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そういう意味。
[ しれっと言いのけ、続いて籠入りで運ばれて来たラング・ド・シャ――猫の舌を意味する焼き菓子。一枚手にとって齧れば、至ってシンプルな造りながらも口当たりが良く軽く溶けるような食感。]
……そう言えば。夕飯、食べてないな……。
[ 森に入る前に軽く食事は摂ったが、其れきりだった。自然、クッキーを手に取る速度は早まる。]
[返って来た言葉は、ある程度予測済みで。
それだけに反論の余地はなくて、むくれるしかできず]
……食事はちゃんととらないとー。
[その代わりにとこんな言葉を投げかけて、ぱくり、とクッキーを一つ、*口に放り込み*]
はい、はい。
[ 軽く目を伏せて返すのは気の無い声。]
……そう、ですね。気を付けます。
[ だが、自分よりも年配の者に注意を受けては流石に弱い。苦笑めいた表情を浮かべつつ素直にそう答えて、仕事に向かう牧師を頭を下げて見送る。]
さて、と。じゃ、俺は書庫に行って来る。
[ 未だ食事中のメイに告げて椅子から立ち上がり、広間の入り口へ歩を進める。去り際に振り返れば窓の外に降り頻る雨、空を包むのは暗澹たる雲は月をも隠す。時折響く雷鳴の後に訪れる稲光の他に明かりは無く、頼れる灯りは人工の証明のみのようだった。]
厭な、天気だな。
[ 小さな呟きは雨音に呑まれる。]
吟遊詩人 コーネリアス が参加しました。
嫌な天気、ですね。
[ポツリと呟き、濡れそぼった黒い外套のフードから空を見上げた。
時折轟く雷光に浮かび上がる館。
強く握った吊り橋の綱が、突然の強風に大きく軋んだ。]
…くっ!
[振り落とされぬようしっかりとしがみ付いた手のひらは、すっかり冷え切っていて感覚も鈍っている。]
…よりによって、こんな日に。
恨みますよ?義兄さん。
[漸く館まで辿り着き、ドアベルを鳴らす。
しばらくして出てきた顔なじみの使用人に挨拶すると濡れた外套を脱いだ。
外で冷え込んでいた指先が、室内のぬくもりで感覚を取り戻すとともに、ひりつく痛みを訴える。]
…擦り剥いたか…。
[赤く擦り切れて血の滲んだ手のひらを見て苦笑いをこぼせば、使用人は慌てて薬と包帯を取りにいく。]
いや、そうたいしたことでも…まったく大げさな。
[やれやれ、とややあきれた様子で広間へと。]
[簡単な手当てを受けると、口述筆記でゲストブックを書かせる。
古くからの慣習らしいがいったい何のためにあるのやら。
■名前:コーネリアス=マーキュリー
■年齢:28歳
■自己紹介:数年前に亡くなったアーヴァインの妻の実弟。
久しぶりに義兄に呼ばれて戻ってきた。]
…で、義兄さんは?
既にお休みか。まぁ、この時間じゃ仕方ないけどなぁ。
[いつも帰ってくるたびに使う部屋へと通され*そこで休むことに。*]
牧童 トビー が参加しました。
[――雷雨が去った、翌日。
ぬかるむ道を一歩一歩踏みしめ、小柄な影が山道を辿る。重たげな背負子がゆらゆらと左右に揺れ、秀でた額から汗を滴らせた]
……っと。
[短い前髪を伝って目に入った汗に、片頬をしかめて首を振る。
その弾みに入る視界には、切り立った崖と古ぼけた吊橋があった]
[ぎし。ぎしぎし。
荷重に耐えかねたか、嫌な軋みをたてて吊り橋が揺れる。]
行きはよいよい…でなくて…行きの方が怖いんだよね…っと!
[ずる、と濡れた板と靴裏の泥に姿勢を崩しかける。
辛うじて横倒しにはならず、はっと鋭い息を吐いて。
後は、無駄口を叩くことなく橋を渡る。]
[ドンドン。ドンドン。
厨房に通じる勝手口の扉を何度か叩くと、ちょうど昼食の片付けをしていたのか、すぐにそれは開かれた。]
…まいどどうも。これが残り半分です。
[背負子にしかと結び付けられた大きな包み―― チーズの塊を見せるように身体を捻ると、用紙を持ってくるからその間に食料庫に積んで置くよう言われ、ふぅと溜息。]
『…だろうと思ったから、裏から入ったんだけどね。』
[先日の荷を背負ったまま書かされた用紙を思い出し、げんなりしつつ。言われたとおりに荷を運び降ろした。]
[身体が軽くなれば、心も軽く。
一つづつ丁寧に包みを解き、重ねて置く。これで仕事は終了。
後は貰うべきものを貰って、母さんのご飯を食べに急いで帰るだけ。
……なんだけど。]
あの、それじゃお代金を…っと。
やっぱり書くのかぁ…。
[差し出された用紙を、しぶしぶと受け取って。早く帰りたいと露骨に顔に浮かべながら、上手くない字を書き付ける。
家で待つお母さんとご飯を思い出し、ぐぅとお腹が鳴った。]
[精一杯の速さで用紙を埋めて。渡そうと顔を上げれば、漂ういい匂いにお腹が騒ぐ。
淡い期待に心躍らせつつ、使用人の手があくのを辛抱強く待つ。]
■名前:トビー=カワード(Toby Coward)
■年齢:12歳
■自己紹介:麓の村外れの牧場の子供。父母姉弟の5人暮らし。
今年から、姉の代わりに此処への配達を担当することになった。
[用紙と引き換えに渡された代金を、大事そうに懐にしまって。
お駄賃にと渡されたパンとマグカップのスープを大喜びで受け取り、段差に座ってがっつき始めた。]
[育ち盛りの彼にとっては、これくらいの軽食など家で待つご飯に影響するべくもなく。
空になったマグカップを返してさっさと帰ろうと腰を上げれば、昨夜の嵐で倒れた支え棒や剥き出しになった根菜類が目に入った。
ちらりと来客に忙しそうな使用人を見あげ、思案。]
……お駄賃いただけるなら、片付けますけど…?
[容器を手渡すついでにダメ元で訊ねてみれば、そうしてくれると助かるとの返事。
例え小使い程度でも、現金の臨時収入は彼らにとって貴重なもの。張り切って *片付けを始めたのだった。*]
質問の答えです>>ハヴメモ
時間はリアルで問題ないと思います。それとも48hで1dayにした方が都合がいいかな?
とりあえず毎日毎日引き止められていれば良いと思います。……だめですか?
だってアーヴァインですよ(ぽつり)
[片付けは着々と進み、空が赤く染まる頃には全てが終わっていた。元々、家庭菜園なのだから高が知れているとも言うが。]
はい、まいどどうも。
[ちゃりん。
小気味いいと音を立てて手の平に落とされたコインに笑顔を浮かべ、館を辞す。懐にはチーズの代金と駄賃をしっかり納めて。
吊り橋を渡ろうとしたその時、年配の男の声が追いかけてきた。]
[悪くはない話だった。"話"を聞きたいから夕食を一緒にとの招きは。
けれど、家にはきっと心配して待っているお母さんがいるし、食べ損ねたままのお昼ご飯だって待っている。もちろん、お父さんや姉さん、弟だって彼の帰りを心配しているだろう。]
……すみません、やっぱりボク…帰らないと。
[知らず、ぎゅぅと力の入った手が服に皺を刻む。
それを見て得心したのか、年配の男はこう付け加えてきた。
『君の貴重な時間を貰うのだから、タダとは言わないが』 と――]
[姉さんも、食事を御馳走になったと帰りが遅くなる時があった。
だからこそ、彼が配達できそうとなるやいなや交代と相成ったわけだけれど。
食べ損ねた昼食は、温めなおされて弟の胃を満たすだろう。彼の分の夕食も、他の家族の量をささやかながら増やすに違いない。]
…はい、わかりました。
[神妙に頷き、男の後を付いて今度は玄関から館へと入る。
明日の朝、大急ぎで帰ろうと *懐を押さえながら。*]
[ パラパラと静寂の中に響き渡るのは頁を捲る音。一体何れだけの間そうしていたのか、吐息を零して本を閉じ白い紙に綴られた文字の世界から現実へと還る。顔を上げれば目の前には天井まで届く本棚に収められた書籍の数々。既知の言語の本が殆どだが、中には未知のものも数多在った。読み終えるには幾ら時間があっても足りはしない。眉間を押え首を左右に振るとランプの吊り下げられた高い天井を仰ぎ、深く呼吸をする。古書が多いらしく、酸性紙特有の匂いが鼻についた。]
――っと、もうこんな時間か……。
[ 壁の高くに掛けられた時計に目を遣れば、既に時計は昼前に見た時から一回りを終えていた。軽く伸びして肩を鳴らすと、皮張りの本を脇に抱えて書斎を後にする。]
冒険家 ナサニエル が参加しました。
[男が一人、山道を歩き回っている。
手元に下げたランプの明かりは足元を照らすにもおぼつかないほどで。
こんな夜に山を歩くにはあまりにも軽装…すぐに戻るつもりでいて、景色に見惚れて…気付けば迷っていた]
…参ったな、これは。
[そう呟いて辺りを見渡す。
見えるのは鬱蒼とした闇の森。
その向こう、ちらりと見えた灯りに気づきふと思い出す。
村で聞いた男の話を]
それじゃ、あれがそう…なんだろうか?
だとしたら、旅人の訪問は拒まないと聞いたし、一晩くらいなら泊めて貰えるかな?
[男は遠くに垣間見える灯りを目指し歩き出す]
[暫く歩いて、視界が開ける]
…っと、あぶねー。
話には聞いちゃいたが、本当に崖なんだな。
で、これが吊り橋、ね。闇夜に渡るもんじゃねーよな…。
[そう呟きながら一歩踏み出す。
軋む音と不安定な揺れに、旅慣れた男でも身を竦めて]
落ちたら…気付いてもらえんのかね、これ。
[そう言いつつ、一歩、また一歩と歩を進めようやく対岸に辿り着く。
そして、ようやく辿り着いた館のドアに備えられたベルを鳴らし、返る誰何の言葉には至極丁寧に答える]
…旅の者ですが、道に迷ってしまい難儀しております。
納戸の隅でも良いので一夜の宿をお借りできれば、と。
[その言葉に答えるようにドアが開き、人の良さそうな使用人が男を迎え入れる。
「旅人の話を聞くのは主の趣味だから、きっと喜ぶだろう」と告げて]
[とりあえず、と広間に通され暖かいお茶を出されると、簡単に礼を言いそれを口にする。
その男の脇から、使用人が何かを差し出す]
…あ?何、これ書くのか?
訪問者の記録、ね。了解。
[そう言うとそれを受け取り、手馴れた様子で書き込んでいく]
■名前:ナサニエル=ウォーレス(Nathaniel=wallace)
■年齢:25歳
■自己紹介:旅の者。旅行記などを著述して生計を立てている。
近くの山を散策中に道に迷いこの館に宿を求める事となる。
麓の村人からはこの館の話を聞いていたので、山奥に住む者に対する驚きなどは無く、むしろ話の種になればと思っている。
…これで良いかな?
[書き込んだそれを使用人に返すと、残りのお茶を飲み干した]
まあ、いつもの事だけどねー……。
[いつも使っている客室の窓から空を見上げて、ぽつりと呟く。
昼間、雨が上がったのを確かめて。
祖母が心配しているだろうから、と帰ろうとしたのだが、祖母の近況や体調を聞かせてくれ、と引き止められてしまい……結果として、今に至る]
ま、いいけどね。
ここにくるの、嫌いじゃないし……。
[早口で呟くと、うんっ、と言いつつ身体を伸ばし。
何か、温かい物をもらおうかな、と部屋を出て、広間へと向かう]
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