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呼び寄せたのは果たして何か。
その意を誰一人知る由もないまま、人々は集い始める。
1人目、 ヘイハチ がやってきました。
[ばーん、と勢い良く教室のドアが開いた]
……うぬ!? まだ誰も出席しておらんとは何事かっ!
[いえ、始業まであと3時間はありますから。
しかし、突っ込みは届いていなかった]
村の設定が変更されました。
☆バトルルール
・1日に起こせるバトルは最大2戦。メモを利用して事前にカードを相談し、自然な流れでバトルに突入。
・一人のPCの連戦は、PL負担の点からやや非推奨。展開的に自然で負担にならない場合はこの限りではない。
・バトルに使用できる発言は全員一律10発言。pt消費量やactには特に制限なし。
・AAの使用による攻撃描写は厳禁。必ず、自分の言葉で描写する。
☆決着までの流れ
・バトル開始5発言目以降、一方が決着判定ロールを宣言(メモで実行宣言後、発言に絡める、という流れで)。
※5発言目、というのは、PC一人の発言数での事ですー。05/10発言以降、ということで! ちなみに、最速で5発言目投下の直後に判定を投下できます。
連続発言で必殺技の発動を早めるのは可。ただし、連続は2発言まで!
決着判定ロールは、流れの上で自然な形で止めの一撃を繰り出そうとするないし、直前の攻撃への回避などの動きのある描写を絡めて行なってください。なお、判定は、発言ではなくactで!(墓下や囁きログ内でのバトルに関しては、この限りではありません。何せactができない)
・相手は当たるか打ち返すかを決めてそれを宣言。
打ち返しの場合、先に仕掛けた方がそれに当たるかどうかを決めて、カウンター敗北希望の場合はそれを宣言(この場合は、その時点で勝敗決定)。
当たる場合:当たった方が敗者。吊りor襲撃の対象に
打ち返す場合:1d20でランダム勝負。数値で勝った方が勝利。敗者は吊りor襲撃の対象に
同数の場合は、相打ち(吊り襲撃を対象二人にそろえる)
当事者二人の正式な同意があれば、ランダムせずに相打ちもOK
・バトルが一戦しかなく、相打ちでなかった場合、吊りは敗者に。その場合の襲撃の処理は、流れに応じて相談しつつ、決定を。
・バトル二戦発生して一方が相打ちの場合は、次のどれかで対処。こちらも相談しつつ、状況に応じて対応を。
1. 相打ちを優先して、もう一方は何か理由をつけて翌日に結果(吊り襲撃)を回す。翌日のバトルは一戦のみ
2. 連続コミットで三人まとめて送る
☆中断ルール
時間的な余裕やリアル事情などで、バトルを中断せざるを得ない状況になった時の選択ルール。
中断したバトルは同日内に決着できなければ、翌日持ち越しもOK。
とはいえ、全体的な流れの問題なども鑑み、長期の中断は避けるようにお願いいたします。
☆中断システム使用の流れ
あるタイミングにバトル宣言。
↓
それぞれ2発言分くらい打ち合い、そこで停止宣言。
停止宣言は退席記号+メモで知らせる。
↓
発言制限外で、離脱RPをいれ、バトルモード一時解除。
↓
次回遭遇時に再度バトル開始。開始タイミングはメモなどで調整。
残発言内での決着を目指す。
先の消費が2発言なら、開始時は3発言目から。
必殺技発動タイミングのカウントは、最初のバトル宣言時からの継続。
特殊ルール
鳳凰(狼)は敗北しても最終日までは吊り対象にはなりません。このため、鳳凰がバトルに入るのは、それ以外のバトルの開始が確定している(他に吊り襲撃のパターンが発生している)時に限られます。
鳳凰に勝ったキャラには以降のダイスに+1のボーナスがつきます。負けると、隔離結界での修行に送り込まれます(=襲撃対象になります)。
応龍・霊亀(囁)は、負けた場合は普通に吊り襲撃を受けます。
五神(聖痕)同士で反発や対立をしたり、天魔ではなく、四瑞に喧嘩売ってもOKです。
例え五神でも、あんまり動かない場合は強制修行に放り込まれる可能性があります(=バファリン・寡黙襲撃あり)。
墓下
天魔の隔離場兼、五神の修行場として作られた鳳凰の隔離空間。衣食住は補償あり。
四瑞のメンバーは自由に出入り可能ですが、敗北すると回復するまで出られなくなります。
結界入りしたPCは、表向きは「学校主催の特別合宿に参加してもらう」という形になります。
情報規制とかその辺りは、生徒会長(麒麟)の実家の財力でどーにかするようです。
質問などありましたら、メモにてお願いいたします。
時期的にはリアルに即して夏休み直前、1日目から夏休み、という設定になっています。
なお、入村時は、【肩書き変更システムは使わず、デフォルト(名前だけ)での入村お願いします】
2人目、 ミツクニ がやってきました。
―深夜・瑞雲神社―
[静まり返った神社の境内。
その中央に佇む者の所に、闇裂く白が舞い降りる]
お帰り、紅鴛。
どうだった?
[差し伸べた手に舞い降りたそれに向けるのは、短い問い。
問われた方――羽先のみを紅に染めた真白の鳥は、短く鳴いてそれに答える]
……そうか。
それなりの近場にはいる、か……。
3人目、 サヤカ がやってきました。
[不意に、意識に響く声。
それを捉えた直後に、また、ため息が出た]
どうするも、こうするも。
『天魔』の気配を感知した以上、やる事は一つ。
『地』の『護界操手』である『五神』の依り代の適合者を早々に見つけて、『護界』の均衡を保つ。
……他に、何をどーしろって?
[返す言葉は、どこか投げやり]
[返る言葉に、三度こぼれるため息。
三度目のそれが、一番疲れているよに思えたなら、多分それは間違っていない]
……とにかく、紅鴛にはまた明日飛んでもらう。
……早目に見つけんと、色々と面倒だからな。
『修行熱心なのは良いのだけれど、夜はちゃんと休みなさい?
従弟が睡眠不足が原因の居眠りで単位を落とした、なんて事になったら、生徒会長として立場がありませんから?』
声ならざる声にて交わされるは、『地』へと下りし『天』の瑞獣宿せし者のたちの言葉。
風に飲まれる事なきそれが、果たして何を意味するか、今は他に知る者もなく。
―翌日・七曜学園 屋上―
……さて、紅鴛、頼む。
[昼休みの校舎屋上。
本来立ち入り禁止のその場所から、真白がふわり、青空へととけてゆく。
その気配が遠退いたなら、一つ、息を吐き]
……ったく。
面倒な。
[ぼやくよに呟いて、貯水タンクを支える柱に寄りかかりつつその場に座る。
ポケットに押し込んだ携帯につけられた鈴が、リン、と小さく音を立てた]
4人目、 リカ がやってきました。
―七曜学園・屋上/昼休み―
[真白が青空へとけてから少し後。
軽い足音がして、屋上と屋内を隔てる扉が開く]
ちわー。
[パンと飲み物の袋を抱え、顔を出すのは屋上潜入の常習犯]
ミックん早いねー。もう食べ終わったん?
まさか夏バテとは言わへんよね。
ちゃんと食べへんと倒れるよー。
[共犯者から適当に離れた影に座り、紙パックにストローを刺す。
次々取り出されるのは惣菜パンばかり。
それが細っこい体のドコにと言いたくなる勢いで消えて行く]
ごっそーさんでした!
じゃ、ゆーべ寝不足したんで、ちょっとだけ寝るわ。
5分前に起こしてなー。
いいやん、うちケータイ持ってへんねんから。
夏休みバイトで買うまでの辛抱やからさ。よろしくー。
5人目、 アズマ がやってきました。
[ 試験も終わり、休みは間近。
紙に刻まれた赤い数字にひとしきり嘆いた後、
教室内は俄に浮かれたった空気に満ちる。
――が。
教室の一番後ろ、窓側の席。
周囲から断絶されたようなその場所で、
まるで無縁に、机に突っ伏した男子生徒が一人。
真夏にも関わらず羽織ったパーカーの、
鮮やかなコーラルレッドが映える。
身動ぐとフードから金糸が一筋零れ、
整った、しかし顰め面が枕にした腕の上に覗いた ]
[ 澄み渡った蒼穹に浮かぶ白雲、
窓から差し込む太陽の光は力強い。
大小高低入り雑じった人の声が
近くでざやめき、遠くから響き、
蝉は短い生を謳歌する ]
……煩ぇ。
[ カーテンを翻す清風を無下にした、ぼやき。
細められた碧眼が虚空を睨む。
日本特有の、湿気を含んだ熱が纏わりついた ]
[ くぁ。
欠伸を噛み殺し、眦に涙を滲ませる。
日常の背景、誰の目にも留まらないであろう、動き ]
あ゛ー……
たく、
せぇ、んだよ。
[ 歩み、
扉を開け、閉ざす。
教室から遠ざかっていく気配。
遮断された世界の内は、活気に*溢れていた* ]
……それだけで済ますヤツに、ちゃんと云々言われる筋合いはないぞ。
[やって来た気配、勢いのよい声。
その主にちら、と一瞬だけ視線を向けた後、どこか投げやりに返す。
5分前の目覚まし要請にはあのな、と文句を言うものの。
律儀にこなしていくのは多分、*いつもの事で*]
6人目、 キョウヤ がやってきました。
[空を我が物顔で占領している太陽。
それを称えるようなセミの合唱。まとわりつく湿気。
何もしてなくても体力を削るようで不快だ。]
あぢー
[...は息絶え……てはいないが、教室の机に突っ伏した]
ありゃま。
テストもよーやく終わって夏はこれからやのに。
相変わらず体力あらへんなぁ、キョウヤん。
[突っ伏したクラスメイトを覗き込む。
ちなみに5分前目覚ましは、本日もちゃんと間に合いました]
俺が思うに…体力というよりもテンションの差な気がすんだがな。
[というかキョウヤんって呼ぶなというのを寸前で飲み込んだ。
それに対する応対を今やる気力がなく]
で、リカはテストはど…
[これも聞こうとして聞くのをやめた。何か触れてはいけないような気配を感じたからだ]
せやかて、アンタいっつもテンション低いやん。
[高いのは、親しみを込めた呼びかけに文句をつける時くらい。
しかも今は返って来てないし、ってそれよりも]
な ん か 言 う た ?
[これ以上なく、にこやかな笑顔]
俺を基準にすれば高いぞ。っつーか暑くやる気とかそんなものまで全部奪われてる感じとかしねーのか?
[低いのはあっさり認めた。ぐってりと喋りかけられても突っ伏したままなのだから一目瞭然であろうが]
…いや…なんでもありません
[リカのにこやかな笑顔を見て暑かったけどちょっと涼しく…というか寒くなった気がした]
わかってんなら、よろし。
[速やかに撤回したので、こちらも笑顔を引っ込める。
突っ伏した頭の旋毛を突付きたいなーとか思ったが、トドメ刺しそうなのでやめといた]
たっかいかなー。
うちからしたら夏休み寸前やのにへたってる方がわからへんけど。
あーでも暑さに弱いんなら仕方あらへんのか。
夜型と朝型みたいなもんやろし。
[ミックんもそれでへたってたんかなーとか、いつもにもまして投げやりな態度へと見当違いの理由を勝手につける。
優秀な目覚まし君はちゃんと機能してたから、たいした事はないやろとか薄情な事も思ってたりしたが]
…そりゃ…ね
[今名前をまともに呼べとか、テストのことについて言い合えば確実に死んで…いや、死なないけど、さすがにひどい目にあいそうだ。気力と体力的に]
そりゃ確かに夏休み直前だが、まだなわけだしこの蒸し暑さで喜び勇んでたらだるい
[少しでも活動することによる体力の浪費を防ごうとしているとばかりにぐってり
でも一応の礼儀か視線はリカに向けてはいる]
ふーん、そんなもんなん?
遠足と祭りは本番前のが楽しいもんやけどな。ま、いっか。
[視線しか向けてこない態度に、なんとなく納得しとく]
じゃ、また明日なー。
うちは部活あるからまだ帰らへんけど。
[鞄を手に取り、教室を出て行く。
やっぱり我慢できずに指先を旋毛に向けたかどうかは、*さてさて*]
いや、本番が重要だろ。だからそれまで省エネで力を蓄えてるんだよ。
[単に面倒くさいだけだとかしながらも納得させれたのか]
ん。また明日なー。俺はもう少しここでだらっとするけど
[突っ伏したまま、手だけあげて軽く振ってリカを見送る。
帰って何するかなんて思いながら茫洋とした眼差しで窓から外を見る。
暑そうだ…暑さは視覚できないが]
─屋上─
[5分前アラームは、しっかりと作動。
この辺りは律儀というか、何と言うかで。
放課後、再び訪れるのは屋上。
人気がないのを確かめ、給水塔の近くにより、空へと手を差し伸べる]
ん、ご苦労、紅鴛。
[ふわり、舞い降りる、真白。
それとしばし、意識の内での言葉を交わして、また、空へ放つ]
大体は、絞り込めてきたが……。
さて、どうするか。
他の連中とも、そろそろ真面目に接触せんとならんかな……。
[ぽつり、と。零れるのは、小さな呟き]
[ぐってりした。うつぶせになった。顔を上げた。
既に放課後。数人の仲のいいグループが喋っているぐらいでほとんどは教室からいなくなっている。リカと同じく部活か帰宅したか何かだろう
またうつぶせになった。そしてしばらくして顔を上げた。]
ぁー…もういてもしゃあない。帰る準備でもするか。
7人目、 ケイコ がやってきました。
ハィッ!
[コートに気合の声が流れる。
高く上がった黄色いボールはラケットへと吸い込まれ。
直後、スパーン!というキレの良い音がコート内に響き渡った]
ん、前に出るのが少し遅いな。
あれじゃ今みたいに簡単に逆サイド突かれるよ。
[スタスタとベンチに移動して汗を拭う。
傍に置いてあったペットボトルもガシッと掴んで一気に煽る]
ぷはーっ。
それにしても今日は暑いっ!
休憩しよ、休憩。
熱射病なんかになったら目もあてられないって。
わたしゃバテたら休んでればいいけど。
そっちは来週から大会っしょ?
体調管理もお忘れなくってねー!
[ケラケラと笑う姿に、ボールケースを抱えた相手は眉を寄せた]
「登録させてくれればいいのに」
はいはい、それは言わないお約束。
部員じゃなくていいならって引き受けたンだからね!
[ヒラリ手を振るその姿は、周囲の部員たちと違いTシャツにホットパンツ。まるで体育の延長のような格好は、正式部員との差を歴然と表わしていた]
いいジャン。
あんたにしてもあの子らにしても動き良くなったと思うよ。
そのままやれればかなりのとこまで行けるって。
[ポンと相手の肩を叩く。
叩かれた相手、女子硬庭部主将はため息をついた]
ほらほら先輩、後輩君が呼んでるゾ。
早くいったげなよ。
折角ギリギリのトコで逃げてンだから。
そんなところから足つくわけにはいかんのよ。
[見送る背には聞こえないように呟く。
ベンチに背を預け見上げた空、流れてゆく雲をジッと睨む]
せめてこの3年間位。
平和に過ごさせてもらってもバチあたらんでしょう。
…おーぃ、キャプテン!
疲れたんで今日はコレで上がらせてもらうわ。
悪ぃケドまた明日!
[えぇっ、と上がる抗議の声は背中で受けて手を上げ返し。
タオルを首に掛けたまま、校舎裏へと歩き始める]
現役外れてはや二年。
スポ根するには遠い昔のお話てなもんだっと。
[そこが「道」になっているのは以前から知っている。
気持ちよい風が通り抜ける木蔭、足を投げ出し座ると目を閉じた]
[かばんにつめた。
これだけでまたぐってりとなる自分の無気力さに二秒ほど感動する
二秒後には何も考えてない]
………
[ほんの少しだけ嫌な予感がしなくもない。予感であってほしいものだと。思いつつ
蝉の合唱に耳を傾ける。煩わしい。今日も平和だ]
…キミらに恨みは無いんだが。
その声が響いていると暑さが増すんだな。
[ひょい、と傍にあった小石を上に向けて投げる。
自分に当たったら危険とか、そんなことは二の次のようで。
ガサッという音と共に、一瞬だけ蝉の合唱が止んだ]
8人目、 ヒサタカ がやってきました。
――3階・東端の空き教室部――
[空の端がようやく到達した頂点から、次第に傾きを見せ始めた時刻。
教室の窓際の後ろ端から、パタンと少々重い紙が閉じた音が響いた。
本を閉じた主は、長時間同じ姿勢で居た為に凝ってしまった肩を少しだけ回しながら立ち上がった。少々年寄り臭いが、体内を伝ってゴキゴキと関節が鳴る音を聞きながら、横においてあった鞄に本を終った。
腕時計に目を落とした。
もう少し時間はある。
だがそう言えば昼休みであるにも関わらず、食事をしていなかった事を思い出すと、途端に腹部から空腹を知らせる合図が鳴り響いた。別段変わる事はないが、それでも誤魔化しついでに何度かお腹を擦ると、購買部で余ったアンパンでも購入しようと空き教室を出た]
ヒサタカが村を出て行きました。
8人目、 ヒサタカ がやってきました。
……しかし、暑いな。
[また、すぐに響き始めた合唱。
特に煩わしがるでもなく、こんな事を呟いて。
空を見、白の影がない事を確かめると鞄を拾って屋上から降りてゆく。
……意識の内には、多少、小言が響いていたかも知れないが、無視、無視]
…こんなんならあいつらの遊びの誘いを受けておけばよかったなぁ。
[あいつらとはクラスメイトのことをさす。
だがその当時には色んなものが足らなかった。テンションとか気力とか。暑さに対する対抗力とか。今も足りているとは思えない。ほとんど常時品不足だ。不景気と言うのはここまで蔓延してしまうものだろうか。ぼんやりと考えながらいい加減見飽きたとばかりに、席を立って廊下に出た。]
―科学室―
「と言う訳で、夏休みの課題は炎色反応のレポート。以上、解散!」
はーい、センセおつかれ! 先輩達もさいならー。
[科学部顧問の声と共に、数名しか居ない部員は適当な挨拶を交わして出て行く。顧問が顧問なら部員もいい加減なものだ。
ちなみに、炎色反応のレポート=花火でもやっとけ、である]
[結局、目的のブツの購入に成功した彼だったが、そのまま気ままに校舎を歩きながら食し、ぼんやりと空を眺め、また空き教室で授業を更けて本にのめり込み……気づいた時には空が半分程度オレンジ色に支配されていた]
……あ、授業忘れてた。
[どこかぼんやりとした眼で空を眺めてぽつりと呟くやすぐに授業の事など何処かへ流してしまうと、次に浮かんできたのは今日一日ほとんど放置してしまった恋人の事だった。
しかし、しばしの間恋人を思い浮かべると、何かあれば連絡があるだろうと、生来の気質を思いっきり発揮して結論つけると、再び校内を徘徊しはじめた。
比較的午後の夕日は熱を溜め込みやすい。
そんな暑さから逃げるために一回の、テニスコートのある校舎裏方面に回った時、ケイコの姿を見かけた]
…………。
[そして僅か15秒、何かを考えた様子を見せてそのまま素通りするべく再び歩き始めた]
おーい、ボイコット青年。
何も無視してかんでもいいでしょうが。
[ひょい、とヒサタカの進路に足を伸ばした。
通り過ぎようとするクラスメートに、口と足でツッコミ]
ま、お嬢様とのデートに急ぐんなら邪魔しませんが?
[カラカラと笑う。何だかんだと暇しているようだ]
[足早に階段を降り、一階まで向かう。
校舎内の浮き立ちは、目前に迫る夏休みのためだろう]
……気楽なもんだ、と。
[そんな呟きを漏らしつつ、携帯を軽く見て、時間を確かめて]
今から出れば、間に合うか、ね。
んー、花火は好きやねんけど、寮ですんのはなー。
タマキちゃんトコにでも行った時にしよか。
受験生かて息抜き…炎色反応の復習は必要やもんね。
[都合よく結論付けて、実験用薬品保管冷蔵庫を漁った。
白衣引っ掛けたまま部室を出る。荷物は置いたまんまだ]
センセ、どーせ定時まで帰られへんのやろ?
ちょっと置かしといてなー。
[ケイコが進路に入り込んできたのでピタリと足を止めた。そしてあのぼんやりとした視線で彼女を少し見つめてから]
……無視じゃない。考え事してるのかと思ったから、邪魔しないで置こうと……。
[と、普段どおり真実一本槍の回答の途中で、お嬢様云々といわれてしまい、口を噤んだ。
はて? 一体誰がお嬢様なのか?
そう思いながら、すぐにデートする相手など自分には一人しかいないと思い至った。古典的にポンと手を打って]
ああ……マリーがお嬢様か。
[関係ないところに感心した]
……やべ。
[ 小さく呟きを落とす。
同時に視線を上げて、落とした。
地を染める光の色は、
目蓋を下ろす前と大分変わっている ]
どんだけ、居たんだ。
[ 独り言ちるその姿は、校舎の片隅、樹上にあった ]
[ 幹に手をかけ、危なげなく降り立つ。
またしても合唱を中断された蝉たちは、
青々とした葉が舞い落ちるのとは反対に、
抗議の声を上げながら、暮れの空に飛び立っていった。
軽く服を払って、大きく伸びをする。
放課後の校舎裏だからまだマシだが、
そうでなければ目立つこと間違いなしの行動だった ]
暇してただけ。
暑いから切り上げて涼しい場所に逃げてきたんだ。
[近くにあるラケットケースを示して]
アッハッハ!
恋人以外とデートしてたら問題アリだよ、ヒサタカクン。
言いつけちゃうぞ?
やほー。
[声に反応して、なにやら俯いてた顔が上がったので手も振った。
握ってるのは実験用の氷の入ったビニール袋=簡易氷嚢]
へたってたみたいやからあげるわ。
[大体こんなもんかな、と目測を定めて手を離す。氷嚢、自然落下]
[ 豪快な笑い声が耳に入る。
振り向いた先には人影ふたつ。
茂みから出てよく見てみれば、
一つは見覚えがなく、一つはあるもの ]
……んだ。桂の、か。
言いつけたほうがいいことなんかね。
[ 会話は多少聞こえていたらしく、
朧げに拾った単語を繋げて言った ]
はあ? へたってたって……。
[誰がだ、と首を傾げる。
自慢じゃないが、暑さには強い、という自負はある。
……ここ数日は、諸事情につき精神疲労は感じていたりしたけれど]
……って。
[内心、首を傾げている所に落とされる簡易氷嚢。
角度は悪くない……多分、脳天直撃コースとしては]
ちょ、あぶねっ……。
[ケイコの暑いからという言葉に激しく同意した。何故なら彼も夕日の暑さに帰宅前の冷を求めてうろついていたのだから。
そうしてみると、ケイコは彼以上にテニスという運動をしていた訳だ。なるほど、それは暑くて当然だろう。と頷いた]
……なら、校舎裏の西奥の方に風が上手い具合に巻いてくれる場所がある。この時間帯なら木陰になってて、風が心地良い筈。
[すっと指差し、テニスコートからそんなに離れていない木陰を指し示した。
それと付け足すように断言する一言をポツリ]
大丈夫。俺は彼女以外とはデートなどしない。
[普段とは違う力強い一言を言いながら、自分の中でデートにならなければ女子と二人で出かけても可笑しくない彼であった]
これまた豪快なご登場で。
[アズマを見ながら、軽く首を傾げた。
顔は何となく見覚えあるのだが、咄嗟に名前が出てこない]
そうそ。
午後をサボしたヒサタカクンに浮気疑惑?とかね。
[ケラケラと笑いながら]
ま、本人はこう言ってるよ。
どこまでがデートになるのかは知りませんが。
お、ナイスコントロール。
[受けた方が。いや、当てる意味ならかなりナイスだが]
降りて上がるの面倒やん。それにちゃんと狙ったし。
ゆーとくけど食べたらアカンよー。
薬品付いてるかもやし、冷やすの専用にしとき。
ほななー。
[出会ってと言うか入学して数ヶ月。暑さに強いとか知りません。
目覚ましの借りは返したとばかりに、爽やかな笑顔で去っていく]
へぇ、良く知ってるね。
でも向こうだとコートからも見えやすいからなぁ。
[正規の部員たちはまだ練習してたりするわけで]
練習中に休む時は利用させてもらお。
ありがとさん。
[どこまでがデートか?
なるほど。難しい問題だ。男と女では許容範囲が違うし、何より考え方も違う。買い物の手伝いだけでも女子はデートととるかもしれないし、逆に男も浮気と勘違いするかもしれない]
……哲学的だ。
[彼の思考回路の方が哲学的かもしれない]
生憎と、忍者でもなんでもないもんで。
忍びの術は知らんわな。
[ 首を傾げる女生徒へと視線を返した。
何処の部にも所属しない助っ人として、
名前と顔くらいは知っていたが、その程度 ]
確かに、デートじゃなけりゃ、平気でしそうな言い草だ。
[ 深く彼の人と成りを知っている訳でもなかったが、
思わずそんな言葉が零れ出た。
ついでに出そうになった欠伸を抑え ]
狙うって、どこ狙ったんだ、お前。
[呆れたように言いながら、立ち去る姿を見送って]
……薬品つきって事は、化学部の備品か。
[何を寄越すんだ、と呆れながらもぴとり、額に当ててみたり。
ちょっと煮詰まり気味の頭には、ある意味丁度いいかもしれなかった]
[ 手を振られても振り返しはしなかったが、
代わりのように、鞄を肩に引っ掛け直す ]
……哲学的て。
何処からそういう思考になるのか、さっぱりわからん。
…そんな難しいこと言ってないと思うけど。
マリィがどう取るか次第だろうしね。
[ヒサタカの言葉には肩を竦めて]
気配殺して背後になんて立たれたら、手が出そうだよ。
怖いじゃないか。
[アズマの言葉にクッと笑う。
名前を忘れてることを忘れかけている、かもしれない]
[じわ、と滲むような冷たさに、それまでの気だるいため息とは違う息を一つ吐き。
足早に校舎を出て、残照の中へ]
……さて、急ぐか。
[小さく呟き校門へと向かう。
そこを抜けてから進むのは、*何故か自宅とは正反対*]
[アズマの呟きに大いに頷き]
……うん。俺もよくわかってない。
[等と無責任な一言を呟きつつ、ケイコの言葉にも同意した]
確かにマリィ次第……。だけど、大丈夫……だと思う。
[なぜか最後は弱弱しかった]
安心しろ。
そんときは、手を出される前にどうにかする。
怖いと思う暇もなくね。
[ ちっとも問題の解決になっていないことを、
軽い笑みを含んで言い放つ。
知っていようがいまいが、さして問題ではないようで。
落ちた葉を蹴りあげて、校舎の側へと寄った ]
……自信があるのか、ないのか。
どっちなんだ。
[ 尻に敷かれるタイプか。
若干苦手に思うクラスメイトと、目前の男とを脳内で比べた。
それから、ふと、視線は壁――の更に向こうを見るように ]
今の時間だと、部活か。
行かなくていいのか。
ックク。
なに、自信無いの?
[笑いながらヒサタカに尋ねる。だが答えを欲しそうにも見えないのは、マリという人物を知っているからか]
コラコラ、冗談になって無いよそれ。
ま、どうにかされないうちに逃げれるように頑張りましょ。
[笑み交じりのアズマの答えには苦笑を返し。
置きっ放しのラケットケースを取りに動く]
さてと、汗も収まってきたし戻りますかね。
それじゃ、お二人さんもお疲れさん。
[軽く片手を上げれば、スタスタとその場を去って*いった*]
あぢー…
[暑い。動かないでいても暑かったが、歩くと更に暑い。
犬が舌を出すあの行動が少しだけわかったそんな放課後。
喧騒が遠く感じるのは暑さゆえか本当に遠いのか。
ヒサタカでもいないかと一度教室に顔を出したがすれ違っていた…どころか聞くところによると授業時に蒸発していたようで]
この暑さだしそりゃ固体も蒸発するよなぁ。
[だから自分も蒸発しようと決めて、校門へ向かい*学校を後にした*]
あー…… っと。
俺は俺で、行くか。
[ 呟きはケイコが動くと同時。
何気なく鞄から取り出したフィルムカメラは、
電脳化の進む現代に置いては些か古めかしく映る。
フィルムの巻き上げ音に、シャッターを切る音。
区切られた空間は、何を映し取ったか ]
よし、と。 じゃな。
[ 言うなり、開いた窓から校内へ。
脱いだ靴を片手に、気侭に*歩いていった* ]
9人目、 マリー がやってきました。
─校庭─
「はーい、じゃあ今日はここまでー」
[陸上部の主将の号令で各々の練習をしていた部員が集合]
「それじゃ、夏の大会も近いから出場者は体調気をつけつつ、練習欠かさないようにー
じゃー、解散ー」
ハーイ
[元気よく返事をし、練習の疲れなどないようにちゃきちゃきと片づけをすると]
じゃー、お先デス
[さっさと着替え、駄弁ってる仲間たちに挨拶]
「よっ、マリー。彼氏のところかー?」
「ひゅーひゅー、お暑いねー」
[先輩や同級生の冷やかしに照れた様子もなく、満面の笑みを浮かべ]
うん、ヒサタカが待ってると思うカラ
[じゃー、オルヴアール。と手を振り、部室をあとに]
……自信がない訳じゃない。が、それでも人の心はわからないから……俺は良くても彼女が嫌がっている事をしているかもしれないってだけ。
[つまりは普段から何を考えているかわからない青年も、恋人に関しては弱気になっているだけだ。
そんな回答をしてから、忙しそうな二人を交互に見送り、再び徘徊に戻った。
そろそろ空も熱を発散し始めた時間帯に見えたので、帰宅するべく昇降口に向かう。
――もちろん、マリーの事は頭の片隅にあれど、いないなぁ。という程度のもので]
─校舎裏─
[ヒサタカの教室へ行くと、何でも午後は見ていないとのこと]
……うーん。じゃああそこカナー?
[そういうと足は校舎裏へ。そこには果たしてヒサタカが居たわけだが]
あれー? アレって、ケイコにユーゴ?
[小首を傾げるうちに、二人はそれぞれ何処かへ
さらに首を傾げてると、ヒサタカは昇降口へ]
…………(ぴこーん)
[頭に電球が浮かんだかと思うと、そーっとヒサタカに近づき]
だーれだ?
[背後から目隠しという、ある意味お約束のアクション]
[唐突に視界が柔らかいナニカによって塞がれてブラックアウトした。その直後に聞きなれて、それでいて心安らぐ声が聞こえて、普段無愛想な彼の口元に笑みが浮かんだ。
そしてストレートに名前を口にしようと、いやいや普段からいつもからかわれているし、たまには悪戯の一つでも……と、考えているうちに、何も良い案が湧き出てこない衝撃が全身を駆け巡った]
……!
[そしてそのままぐったりと膝をついて項垂れてしまった]
[目隠しをしてその反応を待っていたが、がっくり項垂れるというのは想定外]
? ヒサタカ、どしたノ?
[こてりと首を傾げて自然ヒサタカを見下ろす]
…………
[ヒサタカの情けない理由にポカーンとしていたが]
アハハハハハハ。やっぱりヒサタカは面白いネ
[しゃがみ込み、ヒサタカの背中をバンバン]
[マリーの大笑いに、しばしポカンとしたが、結局はマリーが笑ってくれているという事実に、ほっと息をついた]
……笑ってくれるなら、どんな理由でもいいや。
[そう呟いて、マリーの頭を優しく撫でた。結局のところ、片隅に置いてあっても空気のように大事なもの――という認識は彼の中にはあったらしい]
……それより、今日はもう帰るのか?
[ほっと息をつき頭を撫でるヒサタカをきょとんと見ていたが]
? …………ヘンなヒサタカ
[そう言ってすっと立ち上がる]
うん、今から帰るトコ。ヒサタカも?
そう? じゃー、一緒に帰ろ♪
[にっこりと向日葵のような笑顔を浮かべつつ、ヒサタカと*帰路へ*]
あー。そういえば、ケイコやユーゴと何話してタの?
[そう言って首傾げ。*興味以外の他意はない、つもり*]
[ 立ち入り禁止の表示を無視して、
プラスチックチェーンを跨ぎ階段を昇る。
柔らかい上履きは硬い階段とぶつかり合っても、
擦れるばかりで和音を奏でない。
開けるのにコツの要る扉を手馴れた様子で弄り、押し開いた。
錆びた蝶番が悲鳴をあげる ]
[ 久しく訪れていなかった場所。
なのに容易く開いた事に他者の出入りを感じながら、
入り口のすぐ傍の梯子を上り、
小さな真四角の空間を陣取る。
新たな“犯罪者”が来ても、
同じ場に上がらなければ気づかないだろう ]
……にしても。平和だなー。
[ 手元でカメラを弄りながら、
目に痛いほどの青を眼に映して呟く ]
[ 鳥が、羽ばたいてゆく。
反射的に指が動いた。
世界が型に嵌められる、音。
あ。光源ミスった。
内心で舌打ちして、ごろりと寝転がる。
フードが外れて、現れた金が陽光を弾いた。
* 今日も、歓声が聞こえる *]
10人目、 ヒビキ がやってきました。
−七曜学園・廊下→進路指導室/朝−
[きしり。
床板がきしんでまだ涼しい空気に響いた。
他の部員が集まってくる前に朝練を済ませ、足は進路指導室へ向かっていた。
その顔は至極面倒くさそうだった。
しつこく昨日の帰りに念を押されなければ全力でブッチしていたかったのに、相手も相手で手回しをしており、家を出る時に姉からしつこく行くように言われて、それ以上相手の機嫌を損ねるのも面倒で仕方ないから行くことにした。
硬い扉を二度ノックして、中から応じる年齢を経た声がすれば一応愛想よくそれなりに優等生っぽい顔をして引き戸をがらりと開ける。
中の教師はといえば、待ち構えていたようなしかめっ面で少年を応接用のソファへ通し、彼が座ったのを見計らって、進路を変える気はないのかと切り出してきた。
再三言われ続けてきたセリフに、ひっそりとため息がこぼれた]
ありません。そんなに勉強に興味ないんで。
[その言葉は嘘ではないようで、本当に興味なさそうな声色。
教師は、肩を竦めるしかないらしかった]
[でもなあ、と声は続く。
お前の成績ならもっといいところに行けるし、推薦だって選び放題なのにわざわざそんなマイナーな学科へ行かなくても、と。
少年は不思議そうに首をかしげる]
…いけませんかね、醸造学科。
調理師専門に比べれば、大分先生方の意向に沿ってるとは思いますが。
[明らかに教師は不機嫌そうな顔をした。
教師にとっては生徒に良かれということなのだろうけれど、しかしそれは当の少年にとってみれば希望進路を変えさせられたという事実。
教師にとって風向きの悪い気配を助けるかのようにチャイムが鳴る。
腕の時計に目をやって]
蓉子にも言いましたが、何度言われても、変える気はありませんので。
今日、俺日直なんで、これで失礼します。
[教師に止める隙を与えずに進路指導室を出て、面倒くさそうにため息をついた]
−→廊下−
―七曜学園・校内―
[明日から夏休み。とゆー訳で本日は終業式になる。
つまりは宿題とか成績表とか、悪夢の配布物の配られる日だ]
あっちゃー、やっぱりか!
もーホンマ付いてかんで良かったわ。
[英語の成績の無残な数値に、げんなりした声を上げる。
ぶつくさ言って鞄に各種プリント放り込めば、気分一新夏休み]
ま、おっちゃんおばちゃんに成績見せなアカンけど、今夜はタマキちゃんのゴハン食べれるしいーや。
あーひっさし振りのまともな家庭の味やー!
寮のゴハンまずーはないけど、味付けやっぱあっちと全然ちゃうしなー。毎日なんは飽きるわ。
[ついでに言えば、学食の味と程同じだったりする。
(もしかしたら学園つながりで同じレシピなのかもしれない)
おかげで昼食くらい違うの食べたくて、全国共通っぽい惣菜パンばかり買ってたり]
[クラスメイトに手を振って、科学準備室に向かう。
薬品管理の名目で空調効いてる準備室を覗き、顧問に笑顔]
セ・ン・セ♪
明日から休みやし、冷凍庫の氷の備蓄もういらんやろ?
ちょうだいなー。
[返事も聞かずにうきうきとビニール袋に、顧問の私用冷蔵庫から氷を奪って詰めていく。ちなみにこっちはちゃんと食べられる方なので、ついでにストローも失敬しておく]
ほんじゃありがとさん。また二学期になー。
お礼に夏のアバンチュール楽しめるよー祈っとくわー。
[三年の教室の横を通り過ぎる途中、なんか視線を感じたのは気のせいというコトにした。
全校集会で校長先生のお言葉の後、生徒会からの話で会長と目が合ったとか偶然に決まっている。目を付けられる程やばいコトした記憶と自覚はない。
精神衛生上よろしくないのでそれ以上は考えず、氷嚢カチワリ氷をファンシーなウサギ柄のハンドタオルに包んだ。
惣菜パン確保してプラスチックチェーンを越え、扉を開ける]
ちわー…て、あれ? ミックん来てへんの…?
[なんか(先客が)居てそな気がしたのになー、と首を捻る。
脇の階段上=干物希望なので人が居るなど思わず、いつものよーに貯水タンクの陰に座って、昼食に*かぶりついた*]
[マリーの質問になんと答えようか迷いはしたが最終的には哲学について少々会話したと、自分が勝手に思っていた内容で回答とし、彼女を送り届けて自分も帰宅した。
本当であれば別れ際のキスでもするべきなのだろうが、自分自身周囲とはズレている事を自覚している彼であっても、さすがにこれは恥ずかしかった。肩に手を回して抱きしめて……などと考えただけで顔から火が吹く。
何だかんだと彼も結局は男の子である訳で――]
はぁ……。
[そうして翌日になっても自分の不甲斐無さに教室の片隅で大きく溜息などついてしまう始末だ]
[彼女と恋人という括りで付き合いだしてもうどれくらいになるのか。
時間の流れに疎い彼にはそんなものはどうでも良かった。つまるところどんな状況でもマリーは自分を許してくれるだろうし、信じてくれるだろう。そして己もマリーをどんな状況でも直視したまま信用し許せる。そんな関係だと思っている。
なのでよく周囲の友人から聞かされる『男女間の付き合い』や『〜〜記念日』と言ったものは、なくても問題などないというのが彼の持論ではあるが、それでも人並みに好きな相手とは可能な限りとなりに居て触れ合っていたいという欲求は持ち合わせていたりする。
その相反すると言って間違いない感情と性格の矛盾に、何度となく溜息を付いた事か。
恋人同士でする事全部……とは言わないが、初心者レベルの内容は網羅してきたつもりだが、全てマリーから希望されて行ってきたと、彼の記憶は保存されている。なので昨日の悪戯や仕返しではないが、一度くらいは自分から恋人のような事をしてみるのも悪くないと思うが、変な性格がいつも妙なところで邪魔をしてきた。
昨日の悪戯然り。である]
[それでも、彼からキスくらいできれば、喜んでくれると思えば、幾度となくチャレンジしできたが……]
(悉く失敗……。どうしよう……。キョウヤにでも相談するべきか?)
[気持ちは完全に藁にも縋る思いである]
11人目、 サキ がやってきました。
テストも終わったし、夏休み遊ぶぞー!
……って行かないのがアタシら三年だよね。
体育大行くにしても筆記試験が必要とか泣けてくる。
[終業式と最後のHRが終わり、友人と会話しながら机に突っ伏した。じんわりと熱が籠って来て已む無く顔を上げたのだが。筆記試験があるのは当たり前の話なのだが、当人は不満のようだ]
何で国語が必須なんだよー。
数学が選択にあるだけマシっちゃマシだけどさー。
……マークシートらしいから、最悪勘だな。
「もちっと勉強したら?
空手ばっかやってないでさ」
勉強しても頭に入っていかないんだよ。
完全理数系の脳してるって言うのー?
[机に肘を突き、両手に顎を乗せて、ぷー、と膨れた。それを見て友人は小さく肩を竦め、笑いながら言う]
「幸貴ったらホントに数学は成績良いよね。
数学の部分以外脳みそ筋肉になってんじゃない?」
はっきり言うね…。
まぁ否定しないけど。
[じと目で友人を見たが、実際そのようなものと自身も認識しているために、それ以上突っかかっていくことは無い。むしろ友人と共にからりと笑う]
はー、仕方ない。
毎日の鍛錬の合間に少しずつ勉強しておくよ。
受けるからには合格したいし。
「頑張りなさいな。
必要なら教えてあげるから」
ありがとー、心の友よ!
[がば、と友人に抱きついた。気温が更に上がったかもしれない。もちろん友人は暑いからと抵抗するのだが、幸貴の力に敵うはずも無く。暑苦しい攻防が続いていたり]
そんじゃアタシは生徒会に顔出してから帰るから。
何かあったらメールしてちょ。
[友人を解放してから配布物等を鞄に詰め込むと、教室を出て生徒会室へと足を向けた]
[ 果たして干からびる前に彼を救ったのは、
ポケットに突っ込んだ携帯の振動だった。
しかし起き出すさまは緩慢で、
暑さを気にしていたかは怪しい。
頭を掻きつつ、折り畳んだ機体を開く ]
……げ。
来なくていいっつに……。
[ メールの送信者欄には、己と同じ苗字。
滅多に帰らない父の名が、其処にあった。
せっかくの独りの空間が、台無しだ。
心中を重くしながら、頬を伝う汗を拭った ]
[ 時刻を確認してみれば、集会参加は愚か成績表すら
受け取り損ねた事実を知ったが、まあ、些細な事。
とりあえずは降りようとしたところで、日陰の闖入者に気付く。
寝起きのせいか暑さのせいか、ぼうっとした眼差しを向けること、数秒。
下手を打つといつまでも観察していそうだったが、
真夏の日向ぼっこという名の自殺行為の後の喉の渇きもあって、
本能めいたものが身体を動かした。
力の入れ加減を間違えれば折れそうな梯子を途中で蹴り、
これまたしっかり熱されたコンクリートの床に降りる ]
あんまり痕跡、残すなよー。
今は知らんけど、一部、フェンス外れやすいし。
[ 入り口の建物の作る影へと逃げ込みつつ、気まぐれに声を投げた ]
あぢー
[ばたり。成績表やら夏休みに入る前に聞くありがたいようで、教師方の眠気と思わず欠伸や昼寝を我慢するという苦行を終えた。
でも今日もしっかり暑かった。そわそわと解散したりしていく面々を横目にばたりと机に突っ伏す。体力残量は危なそうだ]
─校内─
……取りあえず、終わったな。
[何が、というのは一応愚問。
夏休み前の恒例行事を一通り終えた所で、足を向けるのはやはり、屋上方面。
途中、階段の踊り場で足を止め、窓越しの空を見やる]
……そろそろ、戻る……か?
[何が、とは、言わずに。
ゆっくりと、上へ]
うっわ、おったんかい!
[夏の日差しは眩しく、コントラストが目に痛い。
日陰に逃げ込んだ人物の容姿はわからず、掛けられた内容から教師じゃないっぽいとだけ判断]
えーと、忠告あんがとー?
やけどアンタかて干物なるで、あんなトコおったら。
12人目、 タマキ がやってきました。
―校舎1F・廊下―
[宝条、と背中へと投げられる声。
ゆるりとした動作で振り向くと、見慣れた教諭が数部の冊子を持って歩いてくるのが見えた。
古典を担当教科とする、学年副主任にして委員会顧問の顔を持つ壮年の男性。
……季節の所為か、少々寂しい頭上がいつもより妙にテカっているのも
二年と半年も在籍していれば、多少は見慣れたものだった。]
――あれ、先生。
[じとり。湿りと熱を含む空気が、頬へ腕へと纏わりつく。
窓の外から響く一週間の命を全うせんとする合唱が、暑さを助長した。]
だよなー。
久し振り過ぎて忘れてた。
[ 危機感のない声。
夏でもパーカーを羽織っているくらいだから、
ある意味では当たり前とも言えようか ]
購買、まだやってっかねえ……?
[ 呟きながら、扉へと手を伸ばす ]
「先週あった予算会議で配布された資料の、最新訂正版が上がって来たからな」
[職員室まで取りに来て欲しいんだが。
冊子を団扇代わりに扇ぎながら、続ける言葉はこうだった。
委員長自らが目を通して、上――つまりは生徒総会に今学期中に提出。
…つまりは、本日中に。]
…今からですか?
――…それは、困りましたね。
[彼にしては珍しく言い渋る様子に、如何かしたのかと。
テカる頭をハンカチで押さえながら男が問うた。
若干精神的に見苦しい風景ではあるが、にこやかに笑みを浮かべたのは相手が教諭であるが故か。]
…いいえ、何でも。お気になさらず。
[至極私用ですから。それだけを言って、その場を誤魔化すことに決める。
――まさか近所のスーパーの食品のタイムセールが、とまでは口に出しやしない。]
(…さて、どうしようか)
[筆記用具と成績表、あとは定期やら財布やら。必要な物だけが入った普段よりも軽い鞄を左腕に携えて、教諭の後をついていく。
これから、どう打ち合わせとやらを抜け出そうか、では無く、泊まりに来るだろう従姉妹と、自宅の冷蔵庫事情を脳内で省みての話。
…どうするも何も、少々頭を痛める事にはなりそうだ。]
――有り合わせで、何とかなりますかね。
[尤も、文句を言わせるつもりは無いのだが。
湿度の所為か、汗ばむ額を一度だけ拭って、小さく*溜息を零した*。]
[生徒会室前。一見幸貴には似合わないだろうその部屋は、幸貴が所属する場所であり。通常の教室に入るような軽い雰囲気でその扉を開けた]
ちゃーっす。
かいちょー、何かやることある?
[休み前の仕事確認。生徒会長である沙耶香も丁度来たところらしく、あれこれ確認をしているようだ。何事も無ければ自分に割り振られた分の仕事をこなすことになるだろうか]
……なんだ、珍しい。
[ぽつり、呟く。
屋上潜入の常習犯が増えているのは認識しているが。
(そして、放置している事で従姉ににこやかに睨まれていたりするのだが)
どうやら、今は他にもいるようで]
……こんな時期のあの場所に好んで行きたがるとは……酔狂な。
[思いっきり、自分は棚上げな一言を呟きつつ、扉に手をかける]
[成績はこれといった問題はなく。
帰省するか否かというだけだがそれは追々決めていく。数日ぐらいは別に問題あるまい。]
あー。とりあえず飯食ってからにするから後でメールで。
[遊びの誘いを保留としながら。暑さとか湿気に気だるさが更に増す。こっちのテンションを吸収してるが如く蝉は相変わらず元気だし。]
購買…あいてるかね
[席を立つ。軽い鞄を持ちながら、暑さでふらふらと購買目指して歩き出した]
[少し前、まだ少しザワついている教室内]
それがさ、名前がちっとも思い出せなくて。
適当に濁して逃げてきたってワケ。
「変なとこで抜くよね、啓子も」
悪かったな!
誰でもやったことある話っしょ。
「だって我妻さんは有名じゃないの」
わたしゃ特に関わったことあるわけでもなし。
顔に見覚えくらいはあったケド、出てこなかったんだから仕方ない。
[渡されたばかりの通知表はもう団扇代わり。
どうせ中身も一部を除いて可もなく不可もなくだ]
にしてもそっか、我妻ユゥゴ君ね。
いきなりシャッター切るとか思わなかったから驚いたわ。
何をどう撮ったのかは知らんけども。
「許可もなしに?」
ああ、私を撮ったかどうかは分からんよ?
逃げ出した手前、尋ね返すのもアレだったし。
「…それで啓子がいいならいいけど」
気にしてたらその場で問い詰めてるって。
[ケラケラリ。明るい笑い声は風に乗って外へと流れていった]
んー。多分やってるやろけどさー。
[ゴハン食べてる間ずっと上に居たなら、マジでヤバそうだ。
ハンドタオルは結露に濡れて、中身は半分水。
程よい飲み頃だが人助けならしゃーないかと立ち上がる]
とりあえず、行き倒れる前にこれでも飲んどきー。
熱中症の理由聞かれて、屋上封鎖されるんは堪忍やし。
フード如きじゃこの暑さは凌がれへんで。
[フードの内側も録に見ず、近づいてむき出しの氷嚢を目の前にぶら下げた]
─生徒会室─
[呼びかける声に、そちら見やり、にこりと笑う]
今の所は、大丈夫かしら。
ただ、ちょっと……。
[ここで言葉を切り、わずか、思案顔。
物憂げとも見える横顔を、陽射しが照らす]
……急いで作成しないとならない書類があるから、何かあったら、対応をお願いしてよろしいかしら。
[何もないとは思うけれど、と。
零れる笑みは、どこか楽しげ]
[ 逆側から手をかけられるのには気付いたか。
内側からの押し扉となると、オチは読めもしたけれど。
どちらにせよ、日陰にいた人影が近づいてくるのと、
何より下げられた氷嚢に、彼の意識は向いてしまった ]
んぁ?
助かるけど、あんたのじゃねえの。
[ 手は正直に、きっちり動いていたが ]
もちろん、うちのやからあげるんよ。人のはあげられへんわ。
ゆーとくけど、タダちゃうで。口止め料やからなー。
[だから遠慮いらんよ、と伸ばされた手に氷嚢を落とす。
ついでにストローをポケットから漁ってる間に扉に変化があったかもしれない。武道とか無縁の人間に気配なんて読めません]
口止め料っつったら、
[ 自分だって、相手とそう異なる立場ではない。
そう指摘しようとして、落とされた氷嚢に声は止まる。
剣道の経験はあれど、やらなくなって、早二年半。
そして落ちゆくそれを手の器に収めようとした結果、
扉への注意は全く払われなくなったわけで。 ]
[言葉が切られたその間。返事があるまで自然と沙耶香を見る形になる。どんな時でも美人だねー、とか思ってたりするが、声には出さない]
急ぎの仕事あるんだ。
じゃ他でアタシが出来るものは対応しとくよ。
何も無い方がアタシも楽で助かるし。
[いひ、と笑って定位置の席へと座った。沙耶香の楽しげな笑みはそのように受け取らなかったのか、気にした様子は無い。しばらくぼんやりしていたが、徐にテキストを出して解き始めたり。一応勉強する気はあるようだ。尤も、遅々として進まないが]
おわ!
[動体視力だけはやたらいいから、フード男が自分を避けてくれようとして倒れるのは判った。
しかし止められるだけの反射神経の方はない。心の中で合掌]
悪い、避けられると思った。
[扉にかかる重みに疑問を感じた時には、遅いわけで。
開いた扉の向こう、目に入った光景に。
口をついたのは、こんな一言]
[惣菜パンをいくつかとジュース。それを食して一息。
他のやつらは食事を終えてから連絡といってるが、自分はさっさと終えたためまだだろう。]
あぢー…
[既に口癖と化しているような言葉をぶつくさ
涼があるところ…この前ヒサタカに聞いた三階の空き部屋にでもと決めた。
なんかほんの少しだけ嫌な予感がしなくもない]
ええ、今日中に提出しないとならないものですから。
[相手が何を考えているか、気づいているのかいないのか。
さらり、何事もないように言って、笑って見せる。
その間も手はさらさらと、さらさらと動いているのだが。
やがて、作業は一段落したらしく、とんとん、と紙束をそろえて、見直し作業に]
そう言えば……幸貴さんは、夏休みには何か予定はありますの?
[それから、ふと思いついたよに、こんな問いを投げて]
[ 空いていた片手を地に着きはしたものの、
予想以上の熱さに更に動きは鈍り、
結果、焼かれました。
額を思い切りぶつけるのと、どちらが間抜けだったかは知れない ]
[テキストと睨めっこしていると沙耶香から訊ねかけられ、顔を上げた]
え、夏休み?
家で稽古と部活動くらいかなー。
うちの親父、旅行とか行くくらいなら鍛錬!とか言う空手馬鹿だかんね。
予定と言う予定は無いや。
[稽古も部活動も日常茶飯事のようなもので。遠出出来ないことに残念そうに、ぺしょりと机に潰れた]
どーせやったら、焼けてから上げたらよかったなー。
[正しい氷嚢の使い方と言う意味で呟き、その場にしゃがみこむ。
一応、助けてもらったらしいので]
えーと、避けてくれておおきに?
[手に残ってた冷たいハンドタオルを焼けたっぽい所に押し当てようとかする。そこでようやく、フードの下に気付いた]
うわ、外人さんやった!
ワタシ、エイゴ、シャベレマセン!
あー、確かに。
って、違うだろ。
いや、あってるけど、違うだろ。
[ よくわからない突っ込みをしつつ、
フードの下から若干恨めしげな眼差しを向けた。
大袈裟な動作のせいで、目深に被っていたそれは外れかけ ]
そう……どこも、同じようなものですね。
[とん、と。
チェックを終えた書類を置いて、判押し作業の後、ダブルクリップでぱちり、と止める]
でも、それならそれで、私は助かるかしら。
何かあった時に、すぐに頼れますもの。
[潰れる様子には、ほんの少し苦笑するものの。
続けられた言葉と共に浮かべるのは、一見無害な笑み。
従弟が見たなら即、「……何企んでる」と突っ込みいれること、請け合い]
……もうかりまっかー。
[ 関西弁に合わせてみた。
場違いに、とりあえず、ベタに ]
高校生なら、それくらい喋れ。
いや、日本なんだから日本語喋れ。
つーか、外人全部が英語話すわけじゃねえ。
[ 蛙状態からヤンキー座りになりつつ、半眼を向ける。
黙っていれば美麗な北欧人にも見られようが、
こうしていると、単にガラの悪い輩だった ]
[質問に哲学やらよくわからないことを言うヒサタカに、首を傾げつつも向けるのは笑顔。
別れ際も特に何かがあるわけでもなく、普通に一言二言言葉を交わす程度。
しかし、彼女にとってはそれで十分。ヒサタカと過ごす時間があればそれだけでいいのだ。]
まあ、石焼きか鉄板焼きかはどうでもいいけど。
[さらり、と突っ込みを受け流して。
フードの下から覗く色が、陽光を弾く様に僅かに目を細める。
聞いた気がするけど誰だっけ、とか考えてるのは見た目からはわからない。かも知れない]
……というか、お前、今まで何語で会話してた……?
[取りあえず、璃佳には突っ込み一つ]
−→生徒会室−
[それは帰ろうとしていた時のこと。
女性教師に呼び止められ、何事かと思えば荷物の運送を仰せつかる。
ご褒美に一本ジュースを奢ってもらい、それで手を打つことにした。
かくして、行き先は生徒会室。
片方の手はひやりと冷たい荷物を持って、聞き手が扉をたたく。
反応があるまではそのままそこで待機]
てことはかいちょーも?
遊びに行けるのは一部の人間だけなのかねぇ。
[身体を起こすと椅子の後ろ足だけ床につけ、前を浮かせてゆーらゆら。転ばないようにバランスを取りながら天井を仰いだ。続く言葉にはにへらと笑いかけて]
んー、そうやって言ってもらえるのはちょっと嬉しいかな。
何が出来るかは分かんないけど。
[笑いながら相手の笑みを見たが、裏に隠されたものには気付くはずも無く]
ぼちぼち…やのーて。
せやかて苦手なもんは苦手なんやもん!
だいたい日本来たら日本語喋ればえーねん。郷に入れば郷に従えやし、ローマの道だって全部につーじんねんで!
って、はれ?
[言ってる間にミツクニのツッコミが入り、思わず考えてみた]
日本語…やねー。
てコトはカラコンと脱色のヤンキー兄ちゃんか。あー良かった。
お、ほいほい。
[ノックの音にがたんと椅子を戻して立ち上がる。意外に大きい音だったが、気にする様子も無く扉に近付き開けた]
どっちらっさまー。
……もしかすると、子守をしなければならないかも知れませんので。
[しれり、と言ってのけた。当の『子』が聞いたら、どんな反応をするかは、相手が誰かを知るならば、自明の理か。
返された笑みには、頼りにしてますね、と答えて]
あら、お客様……?
原因が受け流すな、原因が。
[ お手玉というには大きい氷嚢を、手と手の間で弄ぶ。
ちなみに、鞄は手から離れて入り口傍に放られたとか ]
……漫才の相方?
[ 眼鏡の少女を視線で指しつつ訊ねた ]
[がたんと中で音がして、それで中に人がいることが分かる。
あけようと思ったら扉があくらしかったのでそれに任せてしまうことにした。
中から主に部室方面で見覚えのある生徒が出てくれば、愛想のない顔でどうも、と小さく挨拶ぐらいはしただろうか。
ひょいと生徒会室の中を覗き込んで]
…何だ、お前らしかいないのか。
[軽く肩をすくめつつ、それが第一声。
片手に抱えていたスーパーの袋をずい、と無遠慮に差し出して]
これ、頼まれたから持ってきた。
[七曜寮生御用達おやつ確保先でもあるスーパーひまわりの袋には大きいペットボトルの緑茶とウーロン茶、よく冷えたゼリーなんかも入っていた。
袋にはべたりと、生徒会顧問である女性教師の文字で【さしいれ(はあと)】とメモがセロテープで張られている]
[彼女とヒサタカが世間一般で恋人と呼ばれるような関係になったのはいつだったか。
いつの間にか、彼は彼女のそばにいて、彼女も彼がいないと嫌、という程度に彼を好きになっていた。
それから、何度かデートや軽いチュッチュといった恋人らしい行動もしてきたが、寡黙な彼に対して誘うのはいつも彼女の方。
でも、そんなことは関係ない。誘うのは彼女であっても彼はちゃんとそれに応えてくれているから。
もちろん、彼女だって思春期の女の子。世間一般の恋人たちがするような行為に興味がないわけではないし、男の子にエスコートしてもらいたいという気持ちも無いでもない。
でも、急いて今の関係が壊れるよりも。ゆっくりと暖かいひだまりのような日々を送れれば、今の彼女に不満はないのだ。]
―職員室―
――失礼致しました。
[一礼。
レールの上を扉が転がる音と共に、廊下に滞っていた熱気が再び身体へと纏わりつく。
…嗚呼、何と職員室の涼しかったことか。世の中は不公平だ。
クリップで留められた数枚の紙束を、不平不満とばかりにべらり音を鳴らして、職員室を後にする。
軽い鞄と、紙の冊子が二部。張り付いた暑さが、額を一筋伝って落ちた。]
…つまり、廊下にもエアコンを設置すれば良いんですよねぇ。
[今度提案してみましょうか。間違いなく上が却下でしょうが。
薄く笑みを浮べたまま手に持った白い紙へと視線を滑らせる。
もちろん、そこに廊下にエアコン設置の予算などある筈も無い。
右上隅に位置する小さな空白。そこに記すべき印は顧問のものと、自分のものと、あと一つ。
上履きで廊下を鳴らしながら、今度は次の目的地へと向かう]
つーか、いつの間に来てたんミックん。諸悪の根源なん?
[今頃、犯人に気付きました。
外人が話すのは英語だけじゃない=独逸語や仏蘭西語だとか。
当の本人から、日本では日本語話せと同じコト言われてるのも半分気付いてなかったっぽい]
いやまて、脱色とはかぎらんだろ。
[取りあえず、璃佳への突っ込みどころはそこだった]
ああ、そういやそうか。
というか、気づいて避けるものとばかり思っていた。
[原因、の一言には一瞬きょと、とするもこう返し]
……なんでそうなる。
[最後の疑問には、真顔で問い返した]
日本語で、には同意しとくが。
ローマ云々は違うだろ、なんか。
[ 笑顔に妙なものを感じたらしく、
片眉がぴくりと跳ね上がった ]
染めるのもカラコンも出来るんならやってるつの。
[ この場合、彼女が思うのとは逆の意味ではあるが ]
[相手の挨拶に、ども、と返す。見れば部活の時に時たま見る無愛想な顔。何用かと思えば、差し出されたのはスーパーのビニール袋]
アタシら真面目だから。
[二人しか居ないのかと言われれば、無駄に真顔で言ってみたり。差し出された袋を受け取り覗き込むと、今の時期にはとてもありがたい差し入れの数々。見慣れた文字が書かれたメモを見止めて、にんまりと笑った]
やっほぅ、センセったら気が利くじゃん。
ありがたく頂くよー。
[受け取った袋を頭の上に掲げて嬉しそうにくるりと回った]
あら、不在の何方かにお目当ての方でもいらっしゃいましたの?
[入ってきた生徒の無愛想さとは対照的に愛想良く笑みつつ、楽しげな口調でこんな言葉を投げかける。
差し出された袋のメモにはくすり、と笑い]
わざわざ、ありがとうございます。
[立ち上がり、ふわり、優雅に一礼]
[ 避けるもの、と言われて一瞬、言葉に詰まる。
避ける気はあったのだ、確かに。
それ以上重ねては自分に不利、とばかりに話題を逸らす
……必要もなく、二人からの突っ込みに、勝手に逸れた ]
いや、だって。
ボケと、ツッコミじゃね?
[ リカと、ミツクニ。
順に指してから、返す表情も真顔だった ]
まて、誰が諸悪の根源だ。
事故だろ、事故。
……大体、ここで人と接触する可能性と確率を考えれば、予測もできんだろうが。
[呆れきった口調で言いつつ、はあ、とため息一つ。
まだまだ気温の高いその場にいる割に、暑そうな様子は全く見えず]
……真顔で言われても困るんだが。
[ボケとツッコミ、の指摘にはやっぱり真顔で返した]
……。
[まじめ、の一言は華麗にスルーして、ちらりと奥で聞こえる声にも興味なさそうな顔をする。
袋を神宮司に渡してしまってから会長の礼にこたえようとして、ちょっとだけ、あ、という顔をしたかもしれない]
…別に、俺も報酬はもらってるから。
[勝手に生徒会室に邪魔すると、頭に掲げられた袋から報酬の烏龍茶の缶を回収して]
あ、そか。染めたかもあらへんね。
なんか本人違うって言ってるけど。
[ミツクニとアズマを見比べ、よく判らないと首を傾げる。
自身の顎で切り揃えた髪は日本人にしては色素が薄いが、アズマには敵わない]
まー日本語が通じるんならどっちでもええけど。
寮で見かけたグラマーな先輩も日本語喋ってたしなー。
[片眉が跳ねたのを見て、タオル引っ込めてストローを差し出す。
間違った方向に通じたらしい]
あ、はいはい。どーぞー。
[だから、同級生のルームメイトから仮に冷やかされたとしても、「ヒサタカはイイ奴ダヨ」と天然で惚気るわけだが。]
[さてそんなことがあったかどうかは置いとくとして、翌日の終業式。
どこぞのもう一人の金髪碧眼と違って普通に式にもHRにも出ていた彼女は、今そのサボり魔を探しているわけで。]
ユーゴ、HRくらいバックレないで出ればイイのに。
[その足は一直線に屋上へ向かっているわけで。]
[華麗にスルーされても、ネタとして言ったわけだから返答がない事に言及することもなく。相手の手が袋に伸びてくると取りやすいように胸の辺りへと下ろした]
烏龍茶?
それで運送請け負ったってことかい。
センセも人使い荒いと言うか。
[けら、と笑いながら「ご苦労さん」と響に声をかけたり]
じゃあ、それで。
後はよろしく、諸悪の根源ミックん。
[ ちゃっかり、インプットされました。
石焼きまで食らってはこの場にいるのは些か辛いらしく、
リカからストローを荒っぽく受け取ると、
片手に持ったまま鞄を拾い上げる。
解けた氷嚢は器用に頭に乗せて、今度こそ扉を開いた ]
よい夏休みをー。
―生徒会室前―
失礼します、三年の宝条です。…予算委員の事でちょっと。
[階段突き当りの曲がり角を曲がり、見えた目的地の扉を二回軽く叩く。
他の教室より僅かに重厚漂う扉を響かせて、中の住人達に入室の意を知らせると、中を伺う様に数センチ、開けた。
予想通りと言うべきか生徒会長と、あとは見慣れた会計の姿と、あと]
…おや、相馬君。
[想定外。室内に見える姿に一度瞬いた。
友人である彼が生徒会室に用があるなどあまり無い事。]
珍しいですね、…何してるんですか?
[お邪魔であれば出直しますが。と、ぺら。乾いた音を立てて冊子を揺らす。]
[反応がないのは予想していたか、特に気にする様子もなく。
報酬、と言って烏龍茶を確保する様子に、くすり、と]
ともあれ、ご苦労様でした。
部活の方は、お休みなしかしら。
暑い時期ですから、皆さん、気をつけてくださいね?
芸は身を助くと同じく、細かい恩の売り重ねも身を助けるってね。
それに、報酬もあるし。
[睨まれて面倒な生活を送るよりは、それなりの成績をとり、それなりに教師に恩を売る生活をしておけば人生は楽だといわんばかりに]
暑い夏には冷たい飲み物は一番の報酬だし。
[ねぎらいの言葉に、肩をすくめて適当な様子でどうも、と短く返した]
……ちょっとまて、その呼び名はやめい。
[璃佳に対して止めるのは諦めているが。
初対面だったかも知れない相手に呼ばれるのは不本意なわけで、思わず突っ込み。
それでも、目の前で干からびられても困るし、自分の用事の事もあるので、引止めはせずに]
誰がボケやねん。
どっちかつーたら、うちは突っ込みやで。
[主に手が出ると言う意味で。
そもそも昨日氷嚢が脳天直撃しかかったのも、キョウヤの旋毛を突付き損ねたコトをミツクニの頭見下ろしてつい考えたせいだ]
事故なら事故で賠償責任とらなアカンのちゃうの?
下手したらうちも巻き込まれててんで。
まー、言われてみればそーなんやけど。
アンタ以外が来たの始めて見たからなー。動揺しててん。
[袋を机の上に乗せたところで、再び響くノックの音と扉の開く音]
おろ、宝条君。
あー、例の書類?
[予算委員会長である環がここへ来る用と言えば、一つで。思い出して、ぽむと手を打った]
あー、邪魔なんかじゃないよ。
差し入れもってきてもらっただけ。
[言いながら、来い来い、と環に向かって手招き。沙耶香からの注意には]
うぃっす、身体には人一倍気をつけてるつもりなんで大丈夫。
[ぐ、とサムズアップ]
別に。
部活はうちは、夏合宿までは自主練習なんで。
[そもそも剣道なんて夏だろうが冬だろうが暑いことに変わりはないわけで、それゆえに気をつけろという言葉に対する返事もおざなりになってしまう。
扉がたたかれ、見えた姿にこちらも若干きょとんとはして]
環。
…別に、ちょっと報酬貰って届け物に。
[あれ、と神宮司の抱える袋を指差し、邪魔ではないと首を横に振るだろう。
むしろ自分のほうが邪魔なので、当然烏龍茶を確保できたここに用はなく出て行こうとするわけで]
だって、名前知らねぇし。
似合いだと思うけどな。
[ そうは言いながらも、答えを求めるでもなく。
扉を潜り、ついで通り抜けていく風の心地よさを感じる。
氷嚢は空いた片手に持ち替え、ストローを差して咥えた ]
…………あっ、ユーゴ
[屋上へ向かおうとしていると踊り場でアズマと遭遇。]
探したヨ。ほら、セイセキヒョ。それから、これがプリントで……
[肩にかけてた鞄から出るわ出るわのプリントの山。]
ていうか、多いネ。半分くらい補習のプリントだよ。
[それを、どん、とアズマの手に。多分結構重い。]
あら、急に賑やかに。
[入ってきた環ににこり、と笑う。
その手の冊子を見れば、用件はすぐに理解が及ぶようで]
身体に自身がある人ほど、自覚症状がなくて無茶をしやすいものですから。
[幸貴にはにっこり笑ってこう返した。
響にも、同じく笑みを向け]
は、計算ずくかい…。
まぁ悪いことでも無いけどねー。
要領良いと言うか何と言うか。
[響の言い分にからりと笑う。暑い時の報酬に関しては「んだねー」と同意しつつ、袋からゼリーを取り出してたり]
[とりあえずここに居ても良い案など浮かぶはずもなく、珍しく眉を八の字に動かして小さく溜息をつきながら、気付いたらHRが終わっていた教室を後にして、相も変わらず校舎を徘徊しつつ茹った頭で悩み続ける]
あ〜……う〜……。はぁ……。こういうのも……手品と同じく簡単にできればいいのにな……。
[掌にカードやらピンポン球やらを出しては消し、消しては出しながらそんな事をごちる]
それは、どんな理屈だ。
[賠償責任云々、には突っ込み一つ]
まあ、俺もあんまり見かけないから、驚きはしたが。
動揺するほどか。
[呆れたよに言いつつ。
似合い、との言葉には露骨に眉を寄せた]
おま……っ
なんでここに、
つか、そんな出されていきなり持てるか!
[ 遭遇、そして襲撃。
もとい、差し出されるプリントの山。
鞄を肩に引っ掛けて何とか受け取りはしたが、
片手には幾分、いや、かなり、キツイ ]
……ちょっと待て。
俺、赤点は取ってねぇぞ。
[ 補習なんぞされる覚えはない、と言いたげだが。
テストの点数以外は問題ありまくりだ ]
[動揺はあながち嘘でもなく、しゃがんだまま去っていくフード姿を見送った]
ほな、さいならー。
…休み明けには忘れてそうやけど。
[なんだかんだで日向にしゃがんでるのは辛い。
気合を入れて立ち上がり、建物の影へ入りミツクニを見上げる]
…なあ、真夏にフード被りっぱなしって、将来ハゲそで怖ない?
言うたった方が良かったかなー。
[そう思わへん、ミックん。
とか言ってる姿は、ドコから見てもボケだった]
ええ、その件で。お邪魔じゃないようなら、何よりです。
それじゃ、お言葉に甘えて失礼しますね。
[手招きに甘んじて軽く一礼だけすると、室内へと踏み込む。
幾つか並んだ机の一つに自らの手荷物を乗せた。
何度か通っている場所なだけに、ある程度は手馴れたもの。]
訂正版の確認と、あと承諾印を頂きたいのですが。
あと、そっちが生徒会控えです。
[どうぞ、と生徒会会計に差し出すのは同じ内容の印刷物が二部。
異なる場所といえば、一部には、既に二つの印が右上に捺印されている事くらいか。
そうして、友人の指し示す袋を一度見て、再び友人を見返した。
手に持った烏龍茶と袋に印刷されたひまわりのマークで、大体の事情を飲み込んだか、嗚呼と小さく笑う。]
誰かさんからの、お遣い?
[流石に僕の分は無いよね。と、冗談めかして。]
よっ。ヒサタカ。
[あぢーという険しい顔をしたまま涼を求めていた途上に見知った顔を見て声をかける。
カードとかピンポン球とか出したり消したりしてるが思考は違うこと考えてる様子なのは手に見て取れる。]
…何かあったのか?
はぁ、熱中症情報。
[タオルで汗を拭きながら、硬庭部長・桃花と顔を見合わせた。
教師からの伝達を持ってきたスコート姿の後輩君も困り顔]
ま、倒れる子が出ても仕方ないしな。
諦めよ、モモ。
[頷き、他の部員たちに声を掛けに行くのを見送って。
クーラーボックスからペットボトルを一本抜き取る]
こういう時は屋内練習場みたいなのが欲しくなる?
まだまだやりたいって顔してるよ。
[ポム、と後輩君の頭を軽く叩き、歩き出す。
その先にあるのは昨日教わった風スポット]
んー……ま、いいか。
[名乗るべきだったかどうか、考えてはいたが、結局は止めといた。
名乗った所で、どうなるもんでもないし、というか。
基本的に、人付き合いは面倒なわけで]
……そう思ったんなら、言ってやればよかったろーに。
まあ、それで聞くようなら、あんな蒸れる事はせんだろうけど。
[見上げながらの言葉にさらり、と返しつつ、視線は一瞬空へ。
真白の影が、すい、と横切り、消える]
いいだろ、計画的な人生で。
[烏龍茶がぬるくならないうちにとばかり、ぺき、とプルタブを起こして一人勝手に涼みだす。
ケースの中でプルプル震えるゼリーの様子を見つつ]
…まぁ、一応。
[袋のメモを見て推して汲み取れとばかりに小さく肩をすくめる。
彼の分と尋ねられても自分の手の中には自分の烏龍茶しかない。
少し首をひねってから再びひまわりの袋を横眼で眺めて]
…ご相伴にあずかれば?
[さすがに女子二人であの量のゼリーやらお茶やらを消費できるとは思えないのか、視線を環に戻しながら首をかしげた]
[考え事と手品に思考を持っていかれていたが、不意にかけられた声にカードをばら撒きながら(それでいてカードをばら撒いた事を完全に失念しつつ)視線をあげると、そこにキョウヤが立っていた。そして心配げに問いかけてくる彼に、小さく頷いた]
……ちょっと、考え事。しかも難易度は高レベルで、回答がもしかしたら千差万別というとんでもない代物と格闘中。
[ぱく、と冷えたゼリーを一口食べてから、環に差し出された印刷物を受け取る]
ふんふん、うん、大丈夫そうだね。
えーっと、承諾印どこだっけ。
[ごそごそと棚を漁って出してきた承諾印を所定の位置に捺印。押した方の印刷物を環へと返す。生徒会控えの方の印刷物は別の机へと置いて]
んじゃこっちはもらっとくね。
宝条君もお茶飲んでく?
[折角だし、とボトルを取り出して紙コップをいくつか出した。沙耶香にも「飲むー?」と訊ねたり]
んー、何かネ。『しゅっせきにっすう』ってのが足りなくなりそうだってmaitre(先生)が言ってたヨ。
[だが実際はまだ一学期が終わったところなわけで。信用ないんだねアズマ。(ぉぃ
ただ、彼女本人はそんなことまったく考えていないわけで]
駄目だヨ、ユーゴ。もっとちゃんと授業出ないと。
もう一回二年生、やることになるヨ。
[歳がいっこ上であろうとそんなこと彼女は気にすることなく、ほかのクラスメートと変わらない接し方で、腰に手を当て、ピッと指差し、仕方ないなぁという雰囲気でアズマへ言い放つ。]
ぉぃ…まあいいか
[ばら撒かれたカードを見ながら小声でいう。
しかも当人は失念しているようで、重症な予感がする
暑いからか…いや、久鷹は暑さは己よりは強かったはずだが]
回答が千差万別ってことは、学校や勉学のことじゃなさそうだ。とか予想はつけれるが、俺もある程度しかわからんぞ。もう少し続きを言ってくれ
[でも少しだけわかるような気もしなくもないが促す]
責任とるんはオトコの甲斐性やで。
動揺はしたんやからしゃーないやん。
[もうすっかり立ち直った様子で言っても信憑性は低い]
んー、やっぱ言った方が良かったんや。
でも次会う時まで覚えてる自信あらへんわ。
ま、覚えてへんってことは必要あらへんってコトやね。
[気持ちよく曲解して、一瞬動いた視線を追った。
真白の影が見えた気がして、眼鏡の奥の瞳を細める]
…今なんかおった?
…おや、良いんですか?
[ご相伴に預かれ、と告げる友人の言葉に一度瞬く。
頂けるのならば、遠慮なく頂きたい所存ではあるものの、生徒会顧問の教諭が差し入れたものだろう。勝手に頂くには躊躇いが少なからず有った。
……まぁ、友人に奢っているようならば、問題は無いのだろうけれど。]
――はい、確かに。
わざわざ有難う御座いました。
[返ってきた書類に付け足された印を確認して、一つ頷く。
沙耶香さんにも、後で見せておいて下さいね。とだけ付け足して、机に置いた鞄の中へと書類を仕舞い込んだ。
あとはコレを顧問に提出して、印刷に掛けてもらうのみだ。]
それでは、ありがたく頂きましょうか。
流石に、暑くて。丁度喉が渇いていた所なんですよ。
[烏龍茶と緑茶、余ったほうを頂こうかと。]
[好きな方、といわれて、手にしたのは緑茶の方。
それから、環の方を見やり]
夏休み直前まで、ご苦労さまです。
[にこり、と向けるのはいつもと変わらぬ笑顔。
この表情が崩れることは滅多にないわけで、そういう意味では、怖いのかも知れない]
そんくらい、計算してるっての。
[ 脅し混じりな事は十二分に理解出来て、嘆息。
ついでに、彼女に当たっても仕方がないことも。
失踪前までは割に優等生だったわけで、
その落差を考えれば当然の事なのかもしれない ]
……御心配感謝。
つか、俺が何処いるかわかんないのに、よく探す気になったな。
彼氏は放っといていいのか。
[ 鞄にしまい込もうにもプリントの量は存外多く。
どうやって入っていたのかと、思わずマリーの鞄を見た ]
……論点、ズレとらんか。
[なんでここで甲斐性の話になる、と突っ込み追加]
次に会った時に、また気づけばいいだけじゃないか?
[人事なのでさらっと無茶を言い。
投げられた問いには]
……鳥だろ。
[嘘は言ってない。一応]
[キョウヤが先を促してくれたおかげで、幾分余裕が持てた彼は、そこでようやく自分がカードをばら撒いた事に気付き、慌ててカードを拾い集めた。
慣れた手つきでカードをまとめると、ややあって安心した様子の息をついた]
……なぁ、キョウヤ……。
[そこで一旦言葉を切った。正直、聞いていいものかどうか? という疑問は常に心の中にあった訳だが、如何せん本気で相談できそうな友人が思い当たらない。しばしの視線を巡らせた後で、思い切って口を開いた]
……マリーって可愛いよな?
[――真っ先に飛び出たのが惚気だとは気付いてもいないのだが]
宝条君も大変だねぇ。
最後の登校日だってのに、書類提出に駆けずり回る羽目になるなんてさ。
[実際然程の距離では無いだろうが、この暑さの中歩き回るのは嫌なもので。そんなことを言いながら、もう一つ紙コップを手に取った]
他の連中なんて来るかどうかも分からんしね。
居る人で飲んじゃおう。
時間経つと温くなっちゃうし。
あ、烏龍茶と緑茶、どっちが良い?
[新しく注ごうと思ったが、先に注いだ方のどちらかを取るならば、新しい紙コップには自分の分を入れようと思ったり]
いいんじゃないの?
[小さく肩をすくめながらかくいう自分は戦利品を早々にのみ終えていた。
なんだかんだ言っても暑くて喉は乾いていたらしい。
遠慮しろなんて意識のかけらもない様子ですすめる神宮司の様子を見てから、空き缶を学校らしく変にきちんと分類されたゴミ箱に投下]
…おや、それはお互い様です。
むしろ生徒会長という立場の方が、僕より仕事が多いでしょう。
[生徒会長と呼ばれる少女から向けられる笑みに、同じように笑みを返す。]
まぁ、確かに終業日まで仕事をする羽目になるとは思いませんでしたが
職員室は快適でしたし、ここではお茶に預かれるようですから、割の良い仕事です。
あ、僕はこちらの烏龍茶で。
[有難う御座います。と礼だけ述べて、烏龍茶で満たされたコップを手に取った。
口をつけて数度喉を鳴らせば、半分ほどに減った中身を見て小さく苦笑する。
嗚呼、思いの外身体は水分を欲していたらしい。]
[ずれてるかなーと内心首を傾げるも、また気付けばと言われ頷く。
割とここら辺のいい加減さがミツクニと通じてるのかもしれない]
あー、やっぱ鳥なんや。雲にしちゃ変やと思った。
そーいやタマキちゃんのゴハンなんだろ。鶏もいいなー。
[響きは同じ『とり』だがやはり意味はずれているっぽい。
言いながら鞄を拾い、扉をくぐって手を振る]
ほな、そろそろ帰るわ。泊まりの準備もせなアカンし。
また二学期になー。
そうなんだ。でも、授業には出た方がイイと思うヨ。
んー、なんとなくサボる時に居るのって屋上が定番カナって。
???
ヒサタカなら、何だかネガティブなオーラ出して廊下歩いてたヨ。
ああいうときは、ワタシが居ると何でか知らないケド、ますます凹むんだ。何でだろ。
[まさか、ヒサタカが自分のことで悩んでるとは露も知れず、首を傾げている。]
[あと、乙女の鞄は何でも入って何でも出てくる魔法のポッケなのよ、とか天の声言ってみたりする。
マリーはそんな目で見られても首傾げるだけですよ。]
[久鷹がカードを集めるのを見る。手伝わない。
めんどうではなく、単に手伝うほうが効率が悪いのを知っているからだ。
名を呼ばれた後いくらかの間ができるが、これまた喋りだすまで待ち]
…………まあ…個人の価値観ってのはあるが、可愛いんじゃないか
[惚気には呆れを含んだ返事。ただここでマリーの名前がでて千差万別らしいということは、悩みの種はマリーとの何かであることは察せられる]
マリーと喧嘩ってことはないだろうが…何かあったのか?
[体感温度があがった気がするのは久鷹の惚気のせいだと勝手に思う]
あら、私は飾りみたいなものですから。
実務は、それぞれの専門家の皆さんが頑張ってくださってますから。
[くすくすと、楽しげに笑いつつ、こくり、緑茶を一口]
おかげで、身体を好きに動かしたり、子守に時間を割くこともできますしね。
とても、助かってますわ。
[それから、当事者が聞いたら絶対突っ込みいれるような事を、さらり]
専ら仕事してるのはかいちょーだけどねぇ。
[環の返答に悪びれた様子も無くからからと笑う]
職員室ずるいよね!
あそこだけクーラーかかってるとか。
全教室にもつけてくれりゃ良いのに。
[やだやだ、と自分を仰ぐように手を動かして。割の良い仕事と言われれば、「そっか」と返してにかっと笑う。烏龍茶の入った紙コップを拾い上げるのを見れば、一つ頷いて見せてから、自分の紙コップには緑茶を注ぐ。しかしまず食べるのは食べかけのゼリー]
あ゛ー、ホントこう言うのが無くちゃやってらんないね、この時期は。
[さくさくと食べ進むゼリー。直ぐになくなることであろう。終われば注いで置いた緑茶に口をつける。ゼリーを食べていた分があるために、減るのは然程多くなかったか]
[いい加減さでシンクロ、というのはある意味間違っていないのかも知れない。
もっとも、言われて認めはしないだろうが]
そりゃ、鳥ぐらい飛んでるだろ。
[なに言ってんだ、といわんばかりの口調で言って。
手を振る様子に、ぞんざいにひらり、と振り返す]
あー、縁があったら。また、二学期に。
どこで覚えた、そんな定番。
一応は立ち入り禁止なんだから、見つかったらお前もヤバイぞ。
[ だからすぐに立ち去ろうとしていたのに、
話し込む羽目になったのだが。
肩に重い鞄を引っ掛け、片手に氷嚢、片手に携帯。
何時の間にやら大荷物になったな、などとぼんやり考える ]
……まあ。
男には男の悩みってもんがあるんだろ。
[ こいつもきっとボケだ。
乙女の鞄は恐ろしい。アズマ覚えた。
ついでにそんなことを思考しつつ、階段を下りる。
通話ボタンを押して、暫しの呼び出し待ち。
夏休み入りだし集まろう、という理由にかこつけて、
補習手伝いやらなんやらやらせる気なのはさておいて ]
[何かあったかと言われれば、実際は何もなく、強いて言うなれば自分がどうしようもなくヘタレと世間一般に言われている部類に該当するであろうと当たりをつけておく。そして、そのせいでマリーが悲しい思いをしているのではないか? 等と妄想だけが頭を支配しているのだが……]
……何かと言われれば……何もない?
[最後が疑問系だった]
いや、何もないから、マリーが悲しいんじゃないかなと……。
[それは、かこん、と小気味よい音を立てながら缶を捨てたのとおなじくらい。
カバンの中で、何やら電子音声が聞こえた。
どうやら、朝マナーに変更し忘れていたらしく、HR中に鳴らなかったことに安心するもさすがに、まずい、というような顔をしてあわてて鞄を探る。
悪いと小さく謝って部屋の本当に隅のほうにそそくさと退避すると、『君の気持ちを受信した』と繰り返す携帯のサブ画面で発信者を確認するとぱちんと開ける。
ビバ、オープン通話開始機能]
……もしもし。
ほんと、良く知ってたよね。
やっぱりザッと見ただけじゃまだまだだなぁ。
[ンーッと気持ち良さそうに伸びを一つ。
空を見上げてから、グシグシと目を擦った]
…気のせいでしょ。
いや、そうしておこう。
[呟き立ち上がる。
一度着替えるかと、校舎裏口に向かって歩き出す]
[首を傾げる幸貴の様子に、あら? と首を傾げ]
ああ……手のかかる親戚の子がいるんです。
人のいう事を聞かない子なので、苦労してるんですよ、いつも。
[これだけ聞くと、一つ差とは誰も思わないような説明を返してみたり]
…おや、生徒会長様と、会計様の意見が異なっているようですが。
つまりは、お二人とも頑張っているという事でしょうね。
[楽しげに目を細めて、笑みを浮かべる。
続く言葉に一度だけ瞬いて、ゆるりと首を傾いだ。]
子守とは――またそれは、随分な重労働で?
いつもご苦労様です。
[言葉の意味を判っているのかいないのか、にこりと笑って烏龍茶を一口。
友人が空いた缶をゴミ箱へと投下するのを横目で見て「早いね」と小さく笑いながら
と、会計の言葉に振り向くと、一つ頷いた。]
職員室はズルいですねぇ。
……廊下含め、エアコン設置予算って出ませんか、会長。
[笑みは変わらずも、しかしちょっと真剣。]
[声と共に、遠ざかる声。
屋上は、ある意味では静寂の空間に。
それと確りと確かめたなら]
……好き勝手言ってんじゃねぇっての……。
[がん、と。
貯水タンクに蹴り一発入りました。
傍目には、どこに向いた言葉かは、わからないかも知れないが]
[ 年がら年中マナーモードで着信に気付かないような人間は、
そんなことになっているとは知る由もなく ]
と。おす、響ー。
まだ、校内いる? んで、暇?
[ 唐突に、しかも端的に問いかける。
そういうとき、碌なことがないのはいつもの事。
マリーが着いてきているか確認もせず、
プラスチックチェーンを軽く乗り越える ]
[なぜそこで疑問系なのか。といわざるをえない気がしたが、続く言葉と、悩んでいたことやらと繋げると]
そんなこともないように思えるがなぁ
[久鷹のことは知っていても、マリーのことはさほど知ってるとはいえない。
…とはいえ観察眼だけは持ってるつもりだからそれはいえる。
だが男女の付き合い等の知識も聡くない。からアドバイスができるかといえば微妙だ]
せっかく夏休みになんだし、どっか誘ってみたらどうだ?
多分だが、こうやって悩んでる間も一緒にいたほうが喜ぶとは思うがな
[環の言葉に、あいまいに、まあ、とかそんな声を返して。
やたら分厚い携帯を耳に当てれば聞こえてきた声に嘆息する。
呆れたように壁に背を預けながら]
…いることはいるし、暇と言えば暇だが、お前の宿題も課題も手伝うつもりはない。
[先手必勝。
何せ終業式だ、そんな日にかかってくる電話から推測する気配にさらりと口は動く]
ほ、親戚の子。
手がかかるって、我侭とかそう言うのかな。
言う事聞いてくれないのは苦労するねー。
アタシも道場で小さい子に教える時、手取り足取り教えてるのに言う通りに動いてくれなくて大変。
[分かる分かる、と沙耶香に何度も頷く。尤も、その対象が一つ下の同じ学園に居るとは思っても居ないが。しっかり小さい子であるとインプット。
環の最初の言葉にはにへらと笑うだけに留め、続く言葉にふと真顔になる]
エアコン設置予算…。
[呟いてじーと沙耶香に視線を移した]
…でもアタシら居るのってこの夏だけだよね。
それまでに設置出来るとは思えない。
[頑張っている、との評には否定も肯定もせず。
ご苦労様、との言葉には慣れましたから、とさらり]
全館空調設備……ですか。
確かに、要望は大きそうですね。
[ちょっと、計算して見ましょうか? と。
小首傾げつつ言う様子は、冗談とも本気ともつかず]
さ、さ、さ、さ、さ、誘う!?
[常にマリー任せで、自分から行動したいと思ってはいたが、まさか誘うという言葉を言われるとは露と思わず、彼の顔は瞬間湯沸かし器の如く真っ赤に染まった。
……尤も、誘う=泊まりと勝手に解釈したのは彼らしいといえばらしいのだが]
い、いや、まだほら、俺って、自分から、その、ね? 何も、し、してないし、い、いきなり誘うなんて……。そんな、グレ、グレードの高い事なんて……!
[そこまで一気に捲り上げて、最後の最後にまたシュンと沈んでしまった]
……恥ずかしいじゃないか……。
[ぶつぶつと文句を言いつつ、手を空へ。
舞い降りるのは、羽先に紅を帯びた真白]
お帰り、紅鴛。
[小さく呟き、そう、と翼を撫で。
しばし、探知の結果を聞くべく、意識を集中させる]
……あまりにも愛が足りないと思いマセンか、先生。
[ あっさり先手を打たれて、つい、敬語が出た。
首を傾け、携帯を挟むというより肩に乗せるようにして話す。
薄手というのは便利だが、こういうときにはやや、都合が悪い ]
んじゃ、せめて夕飯食いたいんで、
宝条先生にアポとっていただけませんかー。
[ お前だって食いたいだろ、と言いたげに。
当人が近くにいるとは知らず、知っていても当人の意志は無視だ。
階段を下り終えたところで、一時停止した ]
……根は素直な子なんですけれど、ちょっと屈折してしまっていて。
[どんな風にインプットされるかなんて、承知の上です。
笑顔でとります確信犯的行動]
……ええ、例え試算上は可能でも、設置か間に合うか、という問題もあります。
引き継ぐ次代が、全館設置まで頑張れるか、という問題もありますし。
[自分の在任中なら、最後まで押し切れる自信はあるらしい]
んー、何処だっけ? ……忘れた。
えっ、立ち入り禁止って。そーなの? ふーん、知らなかったヨ。
[別にそれがいけないこととは認識してない様子。]
オトコの悩み? うーん、よく分かんナイや。
でも、きっとヒサタカなら大丈夫だよ、きっと。
[笑顔で天然惚気。
階段を下っていくアズマには、まあ探してた用事は済んだわけで、特に追いかける理由もないのだが、なんとなーくでアズマの後ろをストーキング。]
…嗚呼、東君ですね。
[電話口に対する友人の口調に、電波の向こうの相手が容易に知れる。
思わず小さく笑みが零れるのも仕方が無いこと。
自然僅かに声の音量を落としながらも、会計の言葉に小さく肩を竦める]
確かに冷房を使うのは、夏だけですが。
…エアコンには、暖房という素敵な機能もついているんですよ?
寒い教室で凍えるのも、僕、好きじゃないんですよ。
[こちらも、真面目なのか否か。
笑みを湛えたまま告げる言葉は、楽しげに]
会長様の折角の申し出もありますし、計算だけでもお願いしましょうか。
頭から却下されるよりは、ね?
かいちょーも大変だねぇ…。
[頑張れ、と握り拳。押し切る自信があることにはどこか納得しているような表情で沙耶香の言葉に頷き]
引き継いだ時から考えておけば良かったな。
そしたら今頃は設置の算段までは進んでたかもしれないのに。
[しくった、と舌打ちと共に指を鳴らす]
なんでそのぐらいで慌てるんだ?ってか真っ赤だぞ。落ち着け。
[ちなみに彼にとっての誘う=どっか一緒に遊びにいく。
である。真っ赤な久鷹をみると更に暑く感じるから不思議だが、普段ならさっせれてもいいはずなのに暑さのせいか誤解のまま進む]
グレード高いといってもな。
何かしないことには何もない。っていう状態から変わらんしな。
[当事者じゃないから恥ずかしさやらはわからないからこそいえる客観的意見であろうか]
男相手に愛なんかくれてどうする。
大体、お前のそれは自己責任だろうが。
俺がお前のために頭脳労働する意味がわからん。
[呆れたようにぼそりと呟く。
かといって、今のところ女に愛をくれる予定もないらしい様子だが。
環の名前が出れば面倒そうにため息一つ]
何で俺が。
[食いたくないとは言わないが、それは悠悟が環に取るべき連絡で、それを自分がなぜ中継地点に立たねばならないのかが分からない。
かといって、結局自分にお鉢が回ってくることに変わりはないと推測できたのか、少し電話口の相手を待たせて会長たちとの会話ときりのよさそうなところで声をかけてみることにした]
…環。
お前今日の夜、空いてる?
[若干歯切れが悪いような問いかけ方になったのはあくまで電話の向こうの相手の責任]
[階段を下りていくと電話中のフード男と金髪グラマーがいた。
邪魔する気もないので踊り場で追い越し、下駄箱へ向かう]
んー、何かオミヤゲいるかなー。
あ、さっさと花火するのもありやね。
バイト始めたら疲れてする気なくなるかもしれへんし。
[楽しみにしてるゴハンの分け前が減る危機とか知りません。
足早に寮に戻って、泊り道具と花火抱えて*お邪魔するつもり*]
[ 電話中ということもあって、
マリーの惚気は、はいはい、と軽く流す。
立ち止まったところで名を呼ばれ、声の主に視線を向けた ]
ん、昨日の……。
[ 携帯からは口を離そうとしたが、挟んでいては無理な話で。
渋るヒビキから待ての合図が出たので、タイミング的にはよかったが。
飲む間もなく、すっかり溶けた氷嚢を片手に持て余しつつ、
知り合いらしい二人の様子を交互に見やる ]
[別所で繰り広げられるヒサタカのヘタレっぷりなど知る由もなく、立ち止まったアズマに首を傾げていたが]
あれ、ケイコ。こんなトコロでどうしたの?
[自分も同じこと言われる立場なのには気付いちゃ居ない。]
ま、寒いのも暑いのも嫌だわなー。
丁度良い気温が一番。
[環の言葉にからりと笑ってから、計算の言葉に頷いて]
高温低温が如何に勉強の妨げになってるか羅列して、能率向上のためと銘打って書類作成しようか。
費用がどのくらいかかるかも先に調べた方が良いかな。
[調べないとなー、と呟きながら、残っている緑茶をごっきゅごきゅ]
[頑張れ、との言葉にはい、と頷く。
後日、当の『従弟』と会った時が楽しみ、という思考はいつもの笑顔の下]
そうですね、もう少し、早く動くべきでした。
[失敗でしたね、と。
こちらはどこかのんびりと]
うう……。た、確かに……。
[キョウヤの言うとおりかもしれないと彼は思った。と、言うのも、普段のデートならば時間制限付でさらに性格が足を引っ張ってしまうが、泊まりであれば少なくても寝る前の一時間や二時間程度なら二人きりの時間を取る事が可能だろう。
ならばどこか避暑地に二泊三日程度の旅行に誘うのはありかもしれない]
……うん。ありがとう。そうだよなぁ。……何かしないと何も変わらないよなぁ。
[当たり前だが、その決断を自分ひとりで下すのは、彼にはとても難儀だった。
――が、逆にスイッチが入ると、それはそれで突拍子もない事を口走るのも彼だった]
うん。今日、この後マリーを旅行に誘ってみる……。確か、伊豆の方にマジシャン協会の保養所があったと思うし……。
……『天魔』の気は確実に、二つ。
『護界操手』の素養を感じさせる気配が、五つ、か。
主にこの界隈に集まっている、と。
……『天魔』の状態がはっきりつかめんのが厄介だな……『五神』の降臨前に逃げられると、厄介な事になる。
[ぶつぶつと呟いて。
それから、大げさなため息、一つ]
……いっそ、ここら一帯。
『閉ざす』か。
や、昨日はどーも。
今日はまた随分と大荷物だな。
[今日この日に荷物が多いということは。
おやまあ、と言わんばかりにニッと笑い]
この熱気で外部活はドクターストップ。
なんでお手伝いも一時休憩。
汗が気持ち悪いから着替えようかと思って。
で、マリィはどしたん?
まるでユゥゴくんの追っかけみたいに。
[ルームメイトの質問には軽く答えて。
イタズラっぽく問い返した]
今夜?
――…あー。
[友人の言葉に一度不思議そうに問いを投げて。
しかし歯切れの悪い言葉。電話口の相手。
――今の問いと併せて考えれば、安易に予想は付いた。]
まぁ、璃佳が来るけど。
[それで良ければ。苦笑交じりに小さく竦めて、端的に短く返す。
嗚呼、これはいよいよ本格的に冷蔵庫事情が乏しくなってきたな。]
……相馬くん。
東君、確保しておいて?
[夕方のタイムセールに駆け込む人員として。]
その何か…ってのが大概難しく感じる…恋愛でもそうみたいだな。
[相変わらず泊まりでどうとかまでは気づいていない]
ってか切り替え相変わらずはやいな。…って。旅行?
[ここであれ?と自分のいってる誘うとの差に気づいたが]
まあ両思いだろうしなんとかなるか。
[男女の付き合いとか聡くないのがどう作用するかは知らない]
追っかけつか、お節介されただけ。
[ マリーの台詞に相手の名を認識しつつも、
押し付けられた――とは言え元々自分のなのだが――
プリント類を思い返して、溜息を吐く。
タマキの助力は得られるだろうか、などと考えはしても、
まさか、労働要員として計算されているとは思いもしない。
結果的に、三人の中での力関係においては、下らしかった ]
……ま、取りあえず。
一度、家に帰るか……あっちにも、顔ださにゃならんし。
[はあ、とため息を一つ、零し。
それから、貯水タンクの裏へと向かう。
元より人の近づかない場所の、更に隅、となれば、隠し物をするのは最適なわけで]
これも、今の内は持ち帰っとかんとな。
[言いつつ、引っ張り出すのは細長い包み一本]
すごいデータ分析が必要そうですね。それ。
……幾らか、行事予算をそちらへ回せませんかねぇ。
[そうしたら、物凄く頑張るんですけど僕。
烏龍茶を持ったもう片方の手で書面をぺらりと捲りながら、頭を捻る。
…文化祭も控えているし、その行事に経費が欲しいと各部が強請ってくるのもいつもの事。
それで嵩張る経費も、しかし空調設置をチラつかせれば各部長達も理解を示してくれる様な気がした。
正しくは、理解「させる」かも知れないが。]
[別所でヒサタカに変なスイッチが入っているなんて知る由もなく、ケイコの言葉に首を傾げ]
ユーゴの追っかけ? 何で?
ワタシはユーゴに成績表とプリント渡しに来たダケだよ。
[本気でわかってないらしく、首がさらに傾いていく。]
悪いな。
安心しろ、財布は悠悟もちだ。
[当然駆け込むのも自分ではなくて悠悟だ。
彼の従妹がいたとしても、悠悟に文句を言わせる前に力で捩じ伏せる気満々だ。
言われずとも確保する気満々だと目が語っている]
…わかった。いつも悪いな。
[疲れたようにため息一つ。
それから問答無用で待たせていた電話口に呼びかける]
おい、欠食児童。
お許し出たぞ。
ただし、財布は全部お前持ちな。
[NOなんて言わせない勢いだもちろん。]
[ ――結果として。
電話口から返って来た台詞に目を丸くすることになった ]
……待て待て待て。
それ、宝条が言ったんじゃないだろ、
お前が勝手に言ってるだろ。
俺と宝条の分ならまだしも、お前の分は払わん!
[ 微妙に墓穴を掘っている気がしなくもない。
いつもの事にも関わらず、学習能力はなかった ]
つーか、何処にいんだっ!
[ 言いつつ、場所も聞いていないのに歩みだす。
ケイコやマリーのことなど、最早思考の外だった ]
は、成績表まで?
今日のサボはユゥゴ君だったのか。
こういう日までとは度胸あるな。
[マリーの説明を聞けばカラリと笑い]
渡した後もくっついて歩いてたんでしょ?
おっかけみたいに見えるジャン。
ヒサタカクンが知ったらヒートアップしちゃうぞ?
[まさに今、別の意味でヒートアップしてるなんて知らない知らない]
……旅行、キョウヤも付き合ってくれ……。
[どうやら、誘うだけで勇気を使い果たして、泊まりで二人になるにはまだまだ勇気が足りなかったらしい。本気で困り果てた表情で懇願している。
……尤も、そんな彼の後ろからたまたま通りかかったどこぞの女子学生Aさんは、彼とキョウヤの様子を見るや薔薇の花を撒き散らしたような歓声を小さくあげたりあげなかったり]
…そうか。
じゃあなかったことにしていいんだな。
[わざとらしく威圧するような口ぶりで電話口に返す。
生殺与奪の権限を握るかのような勢いなのに、妙に口調は淡々としているだろうか。
それの口調が相乗させているとは知らず。
どこ、と聞かれ、首をひねる]
…学校?
[何をいまさら聞いてるんだこの馬鹿。
言外にそんなニュアンスを含み]
おやま、緊急事態発生?
頑張れよー!
[途中から聞いた電話の内容だけで全てを理解することなど出来るはずもなく。歩き出すアズマを応援しながら見送った]
統計分析なら任せとけーっと。
どっから情報引っ張ってくるかが問題だけど。
[全国模試のデータ使おうかなどと考えてたりもする]
本気でやるならあちこち切り詰める必要があるのは確かだね。
エアコン設置用の費用なんて元々用意されてないわけだし。
新たに出してもらうにも、こっちで捻出出来る金額提出して、援助してもらう形にしなきゃ。
ただ単に「費用出せー!」って言ったって通りゃしないのは確実。
生徒に『必要とされている』ことを前面に押し出すようにしなきゃダメかな。
[考え始めると身体も動き。やるべきことのメモ取り、必要そうなデータの検索。ちょこちょこと動き回ったりしている]
…おや、荷物持ちは勿論、財布まで東君とは随分気前が良いですね。
[本気とも冗談とも読めない満面の笑み。がんばれ東少年。
しかし嗚呼、この目の前の友人は何と言うか――だから友人と成り得たのかもしれないが。
ある意味、容赦が無い。]
まぁ、色々気にしないでよ。
折角なら大勢いる方が、僕も楽しいしね。
[欠食児童その二である従妹が少々(取り分の観点で)文句を言いかねないが
――まぁ、少し多めに買い込めば何とかなるだろう。
エンゲル係数が高くなるのは否めないが、多めに買いこんで、しかし消費出来ずに困った事は少なくとも今までには無かったのだし。]
……てんめぇ〜
[ 地獄の底から這い出てきそうな恨み声。
挑発と頭では解っていても、感情は制御出来るものでもなく ]
校内の、何処かとお聞きしているんですがね。
生憎、声だけで居場所が解るほど機能発達しておりませんで。
[ 丁寧語は苛立ちの裏返し。
一発ぶん殴ってやろうかという勢いだが、
剣道現役と中学引退ではどうなるかは目に見えている。
その途中で。
何やら女子生徒が歓声をあげる様を目撃したが、
見なかったことにした。見ませんでしたとも。ええ ]
……あー。
なんか、面倒な。
[そろそろ人も居なくなったろう、と見計らって降りてきたつもりが、なんでかそこには人がいるわけで。
まあ、無視して通り抜ければいいか、と割り切り一分。
そのまま下へ下りてゆく]
………あのな…どう考えたって俺邪魔だろ。さすがにそれは遠慮したほうがいいと思うんだが…
[Aさんの歓声は小さな声で気づかない。でも単に暑いから離してもらった。
そして改めて考える。久鷹とマリーが居る中で俺がいて…ものすんごく気まずい気がする。マリーに空気読めとか言われそうな視線とか。居場所のなさとか。想像するだけで即効却下したくなる。
だが他のやつならともかく、本気で困ってる様子の久鷹を見れば無下にもしづらく]
誰かもう一人誘うとかだったら…マリーの友人とかでもいいし
[もしくは親戚の幸貴…精神的に死ぬか肉体的に死ぬかのどっちかかもしれない。
夏休みにはたして希望はあるのか]
[別所でヒサタカが「駄目だこいつ。早く何とかしないと」な状態に陥っていることなんか知る由もなく、傾いた首は90度。]
うーん。そういうものなのカナ? 特に何もナイから、なんとなーくでユーゴの後ろついて歩いてたダケなんだケド。
……ヒサタカ、怒ると思う?
[言葉の割にはさほど危機感は持っていない様子。
単なる天然とも言う。]
そ、気前よい吾妻悠悟君はお土産の代わりに食材をご用意くださるそうで。
[わざと悠悟に聞こえるように電話口のそばで環と話す。
当然雄吾がパシられている間に自分は家に戻って着替えて風呂に入ってお土産を用意してから宝条家にお邪魔する算段まで計算済み。
腹の底から響くような声にも、ケロリとした様子で返そうか]
じゃあ、探せば?
その長ーい両のお御足で校内駈けずりまわれば?
腹空かすのにもちょうどいいんじゃない?
無駄に体力あるだろ、一年流浪の民してたんだから。
[電話の向こうからなにやら黄色い声が聞こえたかもしれなかったが、そんなものに気を取られる相馬響ではない]
マリィだからそうだろうなとは思ったケド。
んむ、怒るってよりは落ち込むんでないかい?
真面目なお人だから。
[真横に傾く首をちょん、とつつく。そのままいったら痛めるんじゃないでしょかとかの、老婆心]
想像力も豊かっぽいし。
いらん妄想まで働かせそうだよ。
[あくまでも冗談としてケラケラ笑いつつ。
ふと人の気配を感じて階上への踊り場を見上げた]
もう、一人……。
[呟いて、手を離された事も気付かずに顎に手を当てて考えてから]
……ケイコにでも頼もう。
[と、頭に浮かんだだけのクラスメイトの名前を口にした]
基礎データが必要ですね。今からデータを取っていても間に合いませんし。
…年度毎の中間試験と、期末試験を比較してみれば判り易いのではないですか?
[似たようなことは、考えていたらしい。]
――経費を切り詰めるなら、やりますよ?
元々予算捻出は僕の管轄ですし。
[額にも寄りますが、ある程度ならば搾り出せそうです。
ぺら、と白い紙を捲って脳内計算を計る。
全額を賄える値段が搾り出せるとは思っていないが、費用五割が捻出出来れば十分だろう。
…尤も、次の引継ぎまでに然程時間が残されていないのが難点だが。]
[傾いていく首を、ちょんとケイコに止められ、その言葉に]
…………あー。
[ぽん、と手を打つ。
何気に酷いがこちとら天然。悪気はない。]
[そして、ケイコの視線に釣られるように、こちらも階段の踊り場を見上げる。]
いや、あのな。俺抜きで二人で行ってもいいんだからな。
[聞いてないような気が半分。聞いていても聞き容れない気がもう半分。
既に名前まで出ている辺り。遂行する気満々なのだろう。シャイというかへたれというかな久鷹がやる気が出てるのはいいと思うんだが……己が巻き込まれるのがそれで果たしていいのか否か。]
マリーと親しい人のほうがいいとは思うぞ
[そうすればいざというとき事情を察して一緒に逃げるという名の二人っきりにする算段がとりやすい]
[何でもないように通り過ぎようと思った。
のだが]
…………。
[見上げた視線と目が合ったかも知れない。
別に、いつもなら気にはしないのだが。
荷物を一つ、余計に持っているのが、ちょっとだけ気になった。かも]
……うむむむむ……。
[キョウヤに微妙に窘められている感も受けつつ、それでも言っている事は確かなので間違いはない]
……そうすると、やはりケイコに付き合ってもらうのが一番いいかもしれない。
[ある意味爆弾発言にも聞こえる一言をさらりと口にしてみた]
あー、丁度季節が分かれてるか。
同じ人間での能率の変化が分からないとデータとして信憑性に欠けるし。
その時の試験の難易度・勉強量での変化もあるだろうけど、統計取るには悪くないかも。
[それで一旦統計を取ろうと、データ検索するも、この手のデータって職員室じゃ、とか思って少し悩んだり。おそらく後で顧問の先生に協力してもらうことになるだろう]
あ、そうだね。
宝条君にはそっち頼もうか。
皆目指すものは一緒、役割は分担して効率よく、だね。
額がどうなるかかぁ…。
設置費用先に出さないとそこは纏めらんないね。
誰か親戚や家が電気屋とか言う都合の良いことは起きないだろうか。
[見積り依頼他も楽なのに、と呟いたり]
渋っていた癖して随分と乗り気ですねお前様。
[ 言葉を返される合間にも、足は進む。
周囲のあれやこれやはスルーしました。しましたとも ]
……探してやろうじゃん。
腹は既に空いていますがね。
えーえー、体力ならありますともありますとも。
[ どうやら会話の流れからして、タマキも共にいるらしい。
それに、主に自分の声に気取られていたが、
他者の声もする――教室ということはあるまい、この時間に。
となると、思い当たる場所は少ない。
恐らく普段は、滅多に行きもしないその部屋だろうと予想をつけ、
他の残留生徒が振り返るほど荒々しい足取りで向かった ]
でしょ?
[つついた指でマリーの首位置を戻そうとしつつ。
視線は一人の青年のそれと合って]
おんや、どこぞのご老公。
[適当な呼び方をしつつ、手に持っている包みをチラリ]
さいですか…
[既に半ば以上諦めた。現実逃避気味に空を見る。青かった。ついでに暑そうだった。暑さは視認できないが
だが単に旅行いくだけなら別に悪いことでないし。そのケイコという人は知らないが、なんとかなるだろう。と思っておく。
少なくとも三人よりマシだろうし]
ところでなんだが…マリーやケイコって人にちゃんと誘えるか?
[まさかそっちまで―なんて少し思って聞いてみる]
……ちょっとまて。
誰がどこぞのご老公だ。
[適当な呼び方に、足が止まった。
やはりと言うか、それなりにトラウマはあるらしい。この名前]
そうかね、お前さん。
対岸の火事って面白くない?
[軽く首を捻ってさも悪人めいた表情をしたところで電話の向こうの相手に見えるとは思えなかったが]
はいはい、がんばれー。
じゃ、そういうことで。
[有無を言わさず一方的に会話を終わらせてぷち、と電話を切る。
あくまでヒントを与えてやるつもりはないらしい。
重たい携帯をかばんにしまうと、すっかり固まっていた姿勢をほぐすように首を少し捻ればこきん、と小さく骨が鳴った。
しばらくしていれば親の仇を取らんばかりの勢いであらわれた金髪
に相変わらずの仏頂面でおめでとー、と棒読みの労いのセリフ]
了解しました。それでは費用捻出は僕が引き受けましょう。
全館となると、費用が膨大なのは想像に容易いですしねぇ。
馴染みの電気屋、なんて…都合よく在れば助かるのですが。
[会計の呟きに、口許に手を当てて考え込む。
近所の電化量販店に行ったところで、流石に学校全部の費用見積もりなんて出せないだろうし。
さてどうしたものか。と頭を捻るうちに、勢い良く開かれた扉。
おや、と振り返った先には、友人の電話の通話相手だっただろう友人の姿があって。]
ああ、我妻君。
――ごちそうさまです。
[にこり。もしかしなくても、財布が決定してる。]
[ そして見つけた憎い仇敵、
もとい、腐れ縁の友人の姿。
おざなりなお祝いの言葉に、喜びよりも先に湧いて出たのは脱力感 ]
めでたくねえ……!
[ 電話が切れたのにも気付かず、
確り握っていたものだから、思わずバキっと行きそうな勢い。
溶けきった氷嚢を投げつけなかったのは自制心。多分。
まだ周囲の事は目に入っておらず、
更に、もう一人の友人から告げられる言葉は死刑宣告 ]
……宝条、お前もか。
[ 裏切られました。]
目が合っても無視して通り過ぎようとなんてするからだよ、ミツクニ青年。
[カラカラと笑う。
効果的に足を止めさせるための呪文だったらしい]
特に用事ってわけでもないケド。
そういう包みを持ってるのは珍しいしな。
[復帰でもするん?とか軽く言いつつ。
どうやら剣道部に居たとかその辺までは知っているようだ。
何か気になるのか、しばし包みをじっと見たり]
[さいですか……。という言葉を、ほぼ了承という解釈にとるや、あまり感情を表に出さない彼が三度心底安心したという表情になった]
……できればついてきてくれると、助かったり……。
[普段のマイペース差が微塵も感じられないくらい肩を落としてちらりと上目使いにキョウヤを見てみたり]
おんや、千客万来かと思ったけど、宝条君達の方のお客だったか。
[勢い良く扉を開けた人物は、薄っすら記憶に残る人物ではあるだろうか。その目立つ容姿と留年していると言う部分から。
環の返答に一つ頷いて]
よろしく頼むよ。
そう言う電気屋があれば、すこーしくらい負けてくれる可能性もあるからねぇ。
親父にも知り合い居ないか聞いてみるかな。
[細い希望でもフル活用]
[件の旅話にケイコまで巻き込まれていることなど知る由もなく、ケイコに首の位置を直されつつ]
「ゴロウコウ」? …………ああ、「ミト・コーモン」!?
[まて、なぜ知っている。]
……お前な。
[カラカラと笑いながらの言葉に、思いっきり、渋い顔になったかも知れない]
珍しいといわれても、持ってる時は持ってるもんだ。
[理由付けが無茶苦茶なのは、多分、気にしていない。
復帰という言葉には、軽く、肩を竦めて]
なんでまた。
……意味がないからやめたとこに戻って、一体どーしろと。
[返す言葉は、どこまでも、さらり]
…あれ。相馬君から「我妻君が負担してくれる」とお伺いしたのですが。
[――違ったんですか?と僅かに首を傾ぐ。
くすくすと笑みを零す様子は、明らかに冗談だと判っているのが見て取れるか。]
――冗談です。ちゃんとご馳走しますよ。
ただ、買出しには付き合ってくださいね?
二人の他に、もう一人来客予定がありますから、
我が家の冷蔵庫事情がこのままでは深刻なんです。
[あと、仮にも生徒会室ですから、ドアの開け閉めは静かに。
ぺらりと書類を捲って、開け放たれた扉を示す。]
[環のごちそうさま発言に思わず噴き出しそうになったのをこらえながら]
そういうわけだからよろしく、お大尽。
環大先生に買い出しの資料をもらっておけよ?
[ぽんぽん、と悠悟の肩を叩く。
そのあとは自分は安全なところに避難するべく、壁にかかった時計を見上げて]
じゃ、俺はこれで。男どもは後でな。
九条院、騒がせて悪かったな。
[神宮司のほうにも、軽く謝るような視線は向けたかもしれないが。
用事も済ませたし、棚から牡丹餅ときたもんだ。
あとは三十六計逃げるに如かずとばかり、生徒会室をさっさとあとにしようと]
[ 大きく、大きく、溜息を一度。
携帯を畳んで仕舞い、氷嚢を手にして歩み寄る先はタマキ。
ヒビキには勝てなさそうだから、なんてことはない。
だって、タマキにも勝てないし。
氷嚢を押し付けるくらいは腹いせと見て頂きたい ]
すっかり、響に毒されて。
そんな子に育てた覚えはありませんよ……!
[ そりゃあ、ありません。
そんな動作も、後に次いだ台詞に止まる ]
……趣味の悪い冗談だな、ったく。
買出しに付き合うくらいなら、そりゃ構わんけど。
[ 指摘には、あー、と小さく声。
ようやく、現状に気付いたらしい ]
そうそう。
[元に戻ったマリーから指を離しピッとサムズアップ。
どうして知ってるのかまでは知りませんが。
巻き込まれかけてるのなんてもっと分かる訳がない]
そんなモンですかと。
辞めた理由までは知らんし、夏休みに助っ人頼まれて一時復帰とか。
[さらり返された言葉にはサラサラと。
包みに向けていた視線を外し、違ったか、とまたカラリ]
[ 肩を叩かれて振り返った先、
扉の近くには素早く逃げようとするヒビキの姿 ]
いっぺん、地獄に落ちやがれー!
[ 子供染みた悪態を吐きつつ、氷嚢を投げつけた。
後の事なんて、考えているわけがない。]
…やっぱりか。
[半ば予想していた答えがヒサタカから返って来て。嘆息しかける
どこかに遊びに行くために誘うという話題から。旅行とまで話が飛んだのは暑さのせいか知らない。]
もうここまできたら…もう一人の人俺しらねーし。
どんな人か見て・・・少し喋ったほうがいいか
[多分先輩なのだろうとは思うしどっかで会ってるのかもしれないが、この寡黙な男のために人肌脱いでくれーと頼まずに察してくれる相手なら助かると思う]
んじゃ後は予定とか聞いて、施設のほうは俺は知らんから任すけどな。ってか自分でいえるんだろうな。
いえいえ、とても賑やかで楽しゅうございました。
[響の言葉に、返すのはいつもの笑み。
目の色は読めません。深く読まない方が安全です、多分]
捜しておきましょう。僕の両親なら、幾らか顔も広いですし。
[ある程度の宛てはありそうですから。会計の言葉に一つ頷いて。
歩み寄ってきた友人に氷嚢を一度押し付けられて、小さく笑う。
軽く押し返せば、難なく引き下がった。]
我妻君が僕の育児を放棄している間に、
相馬君に、すっかり染まってしまったようです。
[くすくすと笑いながら、すみません。と一言だけ謝罪を述べる。]
有難う御座います。それじゃ、お願いしますね。
少し荷物が多くなりそうで、人員が必要だったんですよ。
…って、あれ。
――相馬君も、付き合ってくれるんじゃないんですか?
[荷物持ち。
空飛ぶ氷嚢を視線で追いながら、あっさりと。]
そこ、肯定しない!
[サムズアップする啓子に、やっぱり即行突っ込んだ]
別に、助っ人いらんだろ、剣道部。
それに、今更剣道とか、できねぇしな、俺。
[じゃあその包みはなんなんだ、と。
問われても、答える気はないわけだが]
―寮―
[そんなこんなで食糧事情が七転八倒してる頃。
ちょっぴり緊張の面持ちで欠食児童その2は電話を掛けていた]
はい…はい。
明日の朝10時ですね。よろしくおねがいします。
[珍しく標準語での通話を終え、手持ちの手帳に予定書き込み]
よっし、連絡かんりょー!
明日の面接の為にも今夜は美味しいゴハンで英気養わんとな!
[お泊りに必要なあれやこれやを詰めた小さなボストンバックを肩にかけ、スキップしそうな足取りでスーパーひまわりへ]
[扉を閉めてさっさと蚊帳の外に避難すると、向こう側で水のはじける音がした。
扉の下の隙間から無残な水分が流出するのを眺めれば巻き込まれないうちにとばかり、早めに生徒会室遠巻きにする。
小さく息をついて腕時計の時間を確認してから、昇降口へと階段を下りていったのだが、まさか、いざ階下に降りようとした踊り場で元・部の後輩を目撃ドキュンするはめになるとは思わなかったわけだが]
[ 投げた拍子にやべ、と思ったとか、
サキの言葉に現実が見え始めたとか ]
……スミマセンでした。
[ がっくり項垂れました。
嗚呼、鞄のプリントが重い ]
繋がりがそこであるのは嘘じゃない。
[笑いながらヒラヒラと手を振ってみせ]
だから内部事情までは知りませんて。
武道系は出張お呼びで無いし。
そか、単なる気分か。
[問いかけても答えそうに無いなと、敢えてその先には突っ込まず]
あはは。
それでは、さっさと掃除を終わらせて買出しに行きますか。
[お騒がせしてすみません。と生徒会長の方へ頭を下げながら
満面の笑みで雑巾を受け取る友人を見やった。]
……手伝ったほうが、いいです?
[書類をしまって、床に落ちた氷嚢の抜け殻を拾い上げながら]
大きなお世話だってぇの。
そもそも、選択権がなかったんだ、どうしろってんだ。
[好きでネタれる名前してんじゃない、と。
虚しい自己主張しつつ]
そりゃ、誰も知らんだろ、話してないし。
[むしろ、顧問やら主将にも退部の理由なんて話してないくらいだとか。
当の主将が近くにいるのは、まだ気づいてないようだが]
……やれる範囲で、ね。
[ラケットケースを叩く様子にさよか、と返し。
空けられた道を抜けて行こうとして、啓子の視線が上に向いたのに、気づく]
ま、今度から気をつけるしかないねぇ。
[大人しく後始末をする悠悟にけらりと笑う。
環との打ち合わせは、それでよろしく、とひとまず切り上げて。ふ、と携帯を取り出し時間を見る]
んー、そろそろ帰ろかなぁ。
後は特にやることないっしょ。
対応すべき”何か”は終わったわけだし。
[ねぇ?と沙耶香に確認を取る]
……や。
悪いの、俺だし。
[ 視線が上がりません。
何故か、上げられません ]
いつもの事なんだけどなー。
[ 乗せられる自分が情けなくなってきたらしい。
雑巾片手にしゃがみ込んだまま、がっくり。
他者に対してはそこまで躍起にならない辺り、
腐れ縁のなせる業と言えようが ]
……がんばるよ。
[キョウヤの言葉に、不承不承そう頷いた。どうやら、それさえもキョウヤにやってもらおうとか、隣にいてもらおうなどと考えていたらしい]
それじゃ……少しマリーを探そう。
[そう言って踵を返した]
……。
[こちらを見上げる女と、見上げる元後輩と。
特にリアクションをするつもりもなかったのに、そこまでじっと見られてしまうと足を止めざるを得ないというか]
……。
[階段の中腹、足を止めてそこにいる生徒たちを見下し]
そうですね、事務的な作業も一段落しましたし、そろそろ解散としましょうか。
[幸貴の言葉ににこり、と笑って立ち上がる]
……何事もなく、夏休みを過ごせればいいのですけどね。
[ぽつり、呟いたのは何に向けてやら]
なーにしよっかなー。
花火ってけっこうしそうやからあんま予算ないけど。
うわ、なんやなんや? マンゴーばっかりやん。
冒険すんのは怖いし無難に飴やなあ。
あ、花火みーつけた!
[七曜寮生御用達だけあって、学生好みの品がたくさん置かれているのが素晴らしい。もちろん常連なので目指す場所も早い。
真っ先に向かうのは新作お菓子のコーナー。
今年はマンゴーが流行らしいので試しに飴を籠に入れた。
そして本命の花火も買い込む。二名分だからささやかな物だ。
一応、炎色反応が建前なので、近所迷惑も考え鼠花火は我慢]
こんなもんやな。
さーって会計済ましたし。ほな、いこかー。
おや、もしかしなくても僕待ちでしたか。
――それは、随分お待たせしたみたいで。
[申し訳有りません。
“何か”と呼ばれる用件に気付いて、そちらへと視線を向けて。
妙に視線が下な友人に、苦笑を零す。]
…何でそんな、主人に叱られた犬みたいになってるんですか。我妻君。
[例えも、ちょっぴり酷いが。]
がんばってくれ。何かしようと思う以上。こういうことからしてかないとな
[不承不承頷く久鷹に切に願って]
じゃあそうすっか。とりあえず俺はそんな予定もない。
まあ家に帰ってもいいが実家に帰る気はないしな
[育った家と実家と二つあるが、少なくとも実家には帰る気はない。
その理由はなんとなくであれしれてることだろう。
ところでマリーがどこにいるのか知ってるのか?と思いながらついていく]
[沙耶香から解散の言葉を聞くと頷いて、荷物を纏めて帰る準備]
と、あー。
お茶どうしよう。
家庭科室の冷蔵庫に突っ込んどく?
[残ったゼリーは持って帰るつもり。訊ねながら沙耶香が呟いた言葉には]
変化の無い夏休みも詰まらなそうだけどねぇ。
アタシはとにかく鍛錬の日々だわ。
[常日頃やっていることであるため、変化が無いとも言える]
[こちらを見下ろす視線の主。
あ、久々に見た、なんて考えてるかも知れないが]
……あ、俺、邪魔か。
[途中で止まって振り返ったせいで、通行妨害を助長したか、と道を空け]
[何だかんだと付き合ってくれるキョウヤに心の中で感謝しつつ、数歩進んだところでピタリと足を止めた]
……そういえば、マリーはどこにいるんだろう?
[ついでに言えばケイコもだが、すでに頭の中になかった]
そうですね。
何かあった時に飲めるように、家庭科室をお借りしましょうか。
[幸貴の提案に頷いて。
続けられた言葉に浮かぶのは、珍しく、苦笑]
ええ、確かにそうなのですけれど……。
どうも、あの子が心配なもので。
[ 生徒会員らの話す用件など、察せはせず。
大人しく、掃除、掃除。
きっちりとやる辺り、案外とマメなのかもしれない ]
なんか、俺。
[ タマキを見上げ、向けた表情は真剣で ]
――ヒエラルキーの底辺にいる気がするんだ。
[ しかし、言う事は、出された喩えより酷かった。
水分碌にとっていなくて疲れているのかもしれません。]
……。
[元後輩の持つ長い包みに、ちらりと視線をやるくらいはしただろうか。
けれど、それは別に興味を引くようなほどものではなかったようで。
こちらを見上げてから道をあける様子に、特に礼も何も言う様子はなくそのわきを通りぬけて階段を下りて行こうと]
…歩き出したから知ってるものだと思ってたんだが
…俺は見てないな
[若干の呆れを滲ませながら同じように足を止めていう。
ケイコにいたっては個人認識さえできておらず]
携帯使えば?
[なんてあっさり]
……ああ、そうか。携帯……。
[と、懐から電話を取り出し、アドレスを呼び出そうとしてピタリと手を止めた。そしてしばし考えた後、ぽつりと呟いた]
……マリー、今日は携帯持ってるのかな……。
[何やら不穏当な台詞が飛び出た]
[すれ違う瞬間、どーも、と短い挨拶程度はしておいた。
一応、全く知らないわけではないので。
包みに視線を向けられたからと言って、特に気にする事はなく。
むしろ、ここで人に出くわした時点である意味、諦めの境地とも言うし]
いやまぁ、それだけ待ってたってわけでも無いんだけどね。
いつどこで急な用事が入るとも知れないし。
[気にしないで、笑いながら環にひらひら手を振る。
沙耶香の答えに袋ごとお茶類を持ち]
夏休み中も学校に来る羽目になるかもだしねぇ…。
色々詰め込んでおこうかな。
…ああ、例の。
随分と問題児っぽいねぇ?
そっか、それがあるからかいちょーに取っては安心出来ない夏休み、と。
[それが自分にも関わってくるかもしれないなんて、今は微塵も思っていない]
[否定と肯定を両方聞いて、また首を傾げつつ二人の会話を聞いて、さらに響も現れてみょーな雰囲気になりつつある中、唐突にポンと手を打ち]
…………ああ、あれデスか。
お昼のドラマ。
[……待てぇい。]
とと、失礼。
[それほどじっと見たつもりでもなかったのだが。
相手は気にしたように足を止め、ミツクニも道を譲って。
場所は既に空けていたので、軽く会釈だけを送った]
[律儀に確りと掃除をこなす友人を見やりながら、
見上げられる視線と共に向けられる言葉に、僅かに眉を寄せた。
……流石に、重症だと思ったらしい。]
――手伝ってくれたら、…何か、飲み物奢りますから。
[だから自分を強く保ってください、とは、言えなかった。
…何となく。]
……俺と同じで……時々忘れてる?
[何故か疑問系だった。とりあえず、呼び出してみる事にして、そらで覚えているマリーの電話番号をプッシュした。
……こういう時にメールではなくて、声を聞きたいと思うほどに、大事だったりする]
できれば、夏休みはゆっくりしたいものですけれど。
高校最後の、ですものねぇ。
[妙に、妙にしみじみと呟いた。
実感こもってるのは、先に屋上で零された物騒な一言を『聞いて』いたからだろう。
もし、他にも『聞こえて』いた者がいたなら、心境は似たようなものかも知れない]
ええ、問題児ですね。
子供の頃は素直で可愛かったのに、最近は手に負えません。
[当人が聞いていたら、「こうなったのは誰のせいだ」と突っ込みたくなるような事を言いつつ、ため息などついてみたり]
[元後輩とすれ違った時、よこされた挨拶にかるく、うん、とかそんなくらいは挨拶をしたかもしれない。
どうやら年下らしい女子のほうは、ちらりとみただけ。
踊り場まで下りてしまうと、そこから先は特に振り替える様子もなく階段を下まで降りて行って、靴を履き替え駐輪場へ。
自転車の施錠を解除するとそのまま一足先に学校を後に]
−七曜学園→自宅−
[ 無我の境地の成せる産物――
なんて、素晴らしいものでもなんでもないが、
一通り水を拭き取り終えて立ち上がる ]
へーき、へーき。
生きてる。比較的。
下克上企むくらいには、大丈夫。
[ 目がマジ、
かつ、据わっているのが問題だが ]
……あー。絞ってくるわー。
[ ふらりとした足取りで生徒会室を出ていく。
暫くはタマキの喩えた通り、
飼い犬の如く大人しくなりそうだったが、
それもきっと、餌――もとい、水分を得るまでのこと。
* 夕食時にどうなっているかは、定かでない *]
ゆっくりかぁ。
いつも通りで終わりそうなアタシはどうしたら。
それもそれであり、なのかな。
[鞄や荷物ごと両手を頭の後ろへ回して天井を仰ぐように視線を向ける。その状態で横目で沙耶香を見つつ]
かいちょーにも手が負えないとなると相当じゃない?
子守も大変だ、うん。
[子供の頃は、と聞いて、あれ?とも思ったが、深く考えずに終わったり]
[空気読まない発言で周りが動揺してることに首なぞ傾げていると、鞄の中から携帯の着信音が。
……ただ、女子高生が「ゲッ○ーロボのテーマ」着信音にするのはどうかと思うんだ。]
ぴっ。
モシモシ、ヒサタカ。どしたの?
ああ、ならば良かったです。
[お待たせしていたなら、申し訳ない所でした。
少女の言葉に、ほ、と安心したように息を零して。]
…夏休み中もこられるなんて、やっぱり立場が上の人は大変ですねぇ。
また伺うときにでも、何か差し入れをお持ちしましょう。
[今日は手ぶらですがご容赦下さい。と小さく笑う。
友人が出て行くのを横目に見ながら、
机に置いた鞄を左手に携えて、帰宅の準備を整えた。
――彼が戻ってきたら、そろそろ買出しに向かおうか。]
それでは、僕はお先に失礼致しますね。
折角最後の夏休みですから。
――お仕事ばかりに囚われずに、楽しいものになる事を祈っておきます。
[笑みを向けて、生徒会室を後にする。
足取りの覚束ない友人が戻ってきたら、
――買出しに行く前に奢ってやろうと*心に決めながら*]
いつもどおりに終わるなら、それが一番じゃないかしら?
[やっぱり、言葉には実感が篭るわけで]
ええ、本当に。
でも、他の方の手に負えるかというと、それも心配なので、仕方ありません。
[誤解を解く気はやっぱり、ない]
[唐突な一言に呆気に取られている所に流れる着信音。
……物凄く、突っ込みたくなったのは、さておき]
……さて。
俺、そろそろ帰るわ。
[なんかこう、思いっきり抜かれました。毒気を]
―宝条家―
おっじゃまっしまーす。
ぅわ、めっちゃ蒸し風呂やん!
[勝手知ったる様子で隠してある鍵を取り出し、中へと入り一言。
叔父叔母夫婦に見せる為の成績表をリビングのテーブルの上に置き、空気を入れ替えるべく窓を開け放ちに行く。
午後の生温い風でもないよりマシと、全て開け終えてから、リビングだけ締め切って冷房を入れる]
んー、タマキちゃんまだ学校なんかなー。
せっかく早く来たのに残念やわ。
[ソファーの上でクッション抱えて三角座り。
暑いが和らぎ、快適な冷たい空気が満ちるにつれて眠くなる。
目が覚めたら、タマキだけじゃなくフードのヤンキー兄ちゃんとやたら無愛想な人が居て。
なんでー!と叫ぶコトは*間違いない*]
お、そりゃありがたい!
休み中に出てきてもやる気が出るってもんだ。
[差し入れの言葉に飛び跳ねんばかりに喜んで。お先に、との言葉に頷いて手を振る]
あ、うん、お疲れさん。
そうだねぇ、楽しくなれば文句無いね。
そっちも良い夏休みを!
[そう声をかけて環を見送った]
[とりあえず、普通に電話に出た事にほっとすると同時に、「今日は携帯持ってたんだぁ」とどこか達観してしまったが、そのままではいつもと同じになってしまうと頭を振って目的を引き戻す]
……えっと、今どこ? ちょっと話があるんだが……。
[すでに彼の心臓は不整脈を起こしそうなくらいに鼓動が早かった]
−自宅−
[悠悟が下剋上とか口にしているそのころ。
制服を脱いで簡単に風呂を済ませジーンズとVネックの半袖のカットソーに着替えると、キッチンで何やらごそごそと動きはじめる。
米をセットし、しばらくすれば八宝菜の完成。
それから荷物をまとめ始める。
冷蔵庫からは買ってきたいちご。
探し当てた手製のイチゴジャム。
あとはチョコレートとか、ウェハースとか、そういったものも出てくるのだが。
必要なものを紙袋にしまい、足りないものはひまわりで買い足す予定にして、姉どもに夕飯の支度は済んでるから勝手に食えとの文面を残し、再び自転車で家を出て宝条家を目指す。
相馬響、七曜学園3年、剣道部主将。
*趣味、料理にお菓子作り。*]
いつもと同じじゃ味気ない、とも思っちゃうんだよねぇ。
平日の延長でもあるからさー。
ま、変なこと起きない方が良いっちゃあ良いけど。
[実感籠る言葉に対し、小さく肩を竦めて苦笑気味に笑う]
かいちょーの手に負えないなら、他の人の手には絶対負えないと思うのはきのせいかな。
いや、きっと気のせいじゃないな。
[話を聞いただけで会っても居ないのに、一人納得しうんうん頷く]
と、それじゃアタシは家庭科室寄ってくから。
んじゃね、かいちょー。
[お茶類の入った袋を掲げて見せてから、沙耶香に挨拶して。生徒会室を出て家庭科室へと向かった]
お疲れ様、差し入れ、楽しみにしていますね。
[にこり、と笑って環を見送り]
平日の延長も、悪くないかもしれませんよ?
……何気ない日々の方が、よいものでもあるんですから。
[先ほどとは違った実感のこもった口調で言って]
あらあら。
気のせいにしてほしいのですけれど、そこは。
[納得する様子には、困ったような声を上げ。
お疲れ様、と言いつつ、家庭科室へと向かう幸貴を見送る]
さて……戸締りを確認して。
……取りあえず、無茶はさせないようにしないと……。
[零れ落ちたのは、深い、ふかいため息]
[いっそ電話で告げれば。とも思ったが、それは久鷹自身が拒むだろうと
過去からもメールでなくて電話で聞く辺りからも伺えるが
とりあえず静かに見守ってる]
あーうん。
呼び止めてすまんかった。
[ようやく収まった笑いの向こうからミツクニに手を上げて。
着信音は既に耐性できてたので大丈夫。
電話の相手がヒサタカだと分かればお邪魔かなというように]
私もサッサと着替えてこよう。
また後で。
[寮に戻れば会う相手。その場に居たら話がもっと早かったかも等というのも知らないので、小声でマリーに告げると、こちらは階段を上がって*いった*]
[すまんかった、という啓子の言葉が聞こえたなら、気にすんな、くらいは返しておいて。
電話の邪魔をする気はないので、さっさと昇降口へと向かう]
……取りあえず、一度帰って、これは置いてくるか。
それから、あっちに顔出して……。
[ぶつぶつと言いつつ、外へ。
見上げた空は、青い]
……っとに。
面倒な。
[零れたのは、いつもの愚痴]
[まだ戸締りのされていない家庭科室に潜り込み、冷蔵庫に近付くと袋ごとお茶類を捻じ込む。しっかりゼリーは一つ失敬して]
念のため生徒会と書いて、っと。
まぁ他に開ける人なんてそうそう居ないだろうけど。
生徒会室にも冷蔵庫あれば便利なのに。
[ぷー、と膨れるも、かと言ってつけられるはずもなく。これで学校に用があった時は必ず家庭科室に寄ることになるだろうか。来るたびに飲んで気力補充するつもりである]
さてと、それじゃ帰ろかね。
[冷蔵庫の扉を閉めると、何故かこっそりと家庭科室を出て、廊下を歩き始めた]
とはいえ……やらにゃならんし、な。
[呟く表情は、刹那、真摯。
しかし、その表情はすぐに途切れ。
……不意に何かを感じたように背後を振り返ると、足早に校門へ向けて*駆け出した*]
階段、か……。わかった。
[マリーの言葉に微塵も疑問を持たず携帯を切ると、偉くまじめな顔で、キョウヤに目的地を告げた]
マリーは階段にいる。行こう。
[どうやら、虱潰しにするつもりらしい]
[携帯での会話を耳に入れることなく
切ったのを見て。そして所在地を聞いて]
……おい。ちょっと待て。階段っていくつあると思ってんだ。
せめて何階ぐらいか知らんと……もしかして片っ端から?
[寡黙だからこそ端的に告げたものだと願った]
[戸締りを確認し職員室に寄って色々と報告・連絡を行ってから校舎を出る。
数歩、進んだ所で止まる、歩み]
……翠麟?
[小さく呟き、周囲を見回す。
人影はない、と確かめてから、何気ない風を装ってその場に膝を突く。
がさり、と揺れる、近くの茂み。
飛び出してくる、淡い翠の四足の生き物]
……『上』の方々からは、何か、お話あって?
[ふわふわした毛に包まれたそれを撫でつつ、問う。
それに対する答えは芳しくなかったのか。
零れるため息]
[...はキョウヤの疑問に首をかしげた]
……? 階段にいるというのだから、上から順に見ていけば会えるじゃないか。
[どうやら、何時もの事らしい。ケロっとした表情で言ってのけた]
……仕方ない、わね。
かくなる上は、私も覚悟を決めましょうか。
[そんな大げさなものなのか、と。
誰かが……というか、覚悟を決めさせている当事者が聞いたら、絶対突っ込みそうな呟きを漏らしつつ、ふわふわした翠色を撫でて]
翠麟、また何かあったら報せてね?
[短くかけた言葉に、翠色はきゅう、と鳴き。
再び、出てきた茂みへと駆けて行く]
……さて、それでは帰りましょうか。
[小さく呟いて。
ゆっくりと立ち上がると、*校門へと向かう*]
…そっか…
[どうやら寡黙ゆえの端的な説明ではなく階段というのが知りえる情報のすべてだったらしく]
まあ…しゃあないか
[乗りかかった船。毒くらば皿まで。
そんな言葉がいくつか浮かびながらもともに探すことにして、一緒に行き、マリーとあえて、説明する段になったら必要なら助け舟を出したり*するだろうか*]
…とりあえず次からはもっと具体的に場所を聞いたほうがいいと思うぞ
[もう一度似たような状態が起きた際の予防のためそれだけ言った。
しっかりと今日も*暑い*]
[家庭科室を後にしてからは、そのまま昇降口へと向かって。他の騒動なぞ知らぬままに校門へと向かう]
帰ったら親父打ち負かして、稽古に来てる子供達に指導して…。
ホント、いつもと変わらない日常だよなぁ。
[やることを指折り数えてから溜息をついた。その日常が破られるのは、おそらく*もう少し先*]
─深夜・瑞雲神社─
[神社の境内、その中央に佇む影。
手には、抜き身の白刃。灯りもないのに、周囲は不思議と明るい。
その源は、淡い光を放つ、一対の翼。
それは銀の光の粒子を零しつつ、周囲を照らして]
……『天』の『護界操手』が一、『鳳凰』の名において。
かの地に仮初の『界』を巡らせん。
『天魔』を封じ、抑え。
『地』の『護界操手』の目覚めを導くべく。
かの地の『気脈』、集い、来たりて『界』を生せ……。
[静かに綴られる言葉。
それと呼応するよに舞い散る銀の粒子は、やがて、手にした刀へと吸い込まれてその輝きを増し]
……『封護の界』……展開!
[凛、とした声と共に、天へと突き出される刀。
舞い散る銀の粒子が夜空を飾る。
それは吹き抜けた風に乗って夜空に舞い、穂見町全体を覆うように広がって──]
うん、待ってるねー。
[階段と告げるとわかったと言って切るヒサタカ。
いつものことなので、一切疑問に思わない二人に対して周りの苦労は如何程か。]
さーて。
[そう呟くと、何故かテクテクと歩き出す。
ただ、その足はしっかりとヒサタカとエンカウントするルート。]
どうする、といわれても。
……当初の予定通りにどうにかする他、ないだろうが。
少しばかり出力調整は誤ったが、見方を変えれば、『天魔』を確実に押さえ込めた事になる。
今の内に、『五神』を覚醒させて、『天魔』を滅してしまえば、問題はない。
[実際には、この結界の時点で大問題なのだが、今はそこには意識は至らず]
ま、何とかなるだろ。
そろそろ、『他の連中』にも手伝ってもらう必要があるしな。
……まったく、もう……。
[『天』の『護界操手』が一、『鳳凰』をその身に宿した従弟の言葉に。
同じく『護界操手』が一、『麒麟』をその身に宿せしものは、やれやれ、と*ため息をついた*]
サヤカが村を出て行きました。
村の設定が変更されました。
[後ろから少々呆れた感が漂ってくるが、そんな事よりもマリーを探す方が大切なため、一番近くの階段を下から上に上っていく。
と、とてもあっさりと、絶対に見間違いのない後姿を発見した]
マリー。
[普段の口調で呼びかける]
……ああ、実は……。
[と、普段どおりの流れで思わず旅行の話を口にしようとして、さっきまで妄想していた二人だけの甘い時間なんてものを思い出してしまった。
途端、引いていた顔の赤みが再び瞬間湯沸かし器にとして沸騰した事を告げ、口から日本語にもなっていない変な単語の羅列を零した]
あ、じ、あ、その……、あう……。
[その様子に、思わず後ろのキョウヤが盛大に溜息を付いた。そして自分は本当に逃げ出したいという反応をほんの僅かだけ滲ませつつ、仕方なさ気に苦笑しながら旅行の話を切り出した]
で、そ、その……、折角だから、俺もそれなりに知っている、ケイコあたりも誘って、四人でって……。
[どうやら、最後の一言は自分で口にできたようだ]
[瞬間湯沸かし器の言葉に首の傾斜角度増大中。]
アジア? アジアがどうかした?
[それを見かねたのか、キョーヤのフォロー。
ほうほうと頷いていたが、最後のヒサタカの言葉に]
なるほどー。うーん。
[そう言うと、腕組みをして考え込んでいたが]
いーよ。ケイコも誘って一緒に行こ。
[ニコッと笑顔。]
[いやいや、アジアは関係ない……というツッコミなど入れられるはずもなく、ただ成すがままに押され気味だったが、キョウヤのフォローで正確に伝わり、更に色よい返事がもらえた事に、瞬間湯沸かし器はあっという間にもとの静かな笑みに戻った]
……あ、ありがとう……。その……無理言ってないか? 都合が悪いなら、悪いで断っても……。
[それでも急な話だという認識は持っていたので、恐る恐る聞いてみる]
[とにかく言うべき事は口にして、少なくともマリーから了承をもらえた。それだけで満足した彼はほっとした様子でマリーに一緒に帰ろうと告げて……。
気づいた時にはキョウヤは空気を読んで一人で帰ってくれていた。
もちろん、それに気付いたのは、彼が帰宅して風呂上りにフルーツ牛乳を飲むという数時間後の事だった]
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