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小説家 ブリジット に 6人が投票した。
研究生 エーリッヒ に 1人が投票した。
小説家 ブリジット は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、シスター ナターリエ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、青年 アーベル、研究生 エーリッヒ、職人見習い ユリアン、少女 ベアトリーチェ、教師 オトフリート の 5 名。
─回想─
[誰も現れない広間。
『遊戯』が始まる前には誰かしらが居た場所。
今はかつての賑やかさは見られない。
静寂に包まれる広間の中、ソファーに腰掛け瞳を閉じる。
背凭れに体重をかけ、静寂に同調するように物音一つ立てずじっと動きを止めた。
その姿はまるで彫像のようにも見えたか]
[平時、何事も無いように振舞ってはいるが、オトフリートの姿は常に影を纏っているため、少しずつ消耗していく。
消耗しないためには解除すれば良いだけの話だが、いつ誰が来るとも知れないとなるとそうも行かない。
自然と身体が回復を欲し、いつしか緩やかな眠りへとついた]
[どれくらい眠ったか。
ふ、と目を開けたのは玄関側からの音と振動を感じたため。
訝しげにしながらソファーから身体を起こした。
ぎし、と身体が軋む。
そのことから随分長く眠っていたことを理解した。
軋む身体を動かして、ソファーから立ち上がり。
広間の扉を開け廊下へと出る。
十字路を通り過ぎ、メディカルスペースとモニタールームがある通路までやって来る。
音と気配、どちらも感じ取れるのは──モニタールーム。
扉に向き直ると、不意な何かに用心しながらゆっくりと扉を開けた]
………───!
[扉を開け、まず目に入ったのは倒れている二人の少女と、一人だけ立っている金髪の青年。
そして、戦闘の痕跡]
──随分と派手に行われたようで。
まさか屋内でやり合うとは思いませんでしたよ。
[それは青年に向けられたものなのか、単なる独り言なのか。
部屋へ一歩は居ると辺りを見回す。
倒れているのはぬいぐるみを抱えた年端の行かぬ少女と、ところどころ破れた制服を着た少女。
どちらも気を失っていて、起きる様子は無い]
…で、三つ巴でもしたのですか?
いや……この場合は2対1が正しいでしょうか。
いくらなんでも『仲間同士』でやり合った訳では無いでしょう?
ねぇ、エーリッヒ様。
[部屋の中に一人立っていた青年に声をかける。
これまでほとんど顔を合わせることの無かった青年。
自己紹介したかも怪しいその相手の名を違うことなく呼んだ。
相手がどんな表情をしたかは分からない。
視線は既にモニターへと向いていたために]
設備を壊すのは勘弁して下さいね。
外の様子が見れなくなっちゃうじゃないですか。
私は貴方方の盾にならねばならぬ時があるのですから、この部屋は重要なのですよ?
どこで戦っていようと、すぐに向かえるように…。
[軽くモニターを操作してみて、正常に作動することを確認すると、再びエーリッヒへと視線を戻す]
おや、酷い怪我をなさっていらっしゃるじゃありませんか。
治療しなければいけませんねぇ。
そちらのお二人と共に。
[倒れている二人を指し示して。
小さな少女に酷い外傷は無いが、制服の少女は何かに打ち抜かれた後が複数あった。
三人を治療しようと隣のメディカルスペースへの移動をエーリッヒに促した]
[相手が拒否しようとも、その柔和な雰囲気で半ば強引にエーリッヒの治療を行う。
傷の酷いブリジットの手当てを簡単に行った時、組織の回収スタッフが現れ、ブリジットを連れて行った]
…彼女の敗北でしたか。
失敗しましたね、盾になり損ねるとは。
主様がこの展開で楽しんで下さっているのならば良いのですが。
[ふ、と浮かぶのは笑み。
それはこの『遊戯』を愉しんでいるかのごとく]
─回想─
[一体どうやって、どれくらい時間をかけて戻ったのか、記憶は全く定かではないものの。
生存本能のなせる業か無事に建物まで帰り着き、どうにか傷を手当てして。
その後は文字通り、身体を引きずるようにして、個室まで帰り着いた。
自分が廃墟で戦っている間にここで何があったのかになど、意識を回す余裕はなく]
……きっつ……。
[無茶の対価、即ち極度の精神疲労により、深い眠りに意識を落としていた]
……っ!
[意識の覚醒は、唐突。
それを呼び込んだのは、悪夢]
あー……やな夢見た。
[ぽつり、と呟き、気分を変えるべくバスルームでシャワーを浴びた]
……当たり前なんだろーけど、あのシステムでも、古傷は消せねぇのな。
[ぽつり、零れる呟き。
ここに来る以前になして来た荒事の象徴か、鍛えられた身体の上には、大小の傷痕が残されて]
さて……と。
[蒼の髪の水気を乱雑に拭いつつ、簡単な食事を作って済ませ。
一階に降り、誰もいない広間で端末の表示を確認した後、ふらり、外へ出る。
向かう先は、限られている。
そこは多分今、一番落ち着く場所]
−時を遡って−
…?
[僅かに誰かの声を聞いた気がして歩みが止まる]
……何なんだよ。
[小さくぼそりと呟く。
そのタイミング、視線を逸らした前方の砂が激しい勢いで盛り上がり、天へと巻き上がる]
………なっ?!
[ぼこり、と砂を巻き上げて現れたのは硬い外皮持つ巨大な芋虫。
思わず表情がやる気なさそうに歪んだ]
…美しくない。美味そうでもない……却下。
[何でも食べつくす人種とは呼ばれるが、青少年はそれなりにグルメだった]
─中央部・廃墟群─
……っかし、ここって何気に激戦区だよなぁ。
[この古い楽器の周辺で、既に三戦が行われて。
内二つは、自分自身の戦いなのだが。
蓋を開き、しばし、沈黙。
紡がれるのは、最初は緩やかな旋律。
それは、ある一音と、静寂を境に激しく連なる音を重ね、力強い旋律を織り成してゆく]
[ベアトリーチェの治療後、後のことはエーリッヒへと任せ、メディカルスペースから離れた]
残りは何人になったかね。
そろそろ佳境に入る頃だろうか。
『…”彼”は残ってるのかしら?』
[それは紅の呟き。
その声色もまた楽しげなもので。
その足で向かうのは──モニタールーム。
何かを探すように、その部屋へしばらく篭った]
[腰のポーチから取り出されるのは拳銃二丁。
右の其れは鈍く青く輝き、左の其れは赤く鋭く煌く。
グローブの嵌った手が存在を確かめれば、僅かにきちりと、皮のきしむ音がした]
…こういうのが、趣味なんかねぇ。趣味、悪!
[言葉を理解するのかそれは、芋虫の癖に生意気にも動きは機敏で早く、しかも]
…うわ、きも…!
[まっすぐ青少年へと向かって来る様子にそれこそ一直線に回れ右で逃げてしまいたいのだけれど、けれど、青少年の唇は少し釣りあがっていた。
そのまま瓦礫の山へと走り、なるべく高い高いポジションを取ろうと。
思ったら]
…飛んだぁ?!
[そう、飛んだ。
背中には、キラキラ虹色蝶の翅]
─現在・モニタールーム─
[戦闘のあったその部屋で、何かを探しながら休息を取る。
画面に目的の人影が写らないと言うことは、その人物はこの建物に居ると言うこと。
ここで仕掛けるつもりは無い。
彼が出かけ、どこかに留まるのを待った]
……見つけた。
それじゃあお邪魔するとしようか。
[薄く笑うとモニタールームを出て屋敷の外へ]
あー、もう、キモイなお前!!
[とん、とん、と猫が飛んでは着地し、着地しては上へと飛び乗る。
月を背に、蝶の翅を生やした芋虫は青少年の真正面へ]
キモイから、とりあえず、どうにかすっかね!
[青く輝く金属の塊を芋虫の真正面へと銃口向ける。
そう、絶対的質量の問題から言えば小さな拳銃でとても勝てる相手ではなかった。
軽い翅音をあたりに響かせる蟲を前に、青少年はにやりと、唇を吊り上げた]
─ →中央部・廃墟群─
[瓦礫の中、目的の場所へと歩み近付く。
進むにつれ目的地から旋律が聞こえてきて。
それは徐々に強くなっていく]
[歩み続けて、だんだんとその姿が見えてくる。
窓越しの建物の中。
目的の人物を見つけた]
…意外と、と言っては失礼でしょうが、素敵な音を奏でていらっしゃいますね。
[窓辺に近付き、拍手。
柔和な笑みで声をかけた]
[聞こえた拍手に、ぴたり、手が止まる。
ぽろん、と。単体の音を一つ、鳴らして]
意外で悪うござんした。
別に、あんたに褒められてぇとは思ってないがな。
[横目で睨むように見つつ、返すのは素っ気ない言葉]
[青く輝く拳銃から響くのは、たん、たん、というとても軽くて蟲の蠢きにまぎれて聞くのも難しいほど小さな六つの音。
けれど、その銃弾は距離を詰める前に失速することはなく]
───開始策略式。
[その言葉をきっかけに、銃弾は変化する。
青白い光を帯びた六の光の槍。
それは強大な衝撃を以って蟲を打ち落とす]
[どばぁ、と薄黄緑の体液を派手に撒き散らしながら空飛ぶ芋虫は後方へと文字通り吹っ飛び、そして動かなくなる]
…あー、気持ち悪かった。
[まずは赤く煌く拳銃をヒップバックへ仕舞い、次に青く輝く拳銃の中身を再充填してから戻す。
赤には実弾、青には戦術を施した魔弾が充填されている。
普段なら使うことはなかったけれど、この際芋虫相手にはどうもこうも言っていられなかったわけで。
かといって、戻る気分にもなれなかった青少年は中央廃墟へと足を踏み入れ、旧華街を少し回った後どうにか身を横たえることの出来そうな古い臥舖の上に転がる。
防寒具はお決まりのようにバンダナ毛布]
−そして、時は巡り現在へ−
酷い言われようですね。
[素っ気無い態度に漏れるのは苦笑]
このような状況の中で聞く音楽もなかなか良いものですね。
……押しつぶされそうな心を保たせるため、でしょうか?
[にこやかな笑みで言いながらアーベルを見て。
その直後にぱきり、と何かが割れる音がした]
そんなものに頼らなくても
[ぴき]
このアタシが
[ぱき]
アーベルちゃんを
[ぱら]
癒してあげるわよん?
[言葉を発するごとに足元からオトフリートに亀裂が入り。
最後の言葉と同時に”オトフリート”が剥がれ落ちた]
さぁ、アーベルちゃん。
デートの約束、守ってもらうわよ?
[”オトフリート”の中から現れた紅い存在。
月明かりに照らされたその顔の、唇の端が吊り上がった]
別に、単なる気晴らし……。
[言いかけた言葉は、唐突な音に遮られ。
割れて、剥離する、影。
現れた真紅に]
……野郎の癒しなんざいらねーし、デートの約束なんざ、した覚えはねぇぞっ!
[とんっ、と軽く跳んで距離を開けつつ、吐き捨てる。
真紅を見据える蒼は、それでも鋭さを失わず]
やぁだ、ひどーい。
この間お相手願うって言ってくれたじゃなぁい。
[両手を頬に当て、おどけるような物言い。
しかしその間に影から刃が伸びてきて、廃墟の壁をすぱっと切り刻む。
壁はばらりと崩れ去り、窓の代わりに出入り口が出来た]
戦いと言う名の『デート』に、誘ってくれたでしょ?
[にぃ、と唇の両端を吊り上げると、アーベルを外へ誘うかのようにバックステップ。
余裕染みた笑みを向けた]
―中央・廃墟街―
[ガラリと、何処かで、都の残骸が崩れる音が届く。
老化して、骨組みの剥き出しになった建物の上に佇んだまま、
廃墟の海を見下ろす。吹き上げる風が、煽る様に金を揺らした。
遥か高く昇る月が、蒼い。]
……喧嘩は売った。だけど、誘ってねぇ!
[そこだけは譲れない、と言わんばかりにきっぱりと言い切り]
……Reine Luft……Anfang.
[糸へ向け、念を凝らす。零れる、煌めき]
ま、どっちにしろ、あんたは俺にとっちゃ、障害。
ぶち破る必要があるのは、確かだしな……。
Ein Faden geworden die Klinge!
[糸を刃へと変えつつ、走り出す。
距離を詰め、下から掬い上げるような、しなる刃の一閃]
…………。
[そこは、見慣れない天井。]
―メディカルルーム―
[きょとんしながら、身を起こす。
ぼんやりする頭。記憶に霞。
自分はどうやら寝台で寝ていたようだが
寝台に移動した記憶はない。]
−中央廃墟街・旧華街−
[がらん、と遠く響く瓦礫の歌で空気が揺れて目が覚める。
もそり、と動けば白い塊が解けてひらりとバンダナに戻る。
ちょうど見上げた空に月は輝き]
……月がー…出た出ーたー……月がー出たーァよいよい、と。
[ふわり欠伸混じる歌声と共に起き上がり、ぐっと伸びをひとつ]
つれないわぁ。
そこもまたカ・ワ・イ・イんだけど♪
[どこまでも調子は崩さず。
きゃー、なんて言いながら詰め寄るアーベルと対峙した]
[月明かりに照らされ光る相手の糸。
下からの動きを感じると、その動きに合わせるかのようにバク転し、その矛先をギリギリでかわす。
チッと言う音と共に真紅の髪が少し散った]
アタシとアナタは敵同士。
いかに恋焦がれていようとぶつかるのは避けられぬ運命。
ああ、なんて悲劇的なのかしら!
[着地後、片膝をついた体勢のまま、両手で自分の身体を抱きしめて。
陶酔するかのように声を上げる。
しかしすぐに手を解き、ばん!と地面を叩いた。
叩いた場所から影がせり上がり、5つの刃となって地を駆け、アーベルと向かって行く]
[少女は腕の中におともだちの姿を見ると
いつものように抱きかかえ。
……そういえば、球体は何処に?]
…………。
[少しずつ、頭の中にあった霞が晴れていく。]
...ateraergan amias.
urusisuokowukayies etioinan ononomurussir owagni.
[左腕を前へと突き出して。ゆるりと翠を伏せる。
静かに、薄く開いた口唇から紡がれるのは、――異国の言葉。]
――oyeatok inekakiboy.
[―――シャン、
静寂を割いて、白金が鳴り響く。空へと現れた、――朱の組紐。
根付の鈴が結ばれた其れは、差し出された手首へと
しゅるりと、意思を持つかの様に絡みつく。
垂れ下がる白金が、月光を受けて、鈍く輝いた。]
[初撃がかわされた、と悟るや糸は素早く手元に戻す]
……だーから! 野郎にんな事言われても、嬉しくねぇ、っつてんだろうが!
[吐き捨てるように言って。迫る、五つの影の刃に舌打ち一つ]
……影使い……か。
あー、色んな意味でめんどーなっ!
[影を操る者、その噂は裏の仕事場で耳にしていたが。
よもや、こんな場所で対決する事になるなどとは思わず]
……っと!
[くる、と踵で半回転、開けた空間を背にしつつ、地を蹴って跳び、直撃は避け]
って、どうやって、距離を維持するか……。
[下がれば下がるだけ、こちらが不利、ならば、距離を詰めねばと。
再び地を蹴り、開けた距離を詰めて行く]
[記憶に一瞬残るブリッジトの姿。
その刹那、溢れる光。爆音。
そして、姿が見えないブリッジト。]
…………。
[少女は何度も頭を振って思考から逃げようと。]
前から一度やりあいたかったのよねぇ。
アナタの噂だけは聞いていたもの。
裏の仕事は滅多に請けないけど、その力は類稀なものがあるって。
そしてここでようやく逢えた。
これを喜ばずして何を喜ぶって言うのよ!
[膝をついていた状態から立ち上がり、自分の周囲に3本の影の刃を地面から生やし。
向かってくるアーベルに対して1本を真正面から向かわせ、足元を狙うように払う]
[ぴくりと。
何かに反応するように、伏せていた瞼を開く。]
――…、
[遠くから。 直接に、響く韻。
冷えた翠を、僅かに細めて。]
[聞こえるのは"声"とは違う"聲"。
韻は、幾つもの鈴に似て、さざめく波に似て]
…なんだ?
[僅かに眉が寄る。
ざわざわと、聞こえないはずの森のざわめきが耳に届く。
臥舖から飛び跳ねるように下りるとバンダナを髪へと、そして結び目を、きゅっと]
[影が揺らぐ。
来る。
判断は、早い]
Halten Sie einen Faden an!
[糸に停止を命じ、念を断って。
集中するのは、獣の力。
銀翼を具象化させ、宙に舞うと靴を脱いで放り出し]
……はっ……そーゆー理由でなら、光栄至極、ってな!
[言葉と共に、降下の勢いを乗せた蹴りを繰り出す。
繰り出されるのは人の足──ではなく、鋭い爪を具えた獣のそれ]
[自身を責める思考ともう嫌だと感じる心。
けれど、それを自覚するや否や、われるような頭痛。
少女は逃げるように縮こまるが、逃げられない頭痛。
激しい痛みは吐き気をもようし、噎せる。
それでも、少女は落ちるように、寝台から降りれば
片手を壁につけ、身体をささえながらふらふらと。]
[ゆるりと、視線を下へと向ける。
眼下に広がる廃墟の海に、一つの人影を見つけて。
すぅと、僅か翠を細めた。
見覚えのある、]
――…、フェイ。
[決して大きく無い筈の声が、静寂に響く。
地面までの階段の役目を果すように、組み上げられた瓦礫に
一歩、足を踏み出した。
微かに揺らぐ白金が、再び、小さく韻を残す。]
[痛みに引っ掻き回されながら、
少女はふらつく足でメディカルルームを後にして。]
[廊下を移動しつくのはモニタールーム]
これで分かったかしら?
アタシがアナタに入れ込む理由が!
[払いがかわされるのは予想の範疇。
彼が翼を持っていることも知っているから。
向かわせた影はすぐに捨てて、飛び立ったアーベルに向けてもう一本の刃を伸ばす]
影は無形。
それ故にどこまでも伸び、アナタを追いかける!
[影を伸ばしたと同時に急降下してくるアーベル。
その速さに、舌打ちをしながら腕を自分の頭の上へと振る。
それに呼応して足元から伸びてくる影。
影はルージュを覆うも硬質化が完全には間に合わず。
鋭い爪が影を突き抜け頭を庇っている左腕に食い込む]
くっ……さ、すが、と言ったところ、かしらね。
身体的な能力ではちょっと不利かしら。
[腕に爪が食い込んだままの状態で、残った1本の刃を更に繰り、アーベルの腹部を狙う]
[まっすぐに空を見上げる。
月光、星影───太陽の]
…日碧……?
[見間違えるはずもないし、聞き間違えるはずもない]
[彼が一歩一歩降りてくるのを少しだけ唖然としながら見守る。
耳の中、木の葉のざわめきと、神楽鈴の歌が、少しずつ強く強く響いて]
わかったけど、嬉しくねーのにはっ……。
[変わりねぇ、と、言うよりも早く、迫る影]
……ちっ!
[舌打ち一つ。素早く離れようとするが、爪が食い込んだのが裏目に出た。
横に滑るように動きつつ、後退しようとするも僅かにその動きは遅れ、影が脇腹を掠めた。
零れる、紅。それを抑えつつ]
……伊達にこちとら、ガキの頃から鍛えてないんでねっ!
[身体能力の話に軽口めいた口調で返しつつ、距離を開けたまま地に下りる。一つ、息を吸って、吐いて]
……はっ!
[低い気合と共に、態勢を低くしつつ走り出し。
ある程度の距離まで近づくといきなり手を地面に手をつき、そこを基点に一回転。
と同時に翼を銀の羽へと拡散して目くらましを仕掛けつつ、着地して足元へと蹴りを放つ。狙いは、体勢崩し]
[とん、と軽い音を鳴らして地面へと降り立つ。
自らを呼ぶ青年の声に、薄く口許に弧を浮かべながら。
一度、ゆるりと瞬いた。]
……その様子だと、知らないんだ?
[昨日の事。
ぽつりと呟いて、僅かに首を傾ぐ。
揺れる金の隙間から、相手へと翠を向けた。]
ねぇ、フェイ。――君はさ。
家族も同然だろう人が、誰かに傷つけられたら
…怒るんだろうね?
[投げられる問いは、唐突。
揺れる白金が、言葉の後ろで小さく響く。]
…知る?何を……。
[自分にとって昨日のことといえば巨大芋虫以外のなんでもなく。
こちらを見る翠の瞳、受け止める消炭に、かといって怯えはなく]
…どういうこと、だ。何が言いたい。
言いたいことあんなら、ちゃんと言えよ。
回りくどいのも、暈されんのも嫌いって知ってんだろ。
[目の前の相手が意図した理由とは若干違うけれど、確かに青少年は少しだけ不機嫌になる。
ざわめく鈴の音、ひどく頭が痛い]
[相手が刃を避けようとしたことで爪が腕から抜け。
例に漏れず腕から赤が零れ落ちる。
白いワイシャツの袖が紅く染まった]
子供の頃から、ね。
さぞかし可愛かったでしょうに!
[零れる赤もそのままに、防御に使った影を分割し、攻撃に備える。
体勢低くこちらへ向かってくるアーベルに対し、分割した影の一つを槍へと変える。
それを手に持ち相手の勢いに合わせて繰り出そうとする。
しかし繰り出した先にアーベルは居らず。
代わりに目の前に銀が舞った]
きゃあ!?
[銀の羽は月明かりを反射し煌く。
それも手伝い目は眩み、アーベルの姿を見失った。
そして感じる足への衝撃。蹴りはそのまま払いとなり、掬われた足は地を離れ身体は地面へと落ちる]
っ…!
[放った蹴りが足を払うのに成功したのを見るや、獣の気配は息を潜め]
Reine Luft……Anfang!
Ein Faden geworden die Klinge!
[眠れる糸が再び目覚め、息づく。
その身を刃と変えた糸は、右手を振り上げる動作に従って上へと舞い。
続く振り下ろしに、倒れ掛かる所に追い討ちをかけるよに切り下ろされる]
何をって、…本当に、知らないんだ?
[僅かに、驚愕に似た色を浮かべて翠を瞬いた。
尤も、あの子には――見られては困る事を知られてしまったのだし
其の件で言うならば、都合は良いけれど。]
――別に、暈したつもりは無かったんだけれどなぁ。
あの子の事、「妹みたいなもの」だって、言ってたから。
君は、怒るのかと思ってさ。
[腕の包帯までは服で隠せても、掌は覆えない。
紐を持つ手とは逆の、白の見える右手を涼しげに軽く振る。]
…知ってたら、聞かねえだろ普通。
[僅かに、視線がきつくなる。
ヒップバックの重みを、いやだと思いながら確認している自分がいる。
少しだけ、続いた言葉に動揺があっただろうか]
……!
………李雪に、なんかしたのか。
[白い右手の残像に表情を硬くして。
彼の前で、こんなに怒りを顕にするのは初めてかもしれない]
[仰向けで倒れたが故に相手の次なる行動が目に入り]
この程度でやられるほど…軟じゃ無くってよ!
[倒れる中、少しだけ身体を捻り、右手で地面を叩く。
瞬間、ルージュの周囲の地面から影がせり上がり、倒れ込むルージュを包み込む。
それにより迫り来る刃を弾こうと。
刃が影に打ち込まれると、反撃するかのように鋭く尖った影の先がアーベルへと向かう]
ったぁ…。
ホント身体能力じゃ敵わないわね。
けど。
特殊能力で負けるつもりは無いわ!
[影で刃を防いだ状態のまま、己を包んでいる側面の影をすり抜け横に転がる。
すぐに身体を起こし、膝をついた状態でアーベルに相対した]
…それも、そうですね。
[向けられる、強くなった視線には動じないまま、
ゆるりと翠を伏せたまま。薄ら笑みを浮かべて。]
…嗚呼、やっぱり。怒るんだ。
――どうだと思います?
[何処までもはぐらかす様な、言葉。]
……これで終わるようなら、こんなとこにはいねぇんじゃねぇのっ!?
[弾かれた糸を引き戻し、こちらも迫る影を打ち払う]
……そりゃ、こっちの台詞……ってな!
[ふ、と浮かべる孤狼の笑み。
光を受けて煌めく糸に、念を凝らして]
……Schneiden Sie es, und werden Sie die scharfe Klinge!
……日碧、お前…!!
[拳が強く握られる。
グローブが擦れて、ぎりという音がした]
…どうだ、どうじゃない以前の問題だ。
[ぎしり、と皮が音を立てて擦れた]
言わせるまで、だ───
[散らした影を全て手元へと集めて]
全くだわ!
[アーベルの言葉にクス、と笑いを漏らし。
集めた影は細かく分散し、回転する刃を作り出す]
-Schattenschneesturm!
[パチン、と響いたのはスナップの音。
手にするは赤く煌く拳銃。
ホルスターから抜いたかと思えば、そのままの流れ、撃鉄があがり、照準を合わせることすらなくまずはその鉛弾は彼から少し離れた古い瓦礫に軽い雪崩を起こさせる。
そしてその流れそのまま二撃目、距離を近づけるために懐へと飛び込むために走る。
その最中も銃口は確実に日碧を狙おうと向けられるだろう]
[念を込めた糸の刃は光受け、舞う。
影より生まれし刃、それを打ち消さんとするかの如く。
力の干渉が意識を振るわせ、集中に干渉する。
交差しているものたちは、似て非なる物なのかと。
ふと、そんな事を考えつつ──]
……Schneiden Sie es!
[再度、声をあげ、命ずる]
……俺の道……それを、阻むもの、全て……ぶち抜け!
[念を込めた声は糸の鋭さを増し、それは影の刃をも絡めとるよに舞いつつ。
その、刃を生み出した者へと向かい、舞う。
紅呼び起こす、銀煌乱舞]
ご希望ならば、何でも。
あなたの意に沿うままの言葉を差し上げますよ?
――贋物で宜しければ。
[相手を、真直ぐに見据える。
浮かべた笑みは、何処か、作られた]
…嗚呼、やっぱり。
[向けられる銃口に、笑みを浮べたまま。
ぽつりと、呟いて。――続く筈の言葉は、消えた。]
[崩落から距離を取ろうと、逆サイドへと走ると同時に
服の下から、地面へと刃が滑り落とす。
突き刺さる白銀の数、5本。]
――、『舞え』。
[――シャン、 と。
静かに言の葉を紡ぐと共に、高く響く神楽の合図。
呼応する様に、銀が空へと浮かんで。
相手へと向けて突き出した左腕へと従うように、
薄い刃が、二本。青年へと向かって奔る。
向けられる銃口と、続くもう一本は相手の首筋へ向かって。]
[無数の刃でアーベルを刻むべく影を繰る。
しかし]
……──っ!?
[舞う糸が舞う刃を絡め取って行く。
まるで光が影を打ち消して行くかのように]
まさか…そんな…!
光の前では影は無力だとでも言うのか!
[その叫びはいつものルージュの口調とは僅かに異なり。
迫る光に目を見開く。
身を護るにしても己の影は全て刃と変えてしまっていて。
為す術無く煌きの中へと包まれる]
うあああああああ!!
[乱舞した糸は全身を切り刻む。
身に纏う服は切り裂かれ。
周囲に鮮やかな紅を散らす。
白のワイシャツは紅く染まり、ワインレッドのベストやパンツは更に赤黒く染まる]
[煌きが収まり。
一拍の後に膝から崩れ落ち、うつ伏せに地面へと倒れ込んだ]
ふざけんな!誰が贋物よこせっつった!!
[いつだって欲しいのは真実。
銃口狙う刃は赤い煌きそのもので跳ね返せても首筋狙う刃は薄くその皮膚を削いで、ゆえに青少年の表情は僅かに歪む。
よけた弾み足元が僅かに揺らいだがその反動で体が水平方向に1/4回転]
…忘れんなよ。
最初に嘘こいたのは、お前だぜ。
[きり、と唇僅かに噛めば悔しさゆえに鮮やかな血の珠が小さく浮かび。
それでも足は休むことなく、日碧の足元を狙う、二発。
既に、赤い煌きに残された弾は1つ。
空いている手で青い輝きのホルスターのスナップを強引に開けて、重みのあるもう一丁を取り出し、取出しが完了した時点で残り一発の実弾は日碧の頬の高さ狙って]
……さぁ、ね……?
俺は、光じゃねぇから、わからねぇよ……。
[紅に染まり、倒れ伏す様子を見つつ、掠れた声で呟く]
俺は、光でも闇でもない。
ただの、俺。
あんたの影をぶち抜いたのは、俺の『意思』だけだ。
先に進む……っていう、な。
[意思を力として受け止める糸、『ラインルフト』。
その名の通り、純粋であるが故にか。
それは、ただ、使い手の念を、意思を──想いを映すのだと。
いつか、兄に聞いた言葉]
……勝負あり……俺の、勝ち、だな。
…――さて。
いつ。俺が、嘘をついたっけな?
[ゆるりと、首を傾ぐ。金の合間から微かに笑みが零れた。
リンッ、と。高く弾き奏でる韻に応じて。
地へと突き刺さったままの内、二本が銀の軌跡を残して奔る。
足元を襲う鉛を弾こうとするも、速さと威力の勝る銃弾は逸らしきれずに、
軌道の逸れた一つが右の脚を掠める。]
……っ、
[小さく舌打ちを零すも
目の端で、再び向けられる銃口に気付けば
避けるように自らの身体を捻りながら、再び神楽の韻を鳴らした。
対峙する相手の首元に紅を残した白銀が、青年の背後で急転回する。
そのまま、背後から腹部へと向かって]
[うつ伏せの状態から両腕にあるだけの力を込めて。
傷が痛むのも構わないで仰向けへと転がる]
ふ、ふふふ……。
そう、言う、想いが…アタシには、眩しすぎるわ…。
[己の紅で染まった顔で笑う。
反撃する力はもう残っていない]
ア、ナタに、負け、るなら、本望かも、ね。
アタシ、は、いつ、負け、ようが、関係、なかった、もの。
『遊戯』が、盛り上がれ、ば。
あのお、方、が、楽し、んで、くれれ、ば。
それ、で、良いんだ、もの。
[体力の消費と痛みで言葉は途切れ途切れ。
それでも浮かぶ笑みはどこか狂気染みていたか]
そんなもん、かね。
自分の意思がなきゃ、この世界じゃ生きられない。
自分の意思がなきゃ、自分の未来は見つからない。
……押し付けがいらないなら、自分でやんなきゃならねぇ。
俺に取っちゃ当たり前……なんでもねぇ事だぜ?
[眩しい、という言葉に。
糸を手元に返しつつ、呆れたように呟いて]
……あのお方……。
そいつは、つまり……『遊戯』の仕掛け人、か?
[狂気を思わせる笑みに、蒼を険しくしつつ、問う。
答えがあると、期待はしていない、けれど]
アタシ、と、アナタと、では、生きてきた、環、境が、違う、もの。
アナタが、当たり前と、思っ、て、いるように、アタシ、も、今の環境、が、当たり前だと、思って、るわ。
だ、から、眩し、く、見える、の。
[徐々に発される声が弱くなっていく。
紅が流れ出たこともあり、血の気が引き、意識が遠退いていく。
アーベルの問いにはにっこりと笑みを向けて]
こ、の、『遊戯』、を、楽し、む人、なんて、限られ、て、──。
[いるでしょ?
最後の言葉は意識の途切れによって口から出ることは無く。
瞼が真紅の瞳を*覆った*]
[生きてきた環境の違い。
感覚のズレがそこに行き着いたのは、これで二度目だったろうか。
そんな事を思いつつ]
……そういうもん、か……。
[ぽつり、と呟き。
途中で途切れた言葉に、一度、目を閉じる]
……限られて……ね。なるほど。
[呟いて]
Halten Sie einen Faden an…….
[糸へ託した念を解き、再び手首へと。
この場の事は、『回収』担当に任せればいいか、と思いつつ。
ゆっくりと開いた蒼を、*空へと向けた*]
…………不要品……は…いや…
[エーリッヒと戦う前に、相手が呟いた
その言葉は少女にとっても切実な問題。
頭痛はますます激しくなり、
耐えきれない分は涙にかわり]
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