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下男 アーベル に 1人が投票した。
バーテンダー エルザ に 2人が投票した。
シスター ナターリエ に 3人が投票した。
シスター ナターリエ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、商人 ゲルダ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、下男 アーベル、バーテンダー エルザ、小説家 ブリジット、双生児 フォルカー の 4 名。
― ゼルギウスの部屋 ―
[出て行った先の扉を見送り、今はまだ部屋の中にいた。]
やっぱあれかなぁ。狼…かなぁ。
[花は餌だ。知れば食わずにはいられない。と、聞いている。
自分とブリジットが知っても何もなかった。だからきっと、主も人間なのだろう。
知らなかった者が、狼の可能性が高い。]
……なぁ、死んだらなにか分ったか?
[物言わぬゼルギウスにむかって、そんな事を呟いた。
当然、答えが返る事はない。]
守ってもらったなら、ブリジットこそ、大切に、しないと。
[はっきりと決意を見せるブリジットには、そう返していた]
人に殺させたって……
[ヴィリーは結局、アーベルが殺したから。
それでも自分が殺したようなものだと、思っている。
謝るつもりも、罪の意識も持たないのは、やはりどこか感覚が麻痺してるのか、おかしくなっているせいなのかもしれないけど]
変わらないよ。
殺したことに、何も。
うん、そうね。
誰が手を下しても、殺したことに変わらない。
…でも、やっぱり違うと思うわ。
私は、貴女の手が血に濡れてほしくない。
これはね、私のわがまま、なの。
[フォルカーの言葉に頷いて、彼女の髪を緩く撫でる。
これは自分の我侭だから、振り切られても仕方ない。
でも、どうか、伝わって欲しいと、願いを込めて。]
―ライヒアルトの部屋―
ああ、良かった。直ぐに見つかって。
[にこりと浮かべた笑みは、どこか男性的なもの。
それに違和感を覚えられたかはオレには分からない]
ちょっと頼みたいことがあってさ。
[言いながら、オレは後ろ手に部屋の扉を閉める。
直後、白猫が震えながらも懸命にオレに威嚇していた]
あのさ――――死んでくれない?
[言うが早いか、オレはナターリエの傍へと跳んで、右手で相手の首を絞め吊り上げる。
右手はいつの間にか鉄紺の獣の腕へと変わっていた]
オレにはアンタを人狼と疑って殺すに足る情報が集まってるもんでねぇ。
[ここまで来れば理由なんて飾りでしかないのかも知れないけどな。
ナターリエからの抵抗はあったかどうか。
白猫はナターリエの腕からこぼれ落ちる刹那、オレの腕を引っ掻いて鉄紺の毛を散らしていく。
けれどオレはそんなもの気にしないまま、ギリギリとナターリエの首を絞めて。
最終的には右手の爪を使って、ナターリエの喉を握り潰すようにして抉り取った。
支えを失ったナターリエの身体が床へごとりと音を立てて落ちる。
音は廊下に聞こえるくらいには大きかっただろうな。
それを確認すると、オレは窓から外へと飛び出した]
それでも……
[わがままだと、彼女が願いたいことはわからないわけではないけども]
やっぱり、それは、お願いできない……
[自分で決めたのならば、自分でやる、それを変えるつもりはなかった。
そもそも自分が他人に大事なことを頼ること事態が、稀なことなのだから]
ブリジットさん、今、音、聞こえた?
[それはどこかの部屋から聞こえた気がする。
階段に程近い右の方側の、そこがナターリエの部屋だと自分は知らないし、エルゼリートがそこに入る姿も自分は見ていなかったけども]
あの部屋の方。
[ただ、その部屋の方から聞こえたことだけはわかった]
― ゼルギウスの部屋→ ―
[ふと、長く白い髪を梳いた。所々血で汚れていただろうか。]
男の癖にキレーな髪だよネ。エステル姐さんの努力の賜物かしら?
お前が人狼だったら良かったのになぁ。
綺麗な白か、銀色の狼になっただろうに。
[ありえないのから、そんな軽口が出たが、流石に三つ編にするのは止めておいた。]
…さて、と。
兄さんはどっちに行ったかな。
[呟いて髪を離すと、自分もゼルギウスの部屋を出た。]
おっと、お休みゼル。良いユメを。
[間際にいつもの口癖を落として。]
フォルカーちゃん…
…─え。
な、にが…──っ ナターリエさん!?
[フォルカーに拒絶され、それでも名を呼んだ時、部屋の中から何かが倒れる音が聞こえ。
急いで扉を開ければ、床に倒れるナターリエの姿と白猫。
そして、窓から飛び降りようとするエルゼの姿があった。]
エルゼさん、これは─…エルゼさん!?
[どうして、と問いかける間もなく、彼は窓から姿を消して。
残されたのは、ナターリエを起こそうとするように鳴く白猫と、動かなくなった彼女だけだった。]
エルゼさん、どこ、へ。
[そう言いかけ過ぎるのは、蒼い華を咲かせた彼女の顔。
瞬時に、彼女が危ないと気付いて彼女の元へ向かおうとして。]
…ゲルダさん、お墓参りにいく、って言ってたけど。
どこ、に?
[彼女の言い置いた行き先がわからず、どうしようと。
傍らにいるはずのフォルカーにも、気遣う余裕すらなく。]
[ブリジットは自分の名前を呼んだ時に、倒れる音と、ブリジットへの言葉、アーベルが部屋から出てきて、こちらに向かってくる姿が見える。
ブリジットは一度戸惑ってから、それからナターリエの名前を口にして扉の方へと向かっていた]
アーベル、倒れる音がして…
[説明をしようとしたら、ブリジットの声が聞こえ中断することに。
その声はエルゼリートの名前を呼んでいた]
[ともかく、手当たり次第にでもゲルダを探そうと部屋から出るとアーベルがフォルカーの傍にいて。
其れを見れば少し安堵の息をついた。
けれど、今は悠長にしていられないときで。]
アーベル、ゲルダさんが今どちらにいるか、心当たりはある?
探さなきゃ。ゲルダさんが、死んじゃう。
― 二階・廊下 ―
[音がするのは部屋を出る少し前で、それよりは、それに反応する二人の方に目が行った。]
どした?
[尋ねながらも足は止めず、フォルカーの説明に>>11、自分も主に遅れて空いた扉から中を見ると、首がありえない事になっているナターリエが居た。]
すげ。なんつー、力。
[今までは噛み傷や爪あとばかり見てきたので、尋常でない殺され方に、本能的に少し息を呑んだ。
で、こっちなのネ、とは胸中の一部が告げる。
ブリジットが>>12切羽詰ったように尋ねて来たが、こちらは状況に追いつけておらず、やや間をあけてから。]
ああ?墓参り…。
ええと、姉さんの両親の墓は、岬の方だって言ってたけどネ。
[そう言い外を見た。]
どうしたの?
[ブリジットの様子に首を傾げて、それから自分も何があったのだろうかと、その部屋の方へと向かった。
アーベルも一緒だっただろうか?]
あ……エルゼリートさんが、やったのかな?
[転がるナターリエの死体、喉の辺りが何かで抉られているのか決定的に肉が足りない様子。
もう生きているようには見えなかった。
さして死体を見ても驚きも悲しみも動揺もせず、そんな自分を二人はどう思うだろうか]
見つけた……エーファ殺したの、エルゼリートさんの方かな……
[それならば、迷わず殺そうと、ブリジットはそれをとめようとするかもしれないけど]
岬、ね?
[アーベルの返答を聞き、礼も言わぬままに走り出した。
胸がすぐに悲鳴をあげるけれど、それに構う暇など無い。
足を緩めれば、それだけ間に合わなくなる。
そも、獣の足に、敵うわけもないと、解っていたけれど。]
[とっさに駆け出した自分はアーベル達より先に動いただろうか。
階段を駆け下りて、玄関から外に飛び出す。
空には厚い雲がかかっていて、それが日差しを遮ってくれていることは有り難かった。
切れる息と、痛い程に打つ鼓動。
それを堪えながら、何かの予感に導かれるように灯台にたどり着いたのは幾許かの時間の後。]
[フォルカーの呟きと様子には>>14、ほんな僅か目を細めた。]
そういう事になる…のかナ。
[実際ライヒアルトとどっちが食べたかなんて知らないけれど。
フォルカーが手を汚す事を、それを望むことを、こちらは止める事はしなかった。]
ってちょ、お嬢!
走ったら駄目だって!!
[そちらに気を取られていたので、真っ先に走り出した主>>15には出遅れた。
追いかけようとして、一度フォルカーの方を向いて。]
しゃーない…行こうか、俺たちもネ。
[そうフォルカーを導くように、少し前を走った。
全速力ではなかったが、主に追いつけない事に驚きつつ、同時に軽く眉を潜めつつも岬へと向かう。]
[アーベルに促されて、頷きその後に続くように。
もっとも二人が行かずとも自分はそっちに行くのだけども]
エルゼさん、突然、どうしたんだろう…
[今まで隠れていたはずなのに、急な行動は疑問に思えて。
大人二人のペースにもついていけたのは普段からアーベルに鍛えられていたこともあったためか]
― →灯台傍―
[窓から外に出たオレは、ゲルダが向かったと聞いた岬へと進路を取る。
右手の鉄紺は一旦人の腕へと戻した]
ゲルダ、居るのか?
[居るのは分かってる。花の匂いが強い。
生花ではなく、花としてのゲルダの匂いが。
問いかけに返事はあったかどうか。
ひょいと岬側の灯台の壁を覗き込んだら座り込んでるゲルダが見えた]
良かった、落ちたり気絶したりはしてないね。
[無事だったことに、オレは安堵の色を見せる。
それは喰うことが出来るという悦びに繋がった]
墓参り、出来た?
……そっか。
ん? ああ、アーベルから聞いた。
[問いかけには返答と疑問が返って来て。
オレはさらりとアーベルのこともばらした。
オレが無理矢理聞き出した訳じゃないんだから、オレは悪くないぞ]
―――ゲルダさぁ、オレのことどう思ってる?
前は大切な友人だって言ってくれたよな。
[オレはゲルダの隣に座って岬の方を見ながら問いかけた。
花の匂いが強くなる。
騒ぎ出す衝動。オレは少しだけ抑えるけど、抗いはしなかった]
今も前と同じように思ってくれてる?
それとも、信用ならないかな。
――…何で蒼花って教えてくれなかったのさ。
[ゲルダが何かを言う前に畳み掛けるように言葉を紡いだ。
自分が言った蒼花の言葉に、オレは衝動を掻き立てられる。
俯いて押し殺すようになった声は、ゲルダに落胆の色を感じさせただろうな。
本当は、衝動を抑え込んでただけだったけど]
[ゲルダからの弁明か否定、説明はあったかも知れないけど、それはオレの頭には入って来なかった。
ああダメだ、我慢出来ない。
俯いて肩を震わせる様子は泣くのを我慢してるようにも見えたかな。
オレは我慢していた熱い吐息を吐くと、有無を言わさずゲルダを押し倒していた。
垂れ流していた長い髪が、周囲の視界を遮るように流れる]
――――ごめんゲルダ、オレ、我慢出来ねぇ。
[謝罪は口にしていたけど、口許には笑みが張り付いて。
瞳は翡翠から本紫と代わり、笑んだ口からは獣の牙が覗いていた。
ゲルダの表情が変わるかどうかのほんの一瞬の間。
その間にオレはゲルダの喉に口を寄せる]
っふ、ぅん。
ん、く。んん、っは、ぁ。
[噛み切った喉の肉を咀嚼して飲み込み。
溢れる雫を口をつけて飲み下す。
漏れる声がゲルダにまだ聞こえてたなら、艶のある男性的ものに聞こえたことだろう。
ゲルダの抵抗があったとしても、獣の力を行使したオレの身体はびくともしない。
引っかき傷ならついただろうけど、ついたとしても、それだけだった]
はぁ……ゲルダは甘くて柔らかいな。
クレメンスの時よりも数段、好い。
[陶酔するような熱い息を吐き、一旦ゲルダから身体を離して起き上がると、オレはゲルダの身体も起こして蒼花を求めた]
――…見ぃーっけ。
[ゲルダの後ろ首辺りに花を見つけると、オレは牙を剥きながら、にぃと笑った。
オレは灯台の壁に背を預け、ゲルダを後ろから抱き締めるようにして自分に凭れかけさせながら、首とその周辺に牙を当てる。
ゆっくり、少しずつ。削ぎ落とすようにしながら貪っていった]
んっ、ふ。
ふ、ふふふ、ははは……。
ダメだぁゲルダ、止めらんないよ。
[既に物言わぬゲルダに語りかけながら、オレは笑った。
花という極上の餌(エ)。
友という大切な人。
悦びが先行して悲しみが置いてけぼり。
泣くって、そういやどうやるんだったっけな]
[オレは難しい感情とかを全部投げ捨てて。
人の姿のままで衝動に抗わず、ゲルダをずっと貪り*続けた*]
ゲ、ルダ、さん…
どこに…っ、いるの…?
[灯台の傍まで辿り着き、足を止める。
恐らく生まれて初めての全力疾走に、悲鳴をあげる胸は呼吸すらろくにさせてくれなくて。
それでも、蒼花である彼女を探す為に、その名を呼んで、灯台へと近付いた。]
[どこからか聞こえた、誰かの恍惚とした笑い声と。
辺りの空気を染める鉄錆の臭い。
灯台に近付いていった自分が先に気付いたのは、どちらだろうか。
そのどちらにも導かれるように、そちらに足を向けて。
見たものは、頭ではもうわかっていた、光景。]
……エルゼ、さん…
ゲルダさんを、食べてる、の?
どう、して。
[答えすら、わかりきった問いを、投げかけた。**]
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