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[立ち去る神父を睨みつける]
誰かを襲うというのか。
そんな、こと。
[させはしない、と言いたかった]
[けれどそこまでの力は無いことも分かっていた]
[自分に出来るのは、こうしてエルザの傍にいることだけで]
…うん、エルザ。
寒い……
[今更のように震えが戻ってくる]
[スープリゾットがあったんだ、と思ったが]
[今はシスターが作ってくれたあれに口をつける気はしなくて]
僕達も、戻ろう……
[そう言うと、エルザの手を握った]
[冷え切ってしまった手で]
…。
[柄にも無く、頬が赤い。
口元を押さえる。
視線がぐるぐると宙を舞い。
彼女に止まる。]
し、失礼致しました!
[慌ててその場を去ろうと]
[遠くに飛んだオトフリートを見つめる顔は、不自然なくらい表情が無いけれど、動揺は声に出る]
オ、トフリート??
[なんだろう。腕に、硬い何か・・・?あん、じぇら・・・?]
[でも今の痛みでふと思い出して。
ポケットから、尖った石を取り出す。
黄金のような、黒のような、不思議な深い色。
その石を見ると、...の表情がすこし穏やかになる。
前を向くをオトフリートが去ろうとしていて]
あ、待っ、て!オフリート・・・これ、あげるわ。
[石を両手で持って、オトフリートに近づき丁寧に差し出した]
ポケット、に入れたまま、座ると、ちょっと痛・・・ううん、おもしろい、から、やってみるといいよ。
[なぜか悪戯心を出した]
・・・よし、あたしこそ、急がなきゃ。
[ぱっと踵を返そうと]
[…嗚呼、彼女は何時もこうやって、不思議な物を拾っては私に自慢げに――
首を振る。]
…あ、ありがとう…ございます…
[俯き、顔は見ずに素直に受け取りポケットへ。
感謝の言葉は尻すぼみに。]
[彼女が踵を返すのを見れば、追って良い物かと悩む。]
[踵を返そうとしたとき、俯いたオトフリートの顔が見えて。
また振り返り、オトフリートの頭をぽんと撫でた]
「撫でると優しくなれるの」。
[自分で言っておきながら、そうの顔は少し困ったような。
でも少し誇らしげな声色。
それは誰かのセリフ]
・・・おかあさんか、おとうさんが、教えてくれたの。
嫌な気持ちになったとき、撫でるの。
・・・こないだね、初、めて、撫でてもらって、とても気持ちよかった。
[クレメンスの、少し熱い手を思い出す。
少し俯いて。今度こそ、走ってこの場を去ろうと踵を返した]
[彼女のセリフと行動に、また何か思うのだろうか。
はっとして顔を上げると彼女はもう去ろうとしており]
[…。…。]
あ。
今夜、と言うのは、一体…?
[先程は彼から去ろうとしたものの、相手が遠ざかれば離れがたく感じ。
思わず呼び止める形に]
[オトフリートに呼び止められ、振り向く]
・・・今夜、特定するという事。
[ほんとうに急いでいるのか、素早く言って、屋敷の方へ去ってしまった]
――広間――
[みんながそれぞれ、自分に与えられた部屋に戻っている頃。
夜色の空が見える。
広間の窓に、両手を付いて。
蒼い目が、すぅっと翠に変わり、そして段々と黄みをおびていく。
髪は銀色。瞳は金色。
月光に照らされ。
きらきらと、輝く様子はなんて美しい。
唇を綺麗に歪め、笑う]
――囁きを、聞かせて。
[数日間蓄えた力は大きくて。
それは窓のある部屋に起きていれば、誰でも見れる可能性があった。
知らせたかったから、それもよかった。
屋敷の全ての窓は波打ち、かたちを変えることだろう。
静かに、沈黙の中で、教えてくれることだろう。・・・『同族』を]
―...to my room―
[ベアトリーチェの怪我の治療をしたあと、...は部屋に戻る。
一度窓の外を見ようとしたが、すこし考えてやめた。]
かなしいひとたち
[神の意思を疑う2人。
bedに入り呟き。眠りにおちる]
*ここはこんなにも綺麗なのに*
―ミハエルの部屋(I)―
[持っていた果物を数個、ミハエルに勧めた。自分の部屋に帰る気になれなくて、ソファにかけてじっと朝を待つうちに*眠ってしまうだろう*]
[言葉少なに素早く去る、イレーネをあ、と口を開けたまま見送った。
今夜、特定する。
その言葉には強い力が込められていた。
彼女には何か、確信めいた物があるのだろうか。]
[それを聞こうかとも思ったが、
彼女の去り方は追って欲しくないようにも見えた。
暫くその場に立ち尽くす。]
…何もねだらない 小さな男の子
命もあげるよ
[密やかに囁く子守歌がふつりと途切れる]
…命ならば、惜しくない。
クレメンスとミハエル。どちらを信じるかと問われれば答えは目に見えている。
あたしの命とミハエルの命の重さを比べても。
…でも、でも。
せっかく取り返した歌。この声。それとミハエルを引き替えろと言われたら…あたしは?
[クレメンスに植え付けられた疑惑の種が、ゆるりと芽吹こうとしていた]
[自分を強く抱きしめて]
…わからない。
[震える]
…あたしには、わからない…。
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