!
[慌てて扉を開けて迎えに出ようとして]
っきゃぁっ!
[桟に思いきり突っかかり…コケた]
あら、やっぱり利吉の隠し子だったの?
[と、これにはちょっと驚いた様子で言ってみた。
涼本人から聞いたのもあってちょっと信じてたり。]
やーねー。別に何もしてないわよ。
妹みたいで可愛いなーって、ささやかに愛でてるだじゃないの。
[ささやかに、の認識程度が違うとかは言わない。]
はーい。
でもさっき食べたよー?
おばーちゃんが作ったごはん。
…じゃま?
[ちょっと考える。うーん。
後ろに回って、ぎゅー。]
これなら食べられる?
[ちらっとはるなちゃんたちの方を見たけど、背中に頭を乗せた。あったかい。]
[家の中で大きな物音、あれは何かが倒れてぶつかったような音]
大丈夫…かな?
[結局自分であけて玄関の中に入れば玲がこけていて]
大丈夫?
[再び気遣わしげな視線を向けた]
えへへー
むすめでーす。なんちゃって。
[さゆりおねーさんを見て笑う。]
にたよーなものだけどねー。
…さゆりおねーさん、おねーちゃんみたいで、私も大好きー
[でもりきっちゃんにぎゅーしたまんまだけどね!]
……って、玲!?
[ハデに転ぶ様子に、軽い頭痛を感じつつ、立ち上がる。
まだ僅かにふらつくが、立って歩けない程ではなかった]
おいおい、大丈夫かよ、お前……。
立てるか? どっかぶつけてないか?
[傍らに行ってかける声は、幼い頃と変わらぬもの]
そうそう、ちなみにビタミンCはレモンが一般的ね。
あとレモン汁とか飲ませてみるといいわよ。
[利吉にべったりしている涼にそんな事を言ってみる。
ちなみに苺の方がビタミンC含有量は多いが、それは言わない。]
さくらが、さくのは、だれかの、せいを、すいあげた、とき…。
さくら、さくとき、わざわい、あれり…。
そは、あかき、きょうらんの、うたげ…。
[怯えるような瞳。紡がれる言葉は口伝で聞いたものと、自分が小説で使ったもの。小説の部分は誇張も入っているのだが、それさえも事実認識してしまいそうで。僅かに意識が混濁する。震え、両手で両腕を抱えた。
直後、傍に来ていた蓮実の手が榛名の肩に置かれる。顔を覗き込まれ声をかけられると、ブレかけていた瞳の焦点が蓮実へと合わさった]
は、すみ、くん…。
……ほんとう、なの?
あやのが……。
[確認しようとして、その先は言えなかった。口にしたくなかったのと、蓮実からも事実だと告げられたがために]
[どこかふらつく様子の足元がおぼつかない史人も見えて]
二人とも…大丈夫?
[おじゃましますと家に上がり傍によって]
怪我はない?足ひねったりとか大丈夫?
[玲の方によりながら]
史人も昨日はちゃんと休めた…?
[昔ながらの幼馴染、幼い時から、時には苦楽をともにしてきた仲間。
気遣わしげにそちらを見ながら]
だ、大丈夫…。
[琉璃と史人の声に、情けない声で答えながら起き上がる]
ええと、琉璃兄。いらっしゃい。
私は、大丈夫。
[ちょっと眉を寄せた。軽く捻りもしたらしい。
だが立てないほどでもないので、左足を庇いながらそう答えて]
ああ、俺は大丈夫。
[琉璃の言葉に、一つ頷き。
休めた、との問いには一瞬苦笑を掠めさせる]
ああ……まあ、一応は。
……悪い、な。余計な心配かけちまって。
はい…私が直に確認したというわけではないですが
[だが孝博が嘘をつく必要などどこにもない
取り繕うことなどできることもないからこそ静かにぶれかけていた榛名の瞳を逃がさないように見つめながら]
大丈夫です。大丈夫です。
[なにが大丈夫ということもないのに言い聞かせるように]
[榛名に掛けられそうな言葉を見つける事が出来ず、ただ蓮実が落ち着かせるのを見守っていたが]
…後で、家まで送ってあげてくれ。
彼女のお母さんが、この騒ぎでさらに心配していると悪い。
[小さな声で囁いて、その場を離れる。
自身の朝食を忘れていたから、主人から受け取り、適当な席につく]
…こっちは、和気藹々だな。
ゆきおにーさん
[食事を食べにきたゆきおにーさんに、にこーっと笑う。]
うん。
りきっちゃんだから。
[よくわかんないけど。]
はるなちゃん、だいじょうぶそう?
[ちょっと声を落とすけど。]
[玲の手を引き立ち上がる手伝いをし、
背の高さからそのまま支えるような形になったのだが]
そう?
足ひねったみたいだね、救急箱とってくるよ。
[迷いもせずとりにいってきて]
気にしないで史人も榛名も、ボクの大切な友達で仲間なんだから。
助けるのも心配するのも当たり前なことなんだよ。
[苦笑を浮かべる様子には]
つらい…のはわかる…けど…史人まで……、
[言葉はそこで途切れ]
無理は…しないでね?
[じっとその顔を覗き込むように史人を見つめた]
[否定の言葉はもらえなかった。紛れも無い事実、なのだろう。
蓮実の顔を見つめたまま、ぼろぼろと涙が零れ始めた]
あ、やの……。
きの、う、ようす、みに、あい、に、いこう、と、おもった、の、に…。
もう、あえな、く……!
[伝承のことよりも何よりも、身近な者の死の事実が重く圧し掛かり。涙しながら両手で顔を覆った]
[榛名の様子が気にかかったが、蓮実が近づくのを見て任せる事に。
玲の件が榛名に当てはまるかどうかは分からないが、同郷の蓮実の方がいいだろうと。]
あらあら。利吉には勿体無いくらいの可愛い娘さんだわー。
[涼はそう思ってないだろうが。
大好きと言われれば、ほんの一瞬だけ間が空いたが、ありがとうと微笑んで返した。]
私も涼ちゃんが好きよ。本当に、妹みたいで。
[声にはほんの少しだけ、自覚のない懐かしさが混ざった。]
そうね、涼ちゃんが丹精込めて一生懸命絞れば、きっと飲んでくれるわー。
[無碍にするような奴じゃないよね?多分。とか思いながら言う。何気に酷い。]
あはは、うちの御主人の受け売りだからねー。
ええと、うん。
でも本当に大したことないと思うけど。
[もごもごと言っている間に琉璃はテキパキと動いて]
…ごめんなさい。
[ポツリと謝ったのは。
結局兄にも負担をかけてしまうだろうという予感があったから。
そしてまだそれを琉璃には言えなかったから]
[さゆりおねーさんに言われると照れる!とても照れる!]
でもりきっちゃんの方が、私にはもったいないよー!
[少し、ふっと空気が途切れた。でも、いいや。笑ってくれたから。]
おねーちゃんって呼びたくなっちゃうよ!
…いい?
[そのほうが、よろこぶかなーなんて、考える。わかんないけど。]
……飲む、りきっちゃん?
ご主人?
おねーさん、ご主人に、のまされたの?
[レモンを想像した。すっぱい!]
[裕樹の言葉には軽く頷きながら
ぼろぼろ涙を流す榛名の頭を撫でて]
私も七年ぶりに会おうと思っていましたが…
[結局は生きているうちに会えなかった…そう思う]
皆…辛いです。だから…泣いてください。思いっきり
…ね?
[ただそのおかげなのか。何かあったときほど冷静に。と躾けられているせいか。目の前の榛名のように泣けなかった]
あー、悪いな。
[玲の異変に気づき、救急箱を取ってきた琉璃に軽く言うも。
続けられた言葉に、表情は少し、困ったようなものに]
ん、わかってる……お前らには、助けられてるから、な。
無理は、しねぇよ……大体、俺が無理したら、誰がお前らの無茶を止めるんだよ?
[だから、大丈夫だ、と。穏やかに笑って見せて]
[ふ、と涼の笑みに釣られるように笑い]
ものすごい理由だな。
俺にはむしろ、涼ちゃんだから、に見えるが。
[おにーさん、という言葉を訂正する素振りは未だに見せない。
少し、榛名の方を振り返る。
聞こえる、嗚咽の声]
…蓮見が下手を打たなきゃ、大丈夫だろう。多分。
こんな時に女の子の支えになれないようなら、後で首を絞めてやる。
[ぼそりと、呟く]
[ゆきおにーさんの性別なんてぜんぜん気付かないのです。コダマはゆきおにーさんの食事は狙ってないみたい。えらいえらい。]
そっかなぁ。
……うーん。
…………私だから、だったら、はるなちゃんもワキアイアイになったらいいなぁ
…?
[はっちゃんへ向いた言葉なんて聞こえなかった。でももし悪化したら、やっぱりぺちぺちすると思う。]
[玲には気にしないでと言うように笑いかけて応急手当をしながら]
無茶とかひどいな。
小さいころは一番無理してたのはいつも史人だったとボクは記憶してるけれども。
[にぃと笑いかけて]
本当に心配なんだ、昨日…榛名も倒れたし。
二人とも…このままいなくなっちゃうんじゃないかって…。
[普段見せる明るさのせいかそのくらい調子はより際立って見えるだろうか?]
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