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シスター ナターリエ に 1人が投票した。
漁師 アーベル に 3人が投票した。
音楽家 ヘルムート に 1人が投票した。
細工師 ユリアン に 4人が投票した。
細工師 ユリアン は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、漁師 アーベル が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、黒珊瑚亭 ユーディット、シスター ナターリエ、画家 カルメン、音楽家 ヘルムート、お子様 カヤ、孤児 ロミ、研究者 エーリッヒ の 7 名。
─ 黒珊瑚亭 ─
そう、ですか…?
[ヘルムートの返答>>3:212に少し残念そうな表情をしたが、続く言葉と示された乾いたタオルに、疲弊の色を見せながらも緩やかに微笑を浮かべた]
はい、手伝わせてください。
[かけ離れていく日常の中で、少しでも気を紛らわしたい。
その思いは少なからずあった。
タオルを手に取り水で濡らして。
最初よりは紅が薄くなった床を熱心に擦っていく]
……結構、大変ですね……。
[力を入れて擦るけれど、足りないのかなかなか色は薄まってくれない]
― 黒珊瑚亭 ―
[カルメンは気づいただろうか。
それが全く同じものだとは思わなくても、似通った徴であるというだけでもしかして、とも思えて]
どうして、アーベル……ユリアンだけ連れて行ったんだろう……
[じわじわとした不安が湧いてきて、うろうろと周囲に視線を彷徨わせる。
宿の片づけを、ヘルムートやナターリエに任せていることすら気づかないまま。
小さな子供たちへと視線を向けて]
……どこいったか、わかんない。
[カヤとロミ>>3:216へと呟き]
― 黒珊瑚亭 ―
もどってくる、よ……
[ロミ>>2に同意しながらも、なんだか不安でしかたがなくて。
そわそわとしはじめてしまう。
カルメンも気にし始めた様子をみて、カヤ>>3の言葉に頷き]
……そうだね、いって、くる。
[こくりと頷いて立ち上がる頃にはどれだけの時間が立っていたのか。
宿の外へと向かって歩き出したところで、手元を赤い色に染めたアーベルが帰って来るのが見える]
アーベルっ
[慌てて駆け寄ったアーベルの顔色は悪く見えた。
強張った表情にも見えて、血の匂いに、何があったのかと、不安は強くなる。
そして告げられた言葉に驚いたように瞬き]
え……え?
ユリアン……、し、んだ、の……?
[ユリアンが人狼だったと告げられたかどうか。
ただ、処刑しただけだなんてきっと信じられないけれど、人狼だと告げられていても信じられず。
どちらかだったかなんて、親しい友人を手にかけたという事実に衝撃をうけて聞き漏らしてしまった。
アーベルも口数少なく、必要最低限のことだけを告げて、そのまま部屋へと向かってしまい]
……っ、アーベル……
[とっさにその背を追いかけたけれど、結局部屋の中までは入れずに。
羅針盤も返せないまま、預かっておくね、と扉の外から声をかけた]
[戻ってきて、何か分かったかときかれたら首を振り]
……わかんない、けど。
ユリアンは、外に、いる、って。
[人があまり通りかからない、そんな路地で。
行なわれたことを誰かが見ていれば、そのうち自警団がやってきたかもしれないけれど。
ユリアンの死を確認しようにも、身体がうごかなかった**]
[しばらくしてアーベルお兄ちゃんと一緒に戻ってきたユーディットお姉ちゃんからユリアンお兄ちゃんのことを聞き、
さっきのアーベルお兄ちゃんの言葉はいろいろ気にもなっていたけど、
それがユリアンを殺したことに関係したかもしれないし。
でも話を聞けそうな雰囲気ではなく感じて、聞けずにいた]
なんで皆で殺し合いとか、しなきゃいけないんだろう……
そっちの方がよっぽど……
[ひどいと、までは言い切れなかった]
─ 黒珊瑚亭 ─
そうですね…元通りは、難しそうです。
はい、無理はしません。
[注意を向けられ>>4、素直にそれに従って。
同じ箇所を何度も擦って少しずつ色を薄めていく。
何度かそれを繰り返すうち、床に残る色がタオルに移っていって。
一度タオルを洗おうとした時、外に出たはずのアーベルが戻って来た。
ユーディットとのやり取りに、瞳を何度か瞬かせる]
なに が……?
[会話は聞こえているのに理解が及んでくれなくて。
ふる、と一度身体が震えた**]
― →路地 ―
[ユーディットは詳しく場所を話したか、
ひょっとしたらそんな余裕も無かったかもしれないが。
とにかく子供は駆け出して、あたりをきょろきょろ見て回った。
あとからロミがついてくるのは気づいていたが、
子供は来るなとも来いとも言わなかった。
おそらくそんなには走らずに、
塀だか家だかの合間にある細い路地の奥から、
黒珊瑚亭で嗅ぎまくった匂いに気づいて、ぴたりと足が止まった。]
…………。
[日は昇っているのに薄暗くみえるのは、
安定しない天候のせいだろうかと子供は思った。]
[じりっと一歩踏み出すと、砂利踏んだ音がやけに響く。
一歩、また一歩、奥へと進むと赤い色がじんわり路地に染みていた。]
ユリにー…。
[その染みの元にいた青年に、呼びかけたが返事は無い。
もはや只の屍と成り果てていた。
立ち尽くす、足はそれ以上動かない。
怖いと思うほど無残な姿でなかったせいか、
子供の頭の中には、ぐらんぐらん同じ事が繰り返し回っていた。]
アベにー、なんで。
[何故どうして。
アーベルとユリアンが仲が良かったのは知っていた。
だから、何でこうなったんだと、そんな疑問しか浮かばない。]
― 黒珊瑚亭 ―
おい、アーベル?
[シスターと一緒に>>11手を止めた。
呼びかけにも殆ど反応せずに中に入って行く態度は尋常でなく、その手が赤いのにも気がついたけれど。ユーディットがすぐ追いかけたようなので>>6少し待った]
おいこら!
[ユリアンは外にと聞くと、子供達が>>14真っ先に飛び出してゆく。
二人一度に引き止められそうにはなく、カヤとは>>12どうも上手くやれていない。血に染まった雑巾を放り出していくのも、習いとしてできかねて出遅れた]
子供達を落ち着かせられるようなもの、用意できますか?
俺も行ってきます。
[頼むより先にシスターは動き出していたかもしれないし、人の死に何かを感じるらしいカルメンも先に動いていたかもしれないが。
雑巾と桶を端に寄せ、言い残してから後を追って]
―→路地―
[カヤ君の後に続きたどり路地に入ると、立ち止まったそこにようやくおいつき隣に並ぶようにし、息を整える。
最近特に嗅ぎなれてしまったような匂いに気づき、ゆっくり薄暗い路地に足を進めるのに、少し遅れてついていく]
ユリアン、お兄ちゃん…?
[路地に似つかわしくない赤の色には一緒に気づき、カヤ君に遅れて呼びかける。
返事は返ってこない、ユーディットお姉ちゃんの言葉のとおりに、死んでいることを示すものしかそこには見られない]
カヤ…君……
[なんでというカヤ君の服のすそを思わずつかむ。
二人は確か仲良しだったはず、そんな二人の間なのに……]
わからない、ナターリエお姉ちゃんだって、アーベルお兄ちゃんだって、
なんでしたくもないのに、しなくてもよかったかもしれないのに、こんなこと……
正しいことだなんて、私、思えないよ……
人狼が悪いって……、そういうことなの……?
やっつけないと、人狼を、
早くやっつけないと…。
[眉根をきつく寄せて、さっきまで生きていた人を見るが、
きゅうにしなりと眉が落ちた。]
ユリにーの細工、
見せてもらう約束だったのに…。
[ぎゅうっと拳を握り締めると、じんわり目の端に涙が滲んだ。
ただただひたすら、悲しかった。]
― 4日目早朝/黒珊瑚亭 ―
………。いや、僕が行ってくるよ…。
君は…宿の朝の支度もあるだろう。
[アーベルの様子を見に行った方がいいだろうか、
というような話になったなら。
ゼルギウスを発見した時の彼女の悲鳴>>3:84>>3:85と、震える手を
カルメンに支えられていた様>>3:139が、ふっと脳裡を過り。
“ユー坊”とユーディットを呼ぶアーベルの声と、
親し気だった二人の様を思い出して。
ユーディットは彼女が行くというようなことを言ったかもしれないが、少し強い口調で自分が行こうと口にした]
……アーベル?
[アーベルの部屋まで行けば、間を置いて数度ノックして。
暫くたっても応えの無いのに、そっと扉を開けた]
― 4日目早朝/黒珊瑚亭 ―
[部屋に足を踏み入れた瞬間、血臭が鼻をつくも、
開いた窓の為にそれほど濃くはなく。
部屋の中央あたりから広がる赤黒い染みと、
寝台に俯せに横たわる――それだけ見れば眠っているのかと
思えなくもない、毛布を掛けられたアーベルの身体が目に入れば。
咄嗟に瞳を逸らすも、ややあってから近づいた]
……アーベルが…。
[仰向けになおした身体の、臓腑を失い広がる赤黒い洞と、
酷い喉の様が見えぬよう、毛布を喉元まで引き上げて隠してから。
微かにふらつく足取りで階下に降りた時には、
他にも誰か、起きてきていただろうか。
ユーディットの顔を見れば――言葉が渇いた喉に張り付いて…漂うのは数瞬の沈黙。けれど、血の気の引いた表情と強ばった声で、
酷く悪い知らせなのは、伝わってしまっただろうか*]
― 回想 ―
[ユリアンの死を確認しにいったカヤたちが戻ってくれば、その表情で本当なのだとしれて。
小さく俯く。
その死を見にいくことはできないまま、アーベルの部屋の前に、簡単なスープぐらいは置いておいた。
そして夜、部屋にもどってもほとんど眠れずにいて]
― 四日目早朝/黒珊瑚亭 ―
[けっきょく眠れなくてかなり早い時間におきだした。
父親の心配そうな視線にはちからない笑みを返すだけで。
エーリッヒ>>24が降りてきたのに、おはようと返し。
昨夜置いたスープはなくなってはいたけれど、その姿は見てないと答えて]
アーベルの様子、見にいったほうがいいかな……
[どこか不安げに呟く。
夜があけるたびに誰かが死んでいるのだから、もしかして、という思いもあって。
けれど強い口調で止められれば静かに頷いて、エーリッヒ>>25が様子を見にいくのを見送り]
[心配だけれども、朝の支度は続けたまま。
どれくらいか時間が立って降りてきたエーリッヒ>>26の様子に、手がとまり]
え、……アーベル、も……?
[強張った声と、沈黙とに。
手にしていた皿を取り落としてかしゃんと破れてしまった]
[エーリッヒが引きとめる声も聞こえないままに階段を駆け上がってアーベルの部屋へと向かう]
っ!
――アーベルっ!
[見えた室内に悲鳴のような声でアーベルの名を呼び。
毛布に遮られて見えない身体と、その下に色がる赤い色に。
昨日見たゼルギウスの姿がかぶさって、その場に崩れ落ちた**]
─ 三日目/黒珊瑚亭 ─
[瞬きを繰り返すユーディットの様子>>3:214に、楽しげに笑む、ものの。
続いた言葉に、僅かに眉が落ちた。
答えようのない言葉には何も言わず、こちらの言葉の意も問われる事はなかったから、それ以上は言わず]
……んん?
あー……言われてみれば、そう、ねぇ。
[示された羅針盤の裏。
印象に残った図形や図案を覚えるのは得意だったから、団長の手にあった徴も、記憶に刻まれていた]
(同じ徴……だとしたら。
同じ由縁を持つ、ってことかしらぁ)
[そこに思考が至るのは早く、なら、それが何を意味するか、と。
思考を先に延ばせば、過ぎるのは複数の予感で]
……ベルくん、が。
ユリさん、を?
[伝えられた事実に、零れたのはどこか呆然とした呟き]
……いか、なきゃ。
[それならば、自分は見なければならない、と。
そう、思ったから、再度、立ち上がろうとする。
消えぬ霞にもたつく間に、カヤと、彼を追ってロミが駆け出して行き。
二人を追ったヘルムートにも僅かに遅れて、外へと駆け出した]
……っ!
なんっ、で!?
[知らず、上がるのは、上擦った声]
なんで……なんで、黒いの!
なんで……なんで、ゲルダちゃんたちと、いろ、違うの!
[問うた所で、誰にも答えられるはずのない問いが路地に響く。
足の力が抜けてその場に座り込んだ直後に、黒い火は消えて、視界にいろが戻った]
なんでぇ……?
[幼い頃から見知っていて。
戻ってきてからは、彼の手で生み出される細工に心惹かれて、足繁く通っていた。
細工を見るのも、身に着けるのも、どちらも好きだったから。
繊細な細工を見ている間は、余計な事は忘れていられたから]
……新作、楽しみに、してたの、に。
[そんな思いが巡るから、口をつくのは日常的な言葉。
他にもっと、言わなければならない事があるはずなのに、言葉が上手く結べなくて]
もう、やだぁ……。
これで、終わって……こんな事、もう、終わらせて……。
[黒が何を示していたのかはわかる、から。
零れ落ちるのは、今にも泣きそうな震え声の呟き、ひとつ。**]
―回想・2日目夕方/黒珊瑚亭―
………。ありがとう。
お兄ちゃん、と言ってくれるのも、ね。
[ロミに、謝ることないよ、と言って貰ったことと>>169、
お兄ちゃんと呼んでくれたことに、微かに瞳を瞠り]
うん、悪いのは…?
[途中までの言葉に、続きを促すも。言葉を飲み込む様子に、
一瞬、案じるように小さな少女を見遣って]
……こんな状況だから、ロミが何を言っても、
僕は、悪口だなんて思ったりしない。
それに、僕の姉さんも、レディではあったけれど、
つらい時には、つい色々と言ってしまうこともあったよ。
[そんな時には、姉もよく、レディらしくないことを言ったと、
落ち込んでいたのを思い出して、ほんの少しだけ瞳を緩める]
―回想・2日目夕方/黒珊瑚亭―
だから、レディであっても、あまり無理せず、
一人で抱え込み過ぎないで、いいんだよ。
僕では、頼りにならないかもしれないけれど、
誰にも言わないから、
何か話したかったら、いつでもおいで。
[初対面の時よりは打ち解けてくれた様子の少女が、
拒まなければ、そっと頭を撫でて。
ロミが、4年前に島に流れ着いた子だとは知らなかったから、
部屋を出ていく姿に、行動規範としてレディらしさを
気にするような家庭で育ったらしい少女が、
どうして島の孤児院にいるのだろう、とちらりと思った]
―3日目/黒珊瑚亭―
………っ。
[肉屋くさい、というカヤの表現に>>3:159、
包み運ぼうとしていた眼前のゼルギウスの遺体と、
漂う血肉の匂いが合わさって。
ふっと幼い頃の記憶が脳裡を過り、ぎゅっと瞼を瞑った]
……ヘル、だいじょうぶ?
[眼裏の記憶を追い払うように、一つ頭を振った時、
ヘルムートの鎮魂歌>>3:177が聴こえて。
彼の声に救われるような気持ちで、耳を傾け、
ゲルダとゼルギウスの魂の安らかなることを祈ろうとした時。
咳込む様子に瞳を開く]
そう…。気をつけて…。
[応えは何かを誤魔化すようにも感じられて、案じるように瞳を翳らせた]
―3日目/黒珊瑚亭・自室―
………。
[手伝ってくれた人達や自衛団員と、
ゼルギウスの遺体を運び終え。
自室で血に染まった服を脱ぎ、身体の血を拭おうとした時。
ふと、鏡に映る姿に目が止まる]
……姉さん…。
[心臓付近を中心に、無数にある小さな傷跡のうちの一つ、
一番新しい、薄紅色の跡を残すのみの傷を、そっと指でなぞる。
それらの傷跡が消えてほしいのか、消えてほしくないのか、
自分でも分からないまま、鏡から瞳を逸らすと、
まだ微かに眩暈を覚えつつ、着替えて階下へ降りた]
― 3日目/黒珊瑚亭 ―
[エーリッヒに今度も案じる瞳を>>39向けられ、誤魔化しているのが少し後ろめたくなって]
……実は、喉が本調子じゃないんだ。
[少しだけ本当のことを口にした。
記憶を薄れさせるためにきたはずの島で人が死に続けている状況では、詳しく話す精神的余裕がどこにもなかった。
島の外にいたエーリッヒなら、港町の屋敷で出た死者を伴う事故と火事の噂も聞けていたかもしれない。これだけで結び付けられるかどうかは謎の話だが]
ありがとう。
[ゼルギウスをそのままにして詳しく話したりはしないし出来ない。その場では短く返しただけで話を切って。
ナターリエと同じようにやってくるなら>>41苦笑しながら頷いて三人がかりで掃除して。おかげで子供達が飛び出す前に随分と目立たなくすることが出来た]
― 3日目/路地 ―
カルは、そういう力の持ち主だと主張するんだな。
……落ち着け。
[まずはできるだけ冷静にエーリッヒ>>41とカルメン>>35に言って。ようやくユリアンに歩み寄ると、カルメンの頭へ>>36手を伸ばした。
昔、転んで泣き出しそうになった時と同じように撫でようとしたのだが、避けられてしまうなら寂しげに手を引き戻す]
つまり、ユリアンが人狼だったと。
何かでそれを知って、終わらせるためにアーベルは動いたわけだ。
[カルメンの言葉の真偽に確信はないが、そう思えば筋は通った。
人狼であっても抵抗されなければ人を刺したのと変わりなかっただろう。アーベルに覚悟があったとしても動転して当然だと思う。
カヤやロミの注意もこちらへ引こうと、わざと断定口調で言った]
何故抵抗したなかったかなんて、本人以外に分かるもんか。
どうやって分かったのかも、アーベル本人に聞いてくれ。
[そこらの謎は残っていたが、突っかかられても「俺が知るか」で押し通した。カヤが反発なり八つ当たりで殴りかかってきたら少しは揉めたかもしれないが、最終的に子供なら押さえ込める程度の腕力はあったはずだ]
― 3日目/黒珊瑚亭 ―
アーベルは篭ったままか…。
[ユーディットすら中に入れないと聞いて、部屋を訪ねるのは諦めた。そのまま持ち主に返せなくなったと、翌朝知ることになる*]
─ 前日/黒珊瑚亭 ─
[床掃除を手伝うと言って近付いて来たエーリッヒに一度視線を向けるも、疲れたような表情を見せただけで互いに何も言わず。
作業を続けようとしたところで手を紅く染めたアーベルが戻って来た>>6。
彼はユリアンを殺したことを告げ、口数少ないまま奥へと向かってしまう>>7。
そのことは耳に入ったのに、思考が働くまでに時間を要し。
我に返ったのはヘルムートから声をかけられてから>>17のことだった]
は、はい。
えと、落ち着かせられる、もの。
[繰り返して言うも、用意出来ると言えば簡単なものであり、それも黒珊瑚亭の主に頼むことになるものばかり。
結局、蜂蜜入りのホットミルクと何か甘いものを、と店主に頼んで、ナターリエもまた他の者達を追い外へと向かう。
あれこれとやっていたため、外へ出たのはカルメンの後]
─ 前日/→路地 ─
[路地に入ると同時に聞こえるカルメンの声>>35。
集まる人の影でユリアンの身体は目に入らなかったが、スッと顔から表情が消えた]
……黒い……違う……ちが、う?
[ゆらりと、ひかりを失くした瞳の奥で昏い焔が揺れ動く。
呟きはそれだけで止まり、瞳はカルメンの後姿を見詰めていた]
(他と違う? いいえ、違わない。
あぁ、どうして。
彼らは生きたいだけなのに、彼らが生きるためなのに。
人間だって命あるものを殺し、糧にしているのに。
どうして彼らばかりが────!)
[渦巻く想いは昏く、黒く淀み。
慈悲の名を持つ者の中に憎悪を深く根付かせていく]
(…終わらない、終わらせない。
まだ、残っている。
許さない ゆるさない ユルサナイ
彼を殺した者は 絶対に ゆるさない)
[両手で自分を抱くように抱き締め、顔を伏せて唇を噛んだ。
報復は必ず行うと、心の奥に刻み込む]
─ 前日/→教会・聖堂 ─
[路地から黒珊瑚亭へと戻ったなら、ロミとカヤには蜂蜜入りのホットミルクが差し出される。
頼んでいた甘いものは、黒珊瑚亭のデザートメニューから振舞われることになり、子供達が食べたいものが運ばれるはずだ。
ナターリエは茶を貰い、それで喉を潤して。
子供達が戻ると言うなら共に、残ると言うなら1人で教会へと戻った。
教会につくと、ナターリエはいつものように聖堂へと向かう]
……………
[腕に下げていた籠を傍らに置き、祭壇の前に膝をつき。
手は組まず、前に立つ像を見上げた]
主よ ────
この世は、理不尽過ぎます。
異なるだけで虐げられ、生きたい者が生きられない。
私は、それが許せません…。
もう、許すことが、出来ません。
護れなかった、私自身が 許せません ───!
[零れ落ちる想い、内に秘めていたもの。
噛みしめた唇に紅が滲む]
……もう、これ以上は。
これ以上、失うことは……。
[新たな想いは原動力となり、昏い瞳に意思が宿った]
[連日同様、ナターリエは聖堂で夜を明かす。
けれど、祈りを捧げることは終ぞ無かった*]
―3日目/黒珊瑚亭―
……喉が?
そうか…お前の様子がずっとおかしかったから、
なんとなく、何かあったんだろうな…とは思ってた…。
[この島に来て以来、音楽のことや歌のことが話題になる度に、
ヘルムートに感じていた違和感に納得がいき。
心配気に瞳を翳らせて、小さく頷いた]
[貴族や特権階級では、醜聞や好奇の噂は、火よりも早く回る。
港町の屋敷の火事のことや、音楽家が巻き込まれたらしいことなどは、噂話では聞いてはいても、ヘルムートと繋げたことはなかった。
だが、喉の不調が、火事などが原因であると知れれば、
記憶が結びつくことはあるかもしれない]
……いや、此方こそ、話してくれてありがとう。
[ヘルムートが話を切り上げれば、目の前の
ゼルギウスの遺体を包む作業に戻った。]
─ 3日目/路地 ─
[名を呼ぶエーリッヒの声>>44は、自身の上げた声に遮られて届く事はなく。
呟き落とした後は俯いてしまったから、伸ばされた手には気づかなかった]
……ルゥ、お兄。
[撫でる感触に見上げる様子は、幼い頃のそれと変わらない。
状況をまとめるヘルムートの言葉、それにできたのは頷き返すだけで。
紡がれる鎮魂の祈りを聞きながら、壁に手をつきつつ、立ち上がった]
……ぼくは、だいじょう、ぶ。
もどらない、とね。
[言うほど大丈夫ではないのは、幼い頃の意地張りを知る二人には隠しようもないだろうが、こう言って。
やや、不確かな足取りで黒珊瑚亭へと戻った]
─ 3日目/黒珊瑚亭 ─
……ベルくん、は?
そっか……。
[宿まで戻り、アーベルの事を問えば、返るのは篭もっている、という言葉。
そうしたい気持ちもわかるから、無理に部屋を訪ねる事もできなくて。
戻った個室で、置き去りにされて不安げになっていた白猫を宥めつつ、ぼんやりと考えをめぐらせた]
……ベルくんが、ああしないとならなかった、理由。
[白猫を抱きしめ、思考を巡らせる]
何の宛てもないのに、知り合い、手にかけられるようなひとじゃ、ない。
だから、それだけの理由が、あったから、で。
それだけの理由……。
[考えられるのは、今、自分が知った事を事前に知っていた、という事。
そして、それをなし得るのは]
……つまり、そういう、こと?
[思い至った可能性に小さく呟くも、確かめる術はない]
落ち着いたら、聞けば、いいか。
……その前に、これで終わってくれれば、一番いいけど。
[人狼が何人いるか、そも、それがわからないから不安はつきない。
けれど、もうこれで終わって欲しかった。
これ以上、誰かが欠けるのは嫌だったから。
夜が明けたなら、その願いは儚く打ち砕かれる事になるのだけれど。*]
─ 翌朝/→黒珊瑚亭 ─
[夜通し考えていたのは、護るために誰を殺すかと言う事。
体格的な問題で男性を相手には出来ない。
子供達は護る対象。
自動的に残るのは、女性]
……… あぁ ────
[思い浮かぶ、一つのこと]
終わらせて、 あげないと。
[終わってと願っていた彼女。
だったら、終わらせてあげよう]
[ナターリエは傍らに置いた、ナイフを忍ばせた籠を腕にかけ、教会を出る。
ゆるりとした歩みの先、黒珊瑚亭へと辿り着いたのは、アーベルの無残な姿が発見されてからのことだった]
……終わらないんだね。
[小さく紡いだ視線を向けた先には、呼ぶように揺らめく白い炎。
ぼんやりとそれを見つめていると、ぬくもりが擦り寄ってくる]
……クラニア。
[手探りで抱き上げた温もりを、胸にかき抱く]
ねぇ。
ぼくは。
いつになったら、解放してもらえるんだろうね……?
……ようやく、逃げ出せたと思ったのに、ねぇ。
帰ってきて、もう大丈夫かな、って思ったら。
[白猫を抱えるその下、胸の膨らみの上。
そこに刻まれた、薔薇の刺青。
後援者となったとある貴族につけられた、『所有印』。
当の後援者が権力闘争に敗れた事と、父の死と。
それらの時期が重なったことで、その呪縛からは逃れることができて。
穏やかな島の暮らしの中、気ままに生きて絵を描くことで、離れていた間の暗い部分は忘れていられた]
なのに……今度は、これ、だものねぇ。
[浮かぶ笑みは、どこか、苦い。
それを案ずるように鳴く白猫の声に、僅かに眉を下げて]
……ん。
いこ、クラニア。
[短く告げて、立ち上がる。
白の炎は、ひとつ揺らめくと扉の向こうに消えた。
それを追って向かった先。
崩れ落ちたユーディットと、支えるエーリッヒの横を抜けて、室内を覗き込む。
唯一見える、色の周りを巡るいろを確かめたあと、目を伏せて]
……ダメでしょ、もう。
女の子、哀しませるのは、感心しないわよぉ?
[ぽつり、と紡いだのは、こんな言葉]
─ 3日目/路地 ─
…カル、無理はするなよ。
[少しも大丈夫でなさそうな様子なのに、
だいじょうぶ、という姿に、>>57、
意地っ張りだった幼い頃を思いだして、よけいに心配になるも。
ヘルムートに頼まれたこともあり、ロミとカヤの身も案じられて]
二人とも。一緒に帰るのでもいいかい?
……シスターも、よければ。
[ゲルダのことがあっても、
二人がシスターを慕っている様子に変わりなく見えたので、
ゲルダのことがあるとはいえ、少し躊躇ってから、
シスターにも声を掛けて、答えを待ってから、
黒珊瑚亭に戻ったのだったか。
亭主にカルメンが戻っていることを確認すれば>>57、微かに
安堵の表情を浮かべるも、それはすぐに不安気な眼差しに変わった]
─ 前日/路地 ─
[躊躇いがちにかけられる声>>67。
伏した状態から顔を上げると、眉をハの字に下げた表情でエーリッヒを見た]
…………えぇ。
…飲み物を、用意して頂いてますから。
戻ったら、それを頂きましょう。
[子供達に向けた声。
聞きようによっては皆に向けられたものに取られただろうが、戻れば店主が皆の分も飲み物を用意していたため、問題なくありつくことが出来たはずだ*]
─ 黒珊瑚亭 ─
[黒珊瑚亭は宿泊部屋のある奥が俄かに騒がしくて。
店主へと視線を向けると厳しい表情をしていた。
奥へ行って良いかと訊ねるように指を奥へ向けると、無言の頷きが返ってくる。
ゆっくりと進んで行くと、進むにつれて嗅ぎ慣れた匂いが鼻をついてきた]
………っ 、
[茶や水しか口にしていない身体、休息を得ていない状態で嗅いだそれに身体が過剰反応して大きくえづきかけた。
しゃっくりにも似たそれに耐えるため、壁に手をあて身体を支え、右手で口許を抑える。
どうにか落ち着いてからそのまま壁伝いに進んで行き、匂いの発生源の傍まで辿り着くと、壁に支えられたまま部屋の中を覗こうとした]
─ 4日目/黒珊瑚亭 ─
[集まってきた人の気配に、振り返ろうとして。
違和感を感じて、数度瞬いた]
……?
[今は落ち着いている、と思うのに、視界がぼやけている。
何かで翳っている、というわけではなく、上手く焦点があわなかった]
……これ……って?
[いろを見る瞳の、知られざる対価の作用とは知らぬまま。
とにかく、来た人々の方を振り返る。
誰がいるかは、何となくわかるけれど、その姿はぼやけて見えた]
― 四日目/黒珊瑚亭 ―
[ユリアンの様子は確認にいかなかったから、そのとき何があったかはしらず。
カルメンが羅針盤の模様に心当たりがある様子にも気づかなかったまま。
今はアーベルの死体の傍で呆然としている。
エーリッヒ>>45に支えられた表情は蒼白で信じられないというように頭を振った]
うそ、だよね……
[カルメンがやってきたのにも気づけず。
他の人が増えてきて、促されても立ち上がるだけのちからすら、でてこなかった*]
─ 黒珊瑚亭 ─
[先に来ていたカルメンの後姿>>71。
ふつ、と沸くものがあったけれど、今は籠の中の物を取れぬまま。
後ろからの声>>72にやや辛そうな表情で振り返る。
そのため、カルメンの視線が合わないのには気付かず]
── え ぇ、だい、じょうぶ……。
[近くなった匂いにまた口許を手で覆ったため、ヘルムートへと返す声は少し籠もっていた]
―3日目/路地>>62の続き―
[近づいたユリアン>>62の、まだ微かにぬくもりの残る左手の
掌を、微かに震える指でそっと触れて開き。
その手の中にあるものを見れば、
銀製の枝葉と、珊瑚細工のローズマリーの花の、
小さなアミュレットらしきもの>>3:126.]
………。……!
[ユリアンが、自分にまじないをかけてくれた>>3:127
ことなど、知りようもなかったけれど。
アミュレットを手にとれば、何かに思い当たったように、
微かに瞳を瞠って立ちつくして]
……アミュレット、みたいだ。
ご家族に、返した方がいいかな…。
[数瞬後、はっと我に帰った様子で、
少しの間、じっとユリアンの顔を見つめてから、傍を離れた]
─ 黒珊瑚亭 ─
……すみま せん……。
[誤魔化しようのない状態。
もう3日、眠らず食わずなのだ、当然のことだろう。
肩に伸ばされる手を拒むことはなく、部屋から離されるならば抵抗もしない。
ただ、一度。
カルメンへと向けられた声>>78に、彼女へと視線を投げた]
─ 4日目/黒珊瑚亭 ─
[ユリアンから抜いた剣は、昨日と同じく服の下に。
ずっと慕ってくれていた可愛い妹分。守りたいという気持ちは当然のようにあって、気になるのだけれど]
シスターもフラフラじゃないですか。
休めていない…もしかして食事も抜いていませんか。
食欲の出るような状況じゃないのは分かりますが。
[目の前の人を放置することも出来なかった。恩人が感謝していた人でもあったから。拒まれなければその肩を支えて、ひとまずアーベルの部屋の前から離れさせ]
一度下に降りましょう。
[食堂へと促した。
修道女の持つ籠の中に何が入っているかは、やはり知りようがなく]
―3日目/黒珊瑚亭―
……はい、もう大丈夫ですから…。
[数分、意識を失っていたけれど、
暫くすれば起き上がって、食堂を後にした。
横になった拍子に、胸ポケットから、
姉の形見の、紅珊瑚の指輪が零れたことには気づけなかった。
薔薇の花を象った紅珊瑚と、
繊細な彫刻を施された金の腕を持つ指輪は、
たしかユリアンの父の工房に依頼したものだったか。
腕の内側に“ユーリエ・ガウナー”と姉の名が彫られているから、
誰の持ち物か、すぐにわかるだろう。
―――たとえ、『どんな場所』に、落ちていたとしても]
─ 黒珊瑚亭 ─
[視線の合わないカルメンの瞳>>83。
僅かばかり首を傾げる間に紡がれる声は、何かを隠そうとしているように見える]
あの。
ご心配なのでしたら、カルメンさんも、ご一緒に。
[下へ、と促すヘルムート>>85に一つ提案をし。
籠を持たぬ手をカルメンへと差し出す。
彼女がどこまで見えているかは判断が付かなかったため、出来るだけ近くへ伸ばすようにした]
[デザートまでくれると聞けば、
何時もよりずっと甘やかされてるようで、
驚いて目を丸くしたが、躊躇ったのは一瞬だけで、
食べれる物はしっかりいただいておいた。]
…なんか味しねぇ。
わた食ってるみてーだ。
[味に文句を言って、ちょっと怒られた。
一口めはほろほろ崩れるようなクリームが、
二口、三口と食べると重くて
まったく美味しく無かったのだから仕方ない。
ナターリエが戻頃に、一緒に帰った。
子供だけで宿に泊まる気分にはまったくならなかった。]
―前日・路地―
うん、そうだね。
[ヘルムートお兄ちゃんの言葉>>47に頷いたところで]
カルメン、お姉ちゃん?
あ、エーリッヒ、お兄ちゃんも?
[カルメンお姉ちゃんもそこにきて、何か不思議な様子な感じがしたとおもったら、続けてエーリッヒお兄ちゃんがやってくる。
自分の言葉は聴かれていただろうか、あの時、何を言われても悪口>>37とは思わないと言ってくれたけども、
一人で抱え込むな>>38とも言ってくれたけども……、今なら彼に何を言えばいいのだろう。わからない]
ナータリエお姉ちゃん……
[ナターリエお姉ちゃんの姿を見かけたときには、すごい心配そうにそちらを見ていた]
―前日:→教会―
[いろいろあって、黒珊瑚亭に戻ると蜂蜜入りのホットミルクを差し出されるとそれを口にする。
デザートは……、せっかくだけども遠慮することになった。
ナターリエお姉ちゃんが戻る頃に、一緒に教会へと戻り。
一度聖堂で祈りをささげるナターリエを見に行こうか迷いながら、結局そこにいくことはなく]
私たちは、生きて……そうだよね……?
[ぽつりと、部屋で一人つぶやいていた]
─ 黒珊瑚亭 ─
[伸ばした手に近付くカルメンの手>>89。
その位置はやはりズレていて、さりげなく自分の手を動かしてその手をそっと取った]
お手間かけます。
[ヘルムート>>95には一言そう告げて。
その後は促されるままに食堂へと]
―翌朝・教会→黒珊瑚亭―
[目覚めは…、少しいいとはいえない。
前日はユリアンお兄ちゃんが人狼だったんじゃという話とか、カルメンお姉ちゃんがそれが分かる人なのだとか、そんな話を聴きながら、
じゃあそれなら人狼が、退治されて、それで終わりってことにならないのかとか、考えたりしていたのもある。
一人前のレディは護られてばかりじゃなくて護身もできないと、いけないかな?
ナターリエお姉ちゃんや、カヤ君を護れるように。
普段は服のうちに隠れるように下げているペンダントをぎゅっと握る。
包丁を台所から一本タオルに来るんで服のうちに忍ばせた。
黒珊瑚亭に向かうのはカヤ君と一緒だったか、一人でだったか。
村人の視線は……、もう慣れた、とはいえないけども、必要以上に気にしてもしかたないと思えるようになった。
それと同時に理不尽は感じていたけども]
今度は、アーベルおにいちゃんが…なんだ……
じゃあ、終わってないって……こと……だね……
[黒珊瑚亭につくとアーベルの死を知らされ、そう誰にともなく言っていた]
― 宿舎→黒珊瑚亭 ―
[その日の夜も、ベッドの中でもぞもぞとしていた。
子供は毎日同じ事を考えたり、難しい事を考えたりするのは苦手で、
傾けた集中力を維持すると、つい手や足が動いて身悶えするのだった。
そして気がついたら、また朝になっていて。
昨日の事を思い出すのに、また時間がかかった。]
……ナタねーとロミは?
[他の孤児に聞いたら、ナターリエは出かけていったと帰ってきた。
ロミについての返事も聞けば、あーそうと溜息するみたいな返事をして、またベッドに沈んだ。]
ねみー…。
[二度ねしたい欲求に駆られたが、そうもいかず。
結局いつもの装備を身につけ、黒珊瑚亭へと向かっていった。]
―4日目/黒珊瑚亭―
[辺りが見えていないようなカルメンの仕草>>77と、
ヘルムートの制止の声>>78に、
カルメンの目に、何かあったのだと知る]
カルもシスターも、気を付けて。
[カルメンの手を取ろうと立ち上がりかけるも、
支えているユーディットを離すわけにもいかず、
カルメンとヘルムートのやり取りを見守って、
ナターリエが彼女の手を取れば、ほっとした表情を浮かべ、
3人を見送り]
ユーディット、少し歩けそうなら、
君も食堂か部屋へ行ったほうがいい。
[アーべルの部屋から、彼女も移動させた方がいいだろうと、
ユーディットが立てそうならば、彼女に手を貸そうとする]
― 四日目/黒珊瑚亭 ―
[エーリッヒ>>98が返す否定にぼろぼろと涙が零れ落ちる。
そのせいで周囲のことは更に見えなくなって、カルメンの目のこともシスターの様子にも気づかないまま。
エーリッヒ>>101の促しに、涙を散らすように瞬くけれど途切れることなく。
支えられながら立ち上がり、アーベルの部屋から移動した]
─ 黒珊瑚亭 ─
[ヘルムートに支えられ食堂へとやってくると、カルメンと並んで座れそうな長椅子を選んで腰掛ける。
それは昨日、落ちていた指輪>>86を拾った場所。
持ち主が誰か知れているそれは、今、小さな布袋に入って籠の中にあった]
カルメンさん、こちらに。
[手を引いて長椅子へとカルメンを誘導して、自分が座ってから引いていたカルメンの手を長椅子の背凭れへと触れさせる。
視界が朧げでも、手に触れる感覚から大体の位置を把握出来るのではないかと思ってのこと]
─ 黒珊瑚亭 ─
[カルメンに礼を言われる>>104と、ほんの少し微笑む。
その笑みも彼女には朧げにしか見えないのだろうけれど]
……カルメンさん、少し、お聞きしたいことが。
[食堂へと誘導したヘルムートはその後どうしただろう。
居る居ないに関わらず、カルメンに対してやや声を抑えて問いを向けた]
昨日、ユリアンさんを見て、”黒い””いろが違う”と仰いましたよね?
それは、彼が人狼だったと言うことで、よろしいのでしょうか。
[確認する声。
そろ、と両手は膝に乗せた籠の縁へと添えられる]
みんな、つらそうだね……
[ふらふらな様子のカルメンお姉ちゃんとか、それを気遣う様子のナターリエお姉ちゃんも…、大丈夫と言えそうに見えない。
椅子に導く様子をなんとはなしにみていた]
─ 黒珊瑚亭 ─
[昔と変わらぬやりとりに>>97知らず心は緩んでいた。
カルメンを誘うシスターを支えて>>103食堂まで移動して、シスターが長椅子に座ると遠巻きに見ている主人の方に近づいた]
何か喉を通りやすそうな食べ物を二人にお願いできますか。
二階も、そのままには出来ませんから。
[すぐに戻らなかったのは、まだ二人が心配だったのと、ロミがやってきた>>99からだった。何があったか問われれば、隠しても無駄だとアーベルの死を教えて]
そうだね。終わってないということだ。
[誰かを手に掛けなければいけないということ。
アーベルがユリアンのことを知っていたということは。
今、下まで手を貸して来たばかりのシスターを見る]
― 黒珊瑚亭 ―
[>>99ロミがまだ行っていないようなら、
ついでだから一緒に行く事にしたが、あんまり構わずに
人の視線を裂いて道を作るようにずんずん進んでいった。
着いて真っ先に知ったのがアーベルの死で、
なんだか昨日からたくさんいっぱいで、
悲しいと混ざって頭がパンクしてしまいそうだった。]
なんで、アベにーが死んでんだ…。
ユリにーが人狼で、退治出来たんだったら
アベにーが死ぬはずないのに…。
[そういつつ答えは、子供にわかるくらいに簡単だ。
まだ人狼がいるから終わってない。それだけだった。
>>99>>108ロミやヘルムートが言っているから
やっぱりそうなんだろうと。]
─ 黒珊瑚亭 ─
……そう、ですか…。
[カルメンの返答>>109を聞いて、ナターリエは一度視線を伏せるように下へと落とす。
実際は籠を見詰めていて、必要なものをしっかりと握るための所作]
貴女が、そう、言うのなら ─────
────── 私は、 貴女を殺さなければいけません。
[籠の縁にかけていた右手を、布で隠された籠の中へと滑り込ませ、ナイフの柄を握る。
握ったナイフを布の下から素早く引き抜き。
切先を、カルメンの左胸目掛けて突き出した]
[シスターが教えたのか。それともシスターは違うのか。
聞くべきことを聞き損ねていたせいで、まだ迷いながらカルメンとの会話を聞いていた]
そっか……
[ヘルムートお兄ちゃんの言葉に]
まだ殺せっていうんだね……
[ぽつりと、その漏らした言葉はいろいろなものを含んだものだった。
その後は、ナターリエお姉ちゃん達の方が気になり、そっちをみていた]
ええと、えーと、
じゃあ結局どうなってんだ…。
カルねーが嘘ついてた?
ううんと、じゃなくて、
もともと人狼が二匹いた、んだよな。
[むつかしい顔をしながら、計算する時のように指を折ったりして、
昨日言われた事なんかを思い出して、うんうん唸っていた。
アーベルは何と言っていたか。
どうしてユリアンを殺したのか。
カルメンは黒と言って、黒は人狼、と言ったのはヘルムートで。]
(ナタねーとロミは絶対人狼じゃなくて、
それから、それから…。)
[考え込んでたら、ナターリエたちの姿も視界に入り。
はたっとまたたいた。]
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