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[は、と一つ、息を吐く。
向けられる言葉があっても、少年は一時、全ての揺らぎと迷いを押し込んだ。
たくさん選びたいものがあって、でも、その内の一部しか選べないなら。
今の彼に選べるのは、決めた事をやり通す生き方と、それを宣したひと。
それが、力あるが故の事なのか、自分の想いに基づくのか。
どちら、と問われるならば、迷いなく後者と答えられる]
…………っ!
[どこをどう傷つけられれば、ひとが死ぬかは教えられている。
けれど、それをするためにわざと傷つける刃物の使い方なんて知らない。
抵抗があれば相応、苦労はするだろうけれど。
振るった刃は、最終的にやわらかな胸の下。
鼓動刻む場所を貫いて。
──白い白い、雪の上に、あかい彩が散る]
……あやまら、ない、から。
[しろを染めるあかい彩。
その上に倒れたひとへ向け、小さく紡ぐ]
……だって、あやまったら。
…………じっちゃんのこと、どうでもいいみたいになるから。
それは、俺、やだし。
自分で決めた事で、ぐちゃぐちゃいうの、や、だから。
[綴る声は微かに震えているけれど。
あかく濡れた刃を握る手も震えているけれど。
少年は崩れることなく、その場に立ち続けた。**]
─ ビルケ視点・回想・客室 ─
(>>3:128続き)
[主の寝かされた部屋へ運>>3:69ばれると、ビルケは異変を感じ取った。
あの嫌な気配が主からも微かに漂っている。
また死者が出たのだと直感した。
敷物の上に座らされ、
「ユリアンのことよろしくな」>>3:69
おとなしく頭を撫でられながら、イヴァンの匂いを嗅ぐ。
ろくに利かなくなった鼻で。
部屋を出>>3:69ていく彼も以前とは変わってしまったけれど、
老犬の心配は寝台で眠る主にしか向けられず。
見つかれば叱られると思いながらも、苦労して飛び上がり、どうにか寝台の上へ。
ユリアンの頬に鼻をくっつけたり、軽く舐めたりして検分すると、怪我をしていないことがわかって安心した。
ビルケはその横で丸くなった。]
─ ビルケ視点・回想・廊下→客室 ─
(>>11続き)
[元気になって起きたはずのに、また倒れたユリアンのことが心配で、くすんくすんと鼻を鳴らす。
イヴァンやライヒアルトは驚き、あるいは慌てているようだが、ビルケは途方に暮れていた。
気弱な主が死者に誘われ始めたのではないかと思え、気が気ではない。
なのに、自分にできることはごく限られていて。
ふたたび寝か>>13されたユリアンから離れまいと、ビルケはまた苦労して寝台へ上がった。
意識のないユリアンに寄り添い、くっついてうずくまる。
死者に囲まれ、何もかもが変わってしまったこの状況下で、湖面から響く氷の音>>0:#3だけは変わらない。]**
─ ビルケ視点・深夜〜早朝 ─
[夜中に何度か目を覚ました。
優しく撫でられているのがわかり、ビルケは甘え、鼻を鳴らす。
暗がりの中で、ユリアンは自分の右手をじっと見つめているようだ。
何やら重苦しい雰囲気に、ビルケもだんだん心配になってきた。
顔を上げると、その手を舐め、くわえて甘噛みした。
横たわったままのユリアンがはっと驚く。]
─ 早朝・客室→廊下 ─
[冬の日の出は遅く、鎧戸を開け>>3:112たままの窓の外はなかなか明るくならない。
うっすらと明るくなってきたかどうかという時刻で我慢の限界になり、ユリアンは部屋を出た。
寒気と空腹が切実だった。]
……静かにね、ビルケ?
[老犬に小声でそう話しかけつつ薄暗い廊下を見渡すと、不自然に半開き>>18の扉がある。]
誰がそこに寝泊まりしていたのか、ユリアンは知らない。
しかし、なぜか目が離せなかった。
足を踏み出そうとすると、ビルケが前に出て座り込み、ユリアンの顔を見上げていた。
そちらへ行くなと訴えるかのように。]
─ 早朝・ライヒアルトの部屋 ─
[着衣から、寝台の上の遺体がライヒアルトであることもわかった。
ユリアンはその場でがくりと膝をつく。]
間違って、いた…………。
最初からずっと、ぼくは間違って……?
[こぼれ落ちた細い声に答える者はいない。
どれくらい、そこにそうしていただろうか。
ビルケに袖口を引かれ、ユリアンはのろのろと立ち上がる。
血塗れの寝台に近づくことができず、同時に去りがたくも思え、動くことをなおも躊躇っていた。
やがて大きく息を吐き、胸の前で祈りの形に両手を組む。]
……ごめんなさい。
[神ならぬただびとの身では、これから起きることを予知しようもなかったのだ。]
─ 朝・大浴場 ─
[まだ誰も起きていないらしく、途中で覗いた広間は無人だった。
くしゃみをこらえ、ビルケを気遣いながらも、できるだけ急いで大浴場へ入る。
脱衣所に入っただけでも、冷えた身体が温ま>>1:20り、ユリアンはほっとした。
熱い湯で手ぬぐいを絞り、先にビルケの四肢を拭う。
それから癖のある毛にブラシをかける。
肩から背中、脇腹、肢。
暖かい空気とブラッシングに安心したのか、ビルケが大きく口を開いてあくびした。
エーファにとって食事の支度が日常の作業であるように、ユリアンにとってはビルケの世話が日常の動作だ。
抜け毛をまとめて丸めながら、思わず笑みがこぼれた。]
[この季節、老犬の毛を濡らすような真似はできない。
いつもの敷物を置き、ビルケにそこで待つよう指示すると、ユリアンは手早く服を脱いで浴室へ入る。
湯に浸かるのは数日ぶりだろうか。
肺に暖かな空気が満ちると、それだけで深い満足感をおぼえた。
まだ異常事態は終わっていない、そう思いはするけれども。]
[湯船の中からユリアンは天井を見上げる。
寝込んでいたせいで、誰が何をしていたのか、まったく把握できていない。]
エーファ……イヴァン……カルメン……オトフリート……。
[指を折って数えてみても、もはや誰に相談すればよいのか、見当もつかなかった。
成り行きとはいえ、ユリアンが手にかけてしまった旅人は人狼だったのだろうか?
でも、ライヒアルトの喉笛を噛みちぎった人狼が、]
まだ、この館のどこかにいる……。
[結局、誰かに教えてもらうしかないという結論に至った。]**
─ 広間〜厨房 ─
[広間にはまだ誰も来ていなかった。
ユリアンは暖炉に火を起こし、ビルケを残して厨房も覗いてみる。
エーファはいなかった。
遠慮している場合ではないので、薬缶で湯を沸かしたり鍋の残り物を温めたり。
ビルケ用にも湖で獲れたらしい白身魚を煮ておく。
飲み物と食べ物を確保すると、広間へ戻った。
腹を満たすと人心地付いて、気分まで明るくなる。]
─ 翌朝 ─
[この日も目覚めは緩やかだった。
破られることのない眠りからの起床は清々しい。
身支度を整えて客間を出れば、廊下一帯に視線を投げた]
………んー、
[スン、と鼻を鳴らす。
ライヒアルトの部屋に行き、何かを確認した後にユリアンの部屋の扉をノックした。
返事は無い。
寝ているか既に部屋を出たか、居るならビルケが反応している気もするため、既に起きている可能性も考えた]
なんともねーなら良いが。
[勝手に開けるわけにもいかないため、他で見つからなかったらまた来ることにした]
[次いで、カルメンの部屋をノックする。
こちらからも返事は無い]
………?
[先に起きていてもおかしくはないが、何となく嫌な予感がした]
───カルメン?
起きてるのか?
[聲で呼びかけてみる。
起きているなら届くはずの聲]
[けれど、いつもの涼やかな聲が返らない]
[最後にオトフリートの部屋をノックする。
彼はまだ部屋に居ただろうか。
居なければ姿を探し、呼び止めた]
侍祭さんのことは聞いたか?
[向ける話はライヒアルトがギュンターと同じように襲われていたこと。
けれどそれはただの切欠でしかなく]
──…何を考えている?
[本命の問いかけは言葉短く投げるに至る。
オトフリートへと投げる視線は、知ってるんだろう、と断定気味に問うていた]
─ 広間→厨房 ─
[体格で、遠目にも庭園の人影がエーファであることはわかった。
いつか見た>>3:11、>>3:12ときのように、薔薇の植え込みで歌っているのだろうか。
短い言葉>>3:22は聞こえなかったが、何度も瞳を瞬>>3:21かせていたことを思い出すと、]
……人狼、には思えない……。
[ユリアンはつぶやく。
ギュンターの部屋に駆け込んだ>>2:34ときの、彼の様子もおぼえている。
3階への階段で絶叫>>2:33も聞いた。
あれが故意の演技だったとはとても思えない。
考えながらも注視していると、立ち続け>>27るエーファへ近づくイヴァン>>48の姿が見えて。
ビルケを暖炉前に残し、ユリアンは厨房へ移る。
起きてくる者のためにお茶を沸かしておこうと。]**
─ 厨房→広間 ─
[厨房で湯を沸かし、茶の用意をしているころには、誰かが起きてきただろうか。
厨房を覗くか、あるいは広間で待っていた者がいれば、顔を曇らせて、]
あの……。
実は、ライヒアルトさんが部屋の中で……。
[言葉少なに2階の部屋で見たものを伝えるだろう。]**
[人参については深く突っ込むのはやめておいた>>19
こういう時に冗句の一つも言えたなら良かったのかもしれないが、先ほどの事を考えると早々打ち解けられるとも思えず、とりあえずの作業に専念した。
食事には全員揃っていただろうか。
誰が何かわからない状況での食事は、それでも気持ちを和ませてくれた事は確かだった。
「黒水晶」、人によっては最強の守り石となる名を持った黒猫は、その役目を果たすようにエーファの傍から離れなかった]
―二階・客室―
[食事を終えて部屋へと戻って、大きく息を吐いた。
エーファが見出すものとわかったなら今のうちに、そう思って結局出来なかった。
真っ直ぐな目は、その力を使わなくても真を見るのか、「狼っぽくない」と言われた事に苦笑する]
殺せないなら、せめて身代わりにとも思ったんですが。
[そう、できるなら殺したくはないし、死にたくもない。どっちつかずの感情が、染まりきれない男を笑うように揺らいだ]
いずれにせよ、時間の問題でしょうね……
結局は、なるようにしかならないんだから。
[抗えないのなら流されるだけ。
自分は、本当はどちら側なのだろうと思いながら、浅い眠りへと落ちていく。]
―翌朝―
[浅い眠りを覚ましたのは、足音>>22
階上から、一度足を止めて、意を決したように足早に去るのを耳で追う]
(………あぁ……見つけてしまいましたか……)
[恐らくはそうなのだろうと思う気持ちは不思議と凪いでいた。
どちらが、と思った矢先にノックの音>>47がして、それが誰かを察して]
起きてるよ、どうぞ。
[と声を掛け、部屋に入ることを促した。
入ってきた姿は予想通りで、問われたことについては首を振る]
ライヒアルトさんが、何か……あぁ、蒼花に抗えなかったのか…
[皆まで聞き終わる前にそういえば、イヴァンも何か思う事があったのだろう。
短く重ねられた問いと視線に、小さく息を吐いて彼を見た]
何を、か……そうだな
どうすれば貴方たちを生かして終わらせるか、かな。
[それはつまり、知っていたと言う事だ。人狼が誰かを]
俺はね、知ってたんだ、最初から。人狼が誰か。
あの詩に出てくる「闇の護り手」、多分、それが俺だよ。
[それを、イヴァンがどこまで信じるかは、今は興味の外にあったけれど]
イヴァン、君はこれからどうしたい?
他を殺してでも生き延びたい?
[愚問だと思いながら問う。死にたい人間などいないだろうから]
そういえば、カルメンはどこに?
[先ほど聞いた足音がエーファで、イヴァンがここに居るならもしや、と。
庭での顛末を知るのは、それからどれくらい後だったか]
[カルメンを探して見つけたのは、雪の上に赤を散らして倒れるその人と、傍に佇むエーファの姿>>27]
………っ
[昨日、確かに言っていた「探して終わりにする」と>>3:152
そして、その言葉どおりに見つけて……敵を討ったのだと。
イヴァンがいたなら声をかけ、外へ。エーファとカルメンの元へと向かって]
………エーファ…
[一度だけ名を呼んで、イヴァンが問いかけるなら>>48後はなるようになるだけと思い、倒れているカルメンの元へと足を運んだ]
……護るって言ったのに、護れなかったな。ごめん。
[そう言って傍らに跪き、その目元を軽く撫でた。*]
─ 庭園 ─
[近づく気配>>48 >>55 に先に気付いたのは、足元の黒猫だった。
警戒の響きを帯びた声で鳴き、少年の注意を喚起する]
…………みつけた、から。
[その声と、向けられる問いかけ。
それに、最初に落ちたのは掠れた声]
月のひかりの、いとし子……おおかみ。
見つけた、から。
だから。
[ぽつ、ぽつり。
紡がれる声は僅かに震えて]
……俺は、見つけられるから。
見つけて、終わりにしてって、言われて。
俺も、終わりにしなきゃって、思った、から。
……だか、ら……。
[ここまで言って、唇をきつく噛み締める。
謝るのもダメだけれど、泣くのはもっとダメだ、と。
そう、心の中で繰り返しながら。*]
やっぱり、見つけた、のか……
[エーファが零す言葉>>56にぽつりと落とす]
君は君の役目を果たしただけだよ。
だから、思いつめなくていい。
[そう言って、その先はエーファとイヴァンが話すのを耳だけで追いながら、倒れたカルメンを見つめる。
血の気のなくなった顔は、それでもまだ僅かに体温を残していた]
カルメン、このままにしておくのも可哀想だし
部屋まで連れて行くよ。いいだろう?
[雪の上では冷え切ってしまう、と、そんな心配はいらないのにそう思って
慎重に、丁寧に抱きかかえ、屋敷の方へと足を向ける]
二人とも、風邪を引かないうちに戻った方がいいからね。
[そんな風に言い残して。
腕の中のカルメンは、思っていた以上に軽かった。*]
―屋敷の中―
[カルメンを抱えて、彼女が使っていた部屋へと運ぶ。
どこかわからなかったから他の部屋まで覗く羽目になり、途中でライヒアルトの亡骸を見て目を伏せた。
部屋を探し当てたなら、他にならって床へと降ろし、手を組ませて簡単にシーツで包んだ。
こうして見ると人と変わらないのに。
そんな素振りも見せていなかったのに]
でも、これでもう君は、誰も殺さずに済むんだね。
[生き延びて欲しかった、だけど、これ以上殺して欲しくもなかった。
結局は、これでよかったのかもしれないと、そう思わなければやりきれないから]
おやすみ、カルメン。
[最後に残すのは、感情を抑えた声、一つ]
……どうしたいって?
[逆に問いかけられて、表情を歪めながらくつりと笑う。
嘲笑するようでありながら、苦笑にも見える顔]
今更じゃねーか?
俺はもう何人も喰ってる。
自分を犠牲に出来るなら、とっくの昔にそうしてるさ。
[生きることを諦めたくないと。
そう決めたから躊躇うのを止めた。
衝動に流されながらも後悔するのを、止めた]
俺達は生きるって決めたんだ。
[喩え誰を犠牲にしようとも]
[カルメンは、と問われると、歪めていた表情が曇る]
……さっきから聲が聞こえねぇ。
聞こえてりゃ、必ず返ってきたのに。
[嫌な予感ばかりが過ぎり、オトフリートの部屋を出た後はカルメンを探していた*]
―広間―
[カルメンを安置して広間へと向かえば、そこにはお茶の用意をするユリアンの姿があった>>50]
おはよう、ございます。
暖めておいてくれてありがとう。
[そんな風に礼を言えば、言い難そうに顔を曇らせ話すのを聞いて]
ええ……イヴァンから聞いて、今上に行ったついでに覗いてきました。
それと……カルメンが死にました。エーファが……
エーファが言うには、カルメンは人狼だったそうです。
[そう伝えてソファーに腰掛け息を吐いてユリアンを見る。*]
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