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高校生 玲 を 6人が心の中で指差しました。
医学生 七重 を 2人が心の中で指差しました。
お嬢様 涼 を 1人が心の中で指差しました。
高校生 玲 は人々の意思により処断されたのです……。
次の日の朝、専門学校生 瑠衣 が無残な姿で発見されました。
今、ここにいるのは、御曹司 晴美、学生 裕樹、医学生 七重、双生児 奏、教育学部 聖、主婦 亜佐美、お嬢様 涼 の全部で 7 人かしら。
―― 資材倉庫 ――
[一瞬だけ。戸惑わなかったら良かったと。
すぐに飛び出していけばよかったと。
振り下ろされたそれを見て、僕はのちに後悔する。
スローモーション。コマ送りの映像はきれいに流れて。]
七重姉!! 中務!! ふたりして何やってんだよ!!
[思わず張り上げた声も、その場にはむなしく
ただむなしく響くだけなのか、な。]
―廊下 書置き前―
…立ち話のままでも何ですね。
俺たちも向こうの部屋に戻りましょうか。
[それとなく亜佐美に手を差し出した。
奏の視線から逃れようとするかのように]
―資材置き場―
ナタっ!!
[振り下ろした手を止める手は、間に合わなかった。
間近で、鈍器が下ろされるのを見てしまう。
鈍い音が、しっかりと耳に届いた。
目の前で起きた出来事に、立ち尽くす。]
─資材置き場─
[振り下ろすタイミングのズレたそれは、気付いていれば避けられたかも知れないもの。
けれど玲もまた晴美の声で動きを止めていて。
振り上げていた腕を支える力が無くなると共に、右手に掴んだスパナは自重と振り下ろしの速度を威力へと変え。
晴美の制止も空しく、スパナは玲の頭を叩き割った]
………え………。
[紅い飛沫が控え目ながらに飛び散る。
間の抜けたような声を漏らし、呆然とした様子で正面を見ていた。
崩れ落ちる玲の身体。
当たり所が悪かったらしく、その後、玲は動く様子を見せない]
…え……あ……?
[カラン、と手からスパナが床に落ちる。
一歩後退り、膝から力が抜けて尻餅をついた]
ア、アタ、ア、アタ、シ……っ!
[怯えの表情を見せ、ガタガタと身体を震わせ始める。
自分が何をしたのかを、今初めて気付いたかのように]
ええ、嫌なことも全部そのまま流せるといいのですけども。
[瑠衣の明るく振舞う様子に返すようになんとか小さく微笑みかけながら、
瑠衣と別個の個室に入る。
流れるお湯を身に浴びながら考え事にふける]
難しいね…いろいろと……。
[呟く声もあたりの音もシャワーの音に消えていく]
―廊下 書置き前―
そうですよね。行きましょう。
[亜佐美の手を握り返し、廊下を歩き出す。
握る力は強くなく、ゆっくりとした歩き方もあいまって、何かを確認するかのようだった]
―資材置き場―
一体何が…。
玲が襲いでもしたのか?
[もしかしたら、七重が襲ったのかもしれないが、前後の状況が読めない。
見て分かったのは、ただ七重と玲が争っていた事実のみ。]
…おい、ナタリー。
[なるべく声を荒げないよう、抑えて聞くが。
返事が出来る状態には思えないのが。
手を出そうか悩んだが。
それは晴美の方が適任に思え、自分はそこに立ったまま。]
―廊下―
[奏にも頷きかけて歩き出した、その直後だった]
何?
[聞き返した時には既に奏は走り始めていた。
亜佐美の顔を見て、一瞬悩んでから手を離す]
追いかけてみます。
[出遅れたのが悪かったか。
走り出して角を曲がったけれど、もう奏の姿はそこに無かった]
何があったんだ…?
[呆然としたように立ち止まってしまう]
[どれくらいの時間がたっただろう、
少し寝ていたのかもしれない。時間の感覚は曖昧に]
そろそろ出ないと。
[長時間湯を浴びていたせいか変な脱力感を感じた。
シャワーの湯を止めるとまだもう一つのシャワーの音は聞こえてきて]
ときさん、まだいらっしゃるのかしら?
私そろそろでますわ。
[声をかけるが反応はない]
―廊下―
分かりません。
ただ「今のは」と言っていたみたいなので、何か聞こえでもしたのかもしれません。
[曖昧すぎて溜息が出そうだった。
どこかの部屋に入ったのか、それすら分からなかった。
もしかしたら思わぬ部屋と部屋が繋がっていたりもするかもしれない。全部の部屋を細かく確かめたわけではなかった]
一つずつ探していくしかないでしょうか。
─資材置き場─
[自分がしたことに恐怖を覚え、身体は震え続ける]
[──これは自分がやったのか?
──何故こんなことになった?
覚えているのは、襲われたからという記憶──]
[それが捻じ曲がった事実であると知るのは今は動かない玲だけ。
揉み合っていた間もその前も、今の自分には断片的な記憶しかない。
”役に成りきっていた”間の記憶がほとんど無かった]
[抑えるような声で訊ねて来る裕樹。
視線を向けるも、瞳は困惑と怯えで支配され。
ただ身体を震わせるだけだった]
ときさん?
[次はさらに大きな声にやはり反応はない、
瑠衣の入った個室の方に近寄り、そこから流れ出る―――赤い水
背筋が凍るような思い]
ときさんっ!
[名前を叫ぶようにしてカーテンを開けると瑠衣が倒れていた、
胸には貫かれたような大きな傷口、流れ出る血はシャワーに流され、それでもそこからは新たな血が流れ出していて。
確認をしなくても死んでいるのはすぐにわかった]
ときさん、ときさん!
[それでも名前を呼び体をゆするが反応のないさきほどまで瑠衣だった、今は死体]
いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
[周りの人にそれは聞こえただろうか?大きな悲鳴をあげて頭を抱えてその場にうずくまった]
[一つずつ、という言葉にすこしため息をついて]
何か聞こえたんでしょうかね…あたしには特に何も聞こえませんでし…
…今、何か聞こえませんでした?
[何処からか、かすかに悲鳴が聞こえる]
もしかして、先ほども聞こえてたのかもしれません。行ってみましょう。
[聖の方を向いて促した後に、悲鳴の聞こえた方に向かって走り出す]
七重…ねぇ…
[赤い色彩が飛び散る。
よく時代劇とかで血糊を飛ばす、あの映像に似た。
カラン、と金属音がする。
倒れる中務の体が、どさりと音を立てて横たわる。]
七重姉…しっかりして。
大丈夫? 怪我は、してない?
[がたがたと震える七重姉に近づいて。
僕は顔を覗き込む。
その途中でみた中務に、息がないようにみえたのは、
僕の思い込みだけではないだろう。]
…今の?
[亜佐美の視線を受けて、また眉を寄せる]
ええ、分かりました。
[後に続こうとしたが、直後その場に屈みこんだ]
こんな時に。
すみません、先に行ってください。すぐに追いかけます!
[手は靴紐らしきものの端を掴んでいた]
─資材置き場─
[鈍い音の元を辿り、資材置き場に駆け込んでくる。
その目に飛び込んできたのは、頭から夥しい量の血を流す玲と、ガタガタと震えている七重。そしてその様子を呆然と見る男ふたり。]
………一体、何があったの。どういう、こと、なの?
[誰にとなく呟く。]
[……この惨状の中で、気付くものはいるだろうか。
奏の服が先ほどまで着ていたものと違うということに。]
[むっとする血腥いにおいに眩暈を起こしながらも、
とりあえず僕は七重姉を責めるような言葉は一切口にせず、
彼女が口にする言葉をただ聴くだけに勤めようと思う。
何故中務と揉み合いになったのか。
その発端はどんな会話の内容からだったのか。
もし七重姉の口から紡がれることがあったのなら。
その時はちゃんと聞いてあげようと思って。]
アートさん…、ごめん七重姉が落ち着くまで…
[その後に続けようとした言葉はなんだったか。
僕は視界と声が擦れてうまく*紡げない*]
─資材置き場─
[顔を覗き込まれて、視線が晴美に向く]
…っ、けー、ちゃん…。
[紡げたのは相手の呼び名だけ。
問いにはぎこちない仕草で首を横に振るしか出来なかった。
普段の明るさを微塵も感じさせない様相で、震える身体を自分の膝ごと抱き締めるように腕を回した]
―資材置き場―
[晴美に七重を任せ、自分は玲の方へと近づいた。
凄惨な顔に眉根が寄る。
口元に手を出し、次に玲の手を取り脈を取るが、それらはもう、殆ど動きが感じられなかった。
先だって綾乃を包んだシーツがあった場所に行き、玲を頭から包んだ。
シーツはすぐに、一部から赤い色に染まってゆく。]
…。
[それが全部染み渡る前に、玲を抱え上げた。]
…向こうに連れてくな。
[そう、七重と晴美に告げ、ベットの並ぶ部屋へと向かった。]
わかりました。
[靴紐が切れたのか、かがみこんで紐のような物を握っている聖に、そう告げて。
声が聞こえた方へと真っ直ぐに走りだす。
小さな声だったので、どこかは詳しくはわからない。
手当たり次第にいくつかの部屋のドアを開けて、中を確認する。
どれだけ時間がたっただろうか。彼方から聞こえる水の音に、涼と瑠衣がシャワーに向かった事を思い出した。もしかすると何か聞いているかもしれないと思い、そちらに足を向けてみることにした。]
アタ、シ、良く覚えて、ない、の…。
綾姉の、傍を離れた、のは、覚えてる、けど。
あと、は、ここで、襲われそうになって……なった気がして……。
…気付いたら……。
[震えながら途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
曖昧になった部分もあったが、問い質されてもそれ以上のことは答えることは出来ず。
そんな状態で、更に現れた奏には気付けたかどうか。
促されれば移動にも応じるだろうが、今はただ、膝を抱えて震え*続ける*]
―資材置き場―
[部屋を出る前、奏が来ていたことにようやく気づいて。]
…。
[ふと感じる違和感。
だがその原因を探るほどの余分は今は無い。]
…ire-naが死んだ。
細かいことは、晴美あたりに聞いてくれ。
とにかくire-naを連れてってる。
[簡素に奏に説明すると、その足でベット部屋へと。]
[こうした行為は焦るとやたら時間がかかるもの。
亜佐美に追いついたのは幾つかの部屋を確かめ終わった後だった。どこか目的地があるような亜佐美の後ろに続いて]
すみませんでした。
何か見つかりましたか。
[謝りながら先へと進む]
さっき水の音がしたみたいです。ときさんとryoさんが向かってたので、そちらに行ってみようかと。
[追いついてきた聖に、そう告げて。
せめてシャワーの場所だけでも聞いておけばよかったと後悔しつつも、水の音を頼りに、なんとかシャワー室にたどり着いた]
ときさん、ryoさん、いらっしゃいますか…
[一応女性同士とはいえ、軽く声を掛けて中に入る。聖は外で待っているだろうか?。ドアを開けた瞬間、目に入った流れる赤い水と、聞こえる泣き声。
駆け寄ってみれば、無残な姿の瑠衣と、なきじゃくる涼の姿。
一瞬、身体が硬直するが、気力を振り絞ってなんとか動かす。
まずは、シャワーの水を止め、裸のままの瑠衣の遺体に、せめてもとタオルを掛ける。
そして、泣きじゃくる涼は服を着ていただろうか?着て居なければ、彼女の肩にもタオルを掛けた]
水の音、シャワー室ですか。
俺が覗くわけにはいきませんね…。
[大体の場所は聞いてあったから、多少は誘導できただろうか。
扉の外で待ったものの、中から聞こえる泣き声と漂ってくる匂いが、容易に状況の予想をさせた]
蒼さん、踏み込んでも大丈夫ですか!?
[苛立たしげに足を踏み変えながら、中に声を掛けた。
昨日の二の舞は避けたいと、辛うじて自制している風だった]
―ベット部屋―
[玲を連れて、綾乃の丁度向かいのベットに横たえる。
少し逡巡したが、シーツを開き、顔を見た。
驚いたように見開かれた目を手で閉じて、もう一度シーツで包んだ。]
…。
[はぁと小さく息をついて。
部屋の壁に背をつけ、ずるずると下がる。]
こんなんばっかかよ…たまんねぇ。
[すでにそれ以上に堪らない事態が起きている事を、今は知らない。]
[暫くそこに座り込んでいたが。
左手のリストバンドを外し、手首の内側を見る。
そこには無数の傷跡が。
一度いらないと、捨てたはずの命は。
ほんの少し運が良かったおかげで帰ってきた。
だから自分の命に、それほど執着はないのだが。]
……狼とっとと見つけられれば。
俺の首と引き換えに、あいつを助けてくれって。
…言えるのにな。
[その答えが書いてあるかもしれない携帯は、まだポケットに入れたまま。
今はそれも、見る気にはなれず。
助けたかった人が、すでにこの世に居ないことを、今はまだ知らない幸せなまま。
ほんの少し、疲れたように*目を閉じた。*]
[肩にかけられるタオル、恐怖とか悲しみとかいろいろ混じったような表情で亜佐美の方を見て]
と、とき…ひっく……うぇ〜〜ん……
[何かしゃべろうとするがそれは結局声にならず、
ただ泣き声だけをもらすだけになる]
―シャワー室―
はい。
[覚悟してと言われ、唇を引き結んでシャワー室に踏み込んだ。
昨日よりは匂いが薄く感じられたのは、水で流された分もあったからだろうか]
ryou さんは、無事なんですね。
Ibis さんは。
[タイルの上に、タオルの掛けられた身体。
一つ息を飲み込んでから確認すれば、その胸は抉られたかのように穴が開いていた。綾野のそれと似たように]
…ryou さんは、歩けそうですか。
着替えさせないと、風邪を引く。
[両手を握って震えを押さえ込みながら、低い声で亜佐美に言う]
無理そうなら、運びます。
Ibisさんは…その後で。
[しばし呆然としていたが、ふと思い至ったように顔を上げると、]
……そうだ、このことをみんなに伝えないと。
[ぽつりそう呟くと、晴美や蹲る七重を無視してふらりと出て行く。
その足は、おおよそまっすぐシャワー室へ向かっていたか。]
[入ってきた聖の声に、そのまま頷いて。
泣きじゃくったままの涼の様子をみて、聖に言葉を返す]
大丈夫…だと思います。
とりあえず、近くの部屋で、服を着せてきます。
ときさんを…よろしくお願いします…
[涼を抱きしめたまま、ゆっくりと歩きだす。]
[そうして廊下を歩いていると、向こうの方に人影が見える。
それに声を掛けようとし……蒼さんに背負われる涼に気付く。]
え? ryouさん、どうかしたんですか。
もしかして、どこか怪我をしたとか。
[心配そうに駆け寄りながら、そう問いかける。
そして、その場にいる顔を見て、]
…………あれ? ときさんは?
[首を傾げそう訊ねる。]
―シャワー室―
[こちらを見る涼の目は涙でいっぱいで。
慰めの言葉はかけようもなかったが、労わるような視線を向けた]
はい、お願いします。
こちらはnoR_aさんと同じ部屋に運びますから。
[出てゆく二人を見送って、瑠衣の身体を抱え上げた。
水を含んだタオルもありかなりの重さになっているのを、どうにかこうにか横抱きにしてみたが]
一人じゃ流石に危ないな。
手を借りるか、椅子でも持って来ないと。
[仕方なくもう一度下ろして脱衣場へ]
蒼………、
とき……ごめ…ごめん……私…一緒に……いたのに……
[なんとかそれだけを声に出してまたすぐに漏れ出すなき声は収まらず、
亜佐美に連れられるままに歩き出した。
亜佐美に服を着せられた後もしばらくは泣いたままに、
いずれ時がたてば泣くのは*やむだろうか?*]
kana、一体どこへ行ってたんだ。
[姿を消していた奏もみつけた。
けれど今は追及までも出来ない状態だった。瑠衣を抱えたために自分の服も血に濡れていて]
…こっちには来るな。
蒼さんたちと一緒にいるんだ。
[押し付けるように言うと反応を待たずに脱衣所を出る。
一番近くの部屋を覗くと、デスクチェアがあった。
あまりにもの都合の良さに逆に気分が悪くなった]
まあいい。使えるものは使おう。
[カーテンを一枚外し、チェアに乗せて運ぶ。
瑠衣の遺体を包むのにもタオルだけでは心許ない。
後は車椅子の要領でベッドの並んだ部屋まで運ぼうと*思った*]
………え?
[脱衣所から聖に抱えられて出てくるバスタオルに包まれた塊。
それはちょうど人の大きさと同じくらいで。
しかも、聖の服とそれは紅く濡れていて。]
…………ま、さか。
[ふらり歩み寄ろうとするが、聖に強い口調で止められ、ビクッと反応し足を止める。
そして、チェアに乗せられ運ばれていくそれをただ呆然と見送る。
もし亜佐美の説明があればその予想が事実であることを知るだろう。]
そんな……ときさんも一緒に死んじゃうなんて。
[その言葉に付いて問われれば、玲の死について知るところを告げるだろう。
なお、呆然としながらも晴美の説明は耳に入っていた*様子*。]
―ベット部屋―
[どれくらい意識が遠かったのか。
カラカラという音が耳に届き顔を上げた。リストバンドをもとに戻し、見上げて。]
誰…ああ、Wen.氏か。
…それ、は。
[椅子の上に、タオルに包まれた塊。
大きさからして、ぞくりとする物がある。
またなのかと、近づいて。
聖は何と答えたか。]
………………は。
[それが、クラスメイトの成れの果てと。
聞かされ一瞬何か、性質の悪い嘘でもつかれたような顔になる。]
[がばと、上の方のタオルを捲る。
それが嘘でも冗談でもないという、現実だけがそこにあった。]
………………………。
[う、と。口元を押さえ。その場に立ち尽くし。]
…………。
[ただ青く無言のまま。暫くその場に棒のように立ち。]
…………ああ、大丈夫、だ。
[口から出た言葉はそんなもの。]
運ぶ。
[聖が手伝おうかと問いかけも、拒むように無視して。
瑠衣の遺体を抱え上げて、綾野の横のベットに横たえた。
顔は遺体を見つめ、俯く。表情はおそらく伺えないだろう。]
[聞かされた内容はどういったものか。
耳にはちゃんと入ったか。
聖が見た一部始終を聞き終えると、そうと一言呟いて。]
…少しここに居る。
向こうは、任せた。
[それだけ言うと、それ以降は何を言われても無言のままだった。
聖が去った後も、瑠衣の遺体を見つめたまま。
どれくらいそうしていたのか。
口から零れた言葉は。]
…………ごめ、ん。
俺のせい、だな。
[細い謝罪。
浅はかだった計画の、代償を払ったのは自分ではないのが、酷く胸に痛かった。]
う、っく。
[ぎり、と片手で片腕に爪を立て。
そのままギリギリと引き裂いた。
それでも足りない、痛みが遠い。
何度も何度も、両腕に爪を立て、肉を引き裂き、痛めつけ。
ぱたと、涙の代わりのように、血が床に流れ落ちた。
悲しんでいいはずがない。
瑠衣を殺したのは自分のようなものだから。
それでも、悲しみも喪失感も絶望感も、減るような事は決してなく。
腕に無数の傷が残り、床を濡らす血の量は増え。]
ぅぇ…。
[堪えていたら、軽く吐き気がしてきて。
ぐらつく意識に膝をついた。]
[目線に程近い、瑠衣の顔を見る。
誰かが整えたのか、表情は良く見れるものだった。]
……お前の事だから、いい笑顔で俺のこと見てるのかもな。
[それが彼女の最上級の怒りだというのは知っている。]
……………俺が死んだら許すか?
…いや、無いか。
そんな事したら、本当に水無瀬が死んだ意味が無くなっちまう。
[だからまだ、このままでは死ねないと。
それだけは、曇った思考のなかではっきりと浮かんだ。]
[だらんとした血まみれの手を動かし、携帯を取り出す。
中に書かれていた言葉を、ぼんやりと眺め。]
…ああ、そうなのか。まぁ、別に問題ないか。
ナタリーとgato以外は、水無瀬を殺したかもしれないんだしなぁ。
[あの時、共に居なかった4人。そのうちの1人は人間だと確信出来た。
残り3人。このうちの1人か2人が確実に、瑠衣を殺した、狼。]
何だ、最悪三分の一か。だったら
[誰でもいいかと、どこかほっとしたように
*歪んだ。*]
─資材置き場─
[途切れ途切れの言葉を、晴美は静かに聞いてくれた。
自分のしたことを責めもせず、ただ静かに。
それからここを離れようと声をかけられ、震えが収まらぬままに小さく頷く。
ふらつく足取り、晴美にしがみつくようにしながらの移動の間、彼から何か言われただろうか。
自分が玲を殺してしまったと言う事実に恐怖し、返答出来たかは怪しい]
─ →PCのある部屋─
[やがて辿り着いたのはパソコンの置かれている部屋。
ランプの灯りは未だ点っているようで、部屋の中央で静かに炎が揺らめいている。
扉から奥まったところに座らされ、また膝を抱えて小さく震える。
部屋の中は皆出払っているのか、誰も居なかった]
[静寂の中でヴン、と機械音が響く]
『高校生 玲 は人々の意思により処断された』
『次の日の朝、専門学校生 瑠衣 が無残な姿で発見された』
[パソコンのモニターには新たな文章が二つ、*表示されていた*]
ええ…ときさんが、殺されました。
[そして、奏の予想を肯定するように、ただ、淡々と告げた。問われれば、第一発見者は涼だった、などのもう少し詳細な状況を伝えるだろう]
え…ときさん、『も』?
[不穏な言葉に、言葉を返して問いかける。
そして聞かされる、玲の死。それが七重の手によるものだとも聞いただろうか]
…そう、ですか…
[ただ、それだけを返すのがやっとで。暫くは着替えをさせた涼が泣き止むのを、じっと*待っていた*]
―ベッド部屋―
[奏を押し切って瑠衣を運ぶ。
カラカラというキャスターの音は、冷たく空しく廊下に響いた]
アートはここにいたのか。
やられたよ。今度の犠牲者は、Ibisだ。
[裕樹に答えながら奥のベッド脇まで進む。
奏の時とは違って確認するのを止めはしなかった。
青い顔で立ち尽くす裕樹を前に深く深呼吸をして]
おい。大丈夫か、アート。
運ぶから、場所を空けてくれ。
[綾野の時とは反対にこちらが問いかける。
相当の衝撃を受けているらしい裕樹に運ばせるのも悪いかと思ったのだが、手伝うことも拒絶するような態度に場所を譲った]
何があったと言われても、俺も後から見ただけだからな…。
[地を這うような声の確認に、記憶を纏めながら話してゆく]
俺とIbis、Sapphire、Kanaで壁の書き込みを確認に行った。
そのうちにNatalyを探してるryouが来た。
Ibisがシャワー使いたいと言って、ryouと先に戻った。
俺達も戻ろうとしたら、Kanaが何かに反応して走り出した。
Sapphireが悲鳴に気づいてシャワー室に行ったらIbisは既にこうなっていた。
最初に見つけたらしいryouは話も出来ない状態で震えていた。
[各自をIDで呼び、機械的に事実を並べる。
あくまでも主観視点ではあったが、間違ってはいないはずだった。
どこまで裕樹に届いたのかまでは分からないが]
ryouは蒼さんが落ち着かせようとしてる。
タイルの上に寝かせっぱなしというわけにもいかなかったから、Ibisは俺が運んできた。
数が多い?
[話終えてようやく、寝かされているのが3人に増えていると気がついた。近づいて、それが玲であることと頭部に残された傷を確認する。
問いかけるような視線を向けたが、裕樹は気づく余裕すらあったのかどうか]
……ああ、分かった。
[疑問の答えは得られそうになかった。
綾野の遺体を前にした七重と同じような、それでいてどこか違うような。そんな裕樹に掛けられる言葉はやはりなくて、短く頷くと部屋から出て行った]
濡らしたのは失敗だったな。
この状況で借りるというのも微妙だし。
[血と水を吸った上着を脱いだ。
シャツも当然染みてはいたが、びしょ濡れというほどではなかったから我慢することにする。
踏み入る前に置き去りにした鞄を回収しに脱衣場へと戻る。
亜佐美たちはもう移動してしまっただろうか。まずは探して報告するように]
涼さん、少しは落ち着いたかな。
蒼さんも、顔色悪いな。
気は休まらないだろうけど休んでいて下さい。
[奏もいればその様子も見て同じように声をかける。
本人の顔は少し赤かったかもしれない。
感情を押さえ込もうとすることで余計な力が入っていた]
俺は最初の部屋にいってきます。
[一緒に来るという話になれば拒絶はしないだろう。
そうでなければまた戻ると言ってそこを出て行った]
―ベット部屋―
[武器になる物は決まっていた。
30センチはある裁ちばさみ。
どうせ使うなら良いものをと、丈夫で刃先が鋭い、良い物を買い与えてくれていたそれ。買い与えたのは父親だったか。もうよく覚えていないし、どうでもよかった。
他にもいくつか選んで鞄に入れ軽くするために、中のものを一旦すべて出した。]
………ぁ。
[パンやペットボトル、バイト先からくすねたティーパック。
裁縫道具の入った箱、布。ノート、筆記用具。製図。
それらと共に転がり落ちた、一旦開かれた包み。
渡された時の生きた笑顔が、一瞬鮮やかに蘇る。
おもむろに中を開け、一気に全部口に入れて食べた。]
っつ!げほ!げほっ!!
[どれだけアタリが入っていたのか。
盛大に咽て、それでも吐き出すのは耐え。水で一気に流し込むと、また咽た。]
―― 回想 資材置き場 ――
[全てを拒絶するかのように、ぎゅっと身を抱きしめる七重姉に、
ぼくはそっと触れようとした手を軽く握り締め。
代わりに隣へと座った。
問いには辛うじて反応できる程度。
でも僕の言葉をも拒絶されるだろうかと思っていただけに、
今の、その反応だけで僕は少し安堵する。]
―回想―
[涼が少し落ち着いたのを見計らうと、少しだけその場を離れる。奏も居れば、その場を任せて。涼たちには、瑠衣の服を取りに行くとでも告げただろう。
シャワー室に戻る。未だ惨劇の痕は残るが、それでも水に流れて薄れてはいた。瑠衣のものらしき荷物を取りまとめると、携帯電話を取り出した。
一瞬、ためらうが。ぱたりと画面を開く。新たなメールが届いていた。中を読めば、ただ悲しげに目を瞑る]
[さて、これから如何しよう。画面を見つめながら考える。
誰か、味方が欲しい。そして、内容を伝えたい。誰に伝えるか。それが問題で]
候補は、ryouさんか、Wen.さんかな…
ryouさんは…あの状態ならば、彼女がときさんを殺したとも思えないし…Wen.さんはずっとあたしと一緒にいたし。それに…
[村での楽しい思い出が、頭をよぎる。そのことは、紛れもない事実で。ぶんぶんと頭を振って、余計な考えを追い出した]
ナタリーさんはやめた方がいいかもしれない…犯人側かもしれないし…そうでなかったら酷でしょうから…
[殺した相手が無実の人である。彼女には、その結果は告げたくはなかった。]
[再び、画面を見つめる。何かを決意するかのように。
程なくして涼の元に戻る。暫くすれば、*聖がやってくるだろう*]
―― 回想 資材置き場 ――
[アートさんは一度席を外し、
戻ってきては手にした白いシーツを手際よく広げ、
中務を包み込む。
布を扱うことに慣れたような手さばきは、
あっという間に僕たちの視界から中務を消し去ってしまうけれど。
零れ落ちていく命のかけらが、滲むように白を赤く染めていった。]
うん、判った。じゃぁお願い…
それと、――ごめん、ね?
[ひょいと中務を担ぎ、短く行き先を告げる彼に、
僕は一つ頷いて返事として。
短く告げた謝罪は、
中務を運ぶアートさんへの手伝いをも出来ないことに対してと、
今はまだ、眠る中務におやすみも告げられないことと、
そして七重姉に対しても掛ける言葉が見つからないことなどの、
色々と入り混じった思い。]
―― 回想 資材置き場 ――
[アートさんの後姿を振り返り見送ると、人影。
話したことも殆どなければ、印象も薄いおんなのこ。
アートさんから状況の説明を求められたなら、
僕は短く簡潔に、でも七重姉のことについては、極力触れずに伝えた。
呆然と立ち尽くすように見えた彼女が一体、
どれ位僕の言葉を聴いているかは、怪しいところだけれども。]
―― 回想 資材置き場 ――
[ぽつぽつと、それでも恐怖からか、
震えながら語る七重姉の言葉を、僕は繰り返しながら
相槌を打ち、話に聞き入る。
責めることはなく、ただ、相手の言い分だけを口にして、
尋ね返すように。]
ねぇ、七重姉…
[どれくらい其処にいただろう?
紡がれる言葉に、終わりが見え始めた頃。
僕は前触れもなく、七重姉を静かに呼んで]
歩けるなら、ここから、移動しよう?
[少し前に命が奪われた場所とはいえ、
閉じ込められていることと、
綾野さんを殺した犯人がまだうろついている事は変わらない。
あまり同じ場所にずっと居続けるのもどうかと思い、
僕は移動を促した。]
PCのある部屋へ、行こうか。
七重姉、立てる? ゆっくりでいいから、ね?
[それから僕らは薄暗い道をなぞるように歩き始めた。
少しでも中務から気を逸らそうと、他愛のない話を振るけれど。
七重姉はただ震えるばかりで。
僕はしがみついてくるその手の力を総て受けとめ、
ぽんぽんと、やさしく二度、肩を叩いた。]
―― PCのある部屋 ――
[七重姉は入り口から遠い、刺激の少ない場所へと座らせた。
明かりはぼんやりと灯っている。
それとは別に、PCのディスプレイの煌々とした光が、
今は不気味に思える。]
ひと、いないね。みんなどこに行ったんだろう?
[首をかしげるも、向こうには聖がいるだろうから、
大丈夫だろうと踏んで。
それは単におんなのこだけの移動は危ないからと思うけれど、
でも僕を抜かして残す男は聖とアートさん。
聖は無条件で信頼しているからとして、
一緒に行動を共にしていたアートさんも、
なんとなくだけれども犯人には思えなくて。]
……、
[急に考えることが怖くなって、僕は無理やし思考を遮断させた。]
―― PCのある部屋 ――
[やがて姿を見せた聖に、僕は少し疲れた笑みで手を振り]
お帰り、センセー。
ん? こっちの状況?
[小声で尋ねられたことに内心感謝しつつ、
僕は手短に状況を伝えた。
聖からはどれ程離れていた時の状況を聞けただろうか。
ふと煌々と不気味に照らすPCに彼が近づく。
僕も倣うように改めて画面を覗き込む。]
センセー、シスメが…
[其処には更新されたシステムメッセージが、
やはり嘲笑うかのように映し出されていた。]
―回想 シャワー室〜隣の部屋―
[奏に話かけられるも泣きじゃくる様子は変わらず。
玲の死を聞かされたが、今はそれについて何も考える余裕はなかった。
亜佐美が奏に説明する様子もただ聞くだけに]
うう……。
[しばらくして泣くのが落ち着くころに亜佐美が瑠衣の服を取りにいくからと出て行くのを静かに頷くだけに答える。
目の周りは赤かったかもしれない]
[亜佐美がいなくなって目元をぬぐい、
すぐにその誰かが亜佐美だとわかる。]
ありがと……蒼……。
[一度そちらを見てからそう呟いて、
ふらふらと立ち上がる。]
ire-naさん……死んじゃった……の……?
[亜佐美と奏に確認するようにそう尋ねかける]
―ベット部屋―
[シーツを一枚細く長く切り血を拭い、包帯代わりに両腕から手の平にかけて巻き、傷を覆う。
きつく何重か巻けば、外側に血が染み出る事は今の所無いようだった。
荷物の半分は隅に置いたが、鞄の形が崩れないよう、空のペットボトルと、空の裁縫箱を布に巻き適当につめた。
肩にかけると、前よりぐんと軽くなっていた。
長く息を吐いて、出来うる限り気を落ち着ける。]
…行くか。
[何時もの口調で呟いて。
部屋を出ようとして、一旦振り返る。]
………また、な。
[どうせすぐ会えるかもしれないしとは、思っても口にはしなかった。]
─PCのある部屋─
[部屋の片隅で身を固くする。
玲を手に掛けてしまった罪悪感、それを信じられないと思う自分。
何故そうなったのかをはっきりと覚えていないために、何故、どうして、と思考が巡る。
傍に居てくれた晴美が責めずに居てくれたのはとてもありがたかった。
もし責められて居たのなら、パニックを起こしていたことだろう]
…………。
[部屋に戻ってきて少し後、聖が部屋へと戻って来る。
気配に一瞬、おどおどとした視線を向けた後に、直ぐに視線は床へと向いた。
晴美と何か話していたようだが、ここまで声は届かない]
―― PCのある部屋 ――
[画面を眺めていた時間はどれ位だろう?
長いようにも思えるし、短いようにも思えた。
ふと視線を外し、七重姉を見る。
結果論だけで言えば、七重姉も立派な殺人者と、
人の目には映るだろう。
だけど僕は知り合いである中務の命を奪った七重姉を、
どうしても責めることは出来なかった。
知る深さは違えど認識有るもの同士が加害者となり、
被害者となったのにもかかわらず。]
……っ、
[行き場のない感情が、こみ上げてくる。
それはこんな状況に導いた犯人への怒りだろうか。
それとも悲しみたくても悲しめないもどかしさだろうか。]
ねぇ、センセー?
[僕は目許を擦って、聖に話しかける。
七重姉の前で泣くなんて失礼だと思うから。]
出来るだけみんなで生きて、此処から出ようね?
[それだけ告げて、力なく微笑んだ。]
―PC部屋―
[ゆっくりと中に入ると、中には数人がいた。
無言のまま、PC画面を覗き込む者らの近くに寄り、間から同じものを見る。]
………ふん。
水無瀬はやっぱり人狼に、かよ。
[そこにある、見慣れた文章に反吐が出そうになった。]
―PC部屋―
[暫く何かを考えるように押し黙っていたが。]
…駄目だ、ヤニ切れ。
Wen.氏、タバコくんない?
[もう気にする相手も居ない為、堂々とそう頼む。
痛む胸は、今は気にしないように抑える。
そして聖に少し近づき、小声で囁くようにして。]
それから…さっきの、水無瀬が殺された時の話で気になった所があんだけど。
こないだの所で話さないか?
[そう聖を、休憩所へと誘った。]
―― PCのある部屋 ――
そろそろ情報が欲しくても…、
トキちゃんみたいに殺されてしまったらあれだし、ね。
[ゲームの編成を思い出すとそれ以上は求められないから。
手探りで犯人を探すしかないのかな? やっぱり。
でも…、また七重姉みたいな人を出すのも嫌だし、
何かいい案がないかと考え倦ねていると、人の気配。
振り返るとアートさんの姿。
システムメッセージを見たらしく、
吐き出される言葉に棘が宿る。]
お帰りなさい。それと、ありがとう。
[七重姉に気を使って、あえて"誰を"や"何を"をつけずに、
お礼だけを告げた。意味は、通じただろうか。]
─PCのある部屋─
[ぎゅ、と膝を抱えた状態で腕を掴む手に力を込める]
ぃっ……。
[不意に鈍い痛みが左腕を走った。
軽く表情を歪める。
袖を捲るとそこにはいくつかの痣が出来ていた。
何をしたのだったか、と考え、思い出す記憶。
惨劇が蘇り、蒼白になった]
………っ。
[記憶を振り払うように首を横に振る。
一つに結わえた髪が左右に揺れた。
部屋の扉が開く音がすると、びくりと身体を震わせる。
入って来た裕樹に怯える瞳を向け、直ぐに膝に顔を埋めた]
[晴美に声をかけられると、やや青いままの顔を向け。
おそらく玲の事だろう礼に「いい、気にするな」と告げる代わりに首を振った。
少し離れた場所にいた七重には、責める感情もない、無機な視線を少し投げただけだった。]
―PC部屋―
ああ、いいよ。
火は持ってるのか?
[箱だけはすぐにも渡そうとして。
小声での誘いには少し悩む。
この時点で二人になるのは危険が少なくない]
……分かった。
京、俺も気分入れ換えて来る。
[結局そう答えることになった]
もう、大丈夫だから…
[そこにはお嬢様の仮面をかぶったいつもの姿はなく、
ふらふらとそのまま隣の部屋からでていく]
遠くにはいかないから……少しだけ一人にさせて…。
[暗い口調でそうとだけつげて一人で廊下にでていく]
―― PCのある部屋 ――
[僕は聖の言葉に再びにっこりしながら頷いて、
髪を乱す指に心地よさそうに目を細めた。
『やっぱりどんなことがあっても、センセーは信じたい。
七重姉も』。
胸に湧き上がる決意を再確認し、
隠れた場所で僕は手を握り締めた。]
[アートさんが聖に小声で何か話しかけている。
だからと言って聞き耳を立てるのは趣味じゃない。
手がかりを探しに、弔いをしに部屋を出ようかと考えるけど、
誰か入ってくる度に脅える七重姉を、
そのまま放っておくことも出来ず。
かつ、あの場所に居なかった人たちに、憶測によって、
七重姉を傷つけられるかとも思うと、なかなか動けない。]
それに…もし僕が犯人だったとして。
七重姉の行動を耳にしたならば。
罪を擦り付けるのにはちょうど良い存在だって、
思えるんじゃ…ないか、な?
[あくまで憶測でしかないことだけれども。
有り得ないわけじゃない。
思う考えが自然と小さな独り言となって、表に飛び出す。
根本的な加害者は、混乱の最中でも冷静さを失わない。
加えておんなのひとが多い。
誰かの一言が引鉄になって。中務の二の舞にもなりかねない。]
―PC部屋―
悪いな。
[助かると、告げる言葉や調子に瑠衣が死ぬ前と変化はない。
ただ変化が無い事が少しおかししと、聖は気づくだろうか。
聖と共に行こうとし部屋を出て、少し進んだ所で足を止めた。]
っと。
水一本取ってくるわ。すぐ戻る。
[そう言い、一人だけ一旦部屋に戻り。
入り口付近に置かれた水入りのペットボトルを一本取り、鞄に入れながら足早に晴美へと近づいた。]
[廊下を少しいったところであたりにだれもいないことを確認する。
倉庫からくすねていた黒いマジックを取り出し少し迷った後に、
壁に書いてあった文字を思い出しながら]
『 Sapphire は 人狼 』
[壁に書いてある字を真似て書いた。
マジックを懐に大事にしまい少したってから。
先ほどいた部屋に戻る、奏と亜佐美のいる部屋に、
俯いたままに]
ねぇ…、どういうこと…蒼………
蒼…狼なの……?
[唐突にかけた言葉に亜佐美の反応はどうだっただろうか?]
―― PCの部屋 ――
[二言三言言葉を交わした聖とアートさんは、
この部屋から出て行くらしい。
短く告げられた不在に、ぼくは二人ならと思いつつも、
心細い気持ちは隠しきれずに]
うん、わかった。ふたりとも、気をつけて。
僕は七重姉が心配だから、ここに居る。
["殺される"心配と、"自ら命を絶つ"心配。
多分後者は有り得ないと思うけれど。
過剰なほど僕も、彼女に対しては神経を張り詰めている。]
悪いけど、預かっといてくれ。
[渡したのは、自分のスタンダード型の携帯。
短く告げると、そのまま何も言わずに再び外に出た。
ボタンを押さなければ暗いままの画面。
だが少しでも何か押し、明かりが灯れば、そこには
『お嬢様 涼 は 人間 のようだ。』
そう書かれたメールが照らされるだろう。]
―― PCのある部屋 ――
え? うん、いいけど…。
でもこれって…って行っちゃった。
普通、大事なものじゃないの? これ。
[手渡されたのは、ごく普通の携帯電話。
確かに電波の届かない場所では不要なものに近しいけれど、
それにしては…]
大丈夫だよ。
人相手ならそれなりに。
[京に小さく笑った。
小柄な体格だからといって馬鹿にするものではない。体力作りのためでも武道は武道なのだから。
水を取りに行った裕樹を待ち、休憩所へと連れ立って移動する]
っとと…、危ない危ない、落とすところだった。
[正直、ひとの携帯に触れるのは苦手で。
それはプライバシーを覗き見るような行為に似ているから。
だから僕は必要以上に丁寧に扱おうとして――]
……?
[思わず握り締めた側面に、
強く手が当たってしまったのかもしれない。
バックライト機能が反応して、文字が浮かび上がる。
通常なら見えても、時刻や日付くらいだろうけれども]
……っ!! ふー、良かったぁ。
預かり物を壊すわけにはいかないもんね。
[一瞬だけ目に飛び込んできた文字で総てを悟り、
慌てて言葉を並べてそそくさとジャケットのポケットへと
アートさんの携帯を仕舞った。
慌てた様子は、預かりものを壊さずに済んだ、
焦りと安心感と、装うようにして*]
[程なくして、彼女が戻ってきたが。
突然掛けられた言葉に、一瞬、脳が考えることを放棄した]
え…ryou…さん…どういう…こと…
[口の中が乾く。頭ががんがんする。体が震える。
それでも、わかることは。
私は、違う。つまり、彼女が――]
あなた、こそ、人狼…なの…
[信じたかった人が、敵であるということに、目の前が真っ暗になる]
―休憩室―
[タバコを一本貰うと、この間と同じように火をつけ、暫くは無言のまま煙を吸う。
口を開いたのは半分に少し余る所まで、タバコの火が進んだあたりだろうか。]
…なぁWen.氏。
狼は何で人を殺すんだろうな?
[ぽつりと呟いた。]
―休憩室―
[沈黙の中に煙だけが流れてゆく。
話があるのは相手だから、何を言い出すでもなく燻らせる]
人を襲う理由か。
LiGであれば「そういう生き物だから」だな。
[落とされた呟きに、定型文のような答えを返す]
アートはどう思うんだ。
廊下に…書いてあった…?
[疑ったのは勘違いだったのか。そう考えて、一瞬手がとまる。
彼女ではない、誰かがあたしに罪を着せようとしているのかもしれない]
違うっ!
[自分でも信じられないくらい、大きな声を出して叫ぶ]
あたしは…あたしは…
霊能者…なんだ…
[告げても信じてもらえるか、わからないけれど。ただ、疑われるのが怖くて。ただ、驚きのままに。言葉を、吐き出した]
―休憩室―
…さてね。
元から人殺しの気があった。
突然化け物に変異した?
…まぁ、俺は狼じゃないから。本当の所は分かんねぇけど。
Wen.氏なら。
あんたなりの答えを出せるかもと、思ったんだけどな。
[呟き、鞄から鋏を取り出し、聖の鼻先に突きつけた。]
狼だろう?Wen.氏。
[無感動にそう告げた。]
─PCのある部屋─
[自分以外の者達がパソコンの前でいくつかの会話をしている。
その会話の輪に入ることはない。
聞こえる声は聞き、聞こえないものは聞かない状態が続いた。
しばらくして、裕樹と聖が部屋を出て行く。
それに気付いたのは扉が閉まってからのことだった。
ゆっくりとした動作で顔を上げる]
………。
[部屋の中にいるのは自分と晴美だけ。
晴美に視線をやると、ジャケットに何かを仕舞う仕草が見えた。
呟かれた言葉に対しても特に疑問を持つことなく、ぼんやりと視線を投げる]
……けー、ちゃ、ん。
ごめ、ん、ね……。
[震える声で言葉を紡ぐ。
あの時、玲の本名を叫んでいたことを思い出したのだ]
し、知ってる、子、だったんで、しょ…?
それ、なのに…ア、アタ、シ……っ!
[嗚咽するような状態になり、言葉が途切れる。
身体が強張り、ぎゅ、と身を小さくした。
謝ってどうにかなるものではないと知りながら、言葉を紡ぐのを止められなかった]
[だが、戻ってきた涼の口から告げられるのは衝撃の一言。]
……………え? あ、蒼さん、が?
[呆然とそう呟きつつ、身体は亜佐美から遠ざかる方向へ後ずさり。]
[亜佐美の言葉に一瞬反応のようなものを見せてから、
そちらをじっと見る。
複雑な感情の入り混じった表情で]
あの時…村で一緒になったとき…蒼は………
[その先の言葉は続かず、
少し間をおいて]
じゃあ、誰かが嘘を書いたってことになるよね…、
それが本当だったら。
だとしたら本当の占い結果はどうなっちゃったのかな…?
[少し考えるような間を置いて]
皆に聞いてくる。
[そう告げて部屋をでていこうとする]
[涼曰く。昨日の廊下の書き置きと同じようなものが残されており、そこに蒼さんが人狼だと書かれていたということ。
それに対する亜佐美の反論。曰く。自分は人狼じゃない、霊能者だとのこと。]
それって…………どちらかが人狼、だってこと?
[両者の中間。それぞれを見ながら困惑した様子で呟く。]
―休憩室―
俺だってそんな答えは知らないさ。
欠片も信じていない相手に、自分の考えを全て述べるつもりもない。
[唇を歪めて答え。
突きつけられた刃に一歩下がると身構えた]
…何の確証を持って言う。
[少し時間がたって、少し落ち着いてきたようだ。
けれど、まだ頭の中は混乱気味だ。
誤解で疑われたくもなくて。けれど、どうしていいかもわからなくて]
[部屋から出て行こうとした彼女を思わず追いかけようとして、はっと思い立つ。
今、あたしが、彼女についていっても、怖がらせるかもしれない。
伸ばそうとした手をおろした]
わかり…ました…
―休憩室―
俺はgatoとずっと一緒だった。
ryouがそっちに行くまで、水無瀬が殺されてないんなら、時間的にナタリーも違う。
つまり水無瀬を殺した狼は、ryou以外のあんたら3人のうちの誰かだよ。
ryouは人間だからな。
[断定的な言葉が意図する所はすぐに気づくだろうか。]
別にいいんだ、本当の所は違ってても。
だがあんたは、限りなく黒に近い位置にいる。
だったら俺が、殺す理由には十分だろう?
[鋏を開き伸ばし、ナイフのようにし握ると、聖の顔目掛けて斬りかかった。]
─PCのある部屋─
[謝罪に晴美はどんな反応をしただろうか。
涙は出ないまま、恐怖と悲しみに歪んだ表情と嗚咽だけが漏れた]
[その中で部屋の扉が開き、涼が顔を覗かせる。
姿を見て、びくりと大きく身を震わせ、怯える視線を向けた]
壁、の、書き込、み……?
[訊ねられて反芻し、知らないと言うように首を横に振る。
最初の書き込みがあったことや、その内容すら知らずに居た]
[置いてきぼりをくらい、ちらり亜佐美へ視線を向ける。]
…………えっと。蒼、さん。
[距離を取りつつ、おずおずともう一人の同室者に声を掛ける。]
えっとその…………霊能者だって言うの。本当ですか?
[そして問うのは、先ほどの言葉の真偽。]
―休憩室―
なるほどな。説得力がある推理だ。
1年も離れていた俺よりよほど理路整然としてるよ。
[断定的な言葉に、裕樹が確定情報を掴めていることを確信する]
フン。
RPでよく言われる「狼よりも恐ろしいのは人間だ」っていうのも、あながち間違いじゃないな。
[身を捻って顔に向かってくる鋏を避ける。
踏み出した右足を軸に左足を横へ。足払いの形。
胴着もなく技を仕掛けるのは簡単ではなかった]
生憎、殺されてやるつもりは微塵も無い。
[しっかりと距離を取れるほど広い部屋ではない。
まだ左手に挟んでいた煙草が床に落ちた]
[ちいさな声に>>117、そちらを振り返る。
涼の驚きの発言にすっかり忘れていたが、もう一人、ここには居る]
…kanaさん…
[小さく呟いて、一歩踏み出そうとしたところで、嫌な考えが頭をよぎる。そういえば、この子は、さっき姿を消していた。この子が、書き込んだかもしれない。足がとまる。
そこへ、彼女の問いが聞こえてきた>>121]
ええ、そうよ。
[既に発した言葉は消せないから。事実を告げる]
ire-naさんは、人間だったって。どこからか連絡が来たわ。
[もし、彼女が狼ならば。これは殺されるようなものだろうけど。
もし、彼女が人間ならば。味方を作るチャンスかもしれない。
握った手に、汗がにじんでいる]
[晴美の反応はどうだったか?
七重の怯える視線と疑問の声に]
壁に書いてあったの、
『 Sapphire は 人狼 』って、ときさんの時と同じように。
[亜佐美が霊能者だと言っていたことはまだ言わなかった。]
―― PCのある部屋 ――
[七重姉とふたりきり。
静まり返った部屋に物音は一つも立たない。
ふと掛けたままのカバンに気付いて、手を触れる。
結局中務に上げず仕舞いだった煎餅が、素材越しに触れた。]
…なんであやまるの? 七重姉ぇ。
[聞こえた途切れるような、謝罪。
僕は咎めるような口調ではなく、
ただ、本当に不思議に思えてそう尋ねた。
確かに中務は知り合いだった。
だからと言って僕に謝罪されるのはちょっと違うと思ったし、
中務にも失礼だと思ったけど、口にしなかったし、
態度にも示さなかった。
もし七重姉がひとであるならば。
一番辛いのは多分彼女自身だから。]
[会話はどれくらい続いただろうか。
ドアが開く音と共に、ryouの姿が見える。
僕は反射的にじっと彼女を見つめた。
しかしそれは気付かれない程度で止め、
変わりに静かにしてね? という合図を送った。]
書き込み? 知らない。
最初の書き込みの場所も、実は未だ見てないし。
[アートさんやryouに案内されたベッドの部屋の途中、
多分その書き込みは見ていないはず。
知らなさそうな七重姉には、簡潔に判定らしきものが
あったことを告げた。]
―― PCのある部屋 ――
[ryouの話は続く。
前々から感じていた違和感が、引っ掛かりを見せる。
なんだろう? この違和感。
綾野さんを見舞ったときもそうだった。
妙に脅えていないというか、なんていうか…]
えっと、ごめん、Sapphireさんって誰だっけ?
[続けられる話の途中に、僕は間抜けを装って、
言われたIDが誰なのかをryouに訪ねた。
アートさんから預かった携帯には、違う結果が記されている。
でもそれはまだ、言わない。
嘘つきの子には、まだ、言わない。]
[まさか忘れられてたなんてことは露とも知らず。
小さな呟きのあと、一歩踏み出そうとして足を止める様子に少し悲しそうな顔をするが、質問への肯定の返事を貰うと少し俯き、]
……………そう……ですか。
その言い方からすると、まだ狼は?
[狼がいたという言葉が出てこなかった以上、そうであると知りつつも敢えて訊ねてみる。]
はっ、それはお互い様だろうが。
俺もお前も、少なくとも元は同じ人間だ。
違うのは、人を殺したかそうでないかの違いだけだ。
[聖が瑠衣か綾野を殺したと、なかば断定したように言い。
大きく振った鋏はかわされ、足払いに体勢が崩れかけ。]
っ、そ!
[辛うじて転ばなかったのはやや強引だったためか。
武術云々を習っている聖に比べ、分が悪いように思えたが。
同時に力ではこちらに分があるのが分かった。
なお強引に、隙を伺おうと距離をじりと詰めかけ。]
─PCのある部屋─
[不思議そうに訊ね返して来る晴美には、途切れがちに謝罪を繰り返すしか出来なかった。
謝ることで手を掛けた当人からも、周囲の人間からも赦されるものではないと解っていながら、口は謝罪がついて出る。
それが止まったのは、涼からの問いと、晴美からの判定を告げられた辺りだった]
それ、って…。
[言葉が出なかった。
自分達が実際に人狼ゲームに巻き込まれているのだと、今になって理解する。
ゲームみたいだと、綾野が死んだ時に思っていたことが現実になっていたとは思ってもみなかった。
それを考える余裕すらも無かったのだが]
人、狼……。
本当に、蒼が人狼、なの…?
[この状況では普段のふざけた敬称も出て来なかった。
告げられた判定には難色を示す]
[じっと、奏の様子を見る。少し悲しげな様子には、心がちくりと痛んだが。
敵か味方か。それを判断できないだろうか。真剣な眼差しで見つめて]
…まだ、見つかってません。
[たずねられた問いには、そう返すしかなかった]
間違いないな。
[薄ら哂う。
相手が詰めようとした距離を、こちらからも詰める。
押し倒すようにした力は少しばかり余って、上に下になって転がる。
頬に灼熱感が走った。流れる血を、自分で舐め取る]
だが、それだけの違いじゃない。
一対一で来るとは、LiGを知ってる者として迂闊じゃなかったかな。
[首に向けて伸ばした手、そこから伸びるのは鋭い爪。
だが戦闘そのものは素人に変わりない。相手の刃がどこにあるのか、意識は捉えきれておらず]
うそ? 書き込みが? それとも…
[疑問を返すけれども、それには答えは得られなかったようで。
彼女の口から蒼さんが霊能者だと言っていたことが告げられる。]
誰も、見ていないなら本当? よく判らないな、その推理。
[同村したときには、もっと判りやすい推理を、
していたような記憶があるんだけど…。
しかしryouはさっさとこの部屋から出て行ってしまう。
カマ掛にもならない問いかけは、
あっさりと蒼さんという言葉を導き出して。]
――ねぇ、七重姉。すこし、落ち着いた?
[再び静かになった部屋、僕はryouの言葉に少なからず、
いろんな衝撃を受けている七重姉に声を掛けた。]
もし落ち着いて話を聞けるようなら…
[その後の言葉は告げず、にっこりと微笑んだ。]
─PCのある部屋─
[瑠衣は人間、亜佐美は人狼、その亜佐美は自分は霊能者と言った。
涼が言ったことは筋は通っている。
けれど可能性が完全に消えたわけではない。
占い師が誰なのか、その書き込みが真実なのかが判らないために。
回らない頭で一生懸命考えているうちに、涼は部屋から出て行ってしまう。
思案から我に返ったのは晴美からかけられた声]
…え……あ。
……うん、少し、は。
[落ち着いたかと聞かれ、小さく頷く。
いきなり沢山の情報が入り、状況が纏まらない。
けれど塞いでいる暇は無いと、無意識下で冷静たろうと意識が向かい始めていた]
[晴美の疑問には気づいた様子もなく、
部屋を出たところで立ち止まり]
シャワー室の隣の部屋、
蒼さん達いるから、
私はアートさんとWenさんに聞いてくる、
二人も知らなければ他に占いの結果でてないことになるから…。
[部屋の中にそう声をかけて今度こそ本当に立ち去ろうとする]
―― PCのある部屋 ――
[小さく頷く姿を見て、僕は七重姉に近づき、
甘えたように寄りかかった。
昔は会うと、もうひとりの本当の姉のように抱きついて甘えて。
そんな何も知らなかった日々が、今は懐かしく思える。]
あのね、僕は…七重姉がもし裏切ったとしても、
それは仕方がないことだと思ってるから。
[そう、告げてから、静かに話を切り出した。]
これから見せることに対して、一切何も聞かないでね?
[一応、念を押したのは本物さんを気遣って。
どんな意図があって僕に預けていったのかは判らないけれども。
見え透いていても良い、少しでも楯になれたらと思って、
そう、告げた。]
はい、これ。声に出したら、だめ、だよ?
[注意したのは秘かに人の気配がしたときを考えて。
手渡したのは、バックライト機能をオンにした携帯。
其処にははっきり文字を見て取れるだろう。
ryouの告げていった結果とは異なる結果が。]
[霞んだ視界は、詰められた距離に気づくのを遅らせ。
飛び掛られ、床を転がる。
なお無理矢理突きつけた刃が何かを霞めた感触はあったが浅い。
転がり倒れ、手の動く範囲は限られている。
それでも何処か、突かなければと。
霞みかける意識を、強く刃を握り手に傷をつけることで呼び戻す。
聖の下になったとほぼ同時か。
迂闊だったなと声が聞こえ。
刹那、喉に刃物のような鋭い感覚、同時に喉が、焼けるように熱くなる。
聖は武器を持っていなかったのに、と。
視線が動くと、その手の先に、人であれば、あるはずのないモノがあった。]
ホントに、狼たぁな…。
[呟くと、喉の奥から熱いものが込み上げ、口を伝った。
それ以上に、喉そのものからだくだくと血が流れてゆく。]
[がく、と首が後に倒れかける
それでも、先ほど呼び戻した意識はまだ生きていて。
こちらの命をほぼ奪えた事で、気がそがれた聖の隙をつき。]
ああああああ!!!
[振り上げた刃は、右耳を真芯から捕らえ、そぎ落とした。]
[奏がすっと顔をあげて、こちらを見る。真っ黒な瞳がとても綺麗だった]
誰が…狼か…ですか?
[問われて、今まで考えたことを告げる]
今、残っているのは私以外に6人。この中に2人、いるはずです。
まず、ナタリーさんは違うと思います。彼女がnoR_aさんを手にかけたとは思えません。
[昨日、血だらけのまま呆然として歩いていた姿を思い出した]
アートさんも…ときさんとは仲がよかったようですし…
あとは…gatoさん、ryouさん、Wen.さん…kanaさん…
[そこまで呟いて、再び奏の顔を見る]
gatoさん、かも、しれません…
[この中では、奏も予想としては高いのだけれど、それは口に出さず。晴美の名を告げる]
─PCのある部屋─
[晴美の微笑みを見返していると、彼は近付き自分へと寄りかかって来る。
触れる体温が温かい。
ふ、と強張っていた身体から力が抜けた]
[その状態で紡がれる言葉を聞く。
裏切ると言う言葉に瞳を見開くも、今はただ晴美の言葉に耳を傾けた。
何も聞くな、と言う言葉に今から実行するかのように頷きだけを返す。
その後に見せられた画面に、意識を向けた]
………え。
[文字を言葉にはしなかったが、驚きの声が漏れる。
漏れた声に咄嗟に右手で口を押さえ、視線を晴美へと向けた]
え、と。つまり…。
[訊ねようとしかけて、また口元を押さえる。
瞳は、「本当に?」と疑問を投げかけていたが]
ッハハ。
俺も知らなかったさ、こんなことが出来るなんてね。
[押さえ込み、流れる血に勝利を確信して、嗤いながら答えた次の瞬間だった]
ッガァァァァッ!!
[先ほどとは比較にもならないほどの衝撃。
脳に直接響くかのような灼熱感。
手を振り払い、右耳を押さえて仰け反った]
[裕樹の身体を蹴るようにして一歩下がる。
その場に蹲り、思考すら切り裂くような痛みに耐える]
ヤ、るじゃ、ない、カ…!
[流れてゆく血はすぐには止まらない。
所詮は付け焼刃。ゲームのように万能の力ではない…]
…………はは。
ざまぁねぇな。
ひとごろし。
[くすくす笑いながら。
どんな理由つけたって。その事実は変わらないと。
棘のような呪いの言葉を呟いた。]
[一人で廊下を歩きながら]
二人には確認とるまでもないのかな?
アートさんのことは任せておけば大丈夫だよね?
後は、どうなるのかな?
[呟く声にこたえるものは今ここには誰もいない。]
信じるも信じないも、七重姉に任せるよ。
でも、どんな結果を出したとしても、
僕は七重姉を怨まないから。
[それはアートさんと二人で七重姉を探しに行った時に、
彼に告げた言葉と似て。
言葉を重ねないひとは疑えないし信じられない。
だから言葉を重ねる。覚悟と引き換えに。
そして僕は言葉を重ねた七重姉を信じて託した。
あのひとから託されたのもまた、信用のような気がしたから。]
でも、間違ってたらごめん、ね。
もしあれだったらぶん殴っていいし。
[七重姉にも聞こえないように。
小さく呟いた謝罪。
それは面と向かってあの人に、伝えられたらいいと切なる願い。]
[亜佐美の答えを聞く間も、ジィと漆黒は彼女を見詰めたまま。
そして、晴美という結論を聞くと、スッと目を閉じる。
必然、漆黒の視線も外されることに。]
そうですか、ガトさん……ですか。
[それだけ呟き、しばし口を閉じる。]
…………ですが。
もし、知り合いが死んだ時の慟哭が偽りだとしたら?
もし、迫真の演技で周りを欺いているとしたら?
もし、すべて知るつつも無知を装っているとしたら?
蒼さんは……どうします?
[そして再び細く目を開くと同時、矢継ぎ早に問いかける。]
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