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次の日の朝、盲目 テレーズ が無残な姿で発見されました。
そして、全てが始まりました。
坂道を転がり落ちるように、もう止まらない、止まれない。
今、ここにいるのは、本屋 クレイグ、給仕人 ユーリ、装飾工 メリル、看板娘 サリィ、化粧師 ノクロ、織師 ミレイユ、道具屋 エト、薬師 コレット、絵描き ミケル の全部で 9 人かしら。
いつか くるか 宵待どき
ふるか ふらぬか **のいろ
空無きせかいの そのときに
いつか こぬか おとずれは
いつまで いつまで 宵の暮れ
─ 都市の通り ─
ん。
[もう良いと言われて>>1、指に籠めていた力を離した。
下げた分だけ服は戻り、いつもの通りに]
なぁにー? 恥ずかしがってんの?
[楽観的な思考は相手の心情を悟るには至らず、視線を逸らす様子にはそんなことを言う。
浮かべる表情は揶揄うような笑み。
自分がどんな行動をしているか自覚しているだけ性質が悪い]
まぁ、具合が悪くなるとかは無いから、影響出てるわけじゃないんだと思うけど。
……で、なーんで暗い表情してんのかしらー?
[揶揄いはするが、相手の表情の変化も見逃してはおらず。
表情が硬かったことも踏まえて聞き出そうとする構えをとる]
やだなぁ、お世辞じゃないって。
[いつもと変わらぬ口調でサリィに返す。
軽い口調は癖のようなもの。
本気と取られぬ事も少なくないがさして気にした風でもない。
明るい表情がみえれば、嬉しげに口元はゆるむ。]
もっと自信もっていいと思うけどなぁ。
テレーズもおいしそうに残さずぺろっと食べちゃったよ。
[そうして笑う彼女はやはり可愛いと思うけど
言葉にはせぬまま笑みを湛えた。]
へぇ、先々代のレシピかぁ。
伝わるものをさらに伝える。
キミの親父さんも、キミも、すごいよなぁ。
それ、行ったら必ず頼むから。
[楽しみが増えたと嬉しそうな声でいう。]
―道中―
[買い物に出て、先ず最初にキノコ粉の袋を手に入れた。
ミケルの主張>>132には少しだけ問答はあったが、結局娘が折れる形となり]
あとは、木の実と甘香草の粉……
あ。ごめん。
[できるだけ歩調を合わせるようにしていても、ついミケルより先に行ってしまって慌てて止まる、ということは今までもあったが、今日はそれが特に目立った。
どことなくそわそわしているようにも映ったかも知れない]
えっと、サリィかユーリのとこに、って言ってたね。
どうしよっか。
[2人のどちらかか、それとも他の場所か。
ミケルが追いついてきてから尋ねて、答えを得てからまた歩き出した]
─ 道具屋 ─
ううん、お話したかったのは私だもの〜。
それじゃ、またね〜。
[籠に購入品をしまうと踵を返しかけ]
エっくん、さっき私達のことすごいって言ってくれたけど〜。
エっくんだって、このお店もレーちゃんも守ってるの、すごいと思うわ〜?
[先程の言葉に、柔らかな笑みと共に自分の言葉を向けてから店を出た]
─ →都市の通り ─
─ 都市の通り ─
[購入品を入れた籠を台車の上に置いて、ぎ、と引く。
後は仕入れと、出前に使ったバスケットの回収をと考えて]
…仕入れた後だと重いし、何より近いものね〜。
レーちゃんところから行きましょ〜。
[道具屋のいとこである彼女の元へまず向かうことにした]
─ →テレーズの家 ─
─ テレーズの家 ─
レーちゃん〜、今いいかしら〜?
バスケット引取りにきたんだけど〜。
[扉を軽く叩き、声かけをしてから開ける。
それはいつも通りだったのだけれど、いつもと違ったのは]
……レーちゃん?
[迎える姿がどこにも見えない、ということ。
盲目とはいえ歩けはするのだから、外出しているだけという可能性もありはするのだが]
― 都市の通り ―
そうですね。
僕もテレーズさんのお話でしか知らないのですけれど。
きっと……とてもとても、美しいのでしょうね。
[興味を惹かれた様子のメリルに、少し遠い眼差しでそう呟く。
視線を戻せば、瞳に輝きを宿したメリルの顔。
良かったと安堵する気持ちと、胸の奥の鈍い痛みが、表情を複雑にする]
ああ、そうだ。
先程お願いしたお仕事の事ですけど……何かあったら、後回しにしてくれていいですから。
……一番大事なこと、優先した方がいいと思います。
[では、と話を打ち切るように言って、踵を返そうとする。
常と違う位置にある髪を無意識に払えば、隠れていた左の首筋が一瞬露わになる。
そこに浮かぶ炎にも似た紅紫は、相手の瞳に映っただろうか]
─ テレーズの家 ─
レーちゃん、いないのに。
なんで、レーちゃんの気配があるの…?
[テレーズの姿はみえないのに、今此処にいると確信できるほどに残る気配に困惑の色が濃くなる。
そもそも気配なんて、今まで解ることも無かったのに何でいきなり、と。
自分の身におきた変化に戸惑う女は、『刻』が動き出したとはまだ気付かない。
そもそも、天上青に関しては殆ど知識が無いに等しくて。
戸惑いに染まったまま、暫く立ち尽くしていた**]
─ 都市の通り ─
[言葉とは裏腹に表情が暗く見えるユーリ>>18。
違和感が拭えず、問いを口にしようとしたが、相手が言葉を発する方が早かった]
今んとこユーリとサリィの仕事しか入ってないから問題無いけど。
…一番大事なことねぇ。
一番なんて、決めらんないよ。
ぜーんぶ、大事なことだからね。
[さら、とそんなことを踵を返すユーリの背に返す。
その背に視線を投げた時、髪の合間から見えた紅紫。
一瞬だったけれど、彼がそんなところに色をつけているのは不思議だったから、妙に目に留まって]
ユーリ、首になんか付いてる。
[立ち去ろうとする彼を追って歩を進めて、いろの付いた首筋に手を伸ばした]
― 都市の通り ―
……ありがとうございます。
[全部大事と、自分も含め言われた事に、今度こそ本当に微笑む事が出来た。
けれど、首筋の紅紫へ手が伸ばされるのに気付き]
あ、……これは!
[慌てたように手で多い隠す]
ちょっと、尖った所にぶつけただけなんです。
……大丈夫ですから。
[そう言い訳を重ねても、くっきりと花弁の形をしたその痣は、如何にも不自然であっただろう。
それでも、それ以上触れられたくなくて、顔に笑みを張り付けながらその場を去ろうとする]
─ 都市の通り ─
……あんたねー、ぶつけたんなら手当て必要でしょーが。
よりによって首だし。
[ユーリの言葉>>21を鵜呑みにしたとしても、捨て置けるものではなかったし、近付いたお陰で形もしっかり目にすることが出来た。
けれど隠すような仕草に、伸ばした手は引っ込めて、腰に手を当てて大きく息を吐く]
何考えてんだか知らないけどさ。
一人で溜め込んでたって苦しくなるだけだよ。
吐き出せる相手見つけて、吐き出しちまいな。
アタシにでも話せることなら聞いてやるし。
次会った時にまた様子が変だったら、正座させて聞き出してやるから覚悟しな。
[そんな宣言をしてしまえば避けられてしまう可能性があったが、彼の様子を心配してのこと。
『周期』の詳細を知らぬが故に、真っ直ぐな言葉を投げかけていた]
― 都市の通り ―
ありがとうございます、でも……
[心配されれば素直に礼を言う。
それでも固辞しようとすれば、メリルが手を引くのが見えた。
代わりに投げ掛けられる、真っ直ぐな言葉>>22]
ありがとう。本当に……
そう言って頂けて、嬉しいです。
[詰めていた息を、ゆっくりと吐き出す]
でも、もう少しだけ……待ってもらえませんか。
メリルさんに頼まれたものが、出来るまでには、考えますから。
[心配してくれる彼女に感謝するように、小さく頭を下げ。
今度こそその場を離れ、自宅へ戻る事にした。
『刻』は待っていてなどくれないと知るのは、もう少し後のこと**]
…ま、言いたくなったら言いに来るだろ。
ともあれ、仕事仕事。
[状況を理解していないため、真っ先に頭に浮かぶのは仕事のこと。
変わらぬ日常を過ごすため、足を工房へと向けた]
―道中―
[コレットの家を出てから、先導するミレイユについていく。
いつもはもうちょっとゆっくり歩く彼女は、今日は少し急ぎ気味。
内心首を傾げるが、ちくちく痛むような、右の足首も気になった。
ごめんと言われれば、首を横に振る。
それから、幾つかの言葉で悩んで、尋ねた。]
何か嬉しい?
[浮足立っているような、ミケルにはそんな風に感じられたようだ。
サリィかユーリの店、どちらを先にしようか。
尋ねられて考えていたら、ずきっとさっきよりも痛んだ気がして、右足を見る。]
[何か踏んだり、ぶつけたり、転んだりした覚えはない。
いくら鈍くてもそれくらいはわかる。
軽く首を傾げて、それでもズボンを捲ってまで確かめなくて良いかと思うから、
一度見ただけで、終わらせた。
見えない場所に咲く、淡い紅色の花の事など、今は知らず。]
どっちでも、良い。近い方、楽かな。
でも、ミレイユちゃんの行きたいところ、あるなら、そっちのほう。
[先に続けて考えていたのは、ミレイユはもしかしてどこか、行きたいのじゃないかということ。
どうだろ? と視線を向けた**]
― 洞窟奥地・苔の広場 ―
[目を伏せて動きを止めていたのはどれほどの時か。
は、と一つ息を吐き、ゆっくりと顔を上げる]
……うだうだしてても、はじまらねぇ、か。
わかんねぇならわかんねぇなりに、今、やるべき事やりゃあいい。
[零れた言葉は、自身に言い聞かせるような響き]
そうと決まれば……さっさと必要なもん採って、作業作業、っと。
[弾みをつけて立ち上がり、鞄の中から採取に使う道具を取り出す。
それを使って、広場の一画に生える苔を袋に集めた。
生命力の強いそれは、乾燥させてもすぐに枯れる事はなく。
近くにある水気を吸い寄せて再生するから、湿気取りとして使われていた]
[苔を集め終えると、寄り道はせずに帰途につく]
修繕と、リル姉のあれには手間取らんだろうから……ユーリに頼まれたのが、どこまでいけるか、かな。
[最後まで写しきりたい、とは思うけれど、『死神』の手を引き寄せる『花』を咲かせてどこまで生きられるか。
そんな思考に塞ぎそうになるのは、軽く、首を振る事で振り払い。
右の手首に開く花──待宵草を押さえ込むように、左の手でぎゅ、と握った。**]
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