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いえ、私では決定打に欠けますから、此方こそ助かりました。
[それでもティルの言葉には、少しばかりあがった口角が更にその角度を深める。
エーリッヒの言葉が聞こえ、そちらへも目を向けながら]
このようなモノが沢山居るのでしたら、事は急を要しますね…。
[呟き。
木陰へと、ぺたり座り込んだ。
再び、歳を心中恨んだとか恨まないとか。]
―竜皇殿―
[そうして戻ってくるなり目にしたのは、なにやら一騒動あったと思しき惨状だった]
……一体、何が。
[ちょうど問いかけている機鋼の仔竜への答えを待ち、口を噤む。
眼鏡越しの紺碧は現場を流れるように眺め、耳は声を、感覚は心の動きをおぼろげに拾い、集めた情報を記憶に刻み込んでいく]
―西殿の木陰前―
本当に。二人とも大分ピリピリしていた見たいですから。
[くすくすと、風竜雷竜には聞こえないように、オトフリートへ笑いかけた。
そこで、ふと命竜を見上げると]
なるほど……下手に手を出さないほうが良いかもしれませんね。
一度実験だけして見ましょうか。そのうち。
[お疲れの様子の命竜に、ありがとうと伝えてから。
少しだけ煤けた気がする背中を、心配そうに見送った]
少なくとも、俺は見たことがない。
触れば、ああなって襲い掛かってくるんだけどな。
[先ほどのものが消滅した場所を差すようにしながら。
ちなみに、アーベルが結界の中を整えた事に関しては、ちょうど聞いてなかったので知らないまま。]
[駆け寄ってきたピアに手を差し出すと、小猿はぴょん、と跳んで肩まで駆け上がる]
ん、へーきへーき。
あのくらい、喰らった内にはいんねーよっ。
[ザムエルに笑って返し。
エーリッヒの姿を認めたなら]
ちょ、ストップストップ!
帯電注意!
[未だ雷撃の気を帯びるロッドの状態に、慌てて静止してみたり]
─西殿前の木陰─
疲れとるじゃろうことはオトフリートに飛び付かんことで分かるわい。
[どんな判別の仕方ですか。クレメンスの返答にそう返しつつ]
……命竜王様にどやされて終いじゃろうの。
儂のところも不安になってきたわい。
[居城こそ無いが、混沌のかけらが出現している可能性は否めず。人知れず溜息をついた]
―西殿:木陰前―
少し落ち着いてくれれば良いものですね。
[くすくすと笑って(もちろん声は潜んでいる)。
それから暫く戦っていた二人を見ていたが、危ない言葉に振り向いた。]
実験…は、さすがに危険では
―西殿の木陰前―
ともかく、黒いふよふよした影には、触らないほうが良いらしく。
[説明が簡素すぎたかな、と思いながら。
今までの経緯について、新しく来た者たちへ説明した]
[そうして、後から来た面々にティルたちとともに事情の説明なぞしていたわけだが。
なお、以下話題に上った疑問への回答。]
Q1.この結界虚竜王の力も入ってるんだよねー?
正確には違います。いわば主様がスコップで掬い上げた土を持ち上げている間に、だれかが代わりの土を放り込んだという感じでしょうか。それでその持ち上げられた土がこの結界でして……
(省略されました。続きを読む場合はここをクリックしてください)
Q2.宥めて&弱めて……
無理ですね。(きっぱり即答
主様はああ見えまして言い出したら聞かない方ですし、不機嫌な時に下手に刺激しますと、まあ世界が終わりますので。
[かなり物騒な話だった。]
や、でも、オレだけだったら、最後の一発決め切れなかったしねっ。
[だから、お互いさまー、とミリィに笑いかける。
ダメージあっても立ってられるのは、やはり若さ故か]
―― 西殿前 ――
混沌の欠片…そんなものが出て来ちゃってるんですか。
そんなの街や竜郷をうろつかれたら大混乱になりますね。
[氷破竜の説明に、さすがに眉を顰める]
エーリッヒ殿!
[声を掛けた時には既に、その姿は外へと消えていた]
…遅かったようです。
いえ、あのご気性を思えば、それも逆効果だったかもしれませんね。
[だが何よりも先に警告を、と思ったのであり。事実ここでも何か起きていたら大変なことになっただろう。
そう確信できるような爆音に、何ともいえない表情を浮かべた]
無事なようで何より。
その前に、おかえりとただいまかな。
――…何があった?
[夢を渡る移動中は心の声が拾い難い為に、混沌の欠片が出たことは知らず尋ねる]
─西殿前─
[先ず近づいたのは、座り込んだ雷竜の方。この辺の優先順位は年齢と性別だったりする。
ザムエルに振った手をくいと掴んで、平を重ねた。
直ぐ後に、離せば傷は綺麗に癒えていた。何時もの通り。]
ほい、お疲れさん。
悪いが失った体力まではあまり戻んねぇから、後は休んで回復してくれな。
[ミリィにへらと笑って。次に向かうのはティルの方。]
おうお待たせ。
頑張ったな偉い偉い。
[ぐりぐりと、ティルの頭を撫でた。]
―西殿の木陰前―
一人では、やりませんよ。
誰か腕っ節の強い方に、一緒に居てもらって行いますから。
[オトフリートへと、くすり微笑んだ]
ええ。戻りました。
アーベル殿も、おかえりなさい。郷に影響はありませんでしたか?
[アーベルに尋ねて。]
混沌の欠片というそうですよ。
[現れたエーリッヒとアーベルにも右手を上げ挨拶とし。説明はブリジットがしたようなので割愛]
お主は打たれ弱いじゃろうて。
痛む箇所があるならば無理せず治療するんじゃ。
今後またお主の力を必要とするやも知れんのじゃから。
[平気と返すティルにやや厳しめの表情で返す。ひらと手を振るミリィを見て]
こりゃ、しっかり怪我をして居るではないか。
手は何事にも使う故、きっちり治療しておけぃ。
おぅ、お帰り精神の。
混沌のカケラが出てきた。
おそらく、竜卿中にな。
[アーベルであれば、カケラの説明はしなくていいだろう。
端的にそう伝える。]
[そんな話をしていると、彼女たちの周りに現れたのが、混沌のカケラ。
現れたそれを驚いた眼で見ていたが、それは未知の恐怖ではなく、]
混沌の……カケラ、だと!?
[口に当てた手の隙間から漏れた声。
それはクレメンスがその名を呼ぶよりも早く。
そして、それを聞きとがめた者はいたのだろうか。]
―西殿:木陰前―
なら、相手はティル殿じゃない方が良いかもしれません。
ティル殿は、どうも敵を見るとのめりこんでしまうようですから……
[余計に危険だと告げて、]
支援くらいでしたら手伝いますよ。
それ以上は、あまり関わりたくありませんけれど。
……それで。
この度の騒ぎも、黒い物が原因なのでしょうか。
[ 音が収まってより暫くして、影は再度、エルザに問いを投げた。
話が終わった後にようやっと、躊躇いを抱いた様子ながら、カップに口はつけられる。温度は低かろうが、影は気にも留めぬ。
花の香を微か残した液体が、*咽喉を下っていく*]
―西殿―
そうだ、ユディ。
[時空竜の説明を思い出して、質問を投げかける]
そうなると――正攻法、直接結界を解こうというのは、不可能?
一応、式の解析などは進めていっているのだけども……。
[近しい者は、少しだけ悔しそうに見えただろうか]
って、撫でんなってばー!
[クレメンスにぐりぐりされて、そこだけは抵抗した。
それから、ふと気づいたように]
つうか。
……今、あんなんが竜郷中に出てるって事、なんだよな?
[ザムエルの言葉に、流石に彼には逆らえないといった苦笑を浮かべた時、クレメンスが近寄ってきて。
見上げていたら、手の平に手の平を重ねられたので、不思議そうに目を瞬いていれば瞬く間に傷は癒えていた。
感じる生命の力は心地よく、溜まった疲れも溶けて行く錯覚も生まれる。]
あの…有難う御座います。
[へらりと笑う顔にお礼を言って、
木陰に集まる人々の方へと目を向け、ティルの方へと向いて]
…派手すぎたようですね。
[内容は冗談だが、口調は至極真面目。]
[氷破竜の説明に目を合わさぬ感謝の会釈を向け、木陰に集まる他の人々にも目を伏せがちに会釈する。
そして混沌の欠片が消えたという場所を見、目を伏せてレンズの奥の紫紺に過ぎった痛みにも似た色を隠す。混沌の欠片が取った姿は、青年の属する王の姿と似ていた。雷撃の王とはもっと似ていたかもしれないが]
[そうして、カケラが撃退された後も口許に手を当て思案していたが、]
……皆さん。
直接の犯人はまだ見当も付きませんが。
……裏で手を引く存在の見当は付きました。
[居合わせた面々に向き、そう告げる。]
−東殿・中庭−
[ごろごろごろ。ごろごろろ。
布の塊は今日もひとりでゴロゴロ。
ただ、昨日よりも表情は不機嫌]
…。
[理由は簡単、王の声が聞こえなくなったからだ。
もそ、と起き上がって、鞄から飴玉を一つとりだす。
甘酸っぱい檸檬の味がした。
ころ、と口の中で転がしながら空を見る]
…ヨンめ。
[ぽそっと呟いた]
─西殿前─
[ティルが嫌がるのですぐ手は離したが。
撫でている間にさり気無く傷は癒しておいた。
気づいたかどうかは知らないが。
ティルの疑問にはこくり、一つ頷く。]
うちの生命の海に出てたからな、おそらくは。
[そう告げたときだけは、流石に真面目なものだったか。]
─西殿前─
ちょ、ザム爺そんな判別。
まぁ否定しねぇがよ!
[へらへら笑うが、それもまた弱い。
疲れの蓄積は、流石にクレメンスにもあった。]
まぁそうだろうけどよ。
カケラの心配はどこにでも、だろうしな。
[ザムエルの心中を丁寧に口にして、心労にさらに輪をかけておいた。]
ええ、どうやらそのようです。
私も全てを把握できているわけではありませんが。
失礼致します。
[カップに口をつけるノーラへと頭を下げ、台所から出る。
そのまま東殿も出て、西殿の騒ぎを横目に見つつ本殿の方へ。中から出てきていた先達を呼び止める]
あちらは随行者の方々が収めてくださいました。詳しい事情はもう少し落ち着いてから聞くのがよろしいかと。
それより各地へと伝令を。黒い影のようなものを見かけても刺激せぬようにと。
触れるは危険な存在が入り込んできているとのことです。
[その名は口にしない。最前に教えられたことだ。分かる者だけが分かっていればいいものもあるのだと]
はい、私はそのように。
失礼致します。
[本殿へと戻ってゆく相手に頭を下げて、踵を返した]
― →本殿前→中庭 ―
えぇ、此方は大丈夫でした。
ですが余り長く時間はかけられないでしょう。
[皆への会釈に紛れオティーリエに向けた笑みは、続いた単語に淡く消える]
混沌の欠片が…。
[続けて言うクレメンスの髭に視線を向け、小さく頷く。
長きを生きる生命竜がそう判断したのなら間違いないだろう。
禁書である智からそれに関する知識を引き出し、消えた場所を見ながら目を伏せる]
『混沌』の領域に関するものなら、影響を与えられるかな。
試してみる価値はあるかもしれない。
と、その前に。
[そう言うとブリジットに顔を向け、]
ブリジット、結界だけど。
それこそ、直接手を出さない方がいいかもしれない。
代わりに埋め込まれたものが何かは分からない以上、下手に掘り起こして刺激を与えた途端に、
ドカン。世界は壊れました。
なんて事が起きかねませんから。
もしかしたら、今この状態が、ある意味絶妙なバランスであるのかもしれません。
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