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何を信じてるのも自由だけど。
そんな嫌疑なんて…嫌だ。
[カルメンと繋いでいる手が震える。
その様子に違和感を感じるまでも至らない]
そうですよ、カルとか、ロミちゃんとか。
ブリジットさんは……ブリジットさん!?
[額から脂汗を流しているのに気がついた。
驚いて声を上げる]
ここに吐いて良いよ。
あたしのスカート、エプロンドレスだから。
吐いたら水飲んで、身体休めて。
薬かなんかあったら教えて、持ってくる。
[ブリジットの様子に、吐きやすいようスカートを広げて]
[皆が口々に疑問を連ねる様子を、カルメンは不思議そうに聞く]
[カルメンにとっては聞いたことが全て。
故にギュンターが居ると言えば、居るのだと感じていた]
じん、ろー、いる。
でも、いる、だけ。
なにか、するの?
[居ることが前提の意識であっても、ここに集められた理由までは分からず。
そもそも話を聞くだけと思っているが故にそれ以上の危機感は感じられない]
逆に、数日経って、なぁんにも起こらなきゃ、疑いなんてすぐ消え――…っと、おいっ!?
[流石にブリジットの様子を見たなら、顔色を変える]
あわわっ。
ブリスさん、大丈夫ですか?
[そこで、ブリジットの変化に気がついて。
どう見ても大丈夫そうに見えないようすに、絵本を置き去りにしてそちらへ駆けた。
特に何かできるわけでもないが、せめて背中をさすろうと]
……。
[声が遠い。
周りで何か色々な声が聞こえてくる気がするが、今の自分にとっては遠い世界の出来事のようだ]
……大丈夫……。
あなた……は……私が……守……って……あげるんだか……ら……。
[最後に優しく、自身の腹をなでると、ブリジットの意識は闇へと落ちていき、イスから*崩れ落ちていった*]
……んな事、言ったって!
[ダーヴィッドの冷静な声に、団長へ向けていた視線をそらし。
ブリジットの様子に気づくと、あ、と短く声を上げて、口元に手を当てた]
ちょ、えと。
大丈夫……。
「なわけ、ないでしょー」
自衛団のおっさんには聞きたいことも言いたいことも山ほどあるけど、まずは医者。
あと男出は雁首合わせてんなら横になれるとこ準備して。
あたしじゃブリジットさん運べないし。
って、おい!大丈夫かブリジット!
[声は掛けるが妊婦にどうすれば良いのかはわからずに]
なぁ、こんな状態のやつまでここに置いておく気か?
……と、悪い。
年長者のオレが落ち着かなくてどうすんだろうな。
[ダーヴィッドの冷静さにようやく落ち着きを取り戻して]
神の御心…ね
ってことは、あなたの信じる神ってのは随分不平等ですね。
差し伸べたいやつにしか手を出さないなんてポンコツもいいとこだしな
[元から神を信じる性質ではないためすんなりでる嫌味を吐く
なにせ人狼がいるとするならば、それ以外のものは生贄のようなものだが]
…ま、いなければ関係ない話ですし。道楽はこれっきりってことにしてくださいよ
って、ロミちゃん知ってるんだ…
[最後は呆れたようにいいロミが知ってるという言葉をきいたりなどしたところでブリジットの異変に皆よりも一拍遅れて気づく]
…っとブリジットさん?
[繋いでいるクロエの手が震えている。
ふと、いつもクロエにしてもらっているのを思い出して、その手をぎゅっと握り返した]
[途端クロエが声を上げ、周囲が騒がしくなり。
けれど様子が見えないカルメンは不思議そうにするだけ]
[聞こえたそれに意識を傾ける。
耳、ではなく、意識、を]
もう一人居たのか…
「誰か」って言うのは人としての名前かい?
それとも…
[それ以上は言わずに]
――…あぁ、りょーかい。
運ぶ運ぶ。
[ひょい、とブリジットの身体を抱え上げ]
ローザちゃん。
2階の個室、ドア開けてもらえる?
[意識を失ったブリジットを支えるのに精一杯で身動きがとれず、苛立った視線を自衛団員に向けて]
ちょっと、何ぼーっとしてんのよっ
良いからあんたも手伝いなさい、民を助けるのが自衛団でしょう…!?
この人の命は二人分、ううんそれ以上の重さがあんのよ、早く医者呼ぶなりなんなりしなさいよ…!
わーてるよ。そんぐらい。でも俺。治療とかはできても妊婦は専門外だぞ
鎮痛剤のませて母体が悪くなるのかどうかの作用もわかんねーしな
[ローザの男手という言葉にはあっさりと頷きながら言葉を返し]
わめく体力あるなら手伝えるよな?ユリアン
[更に聞こえた、ゲルダの声。
ふる、と首を左右に振る。
何か、振り落とそうとするかのように]
そっち、ダーヴに任す。
なんか、必要なものあるなら、物置からとって来るよ。
……ローザさんに、惚れちゃいそう。
[気を紛らわすためか、てきぱきと指示をするローザを見て、そんな感想。
意識を失ったらしいブリジットに不安の色は消えなかったが、傍らにグラスを置くと、小走りに駆け出していった。少しして、持って来た薄手の毛布を、ブリジットを抱え上げたダーヴィッドに差し出す]
かけたほうが、良いですか?
あ、あぁ、ありがと。
うん、ちょっと待って。
[ダーヴィッドに礼を言うと、すぐに個室のドアを開けベッドを整え]
ここに寝かせてあげて。
あ、顔は横を向けてね、もしも吐いちゃうと息がつまっちゃうから。
ああ。
[ゼルギウスの言葉に、一つ、頷いた。
動いていないと、意識がどこかに持っていかれるような気がして。
何となく、それは嫌だったから、動こう、と思った。
とはいえ、頭が上手く回っていない部分もあるのだが]
あ、ユーリ。
手が空いてるなら、俺の荷物取って来て。
運が良きゃ、そこに煎じ薬も入ってるから。
[倉庫に向かいかけるその背中に声を掛け。
必要なら部屋の場所を伝える。
ハインリヒが落ち着いた様子を見たなら、軽く肩を竦めた]
あ…ごめん、カル。
ブリジットさんが気分悪いみたいなんだ。
[ぎゅっと握り返されている手に気づき、簡単に説明する。
ローザの指示で皆が動き出したのを見て邪魔をしないようその場で待機して]
薬…どこまで使って平気なんだろう。
単純な悪阻とは限らないし。
そこまでゼルに期待してないわよ、さすがにあたしだって妊婦の世話なんてしたことないし。
[打ち身やら擦り傷やらは日常茶飯事だけどね、と肩をすくめ]
かかりつけのお医者さんとかわかるといいんだけど、気失っちゃったから…側にいて様子見るくらいしか出来なさそうね。
あ、そうだ。洗面器とか用意しないと。
自衛団ってのはさ、こういうときにああいう人を守るためにあるんじゃねぇの?
[せめて厭味のひとつも言わなければ気が済まず。
ブリジットを運ぶダーヴィッドを見送りながら]
気をつけろよ。
って、オレよりしっかりしてるじゃねーか、あいつ。
なんか手伝えることがあったらいえよなー。
[二階に上がっていった背中にそれだけを投げる]
はぅ。
[意識を失ったブリジットを困った顔で見た。
移動が始まってしまえば、そちらで手伝えることはない]
えっと。
濡れタオルとか、お水とか、いるですか?
[ブリジットが熱を出していたのかは分からないが、周りに尋ねる。
肯定があったなら、ぱたぱたと台所に走る]
…ん?うん。ゲルダちゃんだっけ?
母体は冷やさない方が良いだろうし。
掛けて上げて?
[揺らさぬようブリジットを運ぶ足を止め、そう促して]
優しいね。
ついでにブリジットさんの身体をふけるように、水と布の用意頼める?
ん、りょーかい。
[ダーヴィッドの言葉に、一つ、頷く。
珍しく心配そうな鸚鵡の翼を軽く撫でると、教えられた部屋へと駆け出した]
……人狼、とか、なんとか。
止めてくれっつの……。
[一人になると、かすれた呟きが口から零れ落ちた]
[自衛団員は顔を見合わせて何事かを話し合い、団長へと進言をしたようだが、彼は頑として首を縦には振らなかった]
「――彼女が人狼ならば、その子もまた、人狼かもしれない」
[紡がれたのは、その一言。
だから、救うことは出来ないと。
団長程の熱狂さのない彼らには、戸惑いの色、居た堪れない色も濃い]
あらやだ、照れちゃう。
あ、毛布ちょうだい。
下半身を冷やさないようにしないとだし。
[ゲルダの言葉に少し冗談を言いつつ、毛布をみてありがとう、と。]
ロミちゃん、濡れタオル用意してくれる?
汗で身体が冷えちゃうと困るの。
[ふる、と首を横に振る。
無理やり忘れていたイメージが蘇るのは、強引に押し込んで]
……っと。
これ、かな?
[部屋に入り、目に付いた荷物の袋を掴んで、ブリジットの寝かされている部屋へと戻った]
そうだ、お湯。
飲むにしても一度沸かしたものの方が良いはず。
妊婦さんって刺激に過敏になるものだから。
[少し考えて呟き、カルメンから手を離す]
ちょっと用意してきていいかな。
[ロミの声に頷いて]
うん、そうしたものもあるといいと思う。
…ブージェ、が…。
[クロエの説明で何があったかを知り。
表情は心配げに眉尻が下がる]
おくすり、くわしい、ひと、いない…?
だれ、か、つれてきちゃ、だめ、なのかな。
[ギュンターに訊ねれば否と返って来るのだろうが。
そう言葉を紡ぎながら見えぬ視線を彷徨わせる。
耳の位置を移動させて状況を把握しようとしているようだ。
カルメンは手伝えるはずがないため、その場で大人しくしている]
その期待のなさはありがたい。骨つぐとか間接戻すとかならできるけど…な
…そもそもこの人。あまり体強くなかったみたいだし
[ローザに答えつつ運ぶのはダーヴィットに任せ]
ぁあ。ロミちゃん。それらは必要になるだろうからもっていってくれるとありがたいかな
ゼルギウスにハインリヒのにーさん。
お言葉は有り難いけど、これでも運搬はお得意なのさ。
[普段なら、手の一つも振るところ。
揺らさぬように更に細心の注意を払い、ローザの整えた部屋の中へ]
ういせ。
顔は横に、ね。りょーかい。
[下ろす仕種もやはり丁寧で]
着衣を緩めるべきかとは思うけど…。
[流石にそこには遠慮があるのか、ローザをちら、と見た]
は、はいです。
[言われて走り出すけれど、子供だから速度は遅い。
途中、戸惑うような自衛団員たちの顔が見えて、困ったように眉を下げた]
知らない、
って、なに を?
[不安。それは、声ならぬコエにも混ざる]
あなたは、 なにを、 知っている の?
[知ることを恐れつつも、知りたいとの願いを篭めて、囁いた]
うん、いって、きて。
[手を離すクロエに頷いて。
カルメンもクロエの手から自分の手を離す。
自分が何も出来ない分、クロエに託すようにして]
[聞こえてきた自衛団長の言葉に、怒鳴りつけたい気持ちをぐっと飲み込む]
だから見殺しにする、って?
そうじゃなかったらどうするんだよ。
[紡ぎ出されたのはそんな言葉。
だけどそれさえも今の自衛団長には届かないのだろう]
団長さんにとって、命とはそんなに軽いものなんですか。
[紡がれた言葉にギュンターを睨む]
二つの炎が、祝福されるはずの命が消えようとしているのに。
違っていたらどうするつもりなんだ…!
[怒鳴らなかったのは、今はカルメンの存在を意識しているから]
信じられない。
でも僕は僕に出来ることをする!
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