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ん、心配かけた、ごめん。
もう大丈夫だから。
[安堵を浮かべるクロエの肩を軽く叩く。]
……クロエのせいじゃないと思う。
カヤはしたいことしかしないと思うし。
[聞こえた言葉の詳細は解らないけど、いろんなことを気にする性質なのは知ってるから、ぽんぽんと肩を叩いておいた。]
人狼がどうとかって話しのせいもあるかもしれないし。
[不機嫌なコエを聞いたのなら]
[それはそれは愉しそうな表情を浮かべた]
おやおや、人間がお嫌いなのかな?
[或いは彼の親族にあたる人物のみの話か]
そうだよ?
ゴースト、と呼んだのは、最初は正体不明の比喩だったけれど。
[名前については肯定し、由来についても、また]
まぁね。貴族なんて、常にそんなモノだよ。
僕がこんな格好をしているのだって、ねぇ?
身内に殺されないためだしね。
[男の身形を許されるようになった今でもこの侭なのは]
[慣れてしまったからか]
[これまでの事に対する抵抗のつもりなのか]
でも、僕は人間が好きだよ?
[さらり告げる口振りは真剣なものに捉えられるか否か]
僕も彼女…ヘルムートもね。
意識を共有しているのだから、当然ではあるけれど。
[饒舌に語る様子に、僅かばかり首を傾けて]
[ああ、それでもと言葉を続ける]
自分が可愛いのも当然とは思ってるけれどね?
[ささやかな笑み声に、不思議そうな表情を浮かべ]
[その後で、肩を竦めた]
別段バラしたことに後悔はないさ。
君が裏切るかもしれないスリルも生まれたしね?
[愉しい事を望むのだとコエが告げ]
[意外な言葉を聞いたとばかり]
――……。
それならば、ヒースクリフとでも呼ぼうか。
[その名に篭めた意味を語ることは無い]
[片割れの零す結論には、短い同意を示して]
[ぽんぽん、と肩を叩かれ、また、小さく息を吐いた。
ほんの少し下がった眉は、多少なりとも気が緩んだ事を示して]
ん……ウチが気にしちゃうと、カヤも余計に気にしちゃう、かなぁ。
それだと、よくないよね、うん。
[ゲルダに答える、というよりは、自分自身に言い聞かせるように、言葉を紡ぐ]
人狼……かぁ。
そだね。
調子悪い時に、あんな話、いきなり聞かされたら……おかしくもなる、よね。
[アーベルの感想をきいたのなら、きゃっきゃとはしゃぎ]
やぁん、そういうことはきちんと言って。
もぅいっかい。目を見て言ってぇ?
[ハイテンションのまま、おねだりをしつつ。
食事にありつき、小休止]
それにしても、覚悟を決めたとして…何したらいいのかしら?
[とんとん、とひとさしゆびで机をたたく]
うん、きっと気にすると思う。
だから無茶したことだけ叱ってやったらいいんじゃないかな。
[うんうんと頷き。
クロエこそ大丈夫かと言うような視線を向ける。]
嘘だって思いたいのに、なんか皆信じてるし……
おっちゃんも、なんかみょうに真剣だったし……
やだねえ……
[眉をしかめて呟いた。]
─フーゴーの宿屋─
いや…俺は。
…その、すまない。
[自分の事を買い被っている様子のルーミィに、何といえば良いか逡巡するも、調子が狂う、と言われれば申し訳なく思い謝る。
ライが出ていくのを見れば、視線を向けて気をつけろとだけ伝え。
フーゴーが営業時間中に席を外すのは珍しいと思いながら、そのまま見送った。]
ヒースクリフ…――ですか。
[このままゴーストと呼ぶのかと思っていた相手に、
セザーリオが新たな名の提案をすれば、
小説家らしいな、と念話には乗せず思う。]
復讐したい相手でも居られるのでしょうか。
[きちんと把握したわけでないが、
ヒースクリフと呼ばれた相手の事情をその名に思うか。
深く尋ねるでもない言葉を紡ぎ、復讐という言葉に、
膝より降ろした少女の存在を、刹那思い出した。
そして、思い出した刹那の間。
1mmほど、眉が中央に寄るのだった。]
ん、そだね。
そのためにも、早く身体、治してもらわんと。
[頷くゲルダの言葉に、明るめの声を上げる。
大丈夫か、と。問うような視線には、少しだけ、首を傾げた]
ウチは、大丈夫、だよ?
このくらいで、どうにかなるほど、ヤワくないモン。
[笑いながらの言葉は、明らかな虚勢含み。
他者ならまだしも、付き合いの長い相手を誤魔化せるほどではなく]
ん……旦那は特に、そうだね。あんなに真剣なのって、あんまり見ない気がする。
……ホントに……なんかの間違いなら、いいん、だけど。
―宿屋―
だって、なぁ。
[背中に投げられた従妹の声も聞こえてはいたが反応は見せず。
酒場に戻ってくるとウトウトしているらしいツィンを膝に抱いた]
認識しておかないと…。
ああ、ごめん。
[苦い溜息。何かを振り払うように首を振る。
膝も揺れたか、にゃぅとの抗議に小さく笑って謝った]
えっ、あ。
そういうルーミィさんは、可愛い。
[ハイテンションなおねだりにも応えようとはした。
視線がちょっと揺れ気味だったのはご愛嬌だと思ってもらえば]
[リッキーがフーゴーの代わりにカウンターに入るのを見ると、ゲルダに今誰もついていないことに気づく。
それにカヤについているだろうクロエのことも気に係り。]
リッキー、簡単な食事と湯冷ましを用意してもらえるか。
あぁ、食事の皿は二つに分けてもらえるか。
[言外に、クロエとゲルダの食事だということを伝えると、リッキーは承知して食べやすい大きさのサンドイッチをいくつかとその取り皿、湯冷ましの入った水差しの乗ったトレイを渡してくれ。
それを持ったままダーヴィッドの方を向き声をかける。]
すまない。俺は、しばらくここを離れないつもりだ。
あんたは、好きに戻ってくれ。
[それだけ言うと、まずカヤの部屋をノックするが返事はなく。
クロエは寝ているのだろうか、と思うが覗くわけにもいかないのでひとまずゲルダの部屋へと向かい。]
…ゲルダ、起きているか?
[ノックと共に、まだ臥せっていることも考え控えめに声をかけた。]
うんうん、そうだよね。
[明るい声を上げる相手を、それでも心配そうに見やり。
虚勢をはるその頭を軽く叩いておいた。]
倒れたあたしがいうことじゃないけど、倒れてからじゃ遅いんだよ。
きっと何かの間違いだよ。村の人がそんな化け物のはずないし。
[安心させるようににこりと笑む。]
[先ほどまでいた部屋をノックする人の姿を見れば、軽く瞬いた。]
あ、ヴィリー兄。
[通路で立ち話をしていた。
クロエの側を離れてヴィリーのほうへと駆け寄り。]
心配かけてごめん。
[ノックをした部屋からは返事がなく。
代わりに思わぬ方からゲルダの声が聞こえ、駆け寄る足音にそちらを向けばその先にクロエの姿もあって。
ゲルダから謝られると、自分も表情を翳らせて]
…いや。俺も、気にしてやれなかった。
すまなかった。
……もう、いいのか?
[そう言うと、空いている手でゲルダの髪をくしゃりと撫でて]
腹、減ってないか。
クロエの分も、持ってきた。
[心配そうな視線と、軽く頭を叩きながらの言葉に浮かんだのは、微妙な表情]
……でも。
大丈夫だモン……。
[ここまで来ると、既に意地の領域やも知れず。
向けられた笑みには、だよね、と呟きながら頷いて]
あ、ヴィリ兄さん。
……カヤなら、大丈夫だよ。
[ゲルダがそちらへ駆け寄るのを見やりつつ、こんな言葉を投げかけた]
[ヴィリーから、謝られるとはおもっていなかったので、思わずきょとりと瞬いて。
ついで、苦笑とともに、ぱたぱた手をふった]
やぁねぇ、ヴィリーさんがあやまることじゃないのよーぅ。
[気おされているということもあるのかもしれないが、口数すくないようすに、わずか好感を抱きつつ。
他の場所へ料理を持っていくのを見送った]
[ふるふると首を振り。]
ヴィリー兄のせいじゃないよ。
うん、もう大丈夫。心配かけてごめんね、ありがと。
[髪を撫でられてくすぐったそうに笑みを浮かべる。
食事と聞いてクロエを振り返り。]
クロエ、大丈夫だとしてもご飯は食べよー。
[おいでおいでと手招いてみた。]
―教会―
[梯子のある部屋には元通り鍵を掛けて、廊下を歩く。
と、小さな足音がした]
なんだ、キャルか。
まだ起きるにゃ早いぜ?
[孤児の中では一番年長の、とはいえ10にも満たない年齢の少女は、不安そうな目で男を見上げる]
怖い夢でも見たか。
……さっきの団員の兄ちゃんに、なんか言われたか?
[いつもと違い、距離を縮めようとして来ない少女。
問い掛けには沈黙だけが返った]
[男は一つ息を吐いて]
……よぉし。
なら、ちっと散歩にでも行こうか。
[口にしたのは些か急な提案]
どうせ眠れねぇんだろ?
……あぁ、他の奴には内緒だ。
[人差し指を口許に、ニヤリと笑い。
ぽかんとしている少女の手を掴んで、教会の外へ]
[クロエからカヤのことを言われれば、安堵して少し表情が和らいで]
そう、か。
クロエ、お前も腹、減ってないか。
カヤが起きた時、飲ませるのも、持ってきた。
[そう言うと湯冷ましの入った水差しを目線で示して]
ふえ……ご飯?
[ゲルダと、ヴィリーの言葉。
そう言えば、ここに来たときにピザを少し齧っただけで、何も食べていなかった、と。
そこでようやく、思い至った]
ん……食べとかないと、やっぱり、まずい、よね。
[あまり食欲がない、というのは、言ったら怖いだろうな、などと思いつつ。
こくり、と一つ頷いた]
───宿屋───
んー?
分かった。
[ライヒアルトに降りてくれと促されると素直に降りて、ライヒアルトの続きを聞くために振り返る]
好きに?
んー、じゃあどうしよっかな。
[考え込んでいる間に、ライヒアルトの姿は宿屋から出て行っていた。
少女は気にも留めずに、頭を捻らせ続ける]
家に帰ってもやることないしな。
人の多いところ苦手だし。
……森にでも遊びに行こうかな。
[結論が出ると行動は早い。
少女は、宿屋から飛び出すように森の方へと向かっていった]
[おねだりに律儀にこたえるアーベルににっこりと。
視線がゆれているのに気付かなかったのは、向こうにとっては不幸中のさいわいといったところか]
あ、でも、このねこちゃんも可愛いわねっ。
ながぐつ作って履かせたいわぁん。
[ひざを折って覗きこみつつ、手をのばすことはしない]
[ゲルダから大丈夫だと言われると、そうか、とだけ呟き。
表情や声からは安心した様子が読み取れるだろう。
クロエの様子には、やはり彼女もショックを受けているのだろうと思い。]
とりあえず一口だけでも、食え。
それでも、無理そうなら。
せめて、あったかいもんでも、飲むと良い。
何か飲みたいなら、もらってくる。
― 浜辺→教会の方角へ ―
[いつの間にか、陽は暮れていて、潮風が吹きすさぶ。]
…―――。
[風によって芯まで冷えた黒髪を、梳く指先。
くるりと踵を返し、サクサクと音を立てて歩く先。
教会の前に人影を見つけて、微かに目を細めた。]
こんばんは、ウェンデルさん。
……そちらは、キャルさんでしたか。
[どこかに出かけるのだろうか?と、
言葉にはせずに、問いかけるような眼差しを神父見習へと送った。]
ごめん、親方!寝過ごした…ってんあ。
ここ、どこだろ?
[どこかで見たような、それでいて見覚えの無い天井、眠っていたのは見知らぬ寝床。場所の確認と記憶を呼び戻す為に軽く首を振ったが、鈍い頭痛が戻ってくるのみ。]
ああ、そっか。あのまま寝込んじゃったのかな。私。誰が運んでくれたんだろ…?
[記憶をぎゅるぎゅると遡ると、ギュンターの顔が浮かび、その口から発せられた言葉が甦る]
あー、ほんとヤな夢見ちゃったなあ。身体弱るとヤな夢見るってのはほんとだね。どうにも。
ただ単に、嵐からの連想かもしれないよ?
[それだけならば、エレンやネリーと]
[ヴァイオラの時と同じように女性名で呼んだ可能性もあるが]
――……。
[ふっと、掠める様な笑み]
[ヴァイオラが他者に興味を抱いたかの行為が嬉しかったからか]
[念だからこそ伝わる僅かの差異]
[意識を、ヴァイオラへと向けながら]
どうかしたかな?
なんか飲むだけでも、したほうが良いよ。
[クロエの様子に僅かに苦笑しながら告げて。
ヴィリーが安心したのが解ればにこりと笑みを浮かべる。]
ん、じゃあカヤの部屋に行く?
あたしは酒場のほうにもどっとこうか?
[どっちがいいだろうと首をかしげた。]
[重ねられるヴィリーの言葉に、視線が泳いだ]
ん……その方が、いい、よね、やっぱり。
[食べたくない、と明言はしないものの、遠回しに肯定して]
……あったかいミルクかなんかあると、嬉しいんだけど。
まずはこっち、何とかしないと、さ。
[言いつつ、視線を落とすのは持ったままの水桶]
───森───
〜♪
[鼻歌を歌いながら、少女は楽しげに歩いている。
昨晩の嵐の影響で、森の木々が倒壊しているものも多いが、あまり気にした様子も無い。
以前に森に入ったときは夜半すぎだったので、森の中はかなり闇が包んではいたが、現在の時刻ではそこまで暗くも無く、まだ歩きやすいほうだろう。
それでも、普通の人間が明かりも持たずに入るには多少躊躇するだろうが]
すっすめー すっすめー ものども〜♪
[何やら陽気に歌まで歌いだした]
あっ、そうだわ。
ベルちゃんにききたいんだけど…。
[あつまったひとびとのなかには、知らないかおもあって]
あのとき、ベルちゃんのとなりに居たおんなのこ。
名前、ゲルダちゃんであってるのよね?
それともうひとり、運ばれたこいたじゃなーい?
あの子の名前もきいていいかしらん?
[教会を出てすぐ、声が掛かった]
ん。
……あぁ、学者先生か。
[男は言い、傍らの少女は小さく頭を下げた後、じぃっとライヒアルトを見上げている。
なんとなく物珍しげに見えるかも知れない]
そう、キャル。
なんか眠れねぇみたいなんで、散歩にな。
[そう答えて少女の頭に手をやった。
しかし問い掛ける視線をきちんと受け止めての答えだったかは謎である]
先生はなにしてんだ、んなトコで?
[それから男もまた問いを返す]
嗚呼、そちらの連想もありましたか。
[同胞の応えに、頷くような声音で返す。
しかしながら、次の笑みのような伝播と共に向けられる問いには、
微かに首を傾げる。
他人の情緒の動きに頓着のない学者は、
自身のそれもあまり理解してるとは言い難い。]
…――何がですか?
[故に、そのまま問いかけを返すことになる。]
[首を傾げるゲルダに、自分も同じように(といっても少しだけだが)首を傾げ]
まだ、寝ているなら。
あまり大勢は、邪魔になる、だろうな。
[そう言っているところにクロエからミルクが欲しいといわれれば、頷いて]
なら、クロエの分と、水差しだけ持って行こう。
お前も、カヤの様子だけでも、見ていくか?
[そう言うとゲルダの方を見て]
…あらぁん?
さっきまで、リィちゃん、ここにいたわよね?
[ふいに視線をめぐらして、その存在がかけているのに気付く]
アル先輩とは別行動のようだったし…。
ちょっとさがしてきたほうがいいのかしら?
[ひざを折った姿勢からたちあがり、窓ごしに宿屋のそとへと顔を出す]
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