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7人目、薬師 ゼルギウス がやってきました。
― 自宅 ―
確かに、戻るのは夜になったよ。
誰かの罠に引っかかって二度手間になったもんでなあ。
[寝不足の顔は、極度の不機嫌に見えるらしい。
自衛団員の腰は完全に引けている。だが知ったことじゃない。
そもそも機嫌が良いわけもない]
それが疑いの理由だと?
動機もないのに乱暴な……まあいい。
神父様に恨みも何もない俺は、どこに行けばいいんだと?
[前へ流れ落ちてきた長い髪をかきあげる。眠くて半眼になった赤い目で、しどろもどろに説明する自衛団員を見つめた]
集会所か。なら雑用品はそういらないな。
支度が済んだら行くから、気になるなら外で待ってろ。
[引きつりながら頷いた団員に背を向けた]
─ 私設孤児院 ─
悪ぃな、フリーダ婆。
面倒かけちまってよ。
おいガキ共、俺が居なくてもちゃんと良い子にしてんだぞ。
帰って来たらとびっきりの菓子作ってやっからな。
[子供達には老婆の言うことをきちんと聞くように言い聞かせて、クレメンスは孤児院から出て行く。
風の噂で集められた理由が子供達の耳に入る可能性はあったが、その時はその時。
今のところ子供達には、ちと出かける、とだけ告げるに留めていた]
面倒なことになったぜ…。
とっとと疑いが晴れりゃ良いんだが。
[はらりひらりと白が舞う中を、集会場を目指しひた歩く。
手には出かける偽装のための荷物。
大したものが入っていないそれをくるくると回しながら、村の奥にある集会場へと向かって行った]
……意味分かんねーぞ!
ざけんな、他人の寝起きを襲いやがって!どうして俺なんだよ、畜生!
[もう纏められていた荷物を持たされ、自警団員の元に突き出される。
家の扉は目の前で音を立てて閉められ――それが合図であるかのように、青年は喚きだした。
流石に身上書を提出した時は大人しくはなっていたものの。攻撃的な視線は、人を選ばず向けられていたことだろう]
────────────
■名前:ウェンデル・フォーリーン Wendel=Foreign
■年齢:19
■職業:神学生
■経歴:村で診療所を営む家の次男坊。
中性的な顔立ちの持ち主だが、移り気な上激情家、おまけに口が悪い。見かねた両親によって昨年村の外の神学校に入学させられるが、成績が散々であったため、休学を勧められ村に戻ってきてしまった。以降は家族を顧みることもなくぶらぶら過ごしている。
顔はそれなりに良いため浮ついた経験もそこそこあるが、総て派手にフラれてしまっている。
────────────
[その後、くしゃみをする自衛団員に薬を渡し追い払って、一人で集会場へ向かった。
提出される身上書は、酷い癖字でかなり適当に埋められていた]
────────────
■名前:ゼルギウス=シュタインベック Sergius=Steinbeck
■年齢:26歳
■職業:薬師
■経歴:生まれは村の外。3歳の時に先代に引き取られ村に来た。
よく薬草を採りに森に入り、時期が良ければそのまま泊り込んで動物の生態を観察したりもする。
────────────
─ →集会場 ─
[村の奥地にある集会場に辿りつくと、身上書の提出を求められた]
めんどくせぇな、村役場にもあんだろうに。
[文句を垂れつつも記入して、担当の自衛団員へと提出する]
んで、集めた張本人の団長は来てんのか?
さっさと終わらせて帰りてーんだが。
ガキ共の世話しなきゃなんねーんだよ。
[粗方は老婆に頼んで来たものの、ずっと任せるわけにも行かず。
団員を急かしてみたが、団長はまだ来ていないとの事で結局解放には繋がらなかった]
わーったわーった、中で待てば良いんだろ。
寒ぃから外で待つのはごめんだしな。
[身を竦めて言うと、クレメンスは集会場の扉を開けて中へと入る。
身体を温めようと手で擦った左の二の腕の服の下には、現状と重なる苦い思い出が刻まれて居た]
あーったく、早く終わんねぇもんかね。
[玄関を抜けて直ぐ、目の前には広間が広がる。
居る者にてきとーに挨拶しながら暖炉の前を陣取ると、薪を入れながら暖を取り*始めた*]
8人目、貴族 ミハエル がやってきました。
―1週間前・某所―
は!?
ちょっと、待ってください父上!!
[ある日、日ごろあまり顔を合わせることのない父親に呼び出され、何かと思えば見合いの話。
相手は、とある富豪―とは言っても、貴族とのつながりのないごくごく一般庶民の成り上がり―の一人娘]
いや、見合いすること自体はかまいませんよ。
ボクもそろそろ年頃ですし、モルゲンシュテルン家の血を残すための結婚は仕方ないと思っています。
ですが、相手が女性ってのは、何の冗談ですか。
ボクはこれでも一応、生物学上は女ですよ!?
[男として育てられた少女は、真っ赤になって父親に怒鳴っていた]
貴族 ミハエルが村を出て行きました。
8人目、貴族 ミハエル がやってきました。
―現在・村はずれの別荘―
………ほんっと、頭どうかしてるよね。父上ってば。
[父親と喧嘩して家出をしてきた貴族の娘(表向きは息子)は、事情を知っているメイド相手に愚痴っていた]
……まあ、うん。相手が男性なら仕方ないとは思うよ。
相手がボクより倍近い年とはいえ、家のためだしね。
父上の子はボク一人なんだから、モルゲンシュテルン侯爵家の血を絶やす訳にいかないし……父上ってば、家督継ぐときに弟妹全員殺したらしいから、他に血縁もいないから…………
でも女同士じゃ、どうがんばったって血を残すとかできないだろ?
どうしろっていうんだか、ほんっとに。
[そんな愚痴を何日も続けて聞かされるメイドも困った顔をしているが、まあそこはそれ。
幼馴染であり主筋のミハエルの愚痴を聞くことを断れるはずがなかった]
[そうこうしている間に、自衛団員が別荘に乗り込んでくることだろう**]
[集会場を見回すと、弟と言っていいほどの青年がそこにいて。]
ラーイ!
あなたも呼ばれていたの?
[パ、と明るい笑顔を浮かべると、ライヒアルトの傍まで駆け寄ったが、]
……父さんのこと、聞いた?
[その話題に神妙な表情になった。]
家をあたし用に借りてきた時もびっくりしたけど、
父さんが殺された、っていうのも正直、……信じられない。
[団長は親殺しを行った、と思っているのだろうか?
形のよい眉を潜め、唇を引き結びながら視線を地面へと向けた。
ぎゅ、と一度手を強く握り締めた後、ラーイへとできるだけ笑顔を向ける。]
久々に姉さんがお茶いれてあげよっか。
[そして集会場にいる面々にも、そう声をかけただろう。*]
─ 集会場 広間 ─
[暖炉の前でぬっくぬくしていると、可愛らしい女性の声>>35が耳に入る]
おー、飲む飲む。
んじゃ俺は茶請けでも作るとするかね。
つっても手間無くパンケーキだけどな。
食いてー奴は早めに言えよー、ついでに焼いてやる。
焼き終わった後に言っても焼いてやらんからな。
[ローザに対してひらひらと手を上げて、茶を飲む意思を示した。
続いて一方的に言うと、暖炉の傍から離れて西側の広間の扉へと向かって行く。
見知った顔がいくつも集められていたことに何か言う素振りを見せなかったのは、言ったところで何も変わらないと分かっていたからだった]
─ →台所 ─
[一旦地下に降りて、備蓄庫からパンケーキの材料を調達する。
それから1階に戻り、台所へと入って手早く準備を始めた。
台所の中にある井戸から水を汲み、流しの桶に注いで手を洗う]
うー、冷てっ!
湯沸かしてからにすりゃ良かったか。
[水を汲んだついでに湯を沸かし、その間に予定通りパンケーキを焼き始めた。
沸いた湯はローザが使うなら好きに使わせることになるだろう]
トッピングはバターとジャムで良いか。
[そんなクレメンスはバターたっぷりで食べるのが好み*だったりする*]
―集会場 広間―
[集会場に集められる中に、穴に引っ掛かった者>>25もいるとベアトリーチェはまだ知らない。
人が集まりはじめてもまだ不機嫌さは治らず、テーブルにて一心不乱に文字を書き付けていたのだが]
食べる!
……あ、お茶もっ。
[食べ物の誘惑>>36にはあっさりつられて顔を上げる。
お茶を淹れるという女性>>35に見覚えはなかったが、厚意には甘えるつもりらしい**]
― 村外れの別荘 ―
[しばらく愚痴って少し気が晴れた頃。
別荘を仕切る執事から来客を告げられ、首をかしげる]
お客様?
誰だろ、村の子?
[以前、この別荘に滞在していた際によく遊んでいた友達の顔がいくつか浮かぶ。
しかし、普段落ち着き払って動揺する姿を見た覚えのない執事の、いつになく慌てている様子から察するに違うらしい。
重ねて問えば、自衛団の者たちだという]
……ふーん。いいよ、会おう。
応接間にお通しして、お茶の用意を。
ああ、用件次第では相手にぶっかけてやるから、出来るだけ熱いお茶をよろしく。
―集会所・広間―
……どーせアレだ。
体のいい厄介払いってヤツだろ。知ってんだぜ。
だけどよ、もし俺が犯人だったらよ、フォーリーンの家もとうとう犯罪者を出しちまったご一家様になっちまう訳だ。そしたら客なんてもう来ないかもな。
ハッ、考えが足りねえんだよ!
[愚痴っている。
家族に通報されたのではない。そして、青年は多くの人間からもう『ウェンデルさん家のどうしようもない方の息子』と思われてしまっている。今更彼が人を殺したとなったところで、診療所の客数は変化しないだろう。
分からない歳ではないが、理解するのは癪だった。だから、愚痴っている]
……ねーさん。
俺にも紅茶一杯、ちょーだい。
[ひとしきり愚痴った後、ローザの言葉>>35にそう返した]
─ 教会 ─
[準備、と言っても持ち出す物もすぐには思いつかず。
ただ長く留め置かれるらしい、と聞いて、着替えと本を数冊。
それから、幾つかの私物を鞄に詰め込み、黒の外套を羽織った]
……姉さんには……いいか。
いずれ、伝わるだろうし……。
[支度が整った所で、ふと、思い浮かべるのは先日帰郷した養父の娘たる人。
とはいえ、状況が状況だけにどんな言葉をかければいいのかも思いつかず、報せに行く、という選択肢は早々に消えた]
……まったく。
こんな時に使える気の利いた言葉でも、載ってりゃいいのに。
[本棚に並べられた神学書に八つ当たりめいた視線を向けると、猫が呆れたようになぁう、と鳴いた。
それに苦笑めいた表情を向けて、ふ、と息を吐く]
住居部分にだけ鍵をかけて……礼拝堂は、開けておくか。
祈りを捧げたい人がこない……とは、言えないしな。
[神父が亡くなり、その養い子である修道士に疑惑がかけられている現状、神に祈りを、と思う者がいるかはわからないが。
老神父は、ここを閉ざしてしまうのは望まないだろう、と思えたから、礼拝堂だけは開けておいて。
小雪舞い散る道を、村外れの集会場へと急ぐ]
─ →集会場 ─
…………。
[たどり着いたその場所で、身上書>>9の提出を求められたなら、天鵞絨にはまた、険が浮かぶものの。
騒ぎを起こすのは本意ではない、とばかりにその求めに応じたのだが]
……ざっけんな……。
[玄関から広間に抜けるなり、無意識、素の悪態が零れ落ちたのは、ある種已む無し]
─ 集会場 広間 ─
[ともあれ、そこで待て、と言われた事もあり、椅子の一つに落ち着いて。
膝の上に猫を乗せて物思いに沈んでいた所に聞こえた、声>>34。
天鵞絨の瞳が、きょとり、と大きく見開かれる]
……姉さん!?
ちょっと待って……なんで、姉さんまで……。
[駆け寄ってきた人に対し、最初に言えたのはそんな言葉だけ。
神妙な面持ちで問われると、ああ、と一つ頷いた]
……だからこそ、ここに呼ばれた訳だしね。
正直……俺も、信じられないよ。
[昨日送り出した時は、いつもと変わらない──いや。
いつになく、険しい面持ちだったような気もするが。
まさか、こんな事になるなんて、思ってもいなかった。
やりきれない思いに軽く唇を噛み締めていると、手を強く握られて。
は、と顔を上げた先には、笑顔>>35があった]
ああ……うん。そう、だね、お願いする。
手伝える事があったら、言って。
……無理は、しないで。
[それに、できる限り明るい表情でこう返す。
自分よりも、彼女の方が辛いだろうから、と。
そんな想いが、最後の一言を付け加えさせていた]
─ 集会場 台所 ─
いっちまーい、にーまーい、さんまーい。
[ぽーん、ぽーん、と手際良くパンケーキを跳ね上げ、注文分を皿へと載せて行く。
茶請けなので1人一枚。
足りないと文句言われても知ったこっちゃ無かった]
片付けは後で纏めてすっか。
先ずは腹ごしらえ、っと。
[ローザが茶を用意して広間に戻ったのは先だったか後だったか。
クレメンスは自分のペースで動き、注文分のパンケーキを広間へと運んだ]
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