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イヴァンっ!こっちは任せてっ!
[かける声、もうそちらは見ていない。
落ちてきた金だらいは避けずに甘んじて受ける。かこんと音が鳴る。
痛い、けど余計に恨みは増したかもしれない。]
ねぇ、知ってる…?
呪詛は恨みが強いほどより強力になるんだよ…。
ふふふふふ……。
[人型なら黒い笑みを浮かべていたかもしれない、邪悪な念のこもった言葉。
人型になり、黒いローブを羽織る少女の姿。
今はフードを目深にかぶり口元だけを覗かせている。邪悪な笑みを浮かべた口を]
導師。どっちも任せたっ…じゃ駄目ですよね
[ロミがかける声に倣って平凡にいってみつつ]
ってか知ってる…だったら避けてくれっ
[なんてことを自分でやっておいてなんなんでしょう。でも故意じゃないです]
ぁーあ。地味にいやなのとあたっちゃったなぁ。まだ導師みたいに魔法ぶっ放してくれるほうがありがたい
[邪悪な念がこもった言葉はくロミに、なにやらゼルギウスに大変な気もする採点がつけられてたり、はたしてこの勝負の後。無事でいれるのやらは未定である]
んじゃまぁ…普通に平凡に
『苛烈に凄絶にはしないの?』
[適当に首をかしげ答えながら、気合が入ってるロミの様子に考えるように小声で呪を紡ぐ]
[剣の先にはやはり手応えがない。
呼吸を整え直す間にロミの方を窺う。黒いオーラと金色のタライが見えた。力が抜けそうになった]
…そんな場合じゃないな。
ああ、まかせた。
[向き直ったゼルギウスが魔本に血の付いた指を走らせている。
それが何を意味するのか、直接指導を受けていれば見る機会もあったりしただろう]
界と我を結びし我が盟友、我が意に沿い、朋と舞え。
異界龍・戦!
[黒曜龍に命じたのは水晶龍の抑え]
異界の焔よ荒れ狂え。
檻となりて魔本の所持者を封じ込めろ!
[剣の先から幾本にも分かれた炎が噴出していった。
残ったのは鈍い光を放つだけの剣。
上がっているスピードを活かして全力でゼルギウスの懐へと駆け込んでゆく]
[はじめ呪の言葉を紡ぐように、口元で呟く。首輪についた猫目石は光らず。
突如駆け出してユリアンに近寄る。
鞄に手を入れて、手探りで中に入っている薬瓶を手にし、中身をこぼさないようにふたを緩める。
あの時はユリアンはいなかったので見られていないはず。自分の切り札。
近寄り、ユリアンにだけ聞こえるような冷たい囁く声]
呪いの本当の恐ろしさ…、見せてあげる…。
[虚を突いた動きはうまくいっただろうか?
鞄の中から取り出した薬瓶を、ユリアンに向けて投げる中の液体がユリアンに向けて振りまかれて]
「つむぎ おりなす じゅそ ことば かのもの よりしろ かえよ そのみ わがいに」
[かかったかどうか、確認する前に呪文の言葉を紡ぐ。
猫目石が光り…]
[ユリアンへの突っ込みは以下略。
試験後が大変そう、というのはきっと間違っていないだろうが……というのは、さておいて]
は、そう来るか……。
『ルギィ!』
そちらは任すぞ、ラヴィ。
[黒曜龍の動きと、放たれる炎。
それらに動じた様子もなく、水晶龍に短く告げる。
水晶龍は頷き、自らへと迫る黒曜龍へと向かう。
それを、視界の隅で確かめて]
……界と界を結びし『書』よ。
……我が生命の滴、贄と見なし、『門』を開け。
[静かに紡ぐのは、召喚呪。
迫る炎は、目に入ってるのかいないのか]
……天高く聳えし聖山に住まいし、太陽の翼。
……光の獣、束ねる王をこの地に招かんっ!
[唱えたのは、陽鷲王の召喚呪。
天空より光差し、現れ出でるは焔の如き翼と陽光さながらの光輪を負う巨鳥。
呼び出された陽鷲王は甲高い鳴き声を上げて羽ばたき、光と風の乱舞を呼び起こす。
乱舞は包み込むよに迫る炎と、そして、踏み込んでくるイヴァンを飲み込むように広がった]
よーし、こうなったら覚悟を決めて…って。
[こんどは何に対して覚悟を決めたのか。
ロミを見据えながら、唐突に駆け出したのには思わず瞬いてる間には時には、カバンの薬品が振りまかれる]
ぅーん。知りたくないんだけどなぁ。
ってかそんな冷たい声で喋る子に育てた覚えはありませんっ
[冷たく囁くロミに咄嗟なのかそんなことをいうが、そんなのは喰らうのごめんです。]
でも呪といっても声にこめられた念が届かないと…大丈夫だよね
<πενντα πντε>
[二節の音が振るえば、開いたままの異界の門を返してより小さく風が吹き、空気を震わす呪文の震動が己の身まで届かないように防ごうとして]
[ユリアンの呪文が展開するよりも早く、こちらの詠唱が終わる。]
「そのみ へんじよ」
ねずみになっちゃえっ!
[ユリアンに振りかけた液体はユリアンの身にかかり。
恨みを込めた強い呪詛の言葉、それに呼応するように液体も強い魔力の光りを放つ。
三日三晩魔力と呪詛の念をこめて煮込んだ液体、ユリアンの身をねずみの姿へと変じさせる。
効果時間はおそらく78分ほど。
猫の姿に戻ると、右前足でてしっとねずみになったユリアンを押さえつけた]
しゃーーー。
[押さえつけたまま、牙を剥き出しにして威嚇した]
[そりゃまあ余所事ばかりいってて、間に合うほど都合がいいわけではないのですよ。
案の定呪いのほうが早くって。どうなるのかなぁと思ったら]
……ぉぉぉぉー
[驚きなのかなんなのかの声は、魔力により液体が光って、身体の大きさにしたがって小さくなる。
そのままあっさりと捕まえられ押さえつけられ威嚇される]
チュー(ロミちゃんって重いね)
[戸惑いとかよりもまずそんな言葉が出たりした]
[炎と光と風の乱舞に目を閉じる。
炎も押し負けていない。動きの阻害は十分に出来た]
我が名を銘と刻みし剣よ。
瞬く間のみ、力食らいて細き道を通せ。
[魔力を食らう剣。
迫る力も食らうが自分のも吸い込まれる。
それでもその瞬間に勝負を掛けた。
炎も光も風も吸い込んだ空白地帯が帯のように伸びる]
貰ったぁ!
[そこを走った剣先が相手の懐へと届く。
流石に深く刺してしまうわけにもいかないから、僅かずらして掠め斬った後、引き戻し剣の腹部分を横から叩き込み直した。
呼吸が乱れれば制御も崩れる、はず]
[放たれた炎は、陽鷲王の力と拮抗する。
その力に、僅か、真紅が細められたにのは気づくや否や。
唱えられる呪に応じ、剣が魔力を食らう様。
手にした『魔本』が、物言いたげに震えるのを制し、その力の流れを辿る。
その、僅かな乱れは隙となり、そして]
……ちっ!
[気迫と共に、繰り出された刃。
回避のために影鏡や界渡りを展開する暇も余裕もなく、紅が散る]
中々……やるな!
[それでも、口の端に浮かぶのは愉しげな笑み。
真紅は上空の陽鷲王の映し身へと向かう。
言葉にならぬほどの早口で紡がれるのは、帰還の呪。
焔の翼がひとつ、羽ばたき、光の獣王は空から姿を消し、そして]
……死ねん身で実剣に斬られるこの感触だけは。
どうにも、慣れんな。
[ある種場違いな呟きと共に、長く伸ばした銀の髪がふわりと揺れ。
その場に、片膝をついた]
―平原エリア―
[動物の言葉は理解できるので、ユリアンが何を言っているのかもわかる。
右足でユリアンねずみを抑えつけながら]
そんなこと言ってると食うよ…?
[駆けるのは冷たい言葉。
口を開いて、ユリアンねずみの首のあたりを甘噛み。]
チュ〜(導師もやられちゃったんだ。びっくり)
[なんて導師が片膝をついたのをみたところで、ぴたりと首に歯があたって]
チュー(鬼ー。悪魔ーそんなだから重くな…じゃなくてごめんなさい)
[相変わらず思ったことが先に出るところは健在であった。
思わず盟約龍も近くでため息をついている]
[ゼルギウスが膝を突くのを見て、まだ暴れたそうな剣を鞘に押し込む]
…ここで出てくる感想がそれですか。
あのまま斬っても良かったんじゃ。
[酷く疲れた顔でぼやいた。
実際足にきそうなほど疲れてもいた]
ロミー?
[振り返った先にユリアンはおらず、ねずみを組伏せ噛み付いている猫が一匹]
おお。見事。
『それと、齧ったところで死なないからやりたかったらやっていいわよ』
チュー(裏切り者ー)
[真面目にやりそうでやってなかったのが不機嫌らしいカリンに告げ口されてました]
[何やら暴れたそうな剣の様子にくく、と低い笑い声を漏らして]
詳細な評価は、後日、雷撃学科に届けてやるから、たのしみにしとけ?
[続くのは、こんな一言。
それから、ちら、と『魔本』に視線を落とし、追試会場の様子をチェックする]
ん……向こうも終わったようだし。
よし、全員集めて結果発表、と行くか。
[さらりと言って、ゆっくりと立ち上がる。
ユリアンの様子は、一応見てはいたものの。
敢えて、何も言わずにおいた。
裏返せば、後からなんかくる、と言うのかも知れないが]
さっすが、イヴァン。
[ユリアンのねずみ言葉に、口を離して視線はイヴァンとゼルギウスの方に。
ゼルギウスが片膝をつき、イヴァン立っている。
それはイヴァンの勝利を物語っていた。
イヴァンからかけられた言葉に、明るい言葉で返す。]
私たちの勝ちだねっ!
[足元でさらに何か言われた気がして、前足で押さえつける力を少し強めた。
謝る言葉が聞こえても前足はどけなかった。]
『……ルギィ』
[そこにふわり、と舞い降りてくる水晶龍。
紫の瞳は、酷く物言いたげに。
それに返すのは、苦笑めいた表情]
あー。
手当ては後で、『御方』に頼むから。
睨むな、睨むな。
『……まったく、あなたは……』
[呆れたような言葉と共に、水晶龍は再度、尾を揺らした]
チュゥ〜(あんなに可愛いと思ってたのに〜)
[力が強まって、地面に更にへばりつく感じ。
しかしなんでこんなにいろいろされても普通に元気なのでしょう]
[告げ口が聞こえて、じーっと冷たい視線をユリアンねずみに向けたまま]
首?耳?尻尾?足?背中?それともお腹?
ユリアンはどれがすき?
[気兼ねなくいけると知ると聞いたのはそんなこと]
…開放はしちゃいません、開放は。
てか、生徒相手にあんなの喚ぶ方が…。
[言っても無駄なのは分かっているが。
天を仰ぎ、水晶龍から離れて戻ってくる黒曜龍に左手を差し出した]
おう、援護ありがとうな!
[ロミに笑いかけた姿勢のまま地面に崩れ落ちた。
水晶龍から離れてきた黒曜龍がその上に無言で舞っていた]
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