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[念を込めた糸の刃は光受け、舞う。
影より生まれし刃、それを打ち消さんとするかの如く。
力の干渉が意識を振るわせ、集中に干渉する。
交差しているものたちは、似て非なる物なのかと。
ふと、そんな事を考えつつ──]
……Schneiden Sie es!
[再度、声をあげ、命ずる]
……俺の道……それを、阻むもの、全て……ぶち抜け!
[念を込めた声は糸の鋭さを増し、それは影の刃をも絡めとるよに舞いつつ。
その、刃を生み出した者へと向かい、舞う。
紅呼び起こす、銀煌乱舞]
ご希望ならば、何でも。
あなたの意に沿うままの言葉を差し上げますよ?
――贋物で宜しければ。
[相手を、真直ぐに見据える。
浮かべた笑みは、何処か、作られた]
…嗚呼、やっぱり。
[向けられる銃口に、笑みを浮べたまま。
ぽつりと、呟いて。――続く筈の言葉は、消えた。]
[崩落から距離を取ろうと、逆サイドへと走ると同時に
服の下から、地面へと刃が滑り落とす。
突き刺さる白銀の数、5本。]
――、『舞え』。
[――シャン、 と。
静かに言の葉を紡ぐと共に、高く響く神楽の合図。
呼応する様に、銀が空へと浮かんで。
相手へと向けて突き出した左腕へと従うように、
薄い刃が、二本。青年へと向かって奔る。
向けられる銃口と、続くもう一本は相手の首筋へ向かって。]
[無数の刃でアーベルを刻むべく影を繰る。
しかし]
……──っ!?
[舞う糸が舞う刃を絡め取って行く。
まるで光が影を打ち消して行くかのように]
まさか…そんな…!
光の前では影は無力だとでも言うのか!
[その叫びはいつものルージュの口調とは僅かに異なり。
迫る光に目を見開く。
身を護るにしても己の影は全て刃と変えてしまっていて。
為す術無く煌きの中へと包まれる]
うあああああああ!!
[乱舞した糸は全身を切り刻む。
身に纏う服は切り裂かれ。
周囲に鮮やかな紅を散らす。
白のワイシャツは紅く染まり、ワインレッドのベストやパンツは更に赤黒く染まる]
[煌きが収まり。
一拍の後に膝から崩れ落ち、うつ伏せに地面へと倒れ込んだ]
ふざけんな!誰が贋物よこせっつった!!
[いつだって欲しいのは真実。
銃口狙う刃は赤い煌きそのもので跳ね返せても首筋狙う刃は薄くその皮膚を削いで、ゆえに青少年の表情は僅かに歪む。
よけた弾み足元が僅かに揺らいだがその反動で体が水平方向に1/4回転]
…忘れんなよ。
最初に嘘こいたのは、お前だぜ。
[きり、と唇僅かに噛めば悔しさゆえに鮮やかな血の珠が小さく浮かび。
それでも足は休むことなく、日碧の足元を狙う、二発。
既に、赤い煌きに残された弾は1つ。
空いている手で青い輝きのホルスターのスナップを強引に開けて、重みのあるもう一丁を取り出し、取出しが完了した時点で残り一発の実弾は日碧の頬の高さ狙って]
……さぁ、ね……?
俺は、光じゃねぇから、わからねぇよ……。
[紅に染まり、倒れ伏す様子を見つつ、掠れた声で呟く]
俺は、光でも闇でもない。
ただの、俺。
あんたの影をぶち抜いたのは、俺の『意思』だけだ。
先に進む……っていう、な。
[意思を力として受け止める糸、『ラインルフト』。
その名の通り、純粋であるが故にか。
それは、ただ、使い手の念を、意思を──想いを映すのだと。
いつか、兄に聞いた言葉]
……勝負あり……俺の、勝ち、だな。
…――さて。
いつ。俺が、嘘をついたっけな?
[ゆるりと、首を傾ぐ。金の合間から微かに笑みが零れた。
リンッ、と。高く弾き奏でる韻に応じて。
地へと突き刺さったままの内、二本が銀の軌跡を残して奔る。
足元を襲う鉛を弾こうとするも、速さと威力の勝る銃弾は逸らしきれずに、
軌道の逸れた一つが右の脚を掠める。]
……っ、
[小さく舌打ちを零すも
目の端で、再び向けられる銃口に気付けば
避けるように自らの身体を捻りながら、再び神楽の韻を鳴らした。
対峙する相手の首元に紅を残した白銀が、青年の背後で急転回する。
そのまま、背後から腹部へと向かって]
[うつ伏せの状態から両腕にあるだけの力を込めて。
傷が痛むのも構わないで仰向けへと転がる]
ふ、ふふふ……。
そう、言う、想いが…アタシには、眩しすぎるわ…。
[己の紅で染まった顔で笑う。
反撃する力はもう残っていない]
ア、ナタに、負け、るなら、本望かも、ね。
アタシ、は、いつ、負け、ようが、関係、なかった、もの。
『遊戯』が、盛り上がれ、ば。
あのお、方、が、楽し、んで、くれれ、ば。
それ、で、良いんだ、もの。
[体力の消費と痛みで言葉は途切れ途切れ。
それでも浮かぶ笑みはどこか狂気染みていたか]
そんなもん、かね。
自分の意思がなきゃ、この世界じゃ生きられない。
自分の意思がなきゃ、自分の未来は見つからない。
……押し付けがいらないなら、自分でやんなきゃならねぇ。
俺に取っちゃ当たり前……なんでもねぇ事だぜ?
[眩しい、という言葉に。
糸を手元に返しつつ、呆れたように呟いて]
……あのお方……。
そいつは、つまり……『遊戯』の仕掛け人、か?
[狂気を思わせる笑みに、蒼を険しくしつつ、問う。
答えがあると、期待はしていない、けれど]
アタシ、と、アナタと、では、生きてきた、環、境が、違う、もの。
アナタが、当たり前と、思っ、て、いるように、アタシ、も、今の環境、が、当たり前だと、思って、るわ。
だ、から、眩し、く、見える、の。
[徐々に発される声が弱くなっていく。
紅が流れ出たこともあり、血の気が引き、意識が遠退いていく。
アーベルの問いにはにっこりと笑みを向けて]
こ、の、『遊戯』、を、楽し、む人、なんて、限られ、て、──。
[いるでしょ?
最後の言葉は意識の途切れによって口から出ることは無く。
瞼が真紅の瞳を*覆った*]
[生きてきた環境の違い。
感覚のズレがそこに行き着いたのは、これで二度目だったろうか。
そんな事を思いつつ]
……そういうもん、か……。
[ぽつり、と呟き。
途中で途切れた言葉に、一度、目を閉じる]
……限られて……ね。なるほど。
[呟いて]
Halten Sie einen Faden an…….
[糸へ託した念を解き、再び手首へと。
この場の事は、『回収』担当に任せればいいか、と思いつつ。
ゆっくりと開いた蒼を、*空へと向けた*]
…………不要品……は…いや…
[エーリッヒと戦う前に、相手が呟いた
その言葉は少女にとっても切実な問題。
頭痛はますます激しくなり、
耐えきれない分は涙にかわり]
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