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次の日の朝、噂好き ホラント が無残な姿で発見されました。
そして、全てが始まりました。
坂道を転がり落ちるように、もう止まらない、止まれない。
今、ここにいるのは、少年 マリオン、少女 アナ、仕立て屋 イゾルデ、情報屋 ヒルダ、騎士 ゲルハルト、青年 クルト、旅芸人 ツィンカ、奉公人 ドロテア、旅人 ルイ、村娘 マルガレーテ、医者 ヴェルナー の全部で 11 人かしら。
[零れる銀色の粒子をじっと見る
秘密、と漏れた音に次いで立った人差し指
枯草色の下から赤い三日月が覗けば]
……ぅ、うん
[じっと相手を見据えたまま、
本当に小さく、頷いた。
されど唐突に青と重なる異質な声――。]
!
[びくりと仔猫の様に身を竦ませる]
別に、急いで探さなくても。
まだ、夜は長いし…
[ゆっくりとした足取りで川に沿って歩き出す]
…拗ねてる顔なんて、可愛いはずない。
[満足そうに笑う様子には肩を竦め。
かた、と小さくランタンが鳴った]
こまったなぁ。
このおじさんの身体、魔法使うのに向いてないみたい。
次の人、うまく送れるかなぁ…。
[人選ミスに今更気づき、ぷりぷりと歩く。]
『お疲れ様、お疲れ様』
[ため息をつくギースに、労るような力を向けて]
『さて、問題はここから、だねぇ。
最初は上手くいったけど、次からはどうなるかわかんないや。
……王の力も、強くなったみたいだし、ねー』
[ぱたり、翅を動かして思案の素振り]
[伸ばされる手に抗いはしない。
彼女に当たってしまわないよう、リュートは横へ避けて]
[僅かに広げた両腕で受け止める]
……エリーゼ。
[ちちっ]
[青は大層不満げな声を上げると、
月明りだけの闇にばさりと舞い上がった]
『……あれ、あわないの?
そうか、鋼を好むひとだから、力が乗りにくいのかな』
[ギースの声に、眉を寄せる]
『ぼくとマリオンは波長が合うみたいだけれど。
……上手くできるかは、わかんないなぁ……』
本当に・・・なにかが、
[マリオンの声に無意識に答えるように手の平で月光を掬う。
軽やかな銀糸を撫でたかのような感触は、錯覚]
・・・・・・?
[甘い匂いの染みた手の平を表裏と返しても、何も見えず]
[少女にとっては何処からの声かわからない
だからルイの気遣いが、
広げた両腕の中が、一時の逃げ場となった。]
……な、何?
人の、声?
[かたかたと小刻みに震える
青が不満げな声をあげた事を薄ら感じると
少女の胸の内を不安がこつこつとノックする]
ホントに、何か起こってたりして?
[そんな事を言いながら、月から視線をずらし]
……ドロテアさん?
どーしたの?
[何かを辿るような様子に、こてり、と首を傾げて問いかけた]
― 木立→小川 ―
[草を踏み踏み、騎士は一人で小川に戻る。
月の光を一身に浴びながら。
銀の詩が聞こえれば、編まれる言葉を力に変える。]
おーい。
[人々の姿を見つけると、ホラントの使用人と思しき眼鏡の娘に声をかける。]
彼は、ホラント氏はこちらに来なかったかな?
…あれ、何だっけ。
前にもこんな感じのが……。
[立ち呆けるよにしながら何度か瞳を瞬かせる]
『いってらっしゃーい』?
[聞こえた、コエ。
思わず口に出しながら首を傾げる。
ここに居る誰でも無い声だった]
[震えを帯びるアナの背を緩く叩く。
小さな子供を宥めるように]
…エリーゼも、俺と同じだから。
『ごめんなさいね。
驚かせる気はあったけど、怯えさせる気はなかったの』
[ちち、ちっ]
[くるりと青は二人の周囲を回り、
再び枯草色の肩へと舞い戻る。
頭を垂れるような仕草が謝罪に似て]
・・・、あの、その、
[言葉を捜す内にも指先に感じた錯覚は消え失せて、困り顔]
不思議が不可思議・・・とでも申し上げればよいのか。
わからないことがわかりませんの。
何か、起こったのでしょうか?
[逆に途方にくれたように年端の行かぬ少年に問いかける]
[不意に聞こえた誰かの声に辺りを見回し…]
…いってらっしゃい?
[周りにいる人物がイゾルデしか居らず、じ、と見つめ]
さっきの、「いってらっしゃい」、っていうの。
イゾルデの?
えー、お世辞じゃないのにー。
[ツィンカにはきっぱりとこう言い返し。
それから、ドロテアに問われて、また、首を傾げる]
え、えーと?
……そう言われても、オレにもわかんないんだけど。
[困ったように呟き、眉を寄せる。
手にしたランタンが揺れて、光が跳ねる。
少年の周囲をくるり、巡るよに]
ありがと、ミステル。
[空気が更に澄んでいく。
王の力の影響だろう。]
うっかり、王様と同じ人を連れて行かなきゃいいんだけど。
[背を緩やかに叩かれると、
暖かい手の温もりに、
父にそうされている様で泣きそうになる]
…え?
[けれど、エリーゼも、と聴こえると
ぱちぱち瞬きながらルイの胸の内で、
ルイと青を見上げるような視線を送る]
……ぁ、……ぁ、……っ
[ぱくぱくと口を幾度も開閉し、
喋った?!、とかホントに?!、という色が見て取れる程]
あはは。
それでもちょっとうらやましいや。
[歌えることにというのには、少しばかり強い羨望。
けれどそれも一瞬のこと、ヒルダと笑って月を見た]
これなら本当に妖精にだって会えそうだ。
…あれ。
ドロテアさんも、イゾルデも。どうかしたの?
[地上に顔を戻すと、様子が違ってきょとんと*なった*]
[消えた不思議な感覚よりも、奉公人としての仕事が優先。
主の所在を問いかけられ、ぐるりと辺りを見回して首を振る]
・・・いいえ、若様はまだお戻りではありませんわ。
騎士様は・・・御一緒にいらしたのでは、
[ないのでしょうか、と問いかけたい声は半ばで消える。
奉公人に詰問する権利はない]
・・・探してまいりますので、少々失礼いたします。
『そうだねぇ、それが心配だ』
……王様が、誰連れてくかって、わかんないの?
『さすがに、それは。
これ、と決めたら動かれる御方だし。
……まあ、重ならない事を、祈ろう』
うーん。
それもだし、このおじさん自身は…
僕達の存在、あまり信じてくれてないみたい。
[意志は、力を使う時に大きくかかわるのだった。]
少し僕の力が戻ったら、今度はミステル、やってみてくれない?
できるだけ力、貸すよ。
嬉しいけど、
あんまりいいすぎると、てれるのよ
[照れ笑いをしながら
ランタンを拾っていない手で、
マリオンの頭をぐりぐりと撫でた]
アラ?
ゲルハルトさん、
噂好きサン、どーかするした?
[やってきたゲルハルトと、
尋ねられたドロテアの様子に、
瞬きながら首を傾いだ]
[ぐるぐると思考が巡る。
コエと共に感じたナニカ。
それは以前にも、子供の頃にも視たチカラ]
…え、あ。
[思考から引き戻したのはマルガレーテの声。
ハッと我に帰り、視線をマルガレーテに向ける]
あ、れ。
僕、声に出してた?
[あのコエが他にも聞こえたのかは判らねど、聞こえていたがために口に出した可能性を考え、そう答える]
[困ったらしい少年にちらりと目を向けて謝罪の代わりとする。
その周りを巡るようなランタンの光は視界に入った。
その意味を考えるのは、落ち着いてからになるのだけれど]
若様、ホラント様!
・・・・・・いらっしゃいませんの?
きゃ・・・!
[揺れるランタンを片手に木立の影を覗き、軽く躓く]
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