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相変わらず可愛らしい、ですね。
[目線はチラチラとピアの方へと、向く。
傘をさして足を踏み出すと、少しぬかるんだ地面に僅かに足が沈んだ。
中庭にさしかかり、眼鏡の中央を人差し指でくいとあげる。]
…誰か、おられます?
[何かの気配を感じ、ティルの顔を振り返る。]
可愛い、て。
あ、ピアのこと?
[視線の先が頭の上に向いているのに気づき、上目遣いのよに相棒を見上げた。
ピアは嬉しそうな様子で尻尾を揺らしつつ、気取って見せてたり]
……んん?
[たどり着いた中庭、振り返りつつ投げられた問いに、一つ瞬き]
何か……うん、誰かいるみたいだけど。
水の力が強い、かな?
・・・・・・・
あ、そっか…エネルギー不足…どうりで怠いと。
[機竜である自身を支えるエネルギーは普段、左腕にチャージされている、それを全て放出してしまった今、外部からのエネルギー摂取が必要だった]
うわあ…ダーヴと一緒とか、やだなあ…
[いつも熱量不足で大食に走る焔竜とほぼ同じ状態だと気付いて顰め面。それでも空腹には勝てずに、窓を閉めて部屋を出た]
―東殿・食堂―
[別に食事は必要ないが。竜の気配があったので、そちらにひょっこり顔を出す。
何か色んな匂いが混じってるが、とりあえずカレーらしき匂いが一番鼻をついた。]
よぉ。元気してるぅ?
[第一声は相変わらず。]
[ 獣の唸りにしては奇妙な音。
何事かと影が視線を巡らせていると、扉の開く音が聞えた。]
エーリッヒさん?
……今の音は。
[ 其方に顔を向け、問いを投げる。]
─東殿・食堂─
[カレーのお代わり二杯目に突入するダーヴィッドを眺めつつ]
……ここにある食料全てを食らい尽くすことは無いとは思うが……。
[二杯で留まらないような気がしてたり。
茶を飲みつつそれを眺めていると、ややあってオトフリートが姿を現す。挨拶を交わすとオトフリートはそのまま茶の用意をしに厨房へ。少し後に茉莉花茶の良い香りが辺りを漂うことだろうか]
[昨日騒ぎに後から駆けつけた時、ナターリエはその足を晒していたのを思い出して。
なんとなく、足が躊躇したのは自然の摂理。]
…水といえば、ナターリエ殿?
[雨の飛沫で目を細めながら、傘の下から覗き、声を聞いて手を振った。]
雷の、エミーリェです。
こちらで何か見つけられましたか?
─東殿・中庭─
[返って来た声、それは強いと感じた力が何かを裏付けるもので]
あ、流水の。
[そこで止まった。
この人って、兄さんなのか姉さんなのか。
どうにもよくわかっていなかったりする]
雨ん中で、何してんの?
―回想>>*43より―
誓いなんざいらね。実行して戻るんだな。
[口調は軽いが内容が手厳しいように聞こえる物言いは、幼竜を思う故。
なにより、ここは最低限の線引き。
それが出来なかった時。つまりはオティーリエ…あるいはアーベルが良心を手放し、意図的に無害な幼竜にすら手をかけた時は―――最悪、裏切りも視野に入れていた。
二人の渇望が、自分の身にも降りかかったものと同じとすれば、その渇きの強さは身に染みて分かる。今ですら、油断すれば『願い』に飲み込まれかける。辛うじて踏みとどまっているのは、自分では力を手に入れることが出来ないという性があるおかげ。
だから、止める事はもう出来ないが。
戻る事も出来ないのは分かっているが。
それでも越えさせたくないものはあった。例え要らぬ事と言われようとも。]
―― 東殿・廊下 ――
あ、ノーラさん。え?音って……
Gyururuuuuuuuuu…!
え、とお…この、音、でしょうか?
[軽く赤面]
─東殿・食堂─
[食堂に響く声に一瞬だけ鋭く瞳を細める。しかし細めた瞳は直ぐに笑みのものへと変わり]
雨の雰囲気に少々滅入りそうにはなるが、元気ではあるかの。
[茶を啜りながらクレメンスへと返す]
―東殿個室―
[窓の傍を離れ、そのままで寝てしまったため皺になってしまったローブを脱ぎ、畳む。
代わりに着たのは普段身に着けることが多い細身のローブ。
動きやすさに重点を置いたそれの方が今は楽だった]
…どちらにしても、お会いしなければ始まらないわ。
[小さく呟くと、扉を開けて部屋を出た]
― →東殿内―
んや、元気足りなくて補給中。
[スプーンぴしっとあげて命竜に挨拶。
香辛料はそれ自体が弱い増強効果を持つ触媒として働くし、何より美味しいし…ってわけで4杯目ももうほとんど空になりかけるとこ。]
[二人して問いかけてくる様に、少しだけナターリエが笑んだ]
特に何かしていたわけじゃありませんわぁ。
ただ、雨に惹かれてここにきた、という感じかしらぁ。
……それにしても。
[順に、雷と風の顔を眺めた]
この雨降りしきる中。
この三人が集まるということは、これから嵐にでもなる、ということかしらねぃ?うふふ。
[嵐を作り出す、風、雷、雨が集まったことを揶揄して、ナターリエが笑う]
―回想―
[オティーリエの心情は、精神竜のように些細には感じないが、徐々に深みに落ちていくのは見ずともとれた。おそらくは、アーベルもそうだろうか。
だが慰めの言葉はかけない。同情はきっといらんだろう。
願いを叶えるためには、力が必要だ。
そして力を得るためには代償が必要だ。
誰かに払わせるだけでなく、自らも対価を払わなければならない。
その為に深くなる澱みのようなそれには、それでも微か溜息をつくのだが。]
[そして少し前、アーベルの実験の結果に対しては、微か頷き答えを頭に入れておく。]
了解っと。まぁ触らないに越した事はないさ。
…どさくさ紛れに事を起こすには有効利用できそうだがな。
[その報告の後にアーベルから届いた、暖かな感謝のようなものにはへらり、気にするなという風に軽く返した。]
……ああ。
そうですね。それです。
[ 伏せがちの眼が開かれるも、さして驚いた様子もなく頷く。]
食堂に行かれますか?
オトフリートさんが何か用意して下さっていると。
[ 左に首を傾ける。水を僅かに含んだ髪は頬に張り付いた。]
[雨に惹かれる、という言葉に、素で不思議そうにきょとり、と瞬いた]
雨、好きなんだ……って、流水の眷族だもんねぇ。
[関わりのある力を好むのは、ある意味当たり前かと納得し]
嵐かぁ。
物理的な嵐なら、どーって事ないけどねー。
そうじゃない、嵐みたいな出来事はちょーっとほどほどにしてほしいかも。
[嵐の例えには、けらり、笑ってこう返した。
結構、本音も入ってるが]
―東殿・個室―
…、…?
[傍らで眠り続ける氷竜殿を視界に入れたか、仔は不思議そに首を傾ぐ。
それもそうであろう、幼子の記憶は腕に抱かれていたまでである筈。
四方やそのまま眠りに落ち、御手を煩わせたなど仔にはまだ理解出来ぬ。
私が此方へと視線を向けるに気付いたか、一度瞬きを零した仔はおはようと小さく口にした。]
「お早う御座います、お目覚めですか」
[こくりと頷いた幼子は暫しの沈黙の後、寝台から降りた。
翠の跡を残しながら、今し方まで自らが被っていた毛布を寝台からずり落とすと
氷竜殿へと暫くの格闘の後、漸く掛ける事に成功した。
…否、半分は肩から落ちているが、これが幼子の精一杯らしい。]
―― 東殿・食堂 ――
[影竜が笑う様子も無い事に、少し安堵する]
ええ、俺も今から食堂に行こうと思って。なんだかほっとくと誰かに食料を喰い尽くされそうな予感もするんで。[真顔で言った]
濡れてますね?外に出ていたんですか?
[尋ね返したところで、天竜の姿を見つける]
あ、こんにちは、エルザさん。具合大丈夫ですか?
[腹の音をそちらにも聞かれていたとは思わずに、声をかけた]
─東殿・食堂─
[必要が無い為ほぼ初めて訪れた場所に、少しだけ辺りを見回すのは配置の確認。
ザムエルの視線は何事も無かったかのように笑みで返す。]
朝からっぽいな。そろそろ飽きてきたんだが晴れるかねぇ。
[食堂の窓から外を見やる。当分、止みそうにないのが。]
…嵐を起こせば結界が吹き飛ぶなら幾らでも起こします、けどねぇ?
[ナターリエの声には、冗談と取らずに睨むように西殿を傘の下から見る。
ふ、と小さく息を吐いて]
まぁ…
それで壊れるなら中からもう壊れてますか…。
─東殿・食堂─
[とりあえず途中から来たので、ダーヴィットがどんだけ食ったかは微妙に知らず。ただ食べる勢いだけはおーおと感心した様子で見やる。]
食いすぎて腹壊すなよ?
…いや、ここの食料食い尽くすなよ、が正しいか。
[ちょっと勢いを甘く見てました。]
雨は、嫌われることが多いですからねぃ。
せめて、水の属性である私ぐらいは、好きになってあげないと。
[やはり、小さく笑む。
だが、眷属を属性と言い換える辺り、何か含むものはあるようだ]
あらぁ。
トラブルと言う名の嵐かしらぁ?
それはそれで、私としては望むところですけどねぃ。うふふ。
そもそも、トラブル頭の嵐竜王の弟様が言うことじゃありませんわぁ。
[さらりと、ひどいことを言った]
ノーラ様、エーリッヒ殿。
[そちらに近寄ると同じく頭を下げる]
はい、もう大丈夫です。
ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした。
…もしかして今のはエーリッヒ殿の?
[ノーラとの会話で気が付いてしまったようだ]
[中から、というミリィの言葉に、思わず西殿を見た]
……ま、そーだよな。
嵐そのものみたいな兄貴が暴れてた訳だし。
[一瞬、遠い目]
つまり、根っこからトラブルの元を全てふっ飛ばしたい、とそういうことですねぃ?
[先程と同じく冗談交じりに、雷に返す]
ところで。
そちらこそ、何か見つけましたかしらぁ?
生憎と此方は、先程まで寝てましたから、どのような変化が起こったのかさっぱり分かりませんもので。
[なんとなく、手持ち無沙汰に右手の人差し指の先に握りこぶしサイズの泡を作ってみたり。
このようなことが自然と行える辺り、雨が降って、ナターリエの力は確実に強化されていた]
……喰い尽くされる、んですか。
[ 食事の光景は見た事がない故に、機鋼の竜の言葉にも影の首は更に傾ぐのみであった。後の問いかけを受けて、髪を弄っていた手が止まる。]
ええ、テラスにいたので。
雨が気になって……
具合、というと、また「かけら」が?
……立ち話もなんですし、
虫の機嫌を治すためにも、いきましょうか。
[ 僅かな沈黙と食堂への促しを持って、エルザの問いを肯定した。]
雨自体は大事だと思うけど。
オレは、苦手なの。
[何故と問われても、答えられないのだが。
微妙な言い換えには気づくものの、その意は図れず……というか]
オレだって、ただじっとしてなきゃなんない状況はやだけどさぁ……って。
そこで、オレと兄貴を同列に見ないでくれよなー。
オレは、あそこまで酷くないんだからっ!
[さらりと言われた言葉の方に、意識持ってかれました。
むくれる様子に、ピアが呆れたよに金髪をてちり]
─東殿・食堂─
さぁて、どうにも止みそうにはないように見えるがの。
雨降りは身体が冷えて敵わんわい。
[ずず、と再び茶を口に運ぶ。茶のお陰でとりあえずの暖は取れている模様]
…ダーヴィッドが食い尽くさんよう、他を確保しておいた方が良いかのぅ。
他で食う者もおるじゃろうて。
[クレメンスに言葉を返してから、視線はダーヴィッドへと。その暴食っぷりは良く知っているために危惧は消えない]
―― 東殿・廊下 ――
[目の前に居る二人が、奇しくも、うっかりと力の事を漏らしそうになってしまった相手だと気付いて、僅かに左腕を隠すように身を引く。エルザの言葉には、また顔を赤くした]
う…そうです。お腹空いちゃって。
んまぁ、色々余裕無くてさぁ。
こうやって供給すんのが一番手っ取り早いんよ。
[流石に寸胴鍋ひとつ空にするのは気が引けたのか、デザートへ移行。]
要は、燃料注いでんのと一緒だし?
力さえ満ちてりゃぁ、こういう雨も気持ち良いくらいなんだけどねぇ。
…基本、寒いと動きたくなくなるから…。
…、…あめ?
――くらいね。
[するりと幼子の腕にしがみ付く合間、窓を叩く音に漸く気付いたか仔が外へと視線を向ける。
…空が闇に近付いたその理由を、仔は理解しているのか。
真直ぐに空を見上げる仔の視線からは、そこまでは判らねども。
私が上りきったのを見やれば、じゃあ行こっか。と一度視線を私に向け――
しかしはたと気付いたかの様に、自らの口を掌で押さえた。…何事か。]
…ブリジットは寝てるから、しー。
静かにしなきゃ、だめだよ。
[…声を主に発されていたのは幼子の方ではあるが、まぁ言うまい。
寝台の枕元に置かれた小袋を握り締めると、仔はそろそろと忍ぶ様に部屋を横切る。
その途中小袋から一つ…蜜柑味らしき橙色の包み紙を取り出すと、寝台に凭れ掛ったままの氷竜殿の傍らに一つ置きおいて、幼子にしては極力物音を立てぬ様、起こさぬように部屋を後にする。
しかし所詮は仔。若干静かには程遠い気はしないでも無いが、氷竜殿が起きていたかは定かでは無い。]
―東殿廊下―
いえ、少しばかり疲れが嵩じてしまいまして。
休ませていただいたので大丈夫です。
[エーリッヒが左腕を隠すのが見えた。
だが自分も今は左手を大っぴらに見せるのは躊躇われる状況で。だから続いた言葉に、右手で軽く口元を隠して]
そうですね、私も少し何か口にしようかと。
ご一緒させていただきます。
[笑みの気配が混じる声で返す。
ノーラへの肯定を兼ねながら、頷いた]
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