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― 大広間→二階 ―
[それからお腹が空いたから大広間に行って、食事の後少しうとうとしてしまって――気がついたら結構経っていたような気がする]
あ、そうだ。
[ふと思い出したのは、さっきもちょっと話題になった薬の話。
確かあれを持ってきたのは――]
リディヤちゃんに、聞いてみよっかな。
[オリガさんが飲んでいたものは、良く効く薬らしい。ああいうのがあるなら、もしかしたら毒とか置いてるかも。
リディヤちゃんがメイドに場所を聞いて断られていたなんて知らないから、そう思って椅子から降り、二階を目指して歩き出した]
ま、そのくらいの方が、いいのかもねぇ。
[少なくとも、自分だけを標的としているならば、好都合だ、とは。
決して、表には出さぬ思考。
それだけ、他が──『仲間』が生き延びられる率が、上がるから]
なんにせよ、旦那には。
……俺だけ見ててもらいましょーか。
[く、と笑いながら、呼吸を整える。
このまま遣り合っていても、埒は開かない。
なら、多少のリスクは覚悟しても、必殺を狙う、と。
そんな思考をめぐらせながら、男との距離を、測った]
― 客室→二階廊下 ―
そういえば。
ベルナルトを刺してきたの、誰だったんだろう。
[零しながら、客室の中から探したベルトを腰に巻き、そこに鞘に収まった剣を差した。
少し腰に負担は掛かるが、常に両手を塞ぐよりはましだろうと。
それから今度こそ、と扉を開けて廊下へと。]
―――、
[一つの客室の前には、サーシャとオリガの姿。そこを通りかかるキリル。
少しだけ思案してから、そちらへと足を伸ばした。]
っぐ……!
[転がった勢いで、地面に右肩が擦る。
シャツで覆われているとは言え、それでも痛みは避けられない。]
まー、そんだけあんたが魅力的、ってこったぁ。
[軽口に返しながら、体制を直す。
痛みで鉈を振るう手がにぶらなければいいと思いながら。]
[男に、鬼が何人いるかなど知る術はない。
知っていたところで、それでも見つけた鬼を狩る事だけに専念しただろうけど。]
ははっ……
ああ、俺だけ見とけ。
そして、俺に狩られとけ。
[離れる間合い、牽制するようにゆらり、鉈を中段に構え。]
ほかのヤツにゃ、あんたをヤれねぇだろ。
─ 二階・客室 ─
[ベルナルトの部屋を後にし、足を向けたのは自分の使う客室。
止血や手当てを優先したせいか、服が所々彼の血で染まってしまっていたし。
切り裂いたせいで不自然に短いシャツの裾も、気になっていたから]
…さすがに、着替えないとな。
[部屋の扉に手をかけ、苦笑を浮かべる。
ここから出た時は武器を取りに行くつもりだったのに、随分と予定が狂ったものだ。
早く着替えて、当初の目的を果たさなければ─そう、思っていたけれど。
部屋に入り、扉を閉めると無意識、張り詰めていた気が抜けて。
鍵をかけることもなく、扉に寄りかかるようにその場にへたり込んだ]
─ 二階・客室 ─
[それから、どれ程の時間が経ったろうか。
目を覚まして鼻をついたのは、微かな鉄錆の臭い。
どこから、と考えるより先、自分のものではない赤に染めた服を着たままなのに気付いて]
…これは。
着替える前に、洗った方が良さそうかな。
[部屋の外からの臭いを、着ている服に染み付いてしまったのだと勘違いして。
扉の鍵をし忘れている事も頭から抜けたまま、身に着けたものを全て外して浴室へと入り]
…早く、武器を取りにいこう。
こんな所で、死ぬ訳にはいかない。
生きて、此処から出るんだから。
─ 私が、「私」として、生きた時間を得る為に。
[身体を洗う水音に紛れる事無く、落としたのは決意秘めた呟き]
― →二階/リディヤの部屋 ―
あ、ありがとうございま……?
[くるりと振り返って、続けて聞こえた言葉に首を横に傾ける。
ちょっと考えて、言われた部屋の方に目を向ける]
……あぁ。
[二歩、三歩、後ろに戻って、中を覗いてみた。
見えたのは白いシーツだけだったけれど、漂うのはもうすっかり覚えてしまった臭い]
もしかして、殺されちゃったんですかぁ。
[可愛い子だったのに。ちょっとだけ残念で、眉を下げた。
悲鳴を上げたり、泣いたりしないのは、それが一般的な反応だなんて知らないからだ]
─ 二階・客室 ─
[手早く身体を清めると、いつもの通り胸にきつく包帯を巻きつける。
その上に着るのは、メイドに用意された着替えではなく、自分が着てきた服。
喉元から手首まで隠すシャツに、厚めの生地のパンツを身につけて。
それでも尚鼻をさす鉄錆の臭いに気付くと、自然と眉が寄った]
…これ、は。
[身体も洗った、服も着替えた。
ならばこの臭いの元は自分ではなく─
そう思えば、自然と足は外に向かいかけたが、一旦それを堪えて。
脱いだ服に括っていたナイフを、自分の腰に括り直してから改めて扉を開いた]
─ →二階・廊下 ─
─ 二階 ─
[部屋の外に出ると、ある一室の前に数名が集まっているのが見えた]
…皆さん、何を?
[微か残る鉄錆の臭いの中理由を問うは間抜けだろうと、そう思いながら問いかけて。
近寄ろうとしないのは、自分がまだ頼りになりそうな武器を手に入れていないから]
…………堕ちろ、よっ!
[低い宣と共に、無傷の右足で思いっきり、踏み切る。
真っ向から向かうと見せかけ、僅か、相手の左へ飛び込む動き。
左から攻める動きは、そちらの視線が定まらなかったのを覚えていたからこその判断は、男の意表をつけたかどうか。
何れにせよ、懐飛び込み、一撃繰り出すこと──今は、それに専心する。
対して振るわれるであろう鉈を避ける素振りは、一切、見せずに]
― 二階/リディヤの部屋前 ―
おはよう、キリルさん。 ……。
[挨拶をする気分にはなれなかったが、それでもキリル>>115からおはようの言葉を向けられれば、同じ言葉をぽつりと返していた。
そんな「彼女」が、血臭する客室の中へ、躊躇う様子も無く踏み込んだ姿を目にして軽く瞬くも。
直ぐに納得した心算になったのは、始められてしまった『ゲーム』の影響だ、と思考したから。]
…………、
[視線は、広間で熱を出して倒れたあの時以来、顔を合わせていなかったオリガの方にちらと向く。
彼女の中にも、やはり何か、変わってしまったものがあるのか――と思えど。
ここで見る限りは、そういった変化があるのか如何かはよく判らなかった。
そんな彼女>>119からも会釈が返れば、やはり同じような会釈をひとつ返して。
その場を辞する彼女を、特に引き留めることもなく見送った。]
─ 二階・廊下 ─
[リディヤの部屋の前に立つサーシャ達を見止め、声をかける。
キリルは既に部屋の中に入った後だったろうか。
メーフィエ>>116の姿が見えれば彼女にも視線向けた後、サーシャ>>123に戻して]
『鬼』、の。
[告げられたそれを、自分の唇にも乗せる。
リディヤが襲われたという彼が短く零した声に、一瞬どうしたのかと問いかけそうになったけれど。
オリガが彼の傍を離れる>>119に気付けば、広間で休んでいた彼女に付き添っていた時の様子を思い起こし、止めて。
スカートを翻し、自分の隣を通り過ぎる彼女の会釈>>125にはこちらも同じように返すも、声はかけなかった]
ああ、思っとけ。
……猟師生活長ぇけどさ、こんな大物、初めてだぞ。
[男の行動原理なんて、結局はシンプルなモノ。
ゲームを終わらせるため、なんてことは考えてない。
大物を殺る、それだけ。
誰かの為なんて考えちゃぁいない。]
だぁってさ……。
狩らなきゃ、こっちが狩られるだろが。
ま、俺みてぇなおっさんなんざぁ美味くねぇだろうけどさ。
― 一階廊下 ―
[きょろきょろと何か探すように視線をめぐらせた。
メイドが通りがかるとはっとしてそちらに駆け寄る]
すみません、お湯をお借りしたいのですが
どちらにあるか教えて頂けますか?
[大浴場の位置を教えてもらい]
それから、あの……
着替えやタオルもお借りしたいです。
[これは『ゲーム』に関わらぬことだろうけど
自分の事は自分でというのが日常だったから
頼むのにはなれていないような落ち着きのなさ。
そちらに運んでおきます、と人形じみたメイドの声があり
礼を言って、オリガは教えられた方へと向かう]
― 二階/リディヤの部屋 ―
鬼の被害、です、か――。
[サーシャ>>123から告げられたことに、色無い声でぽつり呟いた。
後から来たアレクセイ>>118の問いには気づいたが、サーシャが彼に応える声が聞こえたこともあり、自分からは答えることはしなかった。
ただ一度視線合った時>>127に、こくりと頭を下げただけだった。
それから、キリルの後から部屋に踏み込み。
紅色に染まる白いシーツの前に、膝を折った。]
リディヤ、さん。
[オリガが倒れた時、彼女が薬を取りに行った時の様子は覚えている。
人を助けるために動いた彼女が殺されたことに、内心で何処か安堵してしまったのは。]
貴女は、誰も手に掛けないまま――。
[誰も殺さずに死んだのだろう、と。
それもあったような気は、していた。]
……――!?
[ぼやけたままの左目が、一瞬遅れで煌く刃を認識する。
手首を切り返し、正確な刃の軌跡もわからぬままに迎撃しようとするけども遅れ、繰り出された一撃は深々と胸元へと突き刺さる。
声にならない叫びが喉をほとばしるのを感じながら。
男は、ただ闇雲に、袈裟懸けに鉈を振り下ろした。。]
― 一階廊下 ―
[危険を感じたら人混みに紛れるように教わったけれど
それはきっとこのような状況では当てはまらない。
紛れる前提はその大勢が無害であることが第一条件。
危険と隣合わせなのはきっとどのような状況でも変わらない。
それでも、複数を警戒せねばならぬ状況よりは
『鬼』に襲われやすいであろう一人を選ぶ]
まっすぐ行って、右手、と――…
[右手ではなく、まっすぐその先に人の気配を感じる。
何か話す事が一つ、二つ感じられて、オリガは足を止めた]
― 二階/リディヤの部屋 ―
[アレクセイさんが出てきた事には未だ気が付かずに、白いシーツの傍まで来る。
後から来たメーフィエさんが何やら話しかけている>>131のを尻目に、ボクはシーツの端を掴んで捲ってみた。
一層強くなる血の臭いが鼻を突いて、ちょっと顔を顰めたけれども。
そこにいたのは確かにリディヤちゃんで]
……あれ、これって……薔薇?
[確かそんな名前だったと思う花が、胸元に咲いていた。
丁度そこへ、サーシャさんの声>>135が被る]
……そうなんですかぁ。
なんで、わざわざこんな事するんだろう。
[面倒臭いだけなのに。
良く分からなくて、首を傾げた]
─ 二階・自室前 ─
[メーフィエからも頭下げられた>>131のが見えて、こちらからもそれを返す。
リディヤの部屋へ入っていくのを見て、無意識、こくりと息を飲んで。
自分も向かうべきか、そう思いはするものの頼りない武器しか持たぬ身ではどうしても近づけなくて]
…いえ。
見に行こうとは、したのですが。
ベルナルトさんが、怪我をされていて…
手当てをした後部屋に着替えに戻ったつもりが、休んでしまったので。
[サーシャからの問い>>135に、ベルナルトが名を知る事の無かった男を殺した場に居た事と、彼の手当てをしたこと。
その後今まで部屋に居たことを告げてから、彼が口にした物証を聞いて]
真紅の薔薇、ですか。
…血の色だから、ですかね。
[こちらは、それを聞いたうえでの推測を口にした]
[男も、いや、この屋敷にいる誰もが
盤上の駒でしかないのだろう。
けども。
狂った盤上であろうと、結局男は猟師でしかない。
それ以外の生き方など知らないのだから。
故に、獲物を見抜く目を与えられたのだろうか。]
[右手に確かな手応え。
左目が、そこにある青を映した。]
―――――っ!!!!!
[歯を食いしばり、全体重を右手に掛ける。
刃を通して、肉を裂く音が伝わる。]
― 二階/リディヤの部屋 ―
[白いシーツが掛かっている意図は、メーフィエにも察せられる。
それでも。一度、目を伏せて――そうしているうちに、キリル>>137がシーツを捲り上げていた。
そのことに再び瞬きつつも、
裂かれた首許、裂かれた胸元。
その上に載せられた、血色に染まった真紅の薔薇は、まるで死者に手向けられたそれのように見えた。
サーシャ>>135からの問い掛けと、真紅の薔薇の存在を聞きながら。]
…………まだ見ては、いないです。
そう、ですか。アナスタシアさんのところにも、同じ薔薇が。
まるで、お供えみたいにも、見えるけど――。
『鬼』になった人でも、そういうこと、するのかな。
[視線は遺体の胸元に落としたまま、ぽつりと答え。
それから、自分なりに感じられた推測を、付け加えた。]
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