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[話しながら、扉の向こうにゼルギウスがいたのにも気づき]
やっほー。元気?
[などと手を振ってみた。
そして、ハインリヒから返答が返ってくると、深々と頭を下げて]
うん。大丈夫。
えー、その説は色々と迷惑をかけまして、大変申し訳ない限りです。
ゼルさんも、色々と迷惑かけちゃってごめんね。
[ユリアンの話が聞こえて来て、ロミルダはきゅっと眉を下げて、また少し近付く。
ロートスが鳴いたので、視線をそちらに向けて、こくんとうなずいた]
…みたいだね。とりあえずよかった…なんかな
[外から声は聞こえた以上なんていっていたかも聞こえている。
ハインリヒの言葉に同意ほっとしたのか呆れたのか嘆息して、部屋に入り、手近な椅子に腰掛けて]
いやいや、元気って、ブリジットさんには言われたくないんだが。
ま、俺はなんもしてないから謝らなくていいよ。
[逃れる視線を追いはせず、僅か首を傾げるに留めた。
母の死については、洩れ聞こえた会話から気付いていたかもしれないが、改めて正面から聞いて、頷いた]
…何か切欠でもあったか?
頭痛…ああ、それで、少し鈍い感じがあったのか。
[ある程度は納得がいったよう]
ま、辛くなりすぎる前に頼れよ?おとーとぶん?
[ロミの声が聞こえたなら、ひら、と手を振った後、ユリアンを見る]
俺は何もしてないさ。
[ブリジットが頭を下げるのに、正直にそう返す]
ここまで運んだのはダーヴィッドで、細かい世話をしてくれたのはローザだ。
他にもロミルダやクロエや…まぁ、みんなだな。
起きられるようなら後で礼を言っておくといい。
[肩で鳴いた鸚鵡の声と、近づく気配。
そちらを見やれば、眉を下げるロミルダが見えて]
ロミっ子?
どしたんだよ、妙な顔して。
[ゆる、と首を傾げながら声をかけ]
――集会所2階・個室――
[エーリッヒを案内した後は部屋に戻り、窓辺に居た。
見張りの自衛団員や、「容疑者」らしき姿が見えた。
風に乗って微かに届く音色も。
途切れたのと入れ違いに、そっと、唇を開く]
Lulu lu ... La lala ...
[歌詞はない。
緩やかに流れる川に似た、穏やかな旋律。
頬杖を突き、眼を細めながら、か細く口ずさむ]
うん。
誰が何をしてくれたのかよく分からなかったから、とりあえず、適当に礼を言ってみた。
後悔はしていない。
[言いながらも、少し恥ずかしそうな笑みを浮かべ]
まあ、何もしてないって二人とも言うけどさ、こうして私の様子を眺めに来てくれたってだけでもありがたい話だよ。うん。
それだけでも、十分に礼を言う必要があると思うんだ。
他の人はまた、手当たり次第に礼を言いまくるんでご心配なく。
人と人の和を形作るのは礼を逸しないことであるという言葉もあるしね。
[切欠、という言葉には曖昧な笑みを浮かべるのみで]
まあ……なるべく、そうする。
[頼れ、という言葉に、少しだけ表情を緩めた]
……つーか、ほんと。
こういう時にいきなり兄貴風吹かすのも、変わんないよなぁ……。
[触れたオカリナを両手で持ち、口に当てる]
…♪……♪〜………♪…?
[奏でる音を探りながらオカリナに息を吹き込んだ。
メロディにはなっていない、未完成の音が控えめに広間の中に流れた]
…んー…むずか、しい…。
[首を傾げながらも、音を連ね続けた]
ですね。みな…だが主にその四人…男手で頼りになるのがダーヴィッドだけってのはなんとも情けない話だよなぁ
[ハインリヒがブリジットへとかける言葉に同意を返しつつ]
…そういやハインリヒさん。下が少しだけ騒がしかった気がしたけど。何かあった?
[いいながらもハインリヒに軽く目配せする。変な話題なら上手く誤魔化してねという合図だが通じるかは知らない]
―広間―
ん…。
[カルメンが首を傾げたのには曖昧な声だけを返す]
ダーヴさんお疲れ様。
そう、落ち着いたんだ。
良かった。
[ダーヴィッドとハインリヒの話に、ほぅと息を吐く]
よろしく、ハイン。
[交代しに上がるハインリヒを見送って暫くすると葦笛の音が止まり、少しして辿るようなカルメンのオカリナが響く]
難しいんだ。
ユーリに教われたりすればいいのにね。
[声は言葉のない音色を生み出し]
……そう。
[音のない声は言葉を紡ぎ出す]
場を作る かんせい させる
それにも 人 いるのなら
人を壊せば 場も壊れる
[穏やかな歌とは異なる冷徹な思考を]
[手を振るダーヴィッドに、少しだけ速度が速まる。
近くまで来てから、ユリアンを見上げた]
ユーリにぃ、元気ないですか?
[声が掛かって、ロミルダは口を開いた]
そういう風に言われっと、ちっと照れるけどな。
[そう言いながら表情は変わらない]
だな、礼については俺もそう思うぜ。
元気になったのを見ればみんなも安心するだろうし。
直接教えるのは恥ずかしいとか言われたら、ロートスに歌ってもらうとか。難しいんだと、それも大変そうかな。
[リズムを指が追いかける。音階は紡げない]
後悔がないならいっか。
[恥ずかしげにいうブリジットにあっさりという]
まあ、ハインリヒさんは交代で来たみたいだが、俺は単に気になって…本当に眺めに着ただけかもしれない。惚気話が始まったらハインリヒさんに押し付けて俺逃げる気満々だしな
[礼については、流民だからかふむふむとそんなものなのかと思いながら聞く]
なるべくと来たか…頼らせ甲斐のない奴め。
[す、と睨むような眼差しは、その曖昧な笑みにか、言葉にか]
いーじゃんよ、少しくらい。
おまえの顔見てると、それこそ昔を思い出すから、変わんないよーにもなるってもんさ。
[聞こえた音が誰のものかはすぐにわかって。
ほんの少し、複雑そうなものが過ぎるが、それは一瞬の事。
ロミルダの直球の問いかけに、えーと、と困ったような声を上げる頃には、それは失せていて]
元気げんき、ったら、嘘になるけど。
どーしよーもなく元気じゃない、って程じゃないから、大丈夫だよ。
[返す言葉には、多少の空元気を織り込んだ]
─広間─
[クロエの言葉に一度オカリナから口を離して]
なんど、も、れんしゅう、しなきゃ。
すぐ、には、ふけるように、なれない。
おしえ、て、くれる、かなぁ?
[人前では吹かないと言うユリアン。
彼から教えてもらうことは難しそうと思うせいか、遠慮がちに言葉は紡がれる。
それからまたオカリナから音を紡ぎ始めた]
頼らせ甲斐、って何だよそれ?
[睨むような視線に、僅か、視線を移ろわせつつ、言って]
ま、全然違う方に変わられるのもやだけどさぁ。
……その理屈で行くと、俺が全然成長してない、って事にもならん?
んじゃまあ、二人に最低限の礼を言ったところで、これから、「片っ端から会う人会う人に礼を言いまくるツアー」を開催いたします。
二人には、運営委員として、私の手下として一緒に行動することを許します。にはは。
[冗談交じりにそう言い、立ち上がるとまだ足がふらつくのを感じた。
眩暈もまだ完全に治まっているわけではない。普段から白い肌なので見分けにくいかも知れないが、顔色は普段よりも更に白い]
ん……。
[額に手を当てて一瞬だけ目をつぶったが、すぐに]
さ。移動しますか。
いつまでも寝っぱなしは体に良くないしね。
[と、笑った]
[オカリナの音色に霞んで、歌は消えた]
言葉は嘘を簡単に紡げる。
でも。
[続きはないまま、部屋を出た。すっかり静かになった廊下を歩む]
本当ですか?
[すぐには信用しなかったようで、ロミルダはなおもじぃっと見上げている。
少し空元気が含まれていたのに、気がついたのかも知れない]
無理しちゃだめですよ。
ダーヴさんも心配してたです。
ロートスだって。
[ねぇ、と傍らの鸚鵡に視線を移して]
へぁー…客。物好きな
……いや、ゲルダと知り合いなのが物好きとかじゃないぞ
[ハインリヒの言葉には短く。ただ増えたのかぁ。と情報を頭に納めるようにいれつつ
なんだか誤解を呼びそうな表現に訂正を加え]
って、おいおい。どういう委員なんだか。
…顔出したら喜ぶだろう。けれどそこで倒れたら元の木阿弥どころかただのアホウだ。それがわかってるなら…いいぞ
[ブリジットの様子を見ながら努めて淡々といいつつ、席を立つ]
運営委員、って言うより従者って感じがするけどな。
…大丈夫か。
[ふらつく様子に手を差し出して]
途中で転ぶと色々拙いからな。
[だけど無理には繋がずにブリジットの意志に任せる]
―広間―
練習か。それもそうだね。
後で頼むだけ頼んでみる?
[リズムに合わせて指が動く。布の上では音は鳴らない]
駄目だって言われたら。
ここにいる間、聞ける機会に耳で覚えちゃう、とか。
[邪魔しない程度に小さく笑う]
[なおもじぃっと向けられる視線。
困ったように軽く、頬を掻く]
別に、無理とかしてないよ。
だから、心配すんなっ。
[それから、できるだけ明るい口調で言うものの]
「ユーリィは、おばかだからー。
いつも、しんぱいー」
[鸚鵡から、さくっと追い討ちが来た]
じぶんのあたまでかんがえなっさい。
聞いてばっかりだと阿呆になんぞー?
[まるで教師の説教にも似て、されど押し付ける気はないのか、声は軽い]
唐変木なとこは、成長してないなぁ。
仕事してる姿でも見れば、印象は変わるかもだが。
[ふと笑い、流す眼差しは白の蓮]
――集会所1階・広間――
どうも。
演奏会ですか?
[微かな笑みを携えて広間に入る。
オカリナを吹くカルメンを見やって]
躍りはないんでしょうか、残念。
[ぐるりと視線を巡らせた]
歪めて
壊して
作ったのは
[うつろう眼差しは老齢の自衛団長を捉え]
あのひと。
みんなだって あのひと 嫌い。
[――だから、良いでしょう。
理由を作る。悪くない理由。正当化される理由]
─広間─
[一回で覚えられる音には限りがあり、上手く音が連なっても途中で止まってしまう]
んー……たのんで、みよう、かな。
なんども、きけるなら、きいて、おぼえるんだけ、ど。
[クロエに返しながら、これ以上は無理だと言うようにオカリナから手を離した。
首からぶら下がる形になったオカリナは胸元で揺れる]
ゲルダさん。
[先程の遣り取りを思い出し、少し躊躇いがちに見る]
そっか、僕もそっちを練習してみれば良かったかな。
後でローザさんに直してもらうとしても。
大丈夫大丈夫。
おじさん酔っ払ってなんていねーよー、ひっく。とかなんとか。
[少し大げさに千鳥足で歩いてみたが、予想以上に足元がふらついているのに気づき、普通に歩いた]
いやん、ハインリヒさん。
私の手は、旦那と、まだ見ぬ子供と繋ぐ為にあるの。そーゆーのセクハラですよ?にはは。
……ま。お気持ちだけありがたく頂戴いたしておきます。一人で歩けないぐらいなら、大丈夫なんて言えないしね。
さて、レッツゴー。
[言いながら、凛とした姿勢で歩き、扉を抜けて、手すりにつかまりながらも階段を下りていった]
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