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--昼頃・森番の家--
[雪に埋もれた獣道を歩き、ようやく森番の家へとたどり着く。]
[遠慮がちに軽くノックを二回。]
おじさん、こんにちは。
[返事はなく。顔だけ中に入れて様子を伺うと、椅子に座ったままぐっすりと眠りこけているようで。]
[そっと中に入って、肩を揺り動かす。]
おじさん、おじさん、もうお昼…。
[何度も強く肩を揺らせば、んぁ?と気の抜けた返事を返しながら、先代の森番はぼんやりした眼差しをこちらに向けた。]
[そして次の瞬間、頭を抱えて蹲る。]
[反射的に、台所に向かい小さな手鍋に湯を沸かし、戻ってきたら背をさすった。]
おじさん、飲みすぎだよ。アベルが居なかったからって…。
[二日酔いに苦しむ男に苦笑しながら告げれば、森番の男は頭痛に苦しみながらもこちらを見上げ。]
[何故アベルが居ない事を知っているのか尋ねられ。][一瞬言葉に詰まったが。]
昨日…会えたから。
あっ、そうだ。
アベルが集会所側は見て回っとくから、無理しないで、って。
[言伝を告げて、自分も同じ場所で被疑者として扱われている、という事は伏せておいた。]
[父よりも父らしく接してくれる森番を、心配させるような事はしたくなかった故に。]
[言伝には渋い顔をされた。あいつは年より扱いしすぎだと、憤慨と同時にまた頭を抱えて。]
[ぁぁ、と再び背をさすれば、ようやく湯が湧く音が。]
[一旦離れ、山査子の粉を入れた湯のみにお湯を注ぎ、湯色が変わったところで森番へと渡す。]
[それを飲み干した所で、ようやく一息ついただろうか。]
[暫く間をおけば、森番の頭痛は幾分治まったようで。]
[よく効くと。][ブルクハルトと同じ業を継いだなぁと褒められれば、緩く首を振って返す。]
父は9年しか私に薬草の扱い方を教えてくれなかったから。
きっと、色々と足りない事があると思う。
[口伝に必要な期間は20年とされ。それを半分しかこなせていない自分には、まだ学んでい無いことがあったはずだと。]
[頑なにそう告げれば、苦笑した様子で頭を撫でられた。][そんな所は父親似だと、言葉に出さずに思われただろうか。]
[撫でられれば嬉しそうに子供のように笑い。]
[それからいくらか、草花の様子、風の事、薬と備蓄、などの話をすれば日は少し傾いてくる。]
[あまり遅くなっては何か言われるだろうかと思い、席を立ち袋を背に担ぐ。]
…おじさん、私そろそろ行くね。
山査子、置いていくから。でもあんまり飲みすぎたりしないで。
行ってきます。
[戸口から振り返り、自分の家では決して言うことの無い台詞を笑顔で告げて外へ出た。]
[どこから話すべきか。それが問題だ。しかしマテウスの容貌を見る限り、兄に近い感覚を受ける。と、すると武術に長けていると踏んで恐らく間違いはないだろう。
後はどれだけ知略に長けているか? という部分になるが、ほんの数言のやりとりで聡明な人物であるのは検討がついた]
えっと、普通、容疑者となった場合、通常は自警団の詰め所で取調べを受けます。
ここに集められたのは13人という事ですが、町の治安を受け持つ施設なので10人20人で許容量を超えるという事はない筈です。
にも関わらず、容疑者として集会所に集められたというのであれば、町から隔離できる場所が必要だったのではと思います。
そこに今この町で起きている連続殺人事件とあわせれば……自ずと形は見えてきます
私の場合、今から10日近く前になりますが、事件がおきた当日、仕事の関係で夜遅くまで出歩いていました。内容も1人で行える程度のものだったので、私が仕事をしていたという事実を客観的に見据えられる人物は居ません。そのため、ここに集められたと思います。
[そこで一旦言葉を切り、マテウスの瞳を真っ向から見据えて――]
マテウスさん、いや、リューディアさんとそちらの……。
[部屋の隅でお茶を持っているイレーネをちらりと見て]
少なくともここにいる全員が、事件当日にアリバイが存在しない。もしくは第三者的に怪しく感じられる行動をとったのではないかと思います。
まぁただの仮説に過ぎませんが、この時期に容疑者となればそれくらいしか思いつきませんし……。
ハハ。笑って流してください
[そう言うと、心底自分に呆れると言いたげに苦笑した]
[ミハエルが話す仮説の間、口を挟むことなくただ聞き役に徹し。「笑って流してください。」という言葉にはあっさりと]
そうだな。流そう。そんな物騒なことしそうな連中には見えなかったしな。
[とつられるようにして苦笑する。
それはミハエルの言う仮説の真贋について呆れたとかではなく、どちらかといえばその場にいるリディやイレーネを不安にさせないための苦笑であって、真っ向から見つめ返しているミハエルにはその意味は伝わったかもしれない
そしてミハエルに向けて声は出さずに口をぱくぱくと動かす。
読唇はできるか?と口だけ動かしていい、反応を伺う]
[自宅前を出る]
[路傍の花を摘む]
[慰霊碑の前に花を供える]
[亡夫の日課だったこと][詳しいことは聞かされていない][自分はただ祈るだけ]
[祈りをすませると立ち上がる][教会へと足を運ぶ]
[教会付近にも自衛団員の姿]
ちょっと物々しすぎるわね。
・・・とてつもなく大きな事件が起こっているのかしら。
[自衛団員から向けられる非好意的な視線]
[笑顔を作り自衛団員へ一礼]
[礼拝は諦めて集会場へと足を向けた]
―集会所裏・小屋―
[何か手伝いをしようと言った]
[ものすごく拒否されたがそこを押した]
…えぇと。
薪を運べばいいんですね
[くれぐれも気を付けろと言われたのだが]
[ガツン]
[頭を木にぶつけて悶絶する*ことになる*]
[仮説を語り、苦笑した先でマテウスははっきりと話を流した。と、同時にじっと瞳の奥を覗き込まれるような錯覚を感じながらも、見つめ返した。
そしてすぐに音を発せずに口を動かしているのを見て、すぐに...も無音で返答した。
「ゆっくりであれば可能です」]
[ゆっくりであれば可能だ。と反応したミハエルを見て口を動かす]
そういえば俺は外から。ここの村に住んでる依頼主に護衛を頼まれてここに来たんだが、ミハエルも外から来たってことで正しいのかな。それともこの近くに住んでいるのか?
[発する声は世間話。ただ口の動きはゆっくりとした別物のものであり
『連続殺人事件の噂は聞いたことある、が、かもしれないな。隔離するように集めたのも。容疑を言わなかったのも犯人を逃がさないためと考えれるからな。関係があるのか知らないが、探偵と名乗る男も来ていたことだしな』]
ええ。私は領主様が治めます城下町に住んでいます。なのでこの町や近隣の村についてはあまり詳しくないですね……。
でもマテウスさんは護衛ですか。
こう言っては気分を害されるかもしれませんが、この国から出た事のない自分にとっては、そのようなお仕事に憧れますね。
どこか印象深い国や町などありましたか?
[マテウスの仕事に興味があるような話をしつつ、彼と同じく口は別の動きを行う。
『探偵、ですか? ただここに集められたという事は、その探偵も1人でしょう。でも、他に集められる要因があるかもしれませんから、結論にはまだ早いと思います。
どちらにしても、ここに来た時点で、逃げるなどは考えない方が良さそうではありますね』]
[集会場へと戻ってきた]
薪が少なくなってたわね。
小屋から集会場に運んでおきましょうか。
[集会場の裏手の小屋を目指す]
[悶絶している人影が見える][近寄って声をかける][周囲には薪が散らばっている]
あ、あの・・・どうなさいました?大丈夫ですか?
血は出ていないようですわね。
[クレメンスに状況を聞く]
[ハンカチを雪で濡らした][ハンカチをクレメンスの患部に当てる]
少し中でお休みになられた方がいいわね。
肩、お貸ししますわ。
[クレメンスを集会場の広間へと連れて行こうとした]
ああ、俺は護衛できたのさ。憧れるようなものじゃないぜ。きつい仕事、命がかかる仕事のほうが多いものだからな
印象深いといえばここに来る前にいた、ここから馬車で南に一日の距離には港町があるな
治安がいいとはいえないが人の流通が激しく凄い活気だ。大量の船が行き来してる光景はなかなか凄いぞ
[と、一見普通の会話をしているが、口の動きはやはり違っていて
『早計に結論を出すつもりはないさ。外れてくれるほうが嬉しいことだからな
ただミハエルが容疑者であるから来たのか。ミハエルの父が指示をしたから来たのか。それと同じ原理さ。人身御供ならば雇える存在というのが適任だからな
ま、どちらにしてもなにか剣呑なことである可能性は高いだろう』
そして立ち上がると木箱を手で持って背負い]
さて、鍛錬の一つもしてくるか。体がなまってはいけないからな。傭兵ってのは体が資本でね
[ただ口はミハエルに向けて
『ただの村人や旅人が集められただけなら勘違いの一つかもしれないんだが。さっき思い出したがミハエルまで来ると話は違うな。そうは思わないか?エンバーミング家の次男さん』]
[周囲に散らばっていた薪を拾い集める]
[束ねて集会場の建物内へと運ぶ]
[力がないので何往復かせざるを得ない]
あの人なら、こんな薪は軽々と運んじゃいそうよねえ。
[ろくろや大荷物を持っていた陶芸家を思い出した]
[広間で話す人たちに気づく]
あら、新しいお客様ね。
[話を邪魔しないよう、金髪の青年に軽く会釈をする]
[イレーネがお茶を入れてくれれば]
[礼を言ってカップを手にする][紅茶に口をつける]
[だまって金髪の人とマテウスの世間話に耳を傾けている]
まぁ……。確かに井の中の蛙である私が勝手に憧れているだけですからね。どのような苦労があるのかは測りかねますが……。
でも港町ですか。今住んでいる町も活気がありますが、そことは違うのでしょうね。にぎやかなだけではなく、生命力が溢れる騒がしさがありそうで。
いつか行って見たいです。
[『人身御供……生贄ですか。しかし、それにしてはあまりに現地民が多すぎますし、雇うのであればもう少し旅芸人なども考慮に入るでしょうが、それも見当たらないとなると……。
どちらにしても警戒は必要ですね』
そう唇を動かした後で、マテウスが動かした唇の動きに、肩眉が跳ねた。
そのまま読唇術で返そうと唇を動かしかけて、白旗を振る意味も込めてこう口にした]
全く、そこの見えない人ですね。でもそういう人は心強いです。今度私の家にもいらしてください。客人でも仕事でも友人でも。
[そう微笑んだ時、余程読唇術に集中していたのか、ようやくノーラに気付いた]
あ、失礼。話に夢中になって気付かなくて……。
私はミハエルと言います。
[そう自己紹介をして恭しく頭を垂れた]
―回想―
あ、いやいやこれはお恥ずかしいところを
[ノーラの持って来てくれた冷えたハンカチ]
[ぶつかって痛い場所にしっかりあてた]
ありがとうございます
もう本当に情けのないことですねぇ…女性の手をお借りするなど……
でも慣れているのですよ。えぇ
あなたが運ぶことになるのでしたら、俺が運びますよ? レディ
もしかしたら彼らも手伝ってくれるかもしれませんが
--森の中の家--
[家と呼ぶには小さく、小屋のような自分の家は、どこか森の一部と化したように古く。]
[扉まで続く道に、申し訳程度に埋められた石畳は、いくつもの草と土、今は雪にも覆われて、よりちっぽけな印象を与えてくれる。]
[家に入り、奥にある薬草部屋の、同じ形、同じ色の小瓶の並んだ棚の前に立ち、数百とある瓶の中からいくつかを取り袋へと入れる。]
[薬は集会場にもあるはずだし、必要の無いものだろうとは思うが、何となく足しておいた方がいいような気になった。]
(―――もう戻ってこれないかもしれないし。)
[何故だか急にそんな事が頭の中を過ぎる。]
まさか。そんな事。
[誰も居ない小屋で、打ち消すようにぽつりと呟く。][独り言はもう癖になってしまっていて。]
[口元を押さえる。]
[12人、それ以上いる被疑者。][あの自衛団員の断片的な怒声。連続殺人犯。]
[気が重い。人を殺すなんていう恐ろしい事が出来るはずはないのに。]
ああ、機会があったらいってみるといい。ただ表の通りからは外れないようにな
[世間話はそういって締めくくり、ミハエルの口の動きを見て
どちらにせよ警戒は必要だろう。という部分に肩がこったかのような仕草で軽く頷きを返した後、読唇をやめたミハエルには]
そうだな。縁があったら、そのときには話の続きでもするか。
じゃ、ちょっと運動してくる
[そして入ってきたノーラには軽く会釈をして外へ向かう]
[だけど一人で森の中に住んでいる自分は、とても他の人から見て無実には見えないのだろう。]
[村人から得体が知れないと思われている事を多少理解はしていたが。]
[肩を落とし、低い溜息をついて、鍵をかけないまま家を出た。]
[集会場へと戻るために。]
[去る前に一度、古い家を振り返る。]
[行ってきますと、唇でだけ告げた。]
[集会所の出口に向かって、そこを見張っていた自衛団員に出会い、昨日の変わらず非友好的な態度を向ける。それを無視して通り過ぎようとしたら呼び止められ]
鍛錬だよ鍛錬。ちゃんと言うこと聞いてやってんだ。それぐらいはさせてくれてもいいだろ?
ぁあ?逃げるならとっくに逃げてるよ。朝だからって油断しないほうがいいぜ。裏口ががら空きだ
[軽くあしらうようにして自衛団員を追い払うと、*森へと歩いていった*]
〜回想〜
[小屋の前でクレメンスの言葉を聞いた]
慣れていらっしゃるのですかB
でも頭の怪我ですし、甘く見ない方がよろしいですわ。
人はいつ、どんなことで亡くなってしまうかわからないのですから・・・
どうぞお気をつけて。
[部屋に向かうクレメンスを心配そうに見送った]
〜広間〜
[ミハエルから丁寧な自己紹介を受けた]
[恭しく頭を下げる仕草に少し驚いた]
ミハエル様ですね。
わたしはノーラと申します。
この村で仕立て屋をしておりますの。
以後お見知りおきを。
[自己紹介をし][微笑みを浮かべる]
[森を一通り見て回る。やはり、今年は雪が多い]
すぐにどうにか、ってのはなさそうだけど。
[天気が荒れ始めたら、色々辛いな、と。小さく呟く]
ま……すぐに帰れれば、問題ないが……。
[微かな不安は、違和感と共に昨夜から残り続けている。
それを振り払うように、ふる、と頭を振って]
[マテウスを見送り、扉の向こうから聞こえる自警団員との会話にとりあえず息をつきながら、返答された自己紹介の際にノーラが浮かべた微笑みに少し胸を高鳴らせてしまった]
仕立て屋ですか。
なるほど。それでお召しになっている服のセンスが良い事に納得しました。色の組み合わせのセンスなんで私好みです。
[そう言ってちょっとだけ鼓動を早めた心臓の音を隠すように、こちらも微笑んだ]
ま、とにかく今はお達しを待つか……。
[小さく呟いて、森を抜ける。
向かうのは、教会……その前には、自衛団員の姿が見え。
舌打ち一つ]
何なんだよ、っとに……気にくわねぇ。
[苛立ちを帯びた呟きを零しつつ、墓地へと向かう。
共同墓地の奥まった場所に佇む墓石の前に、森で集めたささやかな花束を置いて]
……父さん、母さん……俺、やっぱり。
納得できねぇ……じーさんのやり方って。
訳、わかんないよ……。
[小さな声で、ぽつりと呟くと。
墓石の前に膝を突き、*そのまましばし、目を閉じる*]
ランプ屋 イレーネがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(ランプ屋 イレーネは村を出ました)
ランプ屋 イレーネ が参加しました。
―現在・広間―
ノーラさん、おかえりなさい…ではなくて。
[言ってしまってから苦笑する。
だからこの場所は帰ってきたい場所ではないのに]
紅茶、どうぞ。
[少し時間が経っていたので濃さを調節して渡して。
微妙な間合いの会話にはそれとなく耳を傾けていた。
良く知らない人物二人なので注視したりすることもなく。
だから読唇術で交わされた会話の内容も知らず]
そう言っていただけると光栄ですわ。
[目を細めて笑う][ミハエルの服装を眺める]
ミハエル様のお召し物も、とってもお似合いですわ。
それに高級な素材をお使いのようですわね。あら?
[首を傾げた]
どこかで聞いたお名前よね
ミハエル様、ミハエル様・・・
[記憶を辿っている][やがて領主の息子の名前に行き着く]
―暫く前・村から離れた都市―
[老婆が一人、町外れの建物を訪れた。
グルリと囲む高い塀に入口を見張る門番。
装飾入りの鉄柵がついている窓。
老婆は門番に一枚の木札を見せると中へと入ってゆく]
「叔母様!」
[居間へ通され暫くすると、一人の中年女性がやってきた。
嬉しそうに老婆に駆け寄り抱きついてくる]
「お久しぶりです、叔母様。
でもまだあの人は帰ってきていないのですよ。
この子が生まれる前にちゃんと帰ってきてくれるのかしら」
[女は全く膨らんでもいない腹を撫でながらクスクスと笑う。
老婆は女の頭を撫でる。その真白な髪を、ただ慈しむように]
「名前だってもう考えてあるのです。
男の子ならデーヴィド、女の子ならジュディス。
女の子にはアイリーンというのも捨てがたいのですけれど…」
[尽きることなく続く女の話を老婆は、ただ頷いて聞いていた。
女の育った国の言葉、向こう風の名前。
それらが今の姪の状態を表していた。
そう、過去の中で生きる女には、己の子供も認識はできない]
[集会場のほど近くの森の中を歩いていたら、大柄な男の人を見かけ。]
[瞬いて良く見れば見かけた人だと分かったので、ぺこりとお辞儀をして脇を通った。]
[ようやく集会場まで戻り中へと入ると、入り口に近くに立つ団員に軽く頭を下げた。]
[相変わらず向けられる視線は良いものではなかったが。]
[戻れば初めて見る顔が一つ。]
[ノーラがミハエルと呼んでいるのが丁度聞き取れたので、名前だけ先に覚え。]
[こんにちはと頭を下げた。]
[10年前。老婆が駆けつけた時には全てが終わっていた。
長男は客人を殺し、父親を殺し、妹を殺して。
生き残っていた客人によって返り討ちにあって。
母親である姪はその事実を受け止められずに正気を手放して。
残された末娘はまるで人形のような状態で。
老婆は知人に頼み、末娘の記憶を封じてもらった。
少女を引き取り、自分の孫娘として育てることを決めて。
全て表向きには、長男の錯乱による殺人事件として片付けられた。
それが真実で無いと知るのは、事後処理の中心にいた僅かな人数のみ]
[ノーラに自分の服も褒められ、少し頬を赤く染める。しかし、その後の何かを考える仕種から、先程マテウスも自分に気付いた事を思い出し、先手ではないがこう口にした]
ありがとうございます。
でも、そんなに高いものではないんですよ。それでもこの服とこの名前で、いつも領主様の次男様と間違われたりしますし。
ハハハ。服が良く見えるのも良し悪しかなと思ってたりしてます。
[続々と集まってくる容疑者達の様子に、本当に殺人事件の容疑がかけられているのか? と小首を傾げそうになりながら、新しく入ってきたブリジットに恭しく会釈した]
こんにちは。はじめまして。
私、ミハエルと言います。宜しくお願いします。
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