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→ 2階廊下 ―
[変な寝跡が残って居ないか確かめるよう顔を手で擦りながら、廊下に出る。
階段に向かう足を、けれど一旦物置の前で止めた。
先刻夢現に聞いた久方の音色が、確かに耳に届いたから。]
……、あれ?
[子守唄から曲は変わっていただろうか。
何にせよ、こっそり覗き込む物置の中、見付けた人影に目を細める。]
――、…。
[彼が紡ぐ同じ筈の音色が、何時もと何故か違って聞こえるのは。
楽器の調律具合によるものか、それとも奏で手の心境故か。
解らない、けれど声を上げる事はしない。]
― 物置・扉口 ―
[過去にも演奏を遮る事は、無かった、筈。
唯、初めて教会でその音色を聴いたその時は、
わあ、と隠さず上げた感嘆の声で彼を驚かせたかも知れなかったが。]
…。
[兎も角、曲が途切れるまでは声を掛けはしない。
手紙を託す事も、寝跡を確かめる事も忘れて唯音色を聴く。
同じように旋律に釣られた誰かが来た時に、
その人の行動を邪魔する事もきっと無いけれど。**]
―1F 広間―
[>>166 ミハエルの話が終わったことに安堵の一息。
そこで「何を?」何て問いかえされて、他の人の関心をあの出来事で引くようなことはしなかった。何かあったと思われてしまうじゃないか、馬鹿。なので、青年は何も存ぜぬという態度を貫くわけである]
[実際はどうかというと、クレメンスよりも近い場所にいたのでお察し下さい]
[そして見守るものもいながらの食事。
主に祈りを捧げるものがいれば、その祈りをなぞらいて、いただきます。
オニオンスープの安心できる味に、アマンダの手作りサンドイッチ。どっちも実においしく頂きました。
スープは最後までパンを浸してお腹を膨らます。おかわりをしないように]
[上へと行くライヒアウトを見送るときには]
荷物着たら渡すもんあるから、後で部屋いくなー。
[と、部屋の場所を聞こうとするだろう]
[自分は、必ず首都と実家の間を年何回か往復する便利な行商である。そんなことを時々思わなくもない。]
[ほどなく2Fから聞こえてくる若干調整が狂った子守唄の旋律>>179 休み休みに続く音楽に、ぽつりと呟く]
あいつようやく一人になる時間ができたんだな
[老神父が亡くなってからのこの畳み掛ける追い討ちに対するやるせなさ。一番感じているのは、身内の2人であるのに、こういう時にかける言葉の見つからなさに、ああ、勉強とは役に立たないとため息が出るのである]
[酒宴が始まり、ほどなくすればトランクごと自分の荷物が届く。
中身はろくに確認していないが、家に帰って降ろした分、きっと何かが詰まっているのだろ。そんな気がする重さだった]
[お礼はもうすでにもらったから、という自警団の若いのの顔は若い。判り安すぎるにもほどがある]
ふぅーん、今夜も荒れるのか。まー、任務に励みたまえ。
俺はここでぬくぬくと尋問されるという任務に励む。
[とはいったものの、その手のものが始まる気配はなく。
ギュンター爺さんはこちらを窺い見るばかりであった。
貴族も含めて召集したことから、それなりに人狼の存在を肯定し、並々ならぬ覚悟であるようにも思えたが――]
やっぱこれ、一生懸命がんばりました、のアリバイつくりか?
[顎に爪をたてる考えるポーズで、つい考えていることを口にした**]
― 回想・幼い頃 ―
[母は自分を産んだ後で体を壊したが、それでも体調の良いときは自分が寝付くまで傍で歌やお伽噺を聞かせてくれた。
ある夜、なんとなく父との馴れ初めを聞かせてほしいとねだった時には、とても困らせた覚えがある。
たぶん、昼間に読んだ童話のお姫様と王子さまに比べて、母はともかく、父は厳つい顔で年も『王子さま』より『王子さまの父』くらいの年だったから疑問に思ったのだったか]
─ →広間 ─
[チーズとサラミを載せた皿と野菜スティックサラダを載せたトレイ、ついでにグラスをいくつか載せたトレイを手に広間へと戻って来る。
ソファーに付随するテーブルの上に並べてソファーに腰を下ろした時、ようやく微かに耳に届く音に気付いた]
ああ、ライヒアルトか。
ピアノなんてあったんだな。
[紡ぐ感想はそれだけ。
彼の境遇については敢えて触れずにおく。
その代わり、口へと運んだキュウリが、ポリ、と小さな音を奏でた。
酒が用意されたなら、礼を言ってからそれを口にし、しばしゆっくりと酒を楽しむこととなる]
『そうね。
お父様は、顔も怖いし、性格も悪いし、根性も捻くれるし、お年もアレだし……王子さまってカンジじゃないわね』
[たしか、母は、困った顔をしながらもそんな事を言ってただろうか]
『でも、お父様は母様の事を愛してくれてるわ。
それに、色々誤解されやすい人だけど、実際にはそれほど悪い人でもないと思うわよ。
えぇと………多分、きっと……悪い人じゃない、と良いわね………』
[とても幸せそうに言った後、視線を彷徨わせて言葉を濁してたりもしてたような気がする。
その後、使用人や村人から聞いた噂を総合すると、どうやら亡き先妻と息子の命日に、別荘を離れ村内の酒場で滅入りつつ飲んだくれていた侯爵に、酒場でバイトしていた母が説教をしたのがなれ初めだったとか]
[身体を壊していた母が他界したのは、自分が11歳の頃。
幼馴染のユーディットとも一緒に遊ぼうとせず、沈み込んでいた自分を心配した父が、母が亡くなった数週間後に村の孤児院に連れて行ってくれたのが、クレメンスとの初対面だっただろうか。
自分より年下の子どもたちが、両親共になくしても元気でいるのだ、と教えてくれる為だと本人は思っているが。
実際のところは、母方の伯父に引き合わせるためだったのかもしれない。
もしかしたら、あの時孤児院に連れて行ってくれたのは、父本人ではなく、代理の執事だったような気もするが、まあどちらでもたいした違いは(本人にとっては)ない]
― 現在・広間 ―
ええ、どうぞ。
ボクも一人で飲むより、他の方と一緒の方が楽しいですし。
………百鬼夜行(貴族ども)は例外ですけどね。
[クレメンス>>191やエーリッヒ>>187などの返答には、にこやかに応じる。
エーリッヒの取調べとか…という部分には]
後ろめたいこともないのに、神妙にしなきゃならない理由もないですし。
むしろ彼らに協力して拘束されてやるのに、嗜好品までガマンしてやる必要はないでしょう?
[つまみを用意するというクレメンスには、礼を言ってお願いして]
ということで、ユーちゃん。
お酒、持ってきてもらっていいかな?
[自分で動かずに人任せにするのは、まあ貴族ですからね]
─ 二階 物置 ─
[声に出して嘆くとか泣くとか、そういう事を自分に赦せない状況だから。
無意識、紡ぐ旋律をそれに変えていた。
だから、いつもと違う、と思えた>>183のなら、それは間違いではなく。
調律されていない事も合わせて、響く音色は常にはない乱れを帯びていた]
…………。
[扉口に佇む気配>>184には気づく事なく、ただ、無心に音色を織り上げて。
最後の一節を響かせた後、また、軽く咳き込んだ]
ほんとに、これ。
なんなん、だよ……。
[零れるのは掠れた呟き。これまで、喉や肺を病んだ覚えはない。
今のこれは場所のせい、ともとれるのだが、それにしてもこの息苦しさは不自然なものがあり。
下に行って水でも、と。そう思って視線巡らせて、初めて他者の存在に気がついた]
─ 集会場 台所→広間 ─
はいはい、それじゃちょっと待ってなさい。
[是非にと食いついたエーリッヒ>>165に苦笑しつつ、手近にあった野菜とベーコンで簡素なサンドイッチを作って彼にわたし。
程良く温まったスープを希望された分だけ皿に注いで、エーリッヒと一緒に広間へと運んでいった。
ユーディットも手伝いに来てくれたなら、ありがとうと礼を言っただろう。]
はい、お待たせ。
っていっても温めたの持ってきただけだけど。
ローザにちゃんとお礼言わなきゃいけないわねぇ。
[広間で待っていた面々に配膳が済んだら自分も席について、スープを口に運ぶ。
温かな料理というのは身体だけでなく気持ちも温めてくれるらしい、ほっとした心持ちに表情も和らいだ。]
[食事を済ませて食器を片付け、食後のお茶でもいれようかと思った矢先自分を呼ぶ声に顔を向ける。]
あぁ、とってきてくれたのね。
ありがとう、助かったわ。
っと、荷物は部屋に置かせてもらったほうがいいわね。
空いてるところならどこでも使って良いのかしら。
[自衛団員に礼をいって鞄を受け取ったのだが、荷物を詰めすぎていたらしい。
結構な重さに少し眉を寄せ、1階の部屋がまだ空いていると知ると、そこを借りようと荷物を運んでいった。]
─ 広間→1F 個室B ─
─ 二階 物置 ─
……え……っと。
[何故か、言葉に困った。
音を紡ぐのに夢中になっていて、他には全く意識がいっていなかったから、そこに人がいるのが意外すぎて。
その様子は、初めて音色を聴かれた時、上げられた感嘆の声に手を止めて、目を丸くしていた少年の姿と容易に重なるか]
……どうか、したのか、そんな所に突っ立って。
[それでもどうにか、言葉を探し当て。
投げかけたのは、こんな問いかけだった]
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