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[部屋に入る前、裕樹の言葉に]
そっか…、晴美も…。
どんどん…、人が死んでいく…。
お伽話…、だったらよかったのにね…。
[呟く言葉は心底浮かないものであった]
疑心暗鬼になるのは仕方ないわよ。
うーん…何か、桜に取り付かれた人を探す手立てがあるといいんだけどね。
その辺、玲ちゃんたちなら何か知ってるかと思うんだけど…。
[あんな口伝が伝わっているくらいだ、対処法も何か知っているはずだと、そう思いながら。]
とりあえず、帰ってからかしらー…って。
男?
[裕樹の言葉に、思わず琉璃をまじまじと見た。]
えぇ!?男の子だったの?
てっきり女の子かと…。
[見た後、驚いて瞬いた。]
出て行った理由もまあ…それなわけですが…今はどうだっていいですけどね
むしろ、事を納めるのに必要であればちょうどいいわけですしね
黙っていて申し訳ありませんでしたが、私が親不孝であるだけならば父母の名は多く汚れないと思ってしまったものですから
[あはは。と少し乾いた笑みを浮かべながら二人に言った]
[頭の痛み。
それすらも覚えていない。
思い出してはいけない。
それは、自分の過去に関わること。
自分が此処にある意味を思い出すこと。
思い出してはいけない。
闇に戻るようなことになるから。
何者でもない自分を思い出すから]
どういう、意味で、都合が、良いって、思うの?
巫女の、目覚め。
魔の、開放。
それに、呼応する、可能性は、十分に、ある。
過去にあった、出来事でも、騒ぎに合わせて、術師が、現れた。
[どうして信じてあげられないのか。そんな言葉を含めたような視線で孝博を見つめた]
花を名乗れる程の器量は無いな。
傍から見たら、俺の方がそう見られそうだ。
[勧められるまま家の中へ。
こんな時でも、視線はあちこちへと動く]
覗きの趣味は無――…って、あ。
まだ気付いてなかったっけか。教えるの忘れてたな。
しかし、良い驚きようだ。
[両親がというところには深く踏み込まず。いや、踏み込むだけの余裕もなくなっていたのかもしれないが]
知らせが来る前に、分かって。
魔ではないことも分かる…。
[自分の力とは確かにかなり違うようだ。
それでもゴクリと唾を飲んだ]
…晴美さん、は。涼さんが刺してしまったけれど。
魔に奪われたのでは、なかったんです、よね…?
[思いついてしまったソレは、とても怖いもの。けれど]
ううん、
りきっちゃんが、なんでいきなり倒れたのか、わかんなくって。
でも、よかった。なんでもなくて、よかった…っ
[本当に、良かった。
泣きたくなってしまうから。]
[続いた言葉と乾いた笑みに、だが、ガチガチになっていた身体から少しだけ力が抜けた]
そう、だったんですか。
[史人が離れたこと。蓮実が離れたこと。
それぞれに理由があるのだと知って、どこかが凪いだ]
[着替えを終えて部屋からでてくる、
白いワンピース。
手には袋を抱えて中にはいくつか少女趣味の服が入っている。]
裕樹、どこか楽しんでない…?
[じとっとそっちのほうを見てから]
裕樹とボクだとある意味では相性ぴったりなのかな?
[すぐに笑いかけてそちらをみた。
まだ、いろいろとわだかまりがあるが気分は幾分か晴れている。
誰かと一緒にいることはいいことだなと改めて心の中で二人に感謝した]
[血の匂い。他より若干優れたそれが、正確な位置を伝えるも、少しそちらを見ただけで、二階へと向かう。]
ごめんごめん、気に障ったら謝るわ。
そう思い込んでただけだから、次から認識を改めるね。
[不機嫌そうな琉璃に、ごめんごめんと謝罪する。
着替えるという琉璃にはひらと手を振って。]
ああうん、すぐ外で待ってるから。
あんまり遅いと覗いちゃうわよー?
[そうけらと笑いながら、一旦部屋の外へ。
おかげで部屋の中の様子なんかは、あまりきちんと見れなかった。]
涼さんが何者かはわかりません。晴美様の死んだのはわかりましたが、死因まではわかりませんでした。
そして、他の村人…魔に殺された者達の死については聞くまでわかりませんでした。
推測ですが、この二つを見るに、私にとってある程度人となりを知っている存在であるか。魔ではなく人為的な手段で殺された者か。そのどちらか、もしくは両方がないと駄目なのかもしれません
[玲の問いにはわからない中でも己なりに整理した答えを返す。]
確かに伝承じゃァ、2度現れた。
2度あるコトは、3度あるモノ・・・ッスかね。
[榛名に向けているようで、何処か独り言のようでもあった。]
・・・あァ、すいません。
向こうじゃよく騙されたモンで、ついね。
[ひらと手を振り、笑みを浮かべる。
何処か取り繕ったようにも見えたかも知れない。]
[両親の話、それへは何も言わず。
ただ、小さくため息をついて]
……結局、お前も似たようなもん、か。
ま、力あるだけマシ、ってとこかね。
[そんな呟きを漏らしつつ、前を見る]
……ま、何にせよ、だ。
のんびり話してないで、急いだ方がいいだろ。
何が起きるか……全く読めねぇしな、現状は。
のうのうとした態度で継いだらまた違ったのかもしれませんが
[とはいってもそれを論じても詮無きことで]
ないよりはマシ…程度かもしれませんが
そうですね、急ぎましょうか。
[と史人に同意して幾分か足を速める]
見た目だけならそうなりそうねーって。
もー。裕樹も知ってたんなら教えなさいよ。
[ジト目で裕樹を見やる。怒っているわけではないようだが。
琉璃が出てきた所を確認して。]
それじゃ、行きましょうか。いざ旅籠へー。
[そう言いながら八幡家を出ようと足を向けた。]
[琉璃の指摘に、ほんの少し口元を緩め]
実は忘れてたんじゃなくて、驚かせたい為に黙ってた…とか、は。
うん、期待通りではあった。
[ぽり、と頬を掻いて]
相性は…どうだろうな。
可愛いもの好きなら、小百合との方が話しは合いそうだぞ、と。
うん
わかんない。……りきっちゃん、何か、悪いの?
病院、いって、検査いかなきゃ
[見る。
だけど、聞いていたんだろう、問われて、――頷いた。]
ほんとう、だよ。
そうだね、皆も心配してるといけない。
旅籠に戻ろうか。
[小百合の提案に、
傘を自分の分も用意して自宅を後にした]
ひどいな裕樹…。
[でも不思議と裕樹には他の人よりは自分を女っぽく見る言動などが気にはならなかった。
似たようなものを感じる仲間と感じるからであろうか?
首をかしげながら]
なんだろう、裕樹相手だと、あんまりむかつかないや。
[笑いかけて]
へぇ、小百合さんはかわいいものが好きなんだね。
…孝博君が、変わった、要因、かな。
[騙された。その言葉に表情はやや悲しげに。急に、遠い人になったような気がした]
今まで、魔や、巫女に対する、手段は、何かしら、あった。
過去に、巫女が開放した、魔を、封じた者、然り。
過去に、目覚めた、巫女を、鎮めた者、然り。
今まで、桜と共に、眠る、巫女を、鎮めてきた、櫻木家、然り。
なのに、今回だけ、無いと言うのは、考えられないと、思う。
そうだね、急がないと。
[一瞬崩れかけた体勢を慌てて戻して。
できるだけ急いで二人と共に歩く]
兄さん。私部屋にくす…道具があるの。
二人が櫻木に行くのなら、その間に取って来た方がいい?
[桜を探す方法があれば、という小百合には同意を返して]
先に教えたら、驚かないだろう?
それじゃあ、楽しくないじゃないか。
[怒っていないのが分かるからか、きっぱりと言って]
旅籠…皆無事なのかな。
[小百合と同じ方向に足を向ける]
ええ…私は構いません。
まずは私は回線を調べようと思います。伝承伝説なんであれ、外に出られる手段がないよりもあったほうがいいです。
外に出れるのでしたら、玲ちゃんが見分けて人とわかった人を外に送ることもできます
[とはいえ、利吉が涼を放っておいていくわけはないとは思うが]
役得かしらね?
[裕樹相手ならという琉璃にはけらと笑って。]
ええ好きよー。動物とか小さい子とか小物とか、大好き。
琉璃ちゃんも前会った時もそうなんだけど、可愛い服着てるわよねー。そういう趣味なんだ?
[シンプルながら可愛い雰囲気のワンピースを見ながら。
…そういえばどうして女装してるんだろうと不思議に思ったが、口にするべきかは少し考えどころだったり。]
[奇妙に途切れたようにも聞こえる言葉。
それに、表情はやや険しさを帯びるものの]
そうだな……時間が惜しいのはある。
櫻木の近くなら、そうそう魔も寄ってこねぇだろうし、その方がいいだろ。
ただし、気をつけて。
用が済んだら、すぐに櫻木に来いよ?
[諭すよに言いつつ、前を見る。
家まではもうほんの僅か、ここからなら一人でも大丈夫だろう、と]
むぅ、でもボクは面白くないよ。
[むくれるその姿はやはり女の子のような仕草]
なんだろう、怒る気になれないや…。
[考えながらとあることが脳裏に浮かぶ、
なんでか、今の状況に場違いな予想が頭に浮かび]
恋とか…?
[口をついてでて思わずその言葉が出た]
…こわかったから。
[ぎゅっと手を握る。うつむいて、目をそらす。]
おばーちゃんが、死んでて。
…包丁があって。
私、血まみれで。
……わかんない。
そうですね。
うちの電話も調べてみます。
[ただ、外に送るというのには僅か口篭り]
確証、ではないのですよね、私の力の強さでは。
でも…うん。きっと外と通じるようになっているなら、それは。
[それから史人に頷いて]
分かった。
取ったらまずは櫻木に行くわ。
[少しだけ平衡の悪い走り方で。葛木家へと]
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