情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
キョウヤ に 9人が投票した。
マリー に 1人が投票した。
キョウヤ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、 タマキ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、 ミツクニ、 リカ、 アズマ、 ケイコ、 ヒサタカ、 マリー、 ヒビキ、 サキ の 8 名。
―神社/夏休み二日目夕方―
[挑発は得意やけど、それも時と場合によるわけで。
キョウヤをボコった(こっちも同程度ボコられとんねんけどな!)状況な以上、口を出せば出すほどまずうなるのは流石に判る。
これ以上ややこしくしたかて逃げる体力もないしと色々ぐるぐるしつつもお口チャック]
……したら、そもそも五神眠ってるトコ来んなや。
火の粉が大地の導火線たる気脈の真上のこのこ来とって、んなコト言われたって信じれっかい。
[超小声で零れた文句は、バカップルの愛の言葉に隠れて誰の耳にも届きませんでした。二人の為に世界はあるらしいです。
ある意味ラッキーやのに全然そんな気分やなく、そっぽ向いて沈黙]
[そんなこんなで色んなもんから目と耳を逸らしていたらば、急に腕を取られて目が丸くなる]
…へ、なにすんねんちょっと!
[座り込み&両手地にぺったりで密やかに回復計ってたの気付かれたんかと焦るが、なにやら引っ張られていく先はサキ&バカップルとは離れていく方向。負傷者サイド=キョウヤの側でもない。
頭ん中に大量の疑問符浮かべながらも剣道部主将に敵うわけなく、あっさりと石段下に連行されました。
そんでもって着ろと命令された服に文句つけても無愛想な顔で仁王立ちされ、汚れるし血ぃつくんにとぶーたれつつ羽織って。ちゃんとボタン閉めろとかあんたドコの小舅やねんとか思いながらも自転車運搬&晩ゴハンデザート付きの誘惑に全面降伏。
完璧に肩落ちて七部袖とか情けない姿で運ばれていったのでした]
[さすが宝条君のイトコねとか、聞こえない振り聞こえない振り。
なんとかヒビキと顔合わせる前に取り返した眼鏡と着せられたおハイソな服は、多少ミスマッチやったかもしれません。
苦難の時間の間に用意されていたゴハンと三つ子の並ぶ食卓は圧巻でした。消耗しまくった体力回復の為だけでなく食べまくり。
デザートの杏仁豆腐にはとろけましたとも、舌もほっぺも笑顔も!]
ぅわ、めっちゃ美味しいー!
なぁなぁ、これお土産にもろていい? タマキちゃんにも食べさせたいんよ。
[目の色を変えて(いやホンマに黄金色やった)おねだりするも、なにやら返事はよろしくなく。今度はタマキちゃんも一緒に来ようとか懲りないコト考えながら送られて。
別れ際に頭を軽く叩かれたんはドングリを思い出したんか元気出せってコトなんかはわからんけど、街灯の向こうにチャリが消えてくまで黙って見送ったんでした]
― 宝条家/夏休み二日目夜 ―
[ 夏と言えば、西瓜。
そんなわけで、ビニール袋片手に訪れました、宝条家 ]
ちわーす。
[ チャイム鳴らして、暢気に挨拶。
出て来た宝条母にタマキの不在を告げられれば、
ちょっと生徒会の用事があるみたいで、
従兄妹の様子を見ておいて欲しいと頼まれた、
なんてさらりと言ってのけ、中へと上がり込んだ。
リカに来客を告げ、土産にと渡した西瓜を手に、
宝条母は厨房へと向かう ]
よ。派手にやったそうで。
[ 厭な顔されようが気にせず、
暢気に手を振り、近くの壁に背を凭れた ]
流石は従兄妹、ってとこかねえ。
まあ、挑む側と挑まれる側ではあっけど。
[ 一方的に言葉を連ねて ]
そうそ。宝条なら、帰って来ねえぞ。
あいつ、負けたから。
[ あっさりと言って、口を閉ざした。
碧の眼には、反応を窺うような色。
直後、タイミングを見計らったかの如く、*電話が鳴った* ]
タマキちゃん! …やのーてアズマんやん。
[クッション抱いて座り込んでたソファーの上。
跳ねるよに飛び降りてリビングの扉開けたんに、残念ハズレ。
心情ありありと顔に出しながらも、タマキちゃんの使いとおばちゃんが言えば頷いて、こっちと手招いてソファーに戻った。
さっきまで抱いてたクッションを背に敷き、壁に凭れる姿を見る]
口開くなり、派手にってなんやの。
…あーもしかしてヒビキんから聞いたん?
[手も振り返さず口尖らせて、タマキちゃんにも連鎖反応でバレたかなーと冷や汗。
やけど続けられた言葉は随分と剣呑なもので、眼鏡のレンズの奥で目の色が変わる]
…どーゆーことなん?
なんでタマキちゃんが、誰に挑んでんの?
[キョウヤからは挑まれた認識やったんで、そう返し。
何を知っているのかと探るよに顎を引いて、黄金の瞳が見上げる]
[電話が鳴る。やけど反応を窺うような碧の眼を睨んだまま動かず。
やがてベルの音は止まり、おばちゃんが話し出す声が聞こえ]
怪我、ないん? あるん?
帰ってこられへんほど、酷いん?
――あんたはそれ、黙って見てたん?
[鼻が詰まったかのようにくぐもった声が、イトコの安否を問う。
黄金色はゆらゆら揺れていた]
まあ、ちょいとね。
…んぁ? 宝条は挑まれた側。
[ 得た情報――ヒビキからではない――からは、
リカが挑んだと思えたからそう言ったのだが。
その差異には深く突っ込まず ]
俺が行ったときにゃ決着ついてたんで、
止める暇もなかったわな。
致命傷って程じゃなかったみたいだけど、
何か、ミックん側だったらしくて。
あっちが面倒見るつってたから、任せてきた。
下手にここに帰して、天魔に狙わせるよりマシだろ。
[誰から聞いたかより、もっと大切なコトに気は取られて]
………怪我、やっぱしたんや。
[泣きそうなんを耐えた。おじさんおばさんに感付かれたらアカン。
口早にしゃべって水気を散らす]
なんでまた…って決着後やったんなら知らんか。
ミックんの側、おんねんな。
安全なんやったらそれでええ。知らせてくれておおきにな。
後は―――直で聞くわ。
さあ、詳しくは知らんが、
要するに早とちりだったっぽい。
[ ゆるりと首を傾げた。
壁を離れ、リカの方に近寄る ]
お前の事は心配してたっぽいぞ、響に頼んでたし。
ま。出せるもんは出しとけよ、風呂場ででも。
後、ゆっくり休んどけ。
[ 言うなり、頭に手を乗せた。わしわし。
撫でるさまだとかは、多分、友人二人の中間くらい。
反撃を受ける前に離れて、踵を返す ]
んじゃなー。
[ 出ていく間際に宝条母とすれ違い、
食べて行けばいいのにと言われたけれど、丁重にお断り。
そのまま、来た時同様気まぐれに去っていった ]
[早とちり。仲間割れとゆー言葉が頭を過ぎった。
泣くの耐えてるせいだけやなく頭が痛い。人のコト言えへんけど]
ぅー、そんでヒビキん妙に親切やってんな。
わかった、ちゃんと休んどく。きっちり張り倒さなアカンからな。
[風呂場どーのこーのは意図的にスルーしたら、頭に手が乗ってた。
ヒビキの別れ際のとか、タマキちゃんに褒められた時とか思い出して唸り声が漏れる。別に反撃とか考えてへんかったけど、威嚇っぽかったかもしれん]
ん、ほななー。
[立ち上がりも視線もやらんと手だけ振った。
完全に声が消えてから、おばちゃんが来て合宿の件と西瓜を出してくれた。小さな声で礼と言い、行儀悪いけどほぼ専用と化してる客間に持ち帰る。よく懐いてるのは知ってはるから引きとめる声はなく。
部屋で一人齧った西瓜は、*しょっぱかった*]
―昨日・帰り道―
まったく失敗した。
力見せてもらえば位のつもりが、ふっかける相手間違ったよ。
宝条先輩も一見と違って沸点低いんだな。
[肩を借りながら、ゆっくりと歩く。喋ることで走る痛みを紛らわせつつ。ちょっとボロボロすぎる格好に表から入るわけにはいかないなぁとか思いながら]
え、ああ。寮の裏手まで頼めるかな?
こんなん誰かに見られてもヤバイし。
[ファンの子に、という意味もあったのだが。アズマに伝わったのはボロボロになってる格好のことだけだったのかもしれない。
ボソリと、面倒とか何とか呟かれた声は良く聞き取れず]
え、なに…うきゃっ!?
[問答無用で振り払われて抱え上げられ。驚きのあまり上がった声は素っ頓狂なものに。慌てて口を押さえつつ]
ちょ、歩けるって。
こんな格好見られたらもっとヤバイってば!
[抗議は当然の如く無視されて。ズカズカと歩かれれば振り落とされないように大人しく縋っているしかなかったりするわけで]
あーもー。情け無いったらありゃしない。
…ありがと。
[本当は歩くのも辛かった。こんな怪我、慣れてるわけもなく。だから小さく、でも本心からお礼を呟いた。今は敵とみなされる相手かもしれないというのも一瞬忘れて]
あ、ここでいい。
その脇のフェンス外して入れるんだ。
って、男子に教えちゃマズイか?
ま、悪用はしないと信じとく。したら成敗する。
[寮の裏手、下ろしてもらった場所ではいつもの調子。
最後はケラリ笑って付け足して]
手間掛けさせてすまんかった。
本当にありがとう。
…早く片がつくといいね。それじゃ!
[ペコッと一つ頭を下げると軽く手を振って。
ノロい動きで緊急時用の出入り口(当然無許可作成物)から寮の敷地内へと入ってゆく。それをアズマがどんな顔で見送っていたのかなど、振り向かなかったから知らないまま]
[人を避けて部屋に戻り。長袖のシャツとズボンを持ってシャワー室へ。顔を庇ったのは眼を守る本能だったけれど、誤魔化す役にもたったなとかぼんやり思いながら]
イタッ。沁みるー。
それにしても年季違うとアレだね、器用さが違うね。
本当に失敗した。色々習った方が得だったジャン。
[ブツブツと呟きながらシャワーを浴びて。
部屋まで戻るとその晩は早々にベッドでぶっ倒れた。
マリーが帰ってきたかどうかも知らず。翌朝まで*グッスリと*]
[マリーを寮まで送り、彼は一人暗い夜道を歩いていた。理由は簡単だ。あっさりと、それまで持っていた茎が花の重みで曲がるように、放たれた話し合いの一言をどう受け取るべきか迷っていた。
ソレもどうしたものかと迷いを露にし、今も彼の隣で眉を八の字に顰めていた。
ただ、一つ絶対にやっておこうと思ったのは、マリーにソレを紹介する事だ。神社での闘いの後で、キョウヤは俺くらいには教えて置けよと言ってくれた。サキやリカと同じで自分を倒さねばならない立場であるにも関わらず、だ。それは彼がアズマにマリーとキョウヤに手を出させないように釘をさしたのと同じで、一番重要なのは使命ではなくて分かり合える仲間だったのだろう]
「…………」
[ソレが彼の手を握った。顔を上げると暗かった世界が新たに昇ってきた太陽に照らされ始めていた]
……しまったな。無断外泊してしまった。
[父母はどうでも良いが、妹に心配させるのは申し訳ない。それに、長い夜の間に歩きながら悩んでいたのを自覚したせいか、とても疲れている気がした。
一度戻ろう。
そう決めると、彼はゆっくりと自宅へと帰宅した]
[恭也を運んだ後は再び神社へと戻り。手で地面に触れ、幾分荒れた境内の土を均す]
………。
[その間考えるのは自分が久鷹に告げた話し合いのこと]
[考えに集中しすぎて、土を均すために送っていた力が過剰になりかける。光邦の属の影響が強いこの場所は、相生により土の力も増幅しやすいようで。送りすぎた力は相侮が起こり、周囲の木々を侵食し始めてしまう]
……っ。
[しまった、と送る力を切り、元に戻そうとした時だった。突如として過剰になった土の力が平常に戻る。そして聞こえてくる小さな音]
《ぴき ぱりぱり ぱりん》
[何かが割れる音。それはハーフパンツのポケットの中から。ややあってもぞりと動く感触が伝わり、”それ”はポケットの口から地面へとぽてりと落ちた]
………。
[地面に居たのは、黒い甲羅に土色の肌の小さな亀。過剰になった幸貴の土の力を吸い取って、殻を破って生まれた*みたいです*]
―屋上/夏休み三日目午後―
[タマキちゃんが帰らず、一晩中眠れなかった…というコトはなく。
むしろ戦いの疲労とお姉様方のオモチャにされた苦行のダブルパンチで即撃沈でした。夢すら見ない眠りから覚めればとっくにお昼。
誰も居ない家で用意されてた朝ゴハンを食べ、皿を片付けてから学校に向かい、適当な影に避難して膝を抱えて座る]
………。
[色々思う所はあるが騒ぐ気力も惜しく。ひたすら我慢のこ。
待ってるのは諸悪の根源。
宝条家を出る前に「話があるから屋上に来てねv」と耳を疑いそうな爽やかな声で伝言を残しておいたんで、まあ間違いなく来るはず]
[ちなみに、お姉様方から押し付けられた服は普通に洗濯したらヤバイ気がしたんでクリーニング中。もちろん御代は後で請求予定。
今は宝条家に常備(というか実はお下がり)のTシャツ&ジーンズに、昨日の事も考えてシャツ一枚羽織ってるので割と暑い]
……来やる前にアズマんみたく干からびたらどないしよ。
まだ涼しい境内にしとくべきやったかな。
やけど、思いっきり地面ぼこぼこにしたからなー。
[注:干からびてません(未遂)
サキが均してくれたとは知らないので、少しだけびびっていたり]
[学校は気脈の真上。黄龍の力の尤も満ちる場所。
シャワーの時には残っていた腹部の青痣もやがて消えてくだろうか]
……ねっむ…
[育ち盛りの体と、弱り気味の心は癒すための睡眠を欲して。
待ち人以外来たら大変やのに、膝小僧に突っ伏し*シェスタ突入*]
[環を『隔離の陣』に送り届けた後、家には帰らず。
怪我人の手当てと諸々の根回しをする、という従姉の伝言を携え、向かったのは九条院家。
……はい、きっちりと引止めを食らいましたとも]
っつーか……仕方ねぇんだけど……。
[頭が上がらない、と。
零れるのは、ため息混じりの言葉]
ま……俺にできるのは、あいつの代わりに付き合うくらいだしな。
[続く呟きを聞いたのは、肩の上の紅鴛だけ]
[一晩眠ったら随分と回復していたのは白虎効果だったのだろうか。それでもまだ殆どの傷は消えず、ダルさも完全になくなったわけでもなく。仕方ないので朝の練習は顔だけ出して休む許可を貰った。理由は女の子同士の秘密で誤魔化して]
あ、そういえばこれ。
確かめ損なってたな。
[教室へと入り込んで、机の上に封筒の中身を空けた。
ここ、それともここ?というように頭を捻りながら組み立てる]
[九条院家に一晩泊まり、翌日、自宅に電話をかける。
幼い頃に引き起こした諸々どたばたから、既に『護界操手』としての在り方を受け入れている母は、事情を聞けば動じた様子もなく。
……無理をして従姉に心配かけるなとか釘刺されました]
やらねーっつーに……。
て、え?
女から電話あった?
[それは何の冗談か、とよくよく話を聞けば、璃佳から伝言があったらしく。
何か、いやーな予感を感じつつも、歩みは学校の方へ]
……まあ、どーせ、そろそろまともに話はせんとならなかったしな……。
[最初からしろよ、との突っ込みは無用。らしい]
『おケイ……
………天魔っぽ……
………てらボコっ……
………で、誤魔化し……
…佳』
えーっと。
リカちゃんが何か見つけて、カチコミにいった?
[その表現もどうですかと]
わざわざ言ってくるんなら五神っぽいのかな。
ちぃと確認してみますか。
[寮には戻ったのだろうか。夜居なかったことは、昨日の事前根回しでどうにかしてあると教わって知っているが]
でもさて、どうしたものか。
[携帯の番号なんて知りませんから。いやそもそも無いらしいですが。緊急連絡先になってたのはどこだったっけと、昨日ついでに書き写してきたメモを見て]
…ゲ。
[宝条って書いてあるの、気のせいじゃない、ですよね。
思わず天を仰いでしまった。知らないままで居ればよかったとか]
まぁ、いいや。
電話しにくすぎるから誰か捕まえて聞こう。
[廊下に出て、階段へ]
おっ、良いところに。
[一つ下の踊り場に、ミツクニ発見。
先日とは丁度逆っぽい位置関係か]
今日もお暑ぅございまして、ミツクニ青年。
ちと頼みたいことが二つほどあるんだケド。
[手すりに寄りかかりながら、手をヒラヒラ]
[呼びかける声に顔を上げ、そちらを見る。
肩の上の紅鴛が、ぱささ、と羽ばたいた]
……暑いというほど、暑いか?
[それは火気の影響です。きっと]
って、頼み?
[珍しいこともあるもんだ、と。
なんかちょっと、身構えました]
暑いよ。ここ数日は特に酷い。
[やはり影響されてるんでしょうね。
羽ばたく紅鴛にもヒラヒラと手を振ったりして]
一つは簡単。
なんだかこの間リカちゃんと親しげだったでしょ?
彼女の行きそうな場所に心当たり無いかなって。
[ツツツ、と階段の上に移動。進路塞ぐつもりだなんて、そんな。
どう?と軽く首を傾げた]
[昨夜はおばちゃんが寮に電話してくれたっぽいです。
さすがにタマキちゃんだけやったら事前提出ないと泊るん無理やけど、身元保証人兼親戚て強いです。ありがたや]
ぅー…
[で、噂をすればとゆーか、近づく火気で目覚めを促されたっぽく。
膝小僧の上に横向きの頭乗せて、眼鏡はずして目をこすってたり]
−自宅−
[ぱち、と携帯を閉じて大きく伸びをする。
昨日は昨日で家に女子を連れてきたと姉どもが大騒ぎだったおかげで妙に疲れ。
今日は今日で、悠悟から電話がかかってきたと思えばまた疲れるような内容で]
…まったく。
[こうなったら噂のご老公に事の仔細を問いただすしかないわけで、面倒な、と思いながら去年の部の連絡網をごそごそと探し始める。
程なくして見つかったはいいが、さてこの携帯は現在使われているのでしょうか。
そんなわけで携帯を鳴らしたまでは良かったが、そういえば携帯のアドレス帳に入れっぱなしだからわざわざ連絡網探す必要なかったんじゃないかと今更思ったとか思わないとか]
……この程度で暑がるな……って。
ああ。
[金気の影響か、と。
今更ながら気づいてみたり]
は、佐々木?
あいつなら、屋上にいるらしいが。
というか、俺はあいつに呼び出されて、ここまで来てんだが。
[問いにはあっさり返しました。
あっさりと]
[あっさり返した直後、響いたのはピアノの旋律。
音の源は、ポケットに突っ込んだ携帯]
……どこの酔狂モン……。
[基本、変わり者で有名で人付き合いも少ないせいか、携帯は家族くらいしかかけてきません。
従姉は用事があれば、『違う』連絡方法を取ってくるので、まずかけてはこないし]
……はい、もしもしー?
[着信表示も確認せず、折りたたみのボディ開いての第一声は投げやりでした]
は、上にいるの?
てか用事があるんだ。それならついてくわ。
個人的な用事だったら悪いからすぐ下で待ってるよ。
もう一つのは急ぎじゃないから後でいいんだ。
[アッサリ貰えた答えに一瞬キョトリ。
それからサラッと宣言して上がってくるのを待つ]
─昨日・瑞雲神社─
[地面を均し終え、一息つく]
……で、これがアタシの使い魔ってか。
[先程殻を破って目覚めた使い魔に視線を落とす]
………亀の癖になに地面潜ってんだよ!
[じむじむと何故か土に潜ろうとしている亀が一匹。甲羅を摘まんでずるりと引っ張り出した]
てか、亀って移動偵察には使えなくね?
鳳凰達みたいな使い方は出来ないんかなぁ。
[摘んだ手のひらサイズの亀を掌に乗せてじっと見つめる。亀もこちらを見つめてきて、くり、と首を捻った]
……とりあえず帰ろ。
[やるべきことはやったんだし、と立ち上がり、神社を後にする。亀は持ってるのも面倒なのでポケットに突っ込んだとか]
─時間は進み本日昼─
[亀がてふてふと道路を歩く。幸貴はスローペースのその後ろをゆっくりとついていく]
……やっぱ遅いよなぁ。
[亀の使い方を模索しているようです]
…。
……もしもし、相馬ですけど。
[あ、使われてた。
切り出し方にちょっと迷って間があいたのはさておき。
んー、と首を少し捻ってから]
ちょっと、直接聞きたい話があんだけど。
お前、いまどこ。
[結局シンプルイズベスト的な問いかけになりましたとさ]
……は、相馬先輩?
[何でこの人から電話くんだよ、っていうかなんで携帯番号知ってんだ、あ、部員連絡網。
一瞬、過ぎったのはこんな思考だったらしい]
は、俺に?
かまやしませんが……。
現在地は、学校。
呼び出し食らって、屋上行くとこですが。
[返す言葉は、端的でした]
[ カシャリ。
途切れたコンクリートの先には、草原が広がっていた。
眼下に流れる川、何時と変わらない、
何でもない光景を収めた後、ぼんやりと佇む。
フードを被り、カメラを片手に歩む様は、
傍から見ればちょっとした不審者かもしれない。
当人にとっては今更の事で、気にもしていないが ]
……あった。
[昨晩のこと。
ヒサタカに送られて、寮まで帰ってきた彼女は部屋の押入れの中から一つの小さな箱を取り出す。]
…………もう、開けることはナイ、と思ってたんだケド、な。
[そう呟いて、開けたその箱の中に入っていたのは、銀色の十字架の形をしたチョーカー。
チャラッとチョーカーを掬い上げ、無言で首元に巻く。
ギュッと十字架を握り締め、暫く目を閉じていたが]
……あと、は。
[スッと目を開け、部屋を後にした。]
[向こうも向こうで何でかかってきたんだと言わんばかりの応答。
剣道部ってこんなやつばっかりなんでしょうか。
所在を確認すれば、ふむ、と小さな相槌]
わかった。
[そのまま、じゃ、と、行く、とかそういう単語なしでぷつん、と、会話どころか通話自体が切れる。
そのまま、よっこいせとばかりに支度を済ませると数分後には自転車で学校に向かう姿]
−自宅→学校−
[しばらくベットの上で足りない睡眠により発生した睡魔と格闘していたが、何とか勝利を収めるとのそのそと着替えだした。
昨日の出来事から、何が起こるか予測がつかない。だから普段着でも動きやすさに重点を置いた服を選んだ。普段からはいている黒のジーンズに、胸に王冠のイラストがプリントされたTシャツ。その上から白と水色のチェック柄の半袖シャツを着ると、そのまま一回にて顔を洗った。
たった三日で、考える事が多く、それに対応するべく自分自身も変化しているのを理解していた。その変化に対応する疲労が、鏡に映った己の顔に疲労としてありありと表示されていた]
「……?」
[いつしか後ろに立っていたソレが、心配げに様子を伺ってきた]
……大丈夫だ。昨日は、色々とあったからな。素人が身に余る状態に陥ればそれなりに疲れるさ。
[それも事実だ]
わかった、って、あーのー。
[ぷつん、と切れた通話にきょとり。
こんなんばっかりだったら、部員コミュニケーションとかどうなってたんでしょうか。
ともあれ、こちらも切って、携帯は再びポケットに]
……何がなんだか……。
あー、悪い、五十嵐。待たせたな。
んでもって、多分個人的な用事ではないと思うから、来るなら一緒に来ても構わんぜ。
[それから、待っていた啓子に声をかけ。
またすたすたと階段を登り始める]
どしたん?
相馬先輩ってこないだの人だよな。
[細かい事情なんて知りませんし。というか目の前の人も分かってない気がしなくもありません]
や、だから気にせんでいいよ。
そう?ならまあ入口まではとりあえず。
[問題あるならリカがサインくれるだろうとか考えて、ちょっと遅れつつミツクニの後から階段を登った]
[電話の足止めの間にコッチは完全に目が覚めました。
眼鏡を戻し、首を回して、肩も回して、手首の準備運動もよし]
ふあー、よう寝た。
しっかしまだ来てへんの。レディ待たすなんて何様やねん。
[また時間指定してないの忘れてます。学習n(省略されました]
なんか知らんが、俺に直接聞きたい事があるらしい。
……ま、察しはつくが。
[先日の神社のどたばたの時にも、その姿は見ていたわけで。
彼も関わりあるのは、それでわかっていたから、さらりと言って。
ともあれ、たどり着いた屋上の扉を押し開ける。
出迎える熱気と陽射しに、刹那、眩しそうに目を細める]
で、と。
おーい、佐々木ー。来たぞー。
[かける声はお気楽です]
……きーらいですよ、てね。
[ ぽつりと零した言葉は、
ふと思い出した過去の記憶に向けて。
シャッターを巻く音が、耳の奥に響いた。
よいせ、と意味なく声を上げ、腕をぐるりと回す。
水を見つめているのにも厭いたか、
90度身体の向きを変えて、熱された道路へと戻った。
さて、何処に行こうか――朧げに考えながら歩んでいくと、
前方になにやら、見慣れない物体。
いや、見慣れてはいるのだが、其処にあるのが見慣れないというか ]
なんで、亀。
[そのまま洗面所を出て、居間に顔を出すと、そこには父親が一人座っていた。
居間に入ってきたヒサタカにじろりとねめ上げた視線を送ると、手にしていた文庫本をテーブルの上に置いた]
「どこへ行っていた?」
[答えるつもりはない。無視してキッチンに入り、パックの牛乳を冷蔵庫から取り出すと、コップに注がずそのまま口をつけた]
ふうん。それなら一緒に聞いてた方が良さげかな。
[事態の確認のためにも。昨日大チョンボやりましたし]
慣れてんな。常習犯?
[リカもそうだとか知りません。ケラリと笑うのはいつか逃げ(隠れ)るのに使わせてもらおうと思ってたとかなんとか。
夏らしい強い陽射にスッと手を翳した]
「……答えないか。一体どうしたというんだ? お前は鵬谷の奇術師の伝統を継がなければならないというのに、その様では先祖代々、および関係各者に申し開きできないじゃないか」
……前にも言っただろう? 俺は手品師にはならない。本の制作に携わりながら暮らしたいと。
「できる訳ないだろう。お前には何も出来ない」
いい加減にしろ! 俺の将来に口を挟むな!
「挟むな? 無理な相談だ。私は親でお前は子供。子供を正しく導く権利と義務を持っているんだ」
その所為で、兄さんと母さんが死んだんだろう! 押し付けられた未来に疲労しきっていた兄さんが、心配していた母さんが、どんな思いでいたか……!
「そんなもの感謝に決まっているだろう。本来は苦労す
・・・・・・・・・・
るべき将来の道を決めてやったんだから」
[上から、思いも気に留めず、ただ押し付けられる決定事項。父親の態度は、天界のそれと似ていた。二つの出来事と感情が混ざり合い、ヒサタカは拳を振り上げ――]
「ダメ……! 叩いちゃ……ダメ!」
[ソレが後ろからヒサタカを抱きしめた]
「? 何だ、その拳は。それに今の声はなんだ?」
……アンタには関係ない。
[苦虫を噛み潰し、吐いて捨てるように言い切ると、大きく踵を鳴らして、ヒサタカは家を飛び出した]
んー! …っと、来たな。
[立ち上がって伸びをしてる背に声がかかり、振り向くのは笑顔。
キョウヤに成績訊かれた時より、五割り増しくらい爽やかです]
そーか来たか来たか。覚悟は出来てるやんな?
[言葉と共に大股で近づき、差し伸べる両手。
抱きつくにしてはやや高く、首に投げかけるには低く。
つまりは胸倉目指してるわけで、何するつもりかの予測は簡単]
こんの、あほんだらー!
タマキちゃん巻きこんでんちゃうわ、ボケー!
[蒼穹に吸い込まれていく声は、なかなかドスがきいてたかも]
[歩いてると暑苦しいフードを被った人物がこっちを、いや、亀を見つめている]
あー、我妻君。
何してんの?
[不審人物に見覚えあり。声をかけてみる]
おぁっ!
[逆光を背負うかのようにやってきたリカの声には殺気のようなものすら混じっていて。
後ろに下がれるスペースもないので、どうしようか迷い動きが止まった。それがミツクニの逃げる場所を更に減らしていただなんて知らないったら知らない]
[部屋を後にした彼女は、学校──その北側にあるプールへやってくる。
フェンスを乗り越え降り立ったのは、シンと静まり返ったプールサイド。
月光を反射し、キラキラと光を反射する水面はとても幻想的な光景。
だが、彼女はそんなことには気を払わず、水面に右手を翳す。
その中指には蛇と亀をあしらった指環。]
……汝は漆黒。汝は北。汝は冬。汝は哀。汝は耳。汝は髄骨。汝は智。
この場に溢れる水気よ。形となりて我が力と成れ。
[言霊とともに、右手に集まっていく水気。
そうして、実にプールにあった水全部を用いて形作られたのは、長さ50cmほどの黒い剣。その形状は、古代日本で作られていた平形銅剣、そして彼女の首に掛けられた十字架に似ていた。]
あ。
[ ユキタカ。という名が思い浮かんだのはさておいて。
ついでに先輩と呼ぶべきなのか、呼び捨てでいいのか悩んで、
結局何も呼ばないことに決めました ]
何って、散歩?
そっちこそ、何してんすか。
[思いっきり予測が出来るという事は。
対処するのも簡単なんですが。
取りあえずは掴まれといた。
避けるとうるさそうだしとか、理由はその程度]
……巻き込まれたも何も、あいつも最初から関係者だっつーの。
『天』の『護界操手』。『四瑞』が一、『応龍』だ。
[相も変わらず外は暑かった。
黒のジーンズがじりじりと日差しを吸収して、すぐに熱気に包まれる。だが、そんな事よりも父親とのやり取りが心を支配していた]
……くそ! くそ!
[思い出すだけで腹が立つ。
五つ年上の兄は、消防士を目指していた。小さい頃に友人宅が火事に巻き込まれたのを見て、それを解決した消防士が英雄に見えたと笑って話してくれたのを覚えている。しかし、父親は其れを許さず、厳しい手品の修行に明け暮れ、現実と夢のギャップに疲れていた兄は、母親も同乗していた車で交通事故を起こし亡くなった。
それから父親とはいつもケンカしかしていない。父親が兄を認めていれば問題にならなかったと思っている。少なくとも押し付けるのではなく、話し合いを持ち、納得できればまだマシだったと。
それが、たとえ世界が壊れようとも、一方的な天界に嫌悪感を抱く原因だった。
天界のやり口が父親と重なり、感情面でも理性面でも反発してしまう。
...は隣についてきているソレの頭を撫でた]
……少なくても、俺は親父のような判断は絶対にしない。
[だからこそ、サキとの話し合いはせめて意見違いをしようとも、相容れないと納得できるまで話そうと思っていた。
と――]
……そういえば、マリーにお前を紹介してないな。
[キョウヤの言葉から、紹介しておこうと思っていたので、サキとの話し合いの前にマリーに会おうと思った。
携帯を取り出すと、メールで神社近くの喫茶店に来るように連絡した]
……ペット?
[ 四端の一、という話は聞いていたので、
無論、使い魔という可能性も思い浮かびはしたが。
口から出たのは、そんな言葉。
ぢーと見詰め合うこと、暫し。
しゃがんで、指先で、甲羅、つん。]
だから。
そーゆー重要なことは早くに教えてクレと。
[昨日も言われたように、その前にキレたのは自分だったりもするのですが。二人から距離を取るように、ジリジリと後ろに下がる]
『天』は全員事前覚醒済み、かあ。
そりゃ落ち着いてもいたわけだよ。
うん、まぁ。
[若干歯切れが悪いが似たようなもんだし]
陸亀だから散歩させても大丈夫かなー、と思ってね。
踏まれないようにしなきゃならないけど。
[何せサイズが掌に乗るくらい。亀は悠悟を見詰め合っていたが、甲羅を突付かれて少し後退る。警戒気味]
[がし、と音がしそうな勢いで掴み、シェイクスタート☆
逃げてたら階段から蹴落としたかもしれません。後ろ知らんと]
したら、さっさと話とかんかいっ!
うちかて少しは色々考える余地出来たってのに!
つーか今更、さらーとした顔でゆうて許されるかっ!
未必の故意っつー言葉もあんねんぞ!
――って、んなコトよりタマキちゃんに会わせんかい!!!
[叫びながらリズミカルにがっくんがっくん(えんどれす)]
[啓子に答えようとしたら、がっくんすーたとしました。
三回くらいはお付き合い。
とはいえ]
……落ち着かんかいっ!
こんな状態で喋れるかあああああっ!
[怒鳴り声、同時、発するのは、『音』。
大気がぴきぃーーーーーーーーーーーーーん、とか、震えました、はい]
へー。
こんなときに。
[ こんなときに散歩していたのは、お互い様だが。
下がった亀を見て、にやーり。
どっから見ても性質の悪いガキです、ありがとうございました ]
そーいや、昨日は大変だったそうで。
んー、こんな時だからこそ?
少しはのんびりしたいじゃん。
[本音らしくけらりと笑う]
まぁ、ね。
誰かから聞いた?
あんた、神社には居なかったよね。
[しゃがんでいる悠悟を見下ろす形で問い掛け。亀は悠悟の笑みを見ると突付いた指に、かぷっ、と甘噛み]
あ。
まー、そりゃ同意だけどー。
[ サキの笑みを見上げる。
その所為で、亀から意識は外れたわけで ]
ああ、見てはない。
俺は、もう一つの方の現場にいたんで、
[ 誰から、というのを明示する前に、甘噛みされました。
……。一時停止。
ぶんぶかぶんぶん。噛まれたまま、手を振った ]
……あ、わりぃ。
[自分もくらくらしてたもんで、つい攻撃系の『音』を放っていたようです]
まあ、俺が今更こーゆー事をいうのもなんだが、落ち着け。
宝条先輩……応龍は、『隔離の陣』にいる。
怪我の手当ては、従姉殿がしてくれてるはずだし、問題はない。
[そうして翌日。
燦々と太陽光が照り注ぐ街中を歩く。
ちなみに格好は麦わら帽子に上キャミ下ハーフパンツ。胸元には十字のチョーカー。
剣? 今は右手の指輪の中ですが。質量なんてそんなもの剣の時点から無視されてますとも。
ともあれ今日も日差しは強く、昨日の彼女ならすでにへばっていただろうが]
うーん、快適快適。
[嗚呼、素晴らしきかなドライミスト効果。]
もう一つの。
なるほどね。
[あの場に居たなら連絡は行っていたはず、と勝手に納得]
……あんたはさぁ、今の状況を、どう思う?
[亀はぷらぷらと指からぶら下がっている。そのうちぽとりと落ちることだろう。それを眺めながら、唐突に悠悟に訊ねた]
[窺うように手を離しても、まだ鼓膜の奥に残ってる感じ。
非常に気持ち悪く思いながら首を竦めて、ようやく連れに気付く]
あれ、おケイはんやないの。
あんたもミックん〆にきたん?
あ、そうそう、もしかして昨夜の件ご迷惑掛けたかなー?
おばさんに電話してもらえたから裏工作無しで行けたんやけど。
[手紙破られてるとは知らないので、前提しまくりの感謝の言葉。
それからミツクニに向き直り、謝罪と説明に渋面になる]
…『隔離の陣』て。そんな酷いん?
怪我の手当てって…生徒会長? 医者やのうて大丈夫なん?
[そうして徘徊していると、メール受信。
……着メール音が「ガッ○ャマン」なのは気にしちゃいけない。]
…………はーい。
[メール文を読み、かしゃんと携帯を閉じると、ふらふらーと喫茶店へ歩いていった。]
−→学校−
[自転車を止めたのと、それほど変わらないタイミング。
屋上から響いてきた声に、鼓膜を揺らす火気を纏う微階の音。
思わずげんなりとする]
…あのアホども。
[呆れたようにぼやくと、階段を上がろうかと思ったのだが。
少し思案して、体育館に面して人目も窓もない外壁の前を選んで]
…朱雀って、鳥だよな、一応。
[何せデジタル赤ひよ子ですからね。
朱色の雀って書いてスザクですからね]
[けれど自分の背中に羽って言うのはそう簡単には想像できなくて。
でも、試しに。言葉が浮かんできたから、そのまま音にしてみる]
en chsee fwal fwal yor
exec drone:weekira
[左の腕を持ち上げるとは火の鳥の両足。
鳥は大きく羽ばたいたと思えば、まるで何かの反動を利用したかのようにその身は上空へと一度に舞い上がる。
あまりに鳥のほうが大きすぎて、屋上メンツが最初に目にするのは本人ではなく、まずは鳥。
それが灰になるように消えて、とん、とデッキシューズが屋上を踏む音は軽く]
−→屋上−
酷いというか……。
あのな、こんな騒動で受けた怪我、医者になんて説明すればいいんだよ?
[はあ、とため息一つ。
続いた問いには]
ああ、大丈夫だ。
従姉殿は、『麒麟』。
木々の癒しの息吹を、『音』と成す力を持つ。
後は、力の均衡を取り戻しゃ、なんて事ない。
……しつこい奴め。
[ もう片手で、カメラでつんつん、小突く。
甲羅の中に指突っ込んでやろうか、なんて。
思わなくもなかったが、未実行 ]
今の状況?
そうだなぁ、馬鹿馬鹿しい?
[ サキを見もせずに、あっさりと言った ]
シメるのは仕方ないから一時中断中。
[サラリと言う言葉はどこか冗談交じりで]
昨夜の件?
や、リカちゃんの部屋とかウチらの部屋は後回しにしてもらってたし。連絡もあったから何事もなくって聞いたけどな。
[答えながらミツクニを一緒になって心配そうに見た。
怪我させた張本人としてもそこは気になったりするわけで]
[亀、更に警戒。苛めるから敵と判断したかもしれない]
馬鹿馬鹿しい、か。
何に対してそう思う?
[更なる問い掛け。それはどこか探るようでもあったか]
…あー、そやったっけ、うん。
[確かに、とかちょっと思ったり。
怪我の程度はともかく、弓道部幽霊部員に理由付けは難しいと頷く]
そか、したら任せた方が安心やね。
うちは…出来んコトもないやろけど、『麒麟』には敵わんやろ
[し――と続く筈の言葉は切れ、思わず口開けたまま静止。
灰のように消えた火気に、気が上昇するのを感じながら瞬く]
からんからんからーん。
[喫茶店のドアを開けると、店の中をきょろきょろ。ヒサタカを見つけると、席まで歩いていき]
やっほー、ヒサタカ。何か用事?
[後ろから抱き付き。ふよん。
ちなみにドライミスト継続中。ひんやり。]
そか、それなら良かった。
[軽く腕を擦りながら小さく呟いて。現れた鳥に眼をパチクリ。
トンという音を聞き取って初めてヒビキの存在に気付く]
離したら苛めんわい。
[ 心でも読んだんですか。
警戒する様子に言って、小突くのを止める ]
亀って何食うんだっけか。
[ 首傾げつつ、やはり、サキの方は見ない侭 ]
結局、昨日のって両方、同士討ちなんだろ。
闇雲に戦わせて、その結果が“あれ”だなんて、
馬鹿馬鹿しいとしか言いようがない。
情報がないからって、疑心暗鬼の種を作ってるだけじゃん?
[ まあ、此方としては、ある意味楽だし楽しいわけですが。
――なんて、最後の台詞は言いはしなかったけれど ]
とはいえ、しばらくは『陣』の内からは出られんかな。
ゆっくり休ませんと、色々とまずい。
[言いつつ、視線は、唐突に現れて消えた鳥と、響へと]
……また随分と、ハデなご登場の仕方ですな、先輩。
[喫茶店の一番奥の席で、彼はマリーを待っていた。そしてその隣には、真っ白い長い髪の前髪を切り揃えた、所謂ゴスロリ風の服をきた十歳程のかわいらしい女の子が、注文したグレープフルーツジュースをストローで飲んでいた。
普通この年であれば、グレープフルーツはまだ苦味が強いのだが、女の子は気に入ったのか、コクコクと何度も頷きながら飲んでいた。
そこに、マリーの声が聞こえて、女の子を見ていた視線を入り口にやりながら、手をあげた]
……ああ、マリーこっちだ。
−→屋上−
[屋上に降りて、まずは自分に融合した力の使い方を一つ覚えたように左の手をわきわきと、握ったり開いたり。
それからようやく該当の人物を見つけて不機嫌そう。
眼鏡の姿を見つけ、若干視線がすわったかもしれない。
五十嵐については、先日の凶暴なイメージしかなかったが特に身構えるような様子もなく]
…どーも。
[若干、ドスの利いた声でごあいさつ]
あ、ヒビキんやん。昨夜はごっそさんでしたー。
[朱雀なんは知ってたので手を振り、ミツクニの言葉に眉を落とす]
ん、わかった。
しっかし陣の中やったら会われへん…やんね。
はよ元気になってくれたらえんねんけどな。
[呟いて、多分ヒビキの用事も彼にだろうとミツクニから離れ後ろへ。
ケイコの隣へ行き、邪魔にならないよう話をする]
ん、迷惑掛けたんやないとええねんけど。
やけどな、まだヒサタんボコれてないんよ。妖魔ってのはほぼ確実や思うんけどな。
ちと離れてた方がよさそだね。
[リカと一緒に日影の場所へ。だって火属性二人とか暑さ倍増]
迷惑とか、そんなんは。
って、そか。手紙の主語は鵬谷か。
となるとマリィが荒れそ……え。
ちょっと待ってリカちゃん。
まさかあの手紙、私の部屋に差し込んでた、とか?
ああ、まあな。
一応、俺は出入りできるから。
伝言あるなら、伝えとくぞ。
[後ろに下がる璃佳には、こう声をかけて。
そういや、あっちはどうなってんだ、とか、意識の接触を広げておく]
[さっき何もしなくても突付いたじゃん、と言いたげな亀。けど喋れません]
…陸亀ならフルーツとかかな。
[律儀に答えながら相手の返答を聞く]
…闇雲ってわけでもなかったんだけどね、一部は。
ただ接触方法を間違えただけで。
確かに同士討ちは馬鹿馬鹿しかった。
そのために集めたんじゃないってのに。
[漏れるのは溜息。こちらも情報が足りなかったためにその状況になってしまったとも言えるが]
あんたの言い分は悔しいが正しいよ。
で、だ。
それだけ分かってながらあんたは無関心装ってる感じがしてるんだけど。
巻き込まれてるはずなのに、関わる気は全く無し?
[じー、と首傾げつつゴスロリ幼zy……少女を見ていたが]
Merci.
[にっこりと、満面の笑顔。浮気だとか隠し子とか疑うわけがない。]
[佐々木の礼には、ため息ののちに軽く手を挙げて応じるのみ。
むしろこっちのほうがある意味申し訳ない気がして。
特に姉どもの所業が。
それから、視線をご老公に合わせて]
…さっきの電話の通り。
直接、話を聞いたほうが早かろうと思ってな。
[微かに首をひねり、それから]
…お前、何のつもりでこの騒ぎを起こした?
[離れる五十嵐を横目に見ながら、視線をご老公に戻す]
何のつもり、と問われますか。
なら、俺に返せるのは、成すべき事を成すため、の一言のみ。
[問いに対する答えは、簡潔な一言]
状況の切迫と情報の少なさから、無意味にややこしくなったのは申し訳ない、とは思ってますが。
うん、離れとかんと暴走しそうや。
[こちらは『土』の気脈の上に『火』が二人。ニトロ効き過ぎ危険。
離れつつケイコの様子を不思議そうに見る。まだ気付いてません]
え、そやけど。手紙、見たんよね?
[ それはほら、挨拶代わりです。
まあ、聞こえないから知らないんだけど ]
流石にフルーツは持ち合わせてないなー。
[ 地面近くまで手を下ろして亀を離させようとしつつ、
ようやっと、視線をサキへと向けた。
フードの奥の眼に宿る色は、杳として知れないが ]
わかってるから、一歩引いてんの。
様子見した方が、相手の正体もわかるってもんだろ。
下手に突っ込んで巻き込まれて痛い目見るのはごめんだ。
誰が味方で誰が敵か、わかんねえってのに。
もし目の前で同士討ちがあっても、
判断する知識も止める力もあるとは思えないし?
[ 亀が降り立ったところで、立ち上がり、肩を竦めた ]
……ま。方法として、性格悪いのはわかっちゃいるけど。
[ヒビキ別に怒ってないようなので、またよろしくーとかゴハンの意味だけで笑顔向けとく。何が付随するかは綺麗に忘れて]
…したら、早く元気になってゆーといて。
タマキちゃんのゴハン食べれんと元気でんよーて。
[ある意味母の味というかイトコの味。
ミツクニに伝言願って、頭を下げとく。そしてさささと危険退避]
[ヒサタカの意識の危機など華麗に気付くことなく、ゴス子の頭をナデナデしていたが]
……それで、この子ダレ?
[やっと、そこんとこ聞いてみる。]
[何とかマリーを引き離し、とりあえず、自分の向かい側に座らせると、ちょうどジュースを飲み終えた女の子がマリーを見つめた。
右が黒で左が青のオッドアイ。その瞳にマリーがくるくる回るように映っていた]
……すまないな。呼び出して。ちょっと大事な……と、いうか、この子がいる時点で何の話か予想がつくだろうが……ん?
[フランス語の挨拶に、女の子がなんと返せばいいのかわからず、彼の袖を引いた]
……ああ、普通にこんにちは。で問題ない。
[そう言われて、女の子はテーブルに頭をぶつける寸前まで大きく頭を下げた]
「は、はじめ、まして……。妾は、金毛白面九尾狐と言います」
[そうあっさりと自分の正体を口にした]
…申し訳なさそうには見えないが。
[はー、と面倒そうなため息をひとつ。
逃亡する佐々木を横目に]
申し訳ないといいながら自分は高みの見物か?
随分と鳳凰様は腰が重くていらっしゃるようで。
[じい、と見かえす。
とりあえず、さっきから頭の中でひよ子が目の前の相手がとりあえず嫌いなのかピヨピヨうるさくてイライラしているのを確認しながら]
[どうみても一触即発な火の気たっぷり男達から階段に逃げ、ケイコに差し出された紙片に硬直]
ぅっわー、それであの笑顔やったんか!
したらまっずいなー。ヒサタんボコる前に確実に邪魔されそうや。
[引き攣った笑顔同士で、ケイコの手を握ろうとしてみる]
……おケイはん、手伝ってくれへん?
あんの男ども役に立ちそうにないし。
[バカップル探す目的ついでに、この場から逃げるつもりです]
…あ、そ。
存外慎重なんだな。
変なこと聞いて引き止めて悪かったね。
[探る気配を消し、にかっと笑む。亀が降ろされ、悠悟が立ち上がるのを見ながら]
それじゃアタシらは散歩続けるとするよ。
んじゃね。
[ひら、と手を振り悠悟の横を通り過ぎる。のたのたと亀もその横をすぎた頃、不意に振り返って]
そういや、あんたアタシが四瑞だってこと知ってたっけ?
……よく言われます。
[自覚あるなら治せ、との突っ込みはさておいて]
まあ、こちらとしても色々と。
動きたくても動けない事情がございまして。
[『封護の陣』の展開、『五神』の御魂の解放、『隔離の陣』の生成。
これだけやったら、心身底ついて、『麒麟』に強制休養厳命されたわけですが。
そんな事は、多分、向こうの知ったこっちゃないだろう、と思って言わんわけですよ、ええ]
あぁぁ、マリィは一度覚悟決めると、うん。
でもってヒサタカ命だから十中八九…。
[こちらはダブル火行に炙られて、まだ回復しきれてない力も削げそうとか。手を握られるのは避けずに]
分かった、私の失敗でもあるし、探すの手伝うよ。
というわけで、ここは退散しよか。
[建物の影伝いに、リカと二人階段へ逃げようと]
[ ちょっと、他所事に意識取られてましたよ。
ええ、思わず一時停止しかけるくらいに ]
……ん?
初日の雰囲気を聞いていたのと、
知った風なのが宝条そっくりなのと、
それから、――その亀と。
そりゃ、自ずと解るってもんでない?
隠すつもりあるなら、もっと慎重になんなさい。
[ けらり。
他者の事は言えるのか、どうなのか。
亀を指差しつつ、軽く笑った ]
[オーバーな土とダウンな金。
土生金でちょうど良くなったりしたかもしれません]
おっし、心強い見方げっとー!
ほなら早速行こか!
じゃ、うちら妖魔探し行ってくるんであんじょうなー!
[手を取り合って逃げ出しました]
鳳!もう一つの件はまた後でよろしくっ!
[手に手を取り合っての逃避行。そりゃもう脱兎の如く]
そうだ、気を散らせるかもしれなくて悪いけど。
[無事に逃げ出せたなら、手分けとかする前に伝えるだろう]
あのね。
…宝条先輩を勘違いしたの、私だったりもするんだな。
ごめんっ!
最初はあそこまでやるつもりじゃなかったんだけど!!
[黙ってるのは不公平だと思ったから、と続けて。
一発ぐらいは殴られるのも甘受する*つもりだ*]
ふ…。
[悠悟の返答に小さく笑いを漏らした]
知ってて、その態度か。
隠すつもりは無いよ。
隠していたのは…一番最初、壁に、結界に皆が閉じ込められたことが判明した時だけだ。
返答ありがとう、良く分かったよ。
[にこりと笑み、悠悟に背を向けた。そのまま亀を伴い歩いていく]
キンモーハクメン?
[んー、顎に指当て思案していたが]
キュービって「ナインテイルフォックス」のコトだよネ。
「傾国の悪女」。ああ、ナルホド。だから、天魔。
……へー、このゴスロリpetite filleがねー。
[そう言いつつ、頭ナデナデ。一部の伝承では九尾の狐も神獣として扱われるわけで、実はかなり罰当たり。]
どんな態度が、お好みでしたかね。
公にしていないから、合わせたつもりでしたが。
[ 隠すつもりがあるのか――
その問いが、彼自身に向けられたとしたら。
今、答えを口にすることは、無論なかったけれど。
笑みを口許に張り付けた侭、立ち去る背を見送り、
カメラ片手に逆方向へと歩みだす。
レンズの向こうに映る世界は、酷く空虚だ ]
なおす気は、ないわけだ。
[そういえばこいつ昔もこんなんだったけとか思ってるんですけど、それはひみつです。
役に立たないとか言う佐々木の発言に思いっきり睨んだかもしれないが]
……それなら、足元に火でもつけてやらなきゃ分からねえか。
[ぽつり、と小さく紡ぐ、微の音]
Wee guwo ga... fayra drone:1000
[音とともにじゅ、と確かに焼ける屋上の床]
なんやってー!
[あまりの爆弾発言に、まだ握った手に力が入りました]
あーあーあー、おケイはん…なんでまた。
や、痛い思いしたんはタマキちゃんやから、うちに謝らんといて。
やけどそんな悪い思ってるんやったら…はよ陣から出られるよう妖魔ボコるん手伝うて。な?
[ある意味逃げ道塞いで迫ったよーなもんですが。
まあ、相手が二人やったらこちらも二人は欲しいんで結果オーライ]
そう言う、ことか。
[納得したような口振りで小さく呟く。ようやく理解したは良いが、さてこれからどうしたものか]
…まずは、久鷹かなぁ。
どっちに転ぶか、物凄く賭けだけども。
[眉を顰め呟く。横で亀がのたのた歩きながらこちらを見上げていた]
[やって妖魔探しせんとお楽しみ中の男どものドコが役に立つと。
とかはとっくに逃げ出してたんで伝わってないでしょうが]
ぅわ、マジやば!
行くでおケイはん!
[床を溶かす火気に肌に鱗立つ感触。慌てて学校から逃げ出した]
俺が素直になったら、気持ち悪いと思いません?
[にい、と笑った。
啓子の言葉は聞こえていたが、返しはせず。
代わりに、紅鴛がぱささ、と羽ばたいてぴぃ、と鳴いたかも]
足元に火、ねぇ……生憎と。
[すう、と細まる瞳は鮮やかな真紅]
……熱いのは好みなんで、逆に動かなくなるかもしれませんねっ!
[楽しげな声と共に、とん、と軽く床を蹴る。
短く放たれる、『音』。
それは、五色の翼を呼び起こし、その身を宙へと]
[ヒサタカの突然の行動に「???」。でもキューちゃんの頭ナデナデは継続中。]
……それで、ヒサタカはこの子が守りたい、と。
何て言うか。うん、ヒサタカ凄いのに憑かれたネ。
[そう言って、苦笑い。キューちゃんが不安そうな顔をすれば、にっこりと笑い]
うん、わかった。ワタシもこの子守るヨ。
ヒサタカの信じた子だもん。絶対悪い子じゃないヨ。
[ちなみに、頭ナデナデはずっと継続されていた。]
……憑かれたというか……。実は、マリーの中の力で見てもらえばわかるが、この子は何の力もない。あるとしたら身を護るために使う幻術とその応用になる雷程度だ。
[そこで彼は唇を湿らせるために水を一口飲んだ]
……そして、今この子が望んでいるのは、昔のように権力者に取り入ったりするのではなく、静かにこの世の中でただ生きていたいだけなんだ。それを一方的に断罪する天界を、俺は許せなかった。だから昨日もサキに文句をいってしまったんだが……。
[九尾を撫でているマリーに申し訳なさそうに視線を送った。自分を信用してくれるのは嬉しいが、それでマリーを確実に危険にさらしてしまうことになったから]
……ごめんな。俺の所為で……。いざとなったら九尾を連れて逃げてくれればいいから……。
気持ち悪いなんてもんじゃないな。
[さらりと返す。
耳に響く鋭い微の音、不快と思えど火和火、問題などかけらもない。
床を焦がす炎を瞬時に消し、下から睨みあげる]
…馬鹿と煙は高いところが好き、と。
実証されたってところだな。
[いい加減出せ、と脳みそでぴーぴー騒ぐひよ子のほうが微の音よりもよっぽどダメージらしく]
―喫茶店前―
[通り過ぎ切ってしまう前に足が止まったのは、頭ナデナデの動きが視界に引っかかったからだったり]
ぅわ、おった!
しかも子供増えとるし!
[思わず窓に張り付きかけるも、腕を引っ張られストップ。
なんやら少女の白い毛が逆立って見えるのは気のせいではない]
あー…アレなんかな。うん。
とりあえず、人気のないトコがええねんけど…。
[窓越しに手招いて、アッチと空き地の方を指してジェスチャー]
でしょー?
だから、俺はこのままが一番って訳なんですよ、と。
[ふわり、中空に漂うよにしつつ。
睨み上げる視線にも、動じた様子はなく。
真紅は静かに響を見下ろす]
そ、馬鹿ですからね。
思いついた一辺倒の方法しか、とれないって訳ですよ。
[威張るとこじゃない]
……で。
どうすれば、気がすみますかね、先輩としては?
[やや離れた場所に降り立ちつつ、静かな口調で問いを投げ]
[九尾は、リカを発見したマリーの手をきゅっと握った。それは闘いに行っちゃ嫌だと懇願するようで、小さく首も振っていた]
……マリー、俺が牽制するから、九尾を連れて……。
[先ほど提案した事を口にした]
[リカのジェスチャーに意図を汲み取り頷く。
立ち上がろうとするが、きゅっと握られる手。見ると首を横に振るキューちゃんと、言外で逃げろというヒサタカ。だが彼女は首を振ると]
言ったデショ。ワタシはヒサタカとこの子を守りたい、て。
ダイジョウブ。すぐに戻ってくるから。
[ぎこちない笑みでそう言うと、手を振り払い外へ駆けていた。]
[ちなみに、飲んでたコーヒーの代金は置いていっていない。]
……なんでこうも、力押しのバカばっかり。
[天の帝とやらは人選をいろいろ間違えてるだろうと突っ込みたい]
…とりあえず、俺はお前の下につく気はない。
お前の望むとおりに動いてやるつもりもない。
気が済む、つーか、やることがひとつだけあるとしたら
[丹朱の瞳をすうと細めれば轟、と左の腕に絡んで巻き上がる蒼い炎。
それが手のひらのあたりにするりと蛇が下りるように螺旋を描いて降りてくる。
次の瞬間には、朱塗りの鞘持つ長刀]
ひよ子がうるさいから、とりあえずお前を地に落として黙らせる。
ちょ! まて、マリー!
「お客さん、お勘定」
え? あ、えっと、ちょ、九尾、マリーを追いかけて……。
「お勘定」
[と、言うわけで、九尾は飛び出したマリーの後を追って、一人で店の外に飛び出た]
「……?」
[しかし、もう見失ってしまった。そこはほら、生まれたての女の子ですから。しばしその場でうろうろと困り果てたところで、空を飛べば問題ないじゃないかと気付くや、雷の電子を組み替える力を使って、大気中に見えない足場を使うと、ポンポンとテンポ良く駆け上がり上空から探索を開始した]
[そうして、空き地に走り着くと、そこにはリカとケイコの姿。]
あー、ケイコ。ソノ様子じゃ、リカから聞いちゃった、か。
ごめんね、ケイコとは戦いたくなかったんだ。
[と、ケイコには優しい声を向けていたが]
……で、ヒサタカを狙うだけじゃなくて、ケイコまでワタシの敵にするつもり?
ヒサタカとあの子に害なすなら、容赦はしないヨ。
[リカに向けるのは底冷えのする言葉。その手にはいつの間にか剣。]
―空き地―
ちょいとごめんなー。造成したるから堪忍やで。
[そんなコト呟きながら、杭とロープで囲まれ放置されている一角に入り込む。羽織っていた綿シャツを脱ぎ、ケイコにパス]
ごめーん、持っててな。
たぶんマリりんのあの睨みようからしてうちに来ると思うねん。
[苦笑して、大きく伸びをする。
やがて追いかけてきたマリーの口にした内容と視線は案の定]
そんなん知らへんよ。
うちはうちなりに助けるつもりやねんから。
あんたら二人だけの世界やのうて、気脈の上の全体をな。
[剣を向けられる様子に、てっとり早いとこちらも剣を召喚する]
さあ、ね。
たまたま、そういうのが多かったんじゃないっすか?
[けらりと返した。
続く、『従う気はない』という響の言葉。
ふ、と掠めたのは、満足げな笑み]
……ご安心を、俺は従ってもらうつもりなんぞありませんので。
ついでに、『地』の『護界』をぶっ壊さない限り、勝手にしてもらってかまやしませんので。
[物言いは無茶だが、それは一つの真理。
『天』は『天』、『地』は『地』。
それぞれの『護界操手』は、天地それそのものと同じく、上下関係にあるわけではなく。
『地』の護り手は、『地』の護り手の思う形で界を護るものであるが故に]
……うっわ、それって物凄い言いがかりっすねー。
[けらけらと笑いつつ。手に呼び出すのは、五色の柄糸も鮮やかな、一振りの太刀]
こらこら。
下手に目立ったら後が洒落にならんでしょ!
[喫茶店の窓に貼りつきかけたリカを引っ張って、空き地を示す。すぐに理解してもらえたらしく、中に伝えるジェスチャーをするリカと二人、一足先に空き地へ。
まずやってきたのはマリー一人で]
[あれやこれやはありましたが、散歩継続で神社付近へと。亀、疲れてきたのかいつの間にか幸貴の肩の上へと]
こりゃマジで移動偵察は無理だな…。
こいつで吉兆占えとかそんな話?
[亀がぶんぶこ横に首を振った。ちょっと焦ってたかも。
そうこうしているうちに場所は神社傍の喫茶店へと近付く]
……あ。
[そこで見つけたのは空中に浮かぶ女の子だったとか。喫茶店前でうろたえる久鷹も見つけたり]
…キモ。
[けらけらと笑いだした様子がお気に召さなかったのかものすごく不快そうな顔をしてぼそりと呟く]
わけの分かんない単語ばっかゴタゴタ並べてんじゃねえ。
標準現代語で喋りやがれ…!
[変な所にある沸点は地味に上がり、それを示すように朱塗りの鞘は融けて刃を舐めるように伝う青白い焔へ]
言いがかりだろうが、何だろうが。
[本気でイライラしているのだろう。
ぐ、とわずかに膝が撓んだかと思えば]
そもそも、このやり方が気に入らねえんだよ──!
[白っぽい炎の片翼を背に飛翔。
加速、加速──ぐ、と鳳凰のその身に近づいたかと思えば横薙ぎの一閃]
マリィ。
戦いたくないのは私も一緒だけどね。
[珍しく歯切れ悪く。困った顔でマリーを見る。
と、リカからシャツを放られて、反射的にキャッチ]
って、リカちゃんもやる気満々だし。
…止まらんな、こりゃ。
[先に突っ走られてしまえば、後に残ったのは同じことするわけにもいかず]
鎮めとか、一番の苦手だっつーの。
神宮寺先輩辺り、気付いてこっちに来てくれないかな。
[何しろヒサタカは追いかけてくる可能性だって高くて。介入させないようにと警戒するために息を吸い込んだ。
救いの女神が既に一番の危険と接触してるとか知れずに]
[一と全で全をとる、優等生な答えにふーん、と呟くと]
そう。ならそうすれば。
……ワタシに勝てたらだケドッ!!
[そう言って、リカに向かって地を蹴る。
だが、射程外から剣を上段に振りかぶると]
ッセィッッ!!
[振り下ろし。本質が水の剣は遠心力で伸び、射程外からリカを叩き潰そうと襲い掛かる。]
……くそ! どっちへ行った……! 九尾! 上から見えるか?
[サキに気付かないまま、上空の九尾に問いかけるが、九尾は申し訳なさそうに首を振った。
その様子は、憑かれているのではなく、家族を探しているようで――]
気に入ってもらえなくて、結構!
[軽薄な笑いは瞬間、影を潜め。
引き締まる表情は、滅多に見せぬ『本気』のそれ。
手にした刀──天凰刀を抜き放ちつつ、後ろへと飛びずさり、横薙ぎの一閃を避け]
……さすが、速い。
[呟きと共に、距離を計る。
こちらの方が間合いは短い。
逆に言うならば、それは、彼我距離ではこちらが有利、という事。
深呼吸、一つ。羽ばたく五色の翼が大気を打ち]
……せいっ!
[距離を詰め、気合と共に繰り出されるのは、袈裟懸けの斬り下ろし]
もう平行線どころか、交点どっかで過ぎて離れっぱなしやもんな。
[マリーの呟きに、こちらも頷く。
互いに守りたいもんがあるのわかってて、自分のそれを犠牲に差し出せない以上、ぶつかるんは自明の理]
わあってる!
うちかて負けられへんからなっ!
[振りかぶる動きを睨むように目で追う。
と、延びた剣が間合い予測を外し一気に迫った]
ちっ!
[後ろに地を蹴り浮遊で逃れる。そしてそのままマリーより上へ。
陸上部で鍛えられた足も、二階程度までは届かないであろうと、浮く力を消して今後は逆に此方が上から振り下ろす]
[サキの声に、ぴくりと肩が反応した。思わず反射的に九尾を隠そうとするが、話し合いをしたいという彼女にはしっかりと現状を伝えるつもりだったので、九尾を離すのではなく、自分の隣へと呼んだ]
……マリーが……一人でリカとケイコと闘いに……。幾らマリーでも二対一では分が悪いから加勢に……!
[と、そこでサキはケイコやリカの側だった事を再度自覚して]
――そうだ。サキには三人がどこにいるかわからないか?
[避けられ、ばしゃーんと着弾点に水溜まり。
頭上のリカを睨み、チッと舌打ちをするが、浮遊を解いて上空から振り下ろしをしてくるのを見て]
やぁ!!
[振り下ろしに合わせ、薙ぎ払う様に剣を振るい、水圧で軌跡をずらす。
そして着地したところを狙った、横薙ぎの一撃。]
気に入るつもりもねえよ、はなから。
[口が普段より二割り増しくらいテキトーになっているのはご愛敬。
横薙ぎは交わされることを想定していたのだろう、そのことに呆然とするつもりはなかったし、初動の次には構えねばこちらが危ういと気配を以て理解している。
元後輩の力量ぐらいは理解しているつもり]
boh fayra/hymmne:ruinie!
[袈裟斬りを下から切り上げて競り合いに持ち込むには若干もてあまし気味の間合い、炎の片羽の温度を急速に下げて自然落下すると同時、右の何もない掌、軽く持ち上げたかと思えば上昇しながら連鎖爆発する炎撃。
相和の相手ゆえにダメージよりも目くらまし程度の期待しかしていないが]
[少女が久鷹の隣に来ても、何か言うでもなく。先に久鷹がうろたえている原因を聞く]
マリーが、璃佳と啓子と…?
[面と向かって久鷹と対立しかけていた自分を敵視するならまだしも、何故あの二人なのか。しばし考えているうちに更に問われて]
場所、か…。
同じ土属性である璃佳のものなら辿れるかも知れないが。
ここから移動したと言うなら、そんなに遠くもないだろうし。
行ったとしても、止められる可能性は低いと思うぞ。
マリーはお前のために戦うと覚悟している。
お前の制止があっても、止まることはあるまいて。
でしょうねっと!
[敬語が微妙に崩れきらないのに、理由はあるのかないのか。
唐突な自然落下に勢いを殺しきれず、刹那、態勢が崩れる。
そこに叩き込まれる炎撃。焔の感触は心地よくもあるが、視界は阻まれ]
……ちっ!
[舌打ち一つ。
直後に響くは澄んだ『音』。
焔にて焔を打ち消し、その間に大きく大気を捉えて再度、距離を開ける]
……比和ってのが、色々と面倒だよなぁ……。
[黄龍の浮かぶ刀身は振り下ろすと同時に剣で、いや、水圧に薙ぎ払われる。
払われた勢いのまま流され着地すれば、飛び散る水の泥濘に足を取られた。バランスを崩した所に迫る横薙ぎ一閃]
くぅっ!
さすが『水』の玄武やな。
[剣で受けるも、飛び散る水までは防げず。肩や腕に浅く傷を作る]
やけど、土剋水や!
[切り結んだまま一歩踏み出し、袈裟懸けに切る様に払う。
踏み出した足元から土が蠢き、散る水溜りを吸い込み始めた]
[きゅ、と、まるでそこに床があるかのように宙にとどまる。
炎の羽というものは意外と使い勝手がいいものだと内心思いながら、左の手にぶらりとぶら下がるような長刀を構えなおす。
長さゆえの理由もあるが、構えは下段───水の位]
…やれ、音っつうのは思ったよりも厄介だな。
[熱よりも確実に音のほうが早い。
光という点であればまた熱も早いのかもしれないが。
しゅるしゅる、と音を伴って刃を蒼く染める炎の勢いはとどまる気配はなく。
頭の中のひよ子、もとい朱雀はもっとやれとばかりにピーピーうるさいし。
顔は相変わらず不機嫌そうに歪む]
命金行鎮心。
[静かな声は戦う二人の音に紛れ風に紛れた。
だが自身を目標とした術はゆっくりと浸透して。
介入したい、と逸る心を抑え静めてゆく]
天地神明――。
[そちらの力は封じてもらってあるから、正確には発動しないのだけれども。流れるのは安定を、安寧を願い求める哭(ね)]
必死で発声練習しましたんで。
[言いつつ、ふ、と笑みを掠めさせる。
『五音』を声となす『鳳凰』の力。
それを、人の身でも使いこなすために鍛錬積んだのは幼少期の思い出、だが]
…………。
[下段に構えられる、刃、それが纏う蒼の炎を見やる]
……純粋火力勝負……ってとこですか。
[呟きつつ、天凰刀に意識を凝らす。
ゆら、と揺らめき立つのは銀にも近い、白の焔]
お褒めの言葉、アリガト。
でも、さっさとアッチで大人しくしてきてね。
[横薙ぎの一撃は剣で受け止められる。なお、水圧である程度なら硬さは持たせられるわけで。
飛び散る水がリカの肌を浅く切り裂いていくが、踏み込みと共にリカの袈裟懸けの切り払い。]
でも、水侮土デショ?
[大きく飛び退いてそれを避けると、不敵な笑みを浮かべる。同時]
ざばぁぁっ!!
[剣から周囲を水浸しにするほどの水が流出。
なんせ水気はプール一杯分蓄えられているわけだから]
[止められない。その言葉は良く分かっていた。何せマリーの恋人をしているのだ。ちょっとした仕草で彼女の全てを理解する自信がある]
……違う。止められないんじゃない。『止める』んだ。
[それもまたマリーと同じ決意だ]
[久鷹のはっきりとした決意に小さく息を吐いた]
…オーケイ。
行った先でどうなってようが文句言うんじゃ無いよ。
この辺で暴れられそうな場所と言えば…。
[近辺の地理を思い出し、場所を割り出そうとしていると。肩に乗せた亀がぴくりとある方向を注視した]
……そっちか?
久鷹、着いて来い。
[何やら感じ取っているらしい亀が向く方向へと移動を開始する]
アッチってどこやねん!
[一瞬、死後の世界とか思って口が出ました。
大きく飛び退く様を追撃しようと前に出かけ、不敵な笑みに躊躇う―――その瞬間]
うっわぁー!
[一気に水が溢れ出し、土で覆われた空き地は水を湛える池になる]
どんだけ水入っとんねん、ソレ!
ってか、おケイはん逃げといてやー!
[ふよふよと浮遊で上に逃げ、どうしたもんかと唸るも迷いは一瞬。
剣を下に構え、一気に浮遊を解いて降下する。地に刺さる黄金色]
濁してまえ!
[水を泥へと、土の支配へと変えていく]
[サキの背中に、小さく頷くと、九尾とともに移動し始めた。
その時、九尾は久鷹の手を握らずに、サキの袖を掴んだ]
「…………」
[そしてただ無言で見上げた]
あ、そ。
[欠片も興味がなさそうな表情でテキトーな返事。
轟、と蒼炎が勢いを増すのは比和による相乗化の力か。
すー、と小さく息を吸い込んで体内に酸素を循環させる。
一度、二度、三度]
…burle fayra nha tictim::hymme/ammue
[小さな言葉によって炎は増幅し。
くん、と、膝が軽く撓む。
それは反動の力を得、炎の羽は熱量をあげて最初よりも白みがかかりさらに加速、上昇。
後輩よりも高度を増し]
墜ちろ───!
[頭上からの加速効果を伴い、長刀の刃は振り下ろされる]
(こらぁっ、マリィー!)
[唱の最中では怒鳴ることも出来ず、それは心の中だけで]
(私は飛べないーっ!)
[後輩の言葉にも泣きそうになりながら、近くの塀によじ登り。
それでも止めずに必死に哭を紡いだ。無理な使い方に、喉奥に鉄味が漂い始めて、本気で泣きたくなった]
どんだけ、って……プール一杯分。
[サラリと問題発言をしつつ、浮遊しさらに水溜まりに剣を突き立て、自分の領域へ変えようとするリカに]
そんなこと……黙ってさせると思う?
[こちらも剣先を水溜まりに突き刺すと、リカの周りの水溜まりが水柱を上げ、上から押しつぶさんと降り注ぐ。]
[袖を引かれ一瞬驚いたような表情に。視線を向ければ見上げてくる少女の姿。どう対応したものかと逡巡した後、いつも門下の子供達にしてやるように、ぽんと頭を撫でてやる]
………。
[何を言えば良いのかそれすらも分からず、ただ少女の頭に手を置いて。そのまま袖を掴んだ少女を誘導するように手を引き歩いて行く]
[亀は風に乗り流れる唱に反応しているようで。マリー達が居る空き地へと近付くと、自分達の耳にもそれが聞こえるようになってくる]
この先らしい。
この唱は……啓子、か?
……っ!?
[高まる火の気、舞い上がる炎の翼]
(──やべっ、火が強くなりすぎるっ……!)
[とっさに思ったのは、それ。
抑えるべき水は、四瑞の内にはない、と。そんな思考が、迷いを呼んだか]
……ちっ!
[気づけば、刃はすぐ傍に。
とっさに刀を翳し、受けようと試みるも相手は長刀、完全に止めるには至らず。
肩に食い込む感触に、刹那、息が、詰まる。
辛うじて止めた部分のお陰で、さほどの深手ではないようだが]
……堕ちる……わけにゃ……。
俺が堕ちたら……泣かせちまうっ……!
[とっさに口をついた一言は、何を意味するやら。
続けて放つ、『音』。
痛みを堪えて放ったそれは、波動となって周囲に響き。
直後、腕に力を込め、食い込む刃を全力で跳ね上げつつ、大きく距離を取る]
……ってぇ……あー、これ、これ以上続けるの、無理。
[直後に零れたのは、先ほどと変わらぬ、軽い声]
[正直、背筋が凍った。あの場所ではサキが何かした場合に、九尾は確実に命を奪われてしまうから。
だが、心配とは裏腹に、亀も何も行わず、彼女は九尾の頭を撫でて手を引いた]
(……そうやって触れ合わなければ、何が間違いかわからない。そうじゃないか?)
[話し合いをするつもりだったが、少なくともサキは本質をしっかりと見てくれたと思った]
〈やってらんねーな〉
……!?
[ドクン!
それは本当に唐突だった。胸の中心に何かが言葉を口にしたと思いきや、心臓が不整脈を打った。たった一度ではあったが、それは彼の額から脂汗を滲ませ、歩みを惑わせるのに十分だった。どんどん二人の背中が離れていく中で、彼は道端に蹲った]
ぅわ、塩素くさっ!
[言われて気付きました、今更に。
黄金の剣は刺さった場所を中心に土泥にごり水となり、より遠くまで土にしようと効果を広げていく。
だが、まだ支配の及ばぬ水がマリーの剣により水柱となり、水圧を持って降り注ぐ]
ぐぅ…がぼっ!
[剣を抜くコトは出来ず、咄嗟に片手の平を天に突き上げて。
揺らめくよに纏いつく黄金の光で弾こうとするも、全ては敵わず、飲み込んで咽る]
ぅ…マジで胃ー酷使しすぎや!
どいつもこいつも!コンチクショウ!
[黄金色を纏ったままの手を剣の柄頭へと叩きつけ叫ぶ。
土の支配を受けた場所から、土の杭が数本マリーへ向け突き出す]
[土気と水気のぶつかる波動。ここまで来ると嫌と言うほどに感じられる]
盛大にやってやがるな。
こりゃまた怪我人出て終わる、か。
[大きな溜息。木の属が『隔離の陣』に居るために、『地の護界』のバランスは今沙耶香が補っている状態で。これでどちらかが倒れたら、また補う必要が出てくる]
どっちがこけても困るんだけどなぁ。
[土の璃佳が倒れたら己がその補いをしなければならず、水のマリーが倒れたら四瑞には補えるものが居ないと言う事態。実際、マリーに離反されたのかかなり痛かったりする]
久鷹、あそこだ。
あの空き地に──。
[前方を指差しながら振り返る。直ぐ後ろに居ると思った久鷹が居ない。遠く、離れた場所で蹲っているのが見えたか]
おい、久鷹?
[ボウっとする。耳に言葉が飛び込んできているが、それが何を意味しているのか頭で理解できない。
何とか顔を上げると、遠くでサキがこちらを向き、九尾が顔面を蒼白にしている様子が伺えたが、今は何も考えられなかった]
ああ、すまない。サキ。大丈夫だ。ちょっと暑さに参っただけだ。
[その筈なのに――。
彼の体は勝手に立ち上がった。そして額を拭うと困った
・・・・
ような笑顔でサキに愛想笑いを浮かべた]
[小朱雀の切っ先が肩に食い込むのを確かな手ごたえとともに確認する。
響く音は水を喚ぶ羽の音だったか、彼の跳ね返す力に逆らわずそのまま距離を置いて、無言]
……。
[鋒両刃造の刀身はあくまで突撃に重きを置き、斬撃にそれほど特化した造りではないが故にそれは受け止められて食い込んだとしてもそれほどの傷にならないとはいえ、流血しているのは確か。
無言のまま小朱雀を軽く振りおろせば、焼け焦げた床の上に、ぴ、と滲む赤錆びた匂いの血が飛沫のように]
…あ、そ。
[返した返事は短く、小朱雀も小朱雀で気が済んだのかするりと灰になって空間に消える。
比和による治療がが可能なら治してやることも吝かではないがあいにくと、それは朱雀が臍を曲げそうだったし、そもそも下手をすれば薬を通り越して毒にもなりかねない、というわけで諦めモード]
[久鷹が見せた愛想笑い。こいつはこんな笑い方をしただろうか? 少女も久鷹を見て顔を青くしている]
……お前、”誰”だ。
[本能的なものが察知した。何かが、違う。無意識に少女を庇うような位置に立ち、厳しめな表情で久鷹を注視した]
……面白みなくて、すいませんねぇ?
[短い言葉に、返したのは空元気。
天凰刀を軽く振り、どこかへ消す。
ほんの一瞬、身体が揺らぐが、それは押し止め]
ってぇ……あー、こりゃ、従姉殿に殺されるな……。
[ま、仕方ねぇけど、と呟きつつ、改めて響を見る]
んじゃまあ、俺はここらで失礼しますよ、と。
さすがに、校舎に血痕残すわけにも行きませんしねぇ……。
[口調だけは軽く言いつつ、ばさり、羽ばたく。
火気が揺らめき、その姿はふい、と消え失せ。
一歩遅れて、対決を見守っていた紅鴛もふわり、*姿を消した*]
誰だ、なんて侵害だ。俺は"俺"だ。イキナリ変な事を口走らないでくれ。
……まさかそうやって俺を悪人に仕立て上げて、九尾を殺す算段か? それはさすが天界の『犬』様だ。卑怯な手段もお手の物っていうのですかね?
[明らかに口調も変化した。浮かべた愛想笑いは次第に三日月のように不自然に歪み、まるでサキを警戒していないかの如く、軽やかに歩を進める。
そしてそのまま二人の横をすり抜けると、戦っている三人を手傘を作って観戦し始めた]
なるほど。この調子だとマリーが勝つな。これなら俺が
・・・・・・
護らなくても十分か。
[降り注ぐ水のすべてを受けきれず、一部(と言っても馬鹿にはできない量か)を被り打撃ダメージを受けるリカをにやりと見ていたが、土の杭が飛び出してくるのを後ろに飛びつつ剣の薙ぎ払いで無効化しつつ]
……まどろっこしいコトは止めようか。
必殺技、見せてあげるヨ。
[そう言うと、腰だめに剣を構え]
……やぁぁぁぁっ!!
[水面を掬い上げる様に振り上げ。それと同時に正面、両サイド、頭上の四方から4匹の水の蛇がリカに殺到する。]
……別に。
[面白いうんぬんで戦っていたわけではないのだから、そう言われるのも変な気がして。
軽く首をかしげるも、軽く体をかしがせる様子に呆れたように肩を竦めた。
揺らめく火の気配、消える姿、消える鳥。
まだまだ青い空を見上げて、やれやれとため息を*ついた*]
……まったく、どいつもこいつも。
[九尾、この子の名か。と心中で呟き。並べ立てられる久鷹の言葉に眉を顰める]
(違う、この雰囲気、喋り方。久鷹じゃない…!)
[警戒し、こちらへと歩いて来る久鷹に身構える。しかし相手は何もせず横を過ぎ、空き地の様子を窺っている。そして聞く、先程の久鷹ならば絶対に言わないであろう言葉]
護らなくても…?
何があっても護ると、そう思う相手じゃ無かったのか!?
[牽制が主とはいえ、鮮やかに薙ぎ払い後ろへ飛ぶ姿に舌打ち。
ほぼ土に戻った地に立ち、剣を構える。
いまだ水である面に立つマリーが「必殺技」と口にするのを聞き、膝を柔らかく曲げてどう来るんかと睨みつけた。
気合と共に放たれる水の蛇達。全て同時に交わすのは無理と正面のみへ。大きく開いた顎の動きを見切り、すり抜けようと走る]
はっ!
[柔らかな両刃の剣。しなる刃を文字通り突き"放つ"]
……う?
[マリーが必殺技を使い、サキが彼に対して警戒を強めた瞬間、彼の意識が正確に体を認識した]
……確か変に動悸が早くなって……それで?
[その後は思い出せない。ただ、体の内側から何か触れてはいけない声が聞こえたような気がした。しかしソレを確認するよりも、目の前で起きた出来事に、心は一瞬にして奪われた]
マ、マリィィィィィィィィ!
[技が打ち出されて少しのため、彼にはどちらが撃ったのかわからない。ただ、あんな技が当たれば防御しようとも重症になるのではないか? という恐怖心により、
・・・・・・・・
サキが知っているのと同じマリーを純粋に護ろうとしていた彼の叫びが響いた]
久鷹?
[不意に雰囲気が変わる。己に隠れていた少女──九尾もその様子に僅か安堵の色を戻すのだろうか。
響く叫び声。それは普段の久鷹そのものでもあり。少しばかりの安堵の直ぐ後に戦況を確認することとなる]
…止めるには、間に合わなかった、かな。
(にしても、あの久鷹の変貌振り。
この子──九尾も何か恐れるような雰囲気だった。
久鷹に憑いてるのは、この子じゃないのか…?)
[技は放たれてしまった後。止めるにはもう遅い。それに、今はマリー達の戦いより、久鷹の変貌振りの方が気になった。]
[動体視力を頼みに、紙一重を狙い放った一撃。だけど水の柔軟な動きには敵わなくて。
かわし過ぎた正面からの水蛇、その腹が曲がり進路を食い止める]
くっ!
[後もう少し、と言う所で剣先は届かず、僅かにその豊かな胸元を掠めるように過ぎただけ。
急ぎ後ろに引くも斜め後ろから迫る両側の蛇、そして上からの大きな顎は浮遊で逃げるコトすら許さずに]
――――……!!!
[声は水に飲み込まれ、くぐもるように響き。
やがて水の蛇が引いた後、口から水零し気を失った姿が*残った*]
[その場にいたメンバーには、ちゃんとマリーが勝利し、リカが負けるという真実が見えていただろう。
・・・・・
久鷹以外は
見えたのは、リカの放った水の蛇によって飲み込まれ、地面の上にくたりと倒れているマリーの姿]
……え?
[久鷹の膝が崩れた。
目の前に起きた現実が信じられない]
<なら信じなければいい>
[駆け寄りたいが、足がまるで石になったように動かない]
<これが天界のやり方だよ。二対一でマリー一人を徹底的に甚振ったんだ>
[マリーが動かない。そう。動かないんだ。動かない。うごかないウゴカナイ動かないうごかないうごかないウゴカない動カナイウゴカナ――]
ああああああああアアアアアアアァァァァァァァァァァァ!
[激しい絶叫が久鷹ののどから迸った。
其れは全てに絶望し、悲嘆し、悲しみに塗れた叫び。永
・・
遠に続くかと思われた叫びは、ソレによって唐突に打ち切られた]
まさか勝つとは思わなかったからな。たっく、態々コイツの視野全てに幻見せなくちゃなんねぇなんざ、面倒くせぇ手間取らせやがって。
[ソレは立ち上がると、髪をオールバックに寝かしつけて、九尾よりも邪悪に笑った]
マリー、手前は役立たず、だぜ。
[倒れた璃佳に近付こうと歩を進めた時だった。マリーが勝ったはずなのに悲痛な叫びを発する久鷹]
…おい、久鷹!?
[どうした、と声をかけようとして、言葉が切れる。先程の気配が、再び現れた]
…っ!
貴様、やはり久鷹じゃねぇな!!
[邪悪な笑みを浮かべる相手に叫び、一度九尾を小脇に抱えて、久鷹の横からマリーや啓子、倒れる璃佳を庇う位置へと滑り込む]
[殺到する蛇をかわし、こちらへ迫ってくるリカ。それに一瞬怯むが]
……くっ!!
[正面の蛇の腹を間に滑り込ませ、進路を塞ぐ。しかしそれでも放たれた一撃は、辛うじて紙一重で避けることが出来、胸元を通り過ぎる。切り裂かれるキャミ。
後ろに引き、体勢を立て直そうとするリカに胸元を押さえつつ、冷や汗を流したまま引き攣った笑みを浮かべると]
……そうは──いかないヨッ!!
[両側から迫っていた2匹の蛇が後詰めで背後から迫り、さらに上の逃げ口は上空の蛇が閉鎖。
結果、]
どしゃっ!!
[水の蛇に呑み込まれ、溺れた事で気を失ったリカが地面に転がる。
眼鏡は蛇に呑み込まれた時に、どこかへ飛んでったのか、びしょ濡れでぐったりしつつも可愛い素顔を晒す。]
はあはあ……水も滴るイイ女になったジャナイ。
[肩で息しつつ、皮肉を言ってみる。]
[リカの傍らへと駆け寄って、脈を取る。
大丈夫、気を失っているだけだ。打ち所が悪かったりもしていない]
はいここまで。気が済んだ、マリィ?
でもこれ以上は…!?
[喉を押さえながらできるだけ静かな声でそういい掛けた時。突然に上がったのはヒサタカの悲鳴。そして]
な、なにがっ!?
[思わず叫びかけ、喉に走った痛みに慌てて口を閉じる。
滑り込んできたサキに少しだけ安堵の表情を見せながら、リカをどうにかこうにか抱えようと試みる]
…………え?
[突如聞こえた声に、呆然とそちらを向く。
そこにいたのは、ヒサタカなようでヒサタカでない存在。
だってヒサタカがあんな髪型をするわけがなく。
だってヒサタカがあんな喋り方するわけがなく。
だってヒサタカがあんな邪悪に笑うわけがなく。
でも、その肉体は確かにヒサタカのもので。
だから、]
……アナタ、誰?
[その呟きは、非常に弱々しいものだった。]
[ぐるりと全体を見回した。
いるのは女ばかり五人。いや、四人と一匹か]
まぁ本当は九尾の力を回復するために全員魂を食ってしまいたいところだが、全員相手にして怪我でも負ったら骨折り損だ!
[そしてすっと両手を上げた。それはまるでオーケストラを指揮する指揮者のように華麗で、優雅に両手を振り下ろした。
瞬間、五人の周りに人影が現れた。
その姿に九尾は驚愕した]
「マリー、キョウヤ、サキ、ケイコ。それにヒサタカ……」
[そう。
本人がいるにも関わらず、今は別の場所にて終わるのを待っている筈なのに、それぞれを星型に囲むように、幻術で複製されたヒサタカ達が立ちふさがった]
ふっざけんなよ…!
[突如として現れた自分や恭也達の複製。それを見て舌打ちをする]
(実質今動けるのはアタシくらいじゃねぇか。
マリーはショックで動けないだろうし、
啓子も昨日のダメージが残ってるはず。
どうやって切り抜けたもんか…!)
[サキが考えている事は手に取るようにわかる。人間は――特に戦闘経験がない人間を守ろうと動く場合、えてして強者は身を犠牲にする]
ハハハハハハ! 何も知らない! 何も見ない! 何も考えない! 所詮はそんな屑の集まり! そんな天界の、しかも昨今に決められたような石ころ共が、何を考えても無駄なんだ!
[そう高笑いし、サキをすっと指さした]
考えているだろう? 実質動けるのは私だけ。ケイコは昨日タマキと戦い力が不足気味。リカはマリーに破れ、マリーは茫然自失。どうやって切り抜ければいいのか? なんて無駄な事をだ!
[片手で顔を多い、口元から見える八重歯を隠さず含み笑いを浮かべた]
だが、一応選択肢は与えてやるぜ。今死ぬか、それとも俺に服従するか。どっちがいい?
[言葉に合わせるように、複製が五人との間合いを詰めていく]
[ヒサタカ、いやヒサタカに憑いた者の声に眉を寄せる。
マトモな声が出せないこの状況では確かに八方塞に近いのだが]
神宮司先輩。
必要なら前出ますけど。
[負けず嫌いな部分がムクムクと浮かび上がってくる。
それでもまだ動くことはできる、とばかりに複製たちを睨んで]
!?
[言い当てられ、息を飲む。そう言う類のものなのかと割り切れたのは、内なる知識が助けたか]
無駄かどうかは、やってみなきゃ分からんぜ!
選択肢はどっちもお断りだ!!
[降ろした九尾を後ろへと庇い、間合いを詰めてくる複製へと注意を向ける]
前出るよりも、逃げるタイミング見とけ。
戦力的にどうやっても対抗すんのは難しい。
[璃佳を抱える啓子に、後ろを見ずにそう告げる。久鷹から感じられる属は、金。ここに居る者の属では比和か相手の相生になるだけで、お世辞にも有利とは言えない]
[予測通りだ。
内心でほくそ笑む。サキのようなタイプは思考を読まれ
・・・
たと勘違いしてしまえば、一気に決着をつけようと動くと思っていた。案の定複製に注意を向けている。その後の行動パターンは幾つか考えているが、おそらく当てはまるだろう。
次にケイコだが、こちらはほとんど無視でいい。昨日の戦いの報告は受けているため、彼女が戦力にはならないのは把握済みだ。万が一技を使おうとも、低レベルの一撃が良いところだろう。
問題は――]
(俺の半心である九尾とマリーか)
[半心は手の内がわかってるとして、マリーの余力が一番のネックだろう]
(それでも俺は敗れないがな!)
[この布陣を引けた時点で、それは確定事項なのだ]
…………るな。
[彼女の口がボソリと動く。肩を震わせ、俯いたままの顔から表情は読めない。
周りが怪訝そうに見ていると、キッと顔を上げる。
その目は涙をポロポロと零しているが、しっかりとヒサタカ(?)を見据え]
フザケるな!!
ヒサタカはそんな髪型にしたりしない!
ヒサタカはそんな喋り方したりしない!
ヒサタカはそんな邪に笑ったりしない!
ヒサタカを返せ。この偽者!!
[そう叫ぶと、右手で地面にメガトンパンチと同時に水気開放。
五方の複製の足元からすべてを呑み込む漆黒の水が口を開け、虚無に返す。
同時に、水気をすべて使い切った彼女の意識も途切れて、ぐらりと崩れ落ちる。]
んん〜……いいね。恋人を奪われて奏でられる絶叫。まるで最高のシンフォニーだ。
[本当にマリーの絶叫に酔っているように空を仰ぎ]
ああ、そうそう。ケイコ、逃げるタイミングなんて俺は作らないから、素直に死んでおけ――。
[そして邪悪な笑みが耳まで口を裂いた――瞬間]
ぐ、が!?
[突然久鷹が苦しみだした]
貴様……まだ消えて……。くそ! 力を使った影響か……! こんな……圧倒的有利の状況で……!
[久鷹は、体をくの字にして苦痛に耐えている]
[体内からナニカが食い破ろうとしているような感覚に、内臓が不快感を訴える。食堂を通して、胃液が逆流して口内に満ちた。
その苦い味を唾とともに吐き出した時、マリーの一撃が周囲に満ちた]
ちぃ! 最後まで俺の邪魔をするか! このくそアマがぁ!
[すでに精神的、肉体的な余裕はなかった。サキ達の動きなどまったく見ずに、指を鳴らした。
刹那、一斉に複製がマリー達に飛び掛った]
[苦しむ久鷹に僅かな隙を見出したか]
はあっ!!
[気合一発、瓦割りの要領で真下の地面を拳で打ち付ける。瞬間、璃佳を抱える啓子やマリー、九尾の周囲に岩石の壁が競り上がった。
その中で複製はマリーに一点集中で襲い掛かっていて]
舐めてんじゃ、ねぇぞ!
[一足飛びに間合いを詰めると、その中の一体──不運にも恭也だったり──に対し後ろ蹴りを放った]
くぅ……。それを……待っていた……!
[苦しみながらも、視線は常にサキを捕らえていた。それは唯一攻撃にでるであろう彼女の一撃合わせたトラップ――。
五人の姿はそれぞれが高圧縮された電子の塊であり、一人が破壊されれば連続して残る四体が誘爆し、五人は骨も残らない――筈であった。
だが、体内からの痛みは、そんな集中しておかなければ作れない複製への集中力を削ぎ、ただの爆弾程度の破壊力しか生み出さないものへと変化していた。
サキの一撃が命中した瞬間、久鷹は電子の足場を作るや上空へと離脱した]
・・・・
くぅ……。くそ、くそ、くそ! ヒサタカめ! もう少しだったものを……。
[背後から爆発音が響く。だが結果を確認する余裕なく、久鷹は*飛び去った*]
[蹴り飛ばした途端、蹴り足の先で複製が破裂した]
っ!!
”硬”!!
[咄嗟に身体の表面に土を纏い、その硬度を上げる。しかし連鎖反応で爆ぜる五体の複製の威力を全て殺ぐことは出来ず。顔の前で腕をクロスさせた状態で軽く後ろへ吹き飛ばされた]
ぐあっ!
…ってぇ〜!
[痛いと声を出せるぐらいで済んだのは、『霊亀』を宿していたお蔭であろう]
[強固な岩石の壁に走らせた金属は、磁力を帯びた爆発の衝撃のいくらかを逸らし逃がす役目も果たしただろうか。
揺さぶられるような感覚が抜けた後、周囲を見てもヒサタカ(に憑依したもの)の姿は見えず。
我知らず、深い溜息を*ついていた*]
っ、ちっくしょ。
[吹き飛ばされた地面から起き上がり、ふるりと頭を振る。見れば既に久鷹の姿は無く。とりあえず命拾いはしたな、と天を仰いだ]
あ゛ー、ったく。
話し合いどころじゃなくなってるじゃねぇか。
[隆起させた岩石を均しながら、溜息混じりに呟いた]
…とにかく、一旦体勢整えないとな。
啓子、マリーを頼む。
寮に連れ帰って休ませてやってくれ。
璃佳はアタシが運んでおく。
[サキが張り、ケイコが補強した土壁の中。意識なく倒れ伏せる彼女の頬を涙が伝う。]
…………。(ぽふぽふ
[彼女のそばでキューちゃんは、先ほど自身がしてもらっていたように彼女の頭を*撫でていたか*。]
[啓子から璃佳を受け取り抱え上げて。マリーを連れて行くのを見送ってから、離れていくマリーを不安げに見詰めている九尾へと向き直る]
…何があったか、教えてくれるか?
[その問いに頷く九尾。その仕草に頷き返すと、璃佳を『隔離の陣』へ運ぼうと移動を開始した]
…今行くところは、九尾は入らない方が良い。
少し離れた場所で待っててくれ。
運び終えたらアタシの家に行こう。
[他の四瑞に九尾を会わせてしまったら、どうなるかは目に見えている。隠し通せるとは思っていないが、対面させるよりは良いだろう、と考え。屋上の入り口で九尾を待たせ、璃佳を『隔離の陣』の中へと*運び入れた*]
……おや、まぁ。
[ 全ての終わった後に訪れた場所。
風から木の気脈を辿り、視た光景に
驚き――というにはやる気のない声を零した。
口端を持ち上げ、象るは、笑み ]
だから、向かないつったのになぁ。
[ 話し合いなどという面倒な事にならず、僥幸だ。
その場が持たれたなら、利用する気ではいたが ]
ま。
面白くはなりそうですかね。
[ もう一つの気を探り終え、
闇を払い、眼を昏い碧へと還す。
此方も、そろそろ出番かな。
呟いて、陽炎に揺らぐ町並みに*消えた* ]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新