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だって、アーくんだし。
[色と形だけでは、何を身に纏っているか、まではわからない。
かけられた上着に触れることなく、伸びてきた手を掴もうと]
[いつもの嘲りと、楽しげな口調。
微かに感じる、いつもと違う感覚には、気づいていたか]
……ブリスに近くて、遠い。
俺、とは、違うんだな。
[蒼の風と『アーベル』は元々境界線も曖昧で。
システムへの反抗を心に、ココロに決めた今となっては、同一の存在と言えるだろうか]
……システム……か。
もしかして。
システムに逆らえば……それが、起きるのか?
[ふと感じた疑問を投げつつ。
緋色の世界を介して響く音色に、目を細めた]
…なるほど。
[だからかと、ある程度の事には納得し。]
[去り際のクレメンスの言葉には、振り返り呟いて、穏やかな微笑み浮かべた。]
[月明かりに照らされたそれは、彼女らしい、穏やかな笑みで。]
[そのまま、ふらりと二階へと上がってゆく。]
[音の元を探し、部屋の前をゆっくりと、一つづつ調べて。]
[途中でマテウスと出会い、こんばんはと会釈した。][挨拶だけならば、少女のそのままに。]
[丁度彼女の立ち止まったのは、イレーネの部屋の前。]
そりゃ、どういう意味だよ……って。
[低く、問いつつ。
伸ばされる手。
とっさに引こうとしたところに、また、激痛が走る]
……いっつ……。
[思わず零れた声と共に、動きは止まり。容易く、手は取られる]
[灯は小さなランプだけ。
薄暗い部屋の中、窓際に立っている]
……。
応えて来てくれたのなら、入ればいいのに。
[小さな小さな囁き]
そういう意味。
[零れた声。
目を眇めて、アーベルを見た。
霞がかり、表情を窺うことは出来なかった]
[両の手を添え、しっかりと捕える。
その力なんて、たかが知れているけれど]
……どっか、怪我してる?
[こんばんは。というブリジットの言葉にはつられるように、こんばんは。と返し、すたすたと歩いていくブリジット
挨拶だけは普段通りではある…あくまで挨拶だけは
その姿は…ノーラの遺体を前にしいたときのブリジットの姿とは被らない]
[気付かぬうちにリディも殺されていた。
その様はノーラと同じで、喰い散らかされたような感じだった]
もう少しも待っていられないじゃないか。
[...は父親へ兄の派遣を願う上申書を書くと、広間を通り――かけて、中に人が居たため、こっそりと裏口から集会所の外へと出た。
まだ雪は深かったが、それでもかき分けて自衛団員を探して歩く。
――アーベルとユリアンが外に居る事など気付いていない]
……わけわかんないから、それ。
[思わず、呆れたような声が出た。
捕えられた手は、簡単に振り払える。
だから、今は払わずに]
……怪我なんか、してねぇよ。
[言葉に偽りはなかった。
手に負っていた幾つかの怪我も、力を取り戻した事で既に癒えていたから]
……ただ、さっきからっていうか、昨夜から。
頭、痛くてな……。
ま、仕方ねぇらしいが、コレ。
[マテウスに会釈した後、イレーネの部屋の扉を叩き、微かに返事が聞こえれば、中へとそっと入る。]
[足音は、しない。]
こんばんは、イレーネ。
なんて、弾いてたの?
[何を、ではなく。][なんて、と尋ねる。]
[月明かりに照らされた、窓際の少女を見ながら。][笑みは、いつもと変わらない。]
仕方ないって、何さ。
[問うような声。
けれど、答えを求めてはいなかった]
……まあ、いいや。
戻ろうよ。
寒くて凍えそうだ。
在り方…いや、成り方か。
それが違うからな。我等と、貴様と。
[身を守る為に人格を割った弱い心は。][10年前の彼女、には仕方のない事ではあったが。]
[今迷い悩みそれでも進もうとする風とは、違う。]
[それは進むことを諦めてしまっているような。][どこか、澱んだもの。]
やもしれんな。
…………ならば。場合によっては。
[微か気づいたような、口調で。]
[胸の中で、卵が震えた。]
こんばんは、ジット。
[何を、ではなく。なんて、と。
もちろん旋律そのものは出鱈目だ。
それでもちゃんと伝わったな、と微笑する]
教えてください。
あなたの真実を。
少しでも早く終わらせるために。
――知っているでしょう。
ブリジット。
……人狼の研究、と仰いましたね?
何のためにですか?
あなたは本当は何者なのですか?
[言葉を切る。小さく息を吸って]
……ブリジットは何者なのですか?
あなたは知っているのでしょう?
[ブリジットがイレーネの部屋に入ったのを見終えた後
気配を消して、一旦自分の部屋へ行き、木箱を置いて、武器を出す
いつも使っていた、巨剣ではなく、二振りの長剣。
室内では、巨剣は向かない…いや、元から巨剣は己の本来の得物ではない
それを腰にさして、気配を消したまま(とはいえどこまで意味があるかはわからない)イレーネの部屋の前に立つ]
仕方ねぇんだよ。
逆らえば、痛い思いさせられるんだから。
んで、俺は。
何がなんでも、逆らうって、決めたから。
[問うような声に、何でもない事のように、返して]
……俺は……もどれねーよ。
でも、お前は戻れ。大真面目に凍死するだろ。
[冗談めいた口調で言いつつ、一歩、後ろへ引こうと]
…………グリズ?
[表に意識をあわせれば。][もっと早くそうしていれば。][いつもは明るい声の、その異変には気づいただろうか。]
…どうした、グリズ。
[先ほど、のたうった騒ぎ声を最後に。][緋色の世界で、彼の声は、聞こえない。]
[卵は、何度も震え続ける。]
……そういう、もんか。
[成り立ちの話を思い出しつつ、ぽつりと呟いて]
……って。
どうか、したのかよ?
[異変の気配と、卵の震え。
それを感じて、訝るようなコエを投げる]
[雪はあっというまに元々体力のなかった...から体力を奪っていく。
この状態で狼に襲われれば間違いなく即座に餌となってしまうだろう。それでも...は自衛団員を探して歩き、そしてようやく森の切れるところで目的の人物を見つけた]
すいません!
[...が呼びかけると、自衛団員は驚いた様子を見せ、そして手にした槍を彼に向けてきた。しかし、それはノーラが撃たれた事で予測できるものだったから、怖がりもせずに、すっとポケットに入れてあった書状を差し出した]
私の父・アントニオ=エンバーミングへこの書状を送っていただけませんか?
……これ以上、村の仲間だったという人達が互いに疑心し合いながら殺してしまうさまを見ていたくないから、すぐに兄を送るようにしたためた書状を。
[苗字を出された所為か、動揺が奔る自衛団員に強引に書状を手渡すと、一緒に腕にしていたブレスレットを渡す]
手間賃です。
握りつぶさず、必ず送ってください。
[そう力の篭った視線で頷かせると、...は即座に踵を返して、集会所へと戻った]
馬鹿だね。大馬鹿だ。
[手は、離さなかった。
力を、篭めた]
でも、きっと。
僕だって、
もし、そうなら、
そうしていたんだろうって思うよ。
[まるで、足りない言葉たち。
真っ直ぐに、青を見る。
眼差しは、ちゃんと前を向いていただろうか]
もし、あなたが隠し通すというならそれでも構いませんけど。
[元より簡単にあかすとは思ってはいない]
50年前の事件でも、人狼のことを知りながらそれを隠した人物がいたと聞きます。
今のあなたのような。
……なぜですか?何のために人狼を……
[庇うのか、と言いかけて言葉を切る]
[彼のそれは、庇うのとも違う気がして]
/*
なんか、マテウスが守護っぽいんだけど、自信がない(汗)。
GJ出ると美味しい局面ではあるんですが。
確信が得られないんで、一応ミハエルへのロール上での襲撃に動くのも考えといてくださいー。
*/
[知っている。][もう知られてしまっている。]
[その事実が、少しずつ彼女を、彼を、蝕んだのか。]
[それとももう既に。][彼女が気づいた時点で破綻していたのか。]
[蒼い花の蜜の香り。][それはこの上なく甘美に思えて。]
[誘われるように、導かれるように。][狂わされるように。]
私の、真実?
それは本当の名前のことかな?
…でも、それはずっと昔に失われてしまった。
イレーネにも、兄さんがいたんデシたっけ。
私にも、兄さんがいてね。
でも死んだ。母さんを食い殺して。父に殺された。
それ自体は恨んでないけど、でも、とても、とても悲しくて…。
だから、私は、俺等は、我等は、
5つに分かれてしまって。
[声は低く高く。][混ざる。][抑揚だけが無くなってゆく。]
[どこか悲しげに。][どこか楽しげに。]
だから、いまの私の名前は。
俺がどこまで知っているかは、そうですねぇ
[シスターを見た目は、少し笑う]
たとえば満月の夜、一つの場に、ある人数の人と、ある人数の人狼と、ある人数のそれに対抗するものが居たら、どうなるかとか。
あとは血の定め、くらいですかねぇ。
[そして続いた言葉]
…そうですねぇ。何のためというと。
その研究により、再び地位を手にいれんがため、という理由だったでしょうか。もっとも俺は、生まれたときからその研究をすることを決められていたわけですけれど。
いやぁ、子供すら利用してのその外道な振る舞いにはどうも共感を覚えはしませんでしたけどね。
俺は、人ですよ。
ただちょっと、人狼の血を使われ、実験台になっていたくらいです。いかに人狼にならず、人として彼らを見抜けるかという実験台であり、完成体ってやつでしたね。楽して知ろうと思っていたようですから。
そしてブリジットは、まぁ…
わかるでしょう?
……お前には、一体。
何回そう言われてるんだろうな、俺。
[ため息混じりに呟いて。見つめる青を、蒼で見返す]
……そっか。
でも、正直言ってどこまでできるか、俺にもわからん。
そも、方法がわかってねーし。
失敗するかも知れんし。
[むしろ、その可能性のが高いけど、と。
苦笑が滲む]
……だから、さ。
離れとけってば。
[今は、血を求める衝動はないけれど。
いつ、それが蘇るかは、わからないと。
言葉には、しないけれど]
[呼びかけても答えず。][それが銀色の中で警報を鳴らす。]
[何か、違う、間違っている。これは。]
[抱いた卵の震えは酷くなり。]
[ぱりんと、ひびが入る。][割れた卵の中から、現れたのは。]
[黒い、どろりとした塊。]
―――――――――!!
――――ドゥンケル。
[闇と、呟くと同時に。]
[その姿は銀色の狼へと変わってゆき。]
[イレーネににぃと、歪んだ笑みをうかべ飛び掛った。]
さあね。
数え切れないくらいじゃない。
[へなりと、場違いに暢気な笑みが浮かぶ。
けれど、それは、一瞬で、消して]
……ねえ、アーベル。
リューディアが、死んだよ。
[確かめるように、言葉を紡いだ]
50年前のがいったいどういう人だったのかは俺は知りませんよ。
俺とはまた違った方法で、わかっていて言わなかったんでしょうねぇ。
…さて、俺は人狼をどうしたいんでしょう?
[シスターの疑問に、付け入るようにわらった]
別にかばっているわけでも、ありませんよ。
俺は、人狼も、人間も、どうしたいとも思っていません。
ただね、組織の壊滅の時に、俺はまたもう一つ、自分の身で実験をしているんですよ。
それが、止めることを許してはくれませんでね。
それに俺も疑われていたんですよ?
たとえ満月の時はやめろといったとして、ギュンターさんや村の人たちが、やめたとお思いですか?
……て、え。
[見えたわけでは、ない。
しかし。
感じ取る事はできた。
黒い塊が、動き出すのが]
って、ちょっ……な、なんなんだよ、ソレ!
[木立の向こう、ようやく人影を見つけて、男はあがってきた息を整える]
…たく、年はとりたくねえぜ。
[ダガーを握りしめ、気配を殺してゆっくりと近付く。人狼に、それが通用するかどうかは知らないが]
[話を聞いていた。そうなのか。と
そして部屋の気配が変わると同時に、扉に手を掛け、あけると同時に剣をブリジット…いや、銀色の狼に投げつける]
[ヴァイオリンの弓だけを手に。
白いブラウスだけの姿で。朱花が透ける]
兄様は、姉様を食べたわ。
父様は、その前に殺されたわ。
似ているようで、少し違う。
――もしかしたら。
私もあなたのようになるところだったのかもしれないわ。
[じっと見つめる]
Dunkel…暗黒。
そう、それを選んでしまうの。
[クレメンスの言葉が、耳にではなく頭に直接響くような気がした]
[予想していたことと、そうではなかったこと]
…やはり、伝承の事はご存知だったのですね。
[彼が、知らない、といっていたのはやはり嘘で]
地位を手に入れるため…その為に、人を利用して…。
では、あなたには判るのですね?人狼が誰か。
最初から判っていたのですね?
……ブリジットが、そうであると。
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