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―中央広場―
……。
[実は苦手意識のあるらしい巫女から、半ば無理矢理に視線を外した。
もう1人の少女や先日ぶつかりかけた少年がいるのには気がつかない]
あー、あの人ですか。
最近よく見掛けるって聞きますが……
[目の前の女性に相槌を打っていたのだが]
……待って、オレどんだけ老けて見えるの?
[千恵の「おじいちゃん」発言に、一瞬素が出た]
んー、まあ、開店休業状態だし、ちょっとぐらいいなくても、特に支障はあんめー。
お賽銭泥棒がいようとも、お賽銭箱の中には何も入ってないしね。むしろ、少しはこの窮状を省みて恵んでくれてもいいぐらい。
[言いながら、視線を桜に向けて]
なんかね。
変な感じがしたの。
だから、どうなってんのかなーって見に来たのよ。ああ。いつもの怖い話じゃないから安心して。
……多分。
[あんまり自信は無かった]
─中央公園─
ま、一応、な。
[綴られる言葉に、ふと掠めるのは苦笑。
桜に関する伝説・伝承はその数の多さ故に接する事は多く。
故に、件の記事の執筆の時も力は入っていたのだが]
……ん、ああ。
確かに、賑わってきたな。
[寝起きは、胃がもたれているので食事をしない。
親戚の子です、と『史さん』に軽く紹介すると、
私を避けるように座る伽矢を気にしつつ、千恵ちゃんに話しかける]
わ、マック買ったんだ。
伽矢と瑞穂ちゃんも一緒なの? いいねぇ。
私はお買い物の途中でね、休憩してるの。
[雑誌を読みに、と言えば千恵ちゃんはきっと興味を示してしまう。
如何わしい記事も多い男性誌を、この子に見せるわけにはいかなかった]
ま、史おじいちゃんって!
お兄ちゃん、でしょう?
[おじちゃん、をおじいちゃんに改めたように聴こえたのだった]
─中央広場─
[幼馴染は巫女と話し始めたようで。
少し待とうとオレは荷物を置いたベンチに腰掛ける。
直後に聞こえる、従妹の「おじいちゃん」発言]
……ぷっ。
[妙にツボに嵌り、顔を背けて口元に手を当てて笑ってしまった。
出来るだけ押し殺したつもりだったが、聞こえたかも知れない]
[視界の端で伽矢が離れたベンチに座るのが見えた。]
静音さんも大変ですね。
お賽銭泥棒しようって人がお金入れるとはおもえないですけど…。
[つい真面目にそんなことを返しながら桜にあわせて視線を向ける]
樹なだけにですか?
[静音とよく接するせいか変なところが移った気もした。
いつもの怖い話といえば思い浮かぶのは桜にまつわる伝承のお話]
静音さんに言われると何か起きそうな気もします。
[後に続く多分という言葉に少し不安を覚えながら桜の樹に視線を移す。
桜の樹の近くには先ほど千恵と会ったときにもいた女性の姿が見えた]
―中央広場―
あ、そうなんですか……
[親戚だと聞けば、ややぎこちないながらも頷く。
小さく咳払いし]
いえ、気になさらずに。
[そう返しはしたが、続く言葉は返事に困ったか、曖昧に笑むに止める。
微かに噴き出す声が聞こえた気がして、そちらに目を遣った]
―中央公園―
もうお昼だったりするのかな。
[桜の枝の一つに視線を止めて]
あの枝とか、子供なら座れてしまいそうなくらいありますよね。
こういう木ならそれこそ言い伝えとかありそうです。
何かご存知だったりしませんか。
[真顔に見える顔を礼斗に向け戻した]
[百華の横に置いてある雑誌は幸い、難しそうな文字が表紙を飾っていた為、興味を示す事をなく。
いいねぇに至極機嫌をよくして。]
うん!ももおばちゃにも、ポテトあげるね。
[と嬉しそうに肩が跳ねる。背中のうさぎもぴょこりと跳ねた。
が、史人と百華のツッコミに。
おじちゃんとおにいちゃん、途中で繋げたらなんか違う事に、気づく。]
はぅっ。…ええと、ごめんなさい。
ふみにいちゃ。
[ぷるぷる、さっきより長く首を振って、ちょっと小さくなって謝った。]
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