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─北エリア・林─
……ま、そういうのもありかもね。
[ぽつり、零れた呟きはオクタヴィアの言葉に答えるように。
一つ、深呼吸。両の手、指の間には複数の針が握られる]
……消耗でかいから、何度もできはしねぇけど。
上手く行ったら、
[不意に、途切れる言葉。
直後にその姿は掻き消える。
ここではほとんど見せてはいなかった、もう一つの力──テレポート能力による、移動。
それを用いる事で、二人の頭上に唐突に現れる]
儲けモノ、っと!
[声と共、振られる両手。
両手に携えた針が、無作為な雨のようにその場にばら撒かれる。
漆黒の煌めきの落ちる中、自身は着地し、双方から距離を取るように後退した]
―隔離エリア―
…出入り自由なうちに、別出口を捜しておくべきだったな。
[頭痛は治まってきた。首を振って身体を起こす。
深呼吸を挟み、クリーチャーを警戒しながら地底湖があったはずの場所へ向かおうと歩き始めた]
―北エリア・林―
残念だけども、オラにはそういう趣味はないだよ……!
[嬲る、の言葉が冗談でなく聞こえ、背筋が寒くなる]
まあいい、勝てばなんとやらだ……
[オクタヴィアに一歩迫ろうとした時、ふとその瞳の不自然な動きに気付き視線を移す。
だが、結果的にそれは失敗。
相手は唐突に、こちらの頭上に現れて]
――『土壁』!!
[ライヒアルトの両手に煌めきを見、咄嗟に土を壁状に迫り上がらせて攻撃を防がんとす。
しかし反応が一瞬遅れたか、伏せる途中の右肩を貫く痛みがあった]
くっ……
[動揺も混じり、そこから攻撃に転じる事が出来ない]
─北エリア・林─
[ライヒアルトのテレポート能力を失念していたわけではないが、唐突に現れたことには僅か反応が遅れる]
大盤振る舞いですわね!
[全て躱すには難しい。左足首も痛みが完全に引いたわけでもない。けれど敢えて左足で地を蹴り、バックステップを踏みながら降り注ぐ針の円周外へ出ようとした。軸足となった左足は円周から外れるのが遅れ、数本針が刺さったり掠めたりしている]
勝てば官軍。
そう簡単に行くかしら?
[左足は地に添えるのみにし、対峙する双方から離れた場所で大きな銃を構えた。それはここに来た当初にクリーチャーに使ったバルカン砲よりも、二回りほど小さいガトリングガン。それでさえ、通常ならば固定して使うものなのだが、それを右側に構えて持ち、掃射スイッチを押す]
Löschung!!
[林に響き渡る轟音。銃身が回転し、無数の弾丸が射出される。その弾幕は容赦無く二人へと襲いかかった]
─北エリア・林─
っと、そういうのもアリ、か!
[生み出された土の防御壁にこんな呟きを漏らしつつ。
それでも、初手は相対する二人それぞれに打撃を通した事を確かめ、新たな針を手に取る]
遠慮したって、仕方ないからね、ここまで来ると!
ま、まとめて相手すんのはさすがに……って、ちょ!
[さすがに厄介、と。
呟きは、轟音と共に撃ち出される弾幕にかき消された。
とっさの判断で上へと抜けるが、僅かに及ばず右の足を弾が掠め、衝撃と共に紅を散らした]
っつぅ……さすがに、効くねっ!
[顔を顰めながらも、手にした針はオクタヴィアへと投げつける。
鴉自身は後退し、動きを止めたロミの背後へ舞い降りて]
……とまってると、危ないよっ!
[冗談めかした言葉と共に、首筋へ向けて手刀の一撃を繰り出した]
―隔離エリア―
[もう少しでという辺りまで来た時だった。
胸部に走った鋭い痛みに気を取られ、反応が遅れた。
飛び出してきたワニに身構えた次の瞬間、ナイフが突き立っていた。壁を背に振り返る。横目で捉えたままのワニは暴れ出してすぐ痙攣を起こし動かなくなった]
…あ…。
[脇を抑えるような格好で、一度瞼を瞑る。
息を吸って吐き、目を開くとアーベルをまっすぐに見て頷いた]
少し前にも別のクリーチャーと遭遇しましたから。
そうでなくても凶暴性のあるものが放たれているようだったのに、加えて先ほどの刺激。
生き残りは全力でやれということらしいですね。
[ちらちらと見える包帯が気になる。
それまでよりも痛そうな顔になった]
―北エリア・林―
うわっ!!
[轟音と共に射出された弾丸。
土壁を更に展開させるも、衝撃に後から後から崩されて行く。
回避は間に合わぬと判断し、障壁の維持に集中し続けるが、それが仇となったか。
背後に迫る鴉の影に気付かず、槌の間合いより内側まで接近を許してしまう]
ぐ……
[手刀を咄嗟に右腕で受けるが、衝撃に鈍い痛みが走った。
途端、集中が途切れ障壁は塵芥と化す。
ライヒアルトの手を弾きつつ横へ飛び退こうとするが、一瞬遅れ、脇腹を熱い痛みが走った]
圧されてる、だな……!
[もはや手の内を隠している余裕はない。
ライヒアルトの針がオクタヴィアへと飛ぶ。
彼女の意識がそちらを向いているなら――不意を討つ隙はあるか]
いけぇっ!
[左手を槌から離し横薙ぎに振る。
それは単に、『力』を送るための予備動作。
少女の意識は、オクタヴィアの背後――樹が根を張る土にあった。
『力』を受け、土が持ち上がり、そして樹はオクタヴィアの頭上へ倒れ掛かる]
─北エリア・林─
[精度に劣る射撃だったが、それなりに被弾させることは出来たようで。ライヒアルトから投げつけられた針は、射撃を止めたガトリングガンの銃身を翳して防ぐ。キィン、と金属がかち合うような音がした]
威力が高い分、精度に欠けますけれどね。
[ライヒアルトの声に返しながら、ガトリングガンを持ち直す。銃を変え、射撃準備に入ろうとした───その時。ふっと上空に影が差すのを感じた。僅か振り仰げば、背後より倒れ来る一本の木]
離れて居ても力は及びますのね!
[地面へも視線を流せば、持ち上がった跡が残っている。ロミが繰り出したものであるのは明らかだった。咄嗟にガトリングガンを持ち上げ、倒れ来る木に翳し。受け流すようにして横へとステップを踏んだ。左足にも力がかかり、痛みが走る]
くっ……。
[左足に突き刺さったままだった針を払う。紅が流れ出すが、構ってはいられない]
[手にしているガトリングガンを持ち直すと、それらを二丁のライフルへと変え。ライヒアルトとロミの周囲にある木の影目掛け、銃弾を撃ち出す。二人を囲むような位置に、六発の弾丸が着弾した。先を見越しての仕込み。その所作は射撃ミスに見えなくもない]
もう一つ行きますわよ!
[次いで二丁のライフルは一丁のバズーカ砲へと変化。銃口を地面へと向け、右足で引き金を踏んだ。地下潜行型の爆破砲撃が、固まって立つ二人の足元へ。轟音が二人に迫る]
─北エリア・林─
[打ち込んだ一撃は払いのけられ、少女は距離を取るべく、動く。
障壁が消滅した事で飛来する弾丸は、とっさに開いた右の翼──漆黒の龍翼と右の腕を翳す事でどうにか凌いだ]
……っとに、威力だけはあるよねぇ……。
[伝わったのは衝撃だけだが、ダメージは決して低くはない。
『獣神』によって埋め込まれた部位以外は鍛えた人間レベルなのだから、無理もないが。
ぼそりと呟きながら、ロミがオクタヴィアに仕掛ける様子を見やる。
倒れる樹に、蜂蝶がどう動くか。
それを確かめてから次の手を、と考えていたのは、まずかったか]
……って……。
[一見すると、見当違いの行動。
しかし、それと同じ動きは、先の戦いの記録の中でも見ていたな、と。
思い当たるのと、轟音が響くのは、ほぼ同時]
……ちっ!
[テレポートは、すぐには使えない。ならば出来うる回避は一つ。
アンバランスな両翼を広げると、上へ向けての離脱を試みた]
―隔離区画―
…仕事は諦められますか?
[アーベルの表情の意味は分からない。
提案には少し考えるような素振りでそう問い返し]
いえ、余計な質問でした。
死にたくはありませんから、何がどうなるにしても今は手を組んだ方が得策です。こちらからもお願いします。
この先に地底湖があるのですよ。
そこから外にでる手段を捜してみようかと思っていました。
[分かれ道の片方を指差して言った]
[その先からは特に大きな咆哮と破壊音が聞こえてきている。
誰かが既に戦っているのか。それとも動けないクリーチャーでもいて暴れているのか]
―北エリア・林―
[直撃は回避されたものの、ライヒアルトの攻撃も相まって、オクタヴィアに多少のダメージは与えられたか。
しかし、未だ己の不利は変わらず。
脇腹から滲む血を止める暇もなかった]
[ライフルを構える動作に回避を意識するも、弾丸は二人から大きくそれて着弾する。
その布石は少女には理解出来なかったし、思考する暇すら与えられなかった。
こちらへ向けて迫る爆音]
って……それはオラの専売特許だっ!
[爆発と同時、少女の体は宙を舞う。
しかしそれは爆風に飛ばされたのではない、足元の土を『力』で持ち上げ自ら『跳んだ』のだ。
槌頭を先に地面へつけ、柄の倒れる動きとともに着地する。
再び槌を持ち上げ構え直す動作で、脇腹の染みが一層大きくなったのを感じた]
(まだだ……ここで止まっちゃなんねえ!)
[大技を使ったオクタヴィアと、それを回避したライヒアルト。
二人の攻撃に僅かな間隙を感じて、着地の衝撃も抜けきらぬ体で更に動く。
オクタヴィアの元まで駆けるには、やや遠いか]
んなら……
[視線はライヒアルトの方向へ]
『塞げ』!
[叫び、力を送る。上方へ飛んだライヒアルトの進路を塞ぐべく。
周囲の樹がライヒアルトという中心に向かって傾いで行く。
『殺到させる』とまでは流石にいかなかったが]
どれか一つにでも当たりゃあめっけもんだ……!
─北エリア・林─
[バズーカを発射させた時の、地響きの如き震動は自分の身体にも伝わって。地へ付けていた左足に更に負担がかかる]
(この足では近付く前に仕掛けられるのがオチですわね)
[先程から移動の気配を見せない理由。左足はほぼ使い物にならない。最初から大きなものも使いすぎているのもあって、僅かばかり肩で息をした]
[地下潜行型の爆破砲弾は爆音と共に土煙を立ち上らせるも、それぞれ回避されてしまい。手元のバズーカは一回り小さくされ、肩へと担がれた]
貴女のものと一緒にしないで頂きたいですわ。
[専売特許と騒ぐロミへの返答。その直後に再びの轟音。後方で射撃に伴う排気が起こり、射出された砲弾はライヒアルトへと傾いで行く木──ロミ側に在る一つへ。先の爆破砲弾よりは威力の低いそれが、着弾した木を破壊する。そのうちのいくつかが鋭さを伴い、ロミへと降り注いだ]
―隔離エリア―
[先に立って歩くアーベルの後ろからついてゆく。
振り返るように手が伸び引っ込められたのを見て瞬いた。薄い蒼が走り、鈍色に変わって消えて行く]
そうですか。
あたら命を散らすような事はお奨めしたくないのですけれど。
場合によっては阻まなくてはいけないかもしれませんし。
[後半は言葉にしているつもりはなかった。
が、低く小さくだが声になってしまっていた]
まあ。でも。
仕事なんてそういうものかもしれませんね。
[手の中に新しいピンを取る。
押さえ切れなくなった髪が一房、肩より下まで流れた]
―隔離エリア―
私の?
ああ。変わりませんよ、同じく。
[自然と苦笑が浮かんだ]
総帥アルトゥルの目に留まるよう動くこと。
「もう一つ」の能力も出来る限りに使うこと。
そう言われて来たのですが。
…その通りには運べませんでしたから。
―隔離エリア―
[動揺と共に問い返されて失言に気がついた。
声が詰まり、一瞬の間が空いてしまう]
…組織員ではありません。
仕事上での繋がりはありますが。
[緊張しながらそう答えた。
クリーチャーに備えるために握ったピンが存在を主張する。
だが変形はさせず、強く握り込んだ]
─北エリア・林─
……て、さすがにこれは……!
[ロミの言葉に従い、倒れ込む樹。どうするか、との思考は短く。
一本に集中して、それを右腕──龍の腕で、受ける。
龍鱗を備えた腕は樹を押し止めるものの、衝撃と、それが伴う痛みに肩が悲鳴を上げるような心地がした]
……おりゃっ!
[その痛みを堪えつつ、掛け声と共に力を込め、止めた樹を文字通り叩き折る事で強引に空間を空け、上へ。
叩き折ったそれがどこに落ちるか、を確かめる間もなく、オクタヴィアの砲撃が樹の一本を破壊した。
その余波を避けるべく、上へと抜けて]
……いやはや、ホント、女は怖いねぇ。
[ぼやくように言いながら、右腕を振る。
龍の鉤爪が消え、代わりに、漆黒の針がその手に現れた]
……ナーデルレーゲン。一回くらいはいけるかね。
―北エリア・林―
[オクタヴィアの射撃――ライヒアルトを狙うと見えたは、錯覚。
砲弾により爆砕された木の破片は、こちらへ向けて降り注ぐ]
しまっ――
[咄嗟に両腕を交差させ、顔を庇う。
次々と激突しては通り過ぎて行く破片。
その内の一つの感触がおかしかった。
どうにかやり過ごしたと思い腕を動かした瞬間、それは激痛に変わる]
ぐっ……刺さった、だか……
[顔を顰めながら、左腕の肉に深々と刺さる破片を引き抜く。
槌の重量が再び掛かれば、その痛みは泣き出したくなるほどで]
だども……ここまで来て降参なんて、『面白く』ねえだろうなあ……。
[ライヒアルトの手の漆黒を横目に見ながら、少女もまた己の『力』を大地に染み込ませて行く。
集中しながら相手の攻撃を避けられるか、二人を倒す所まで気力が持つか、ほとんど賭けに近い]
いんや。もう、ここで決めるしか――やるしか、ねえ!
[血が染み出すのも構わず、ぐっと鉄槌の柄を握った]
―隔離エリア―
それは同じく、ですが。
[遣り合いたくないと思っているのは本当だ]
即断即決即行動の死神には、珍しいことですね…。
[武器を構える素振りはない。
が、能力を他に持つのもしっているから完全に気を抜くことは出来ない。こちらにはその理由が分からないから]
…私も祈りましょう。
そんなことにはならないように。
[言葉と裏腹に手の中には武器が作られた。
細剣の一撃はアーベルに背を向けて、岩の間から飛び出してきたものへと突き出す。
だが効果は薄かった。相手の性状との相性が悪い。
ゼリー状のクリーチャーから伸びた触手が手に触れ、刺激物で肌を焼かれた]
─北エリア・林─
[降り注いだ破片がロミを傷付け、樹木の集中からどうにか抜け出したライヒアルトが宙を舞う]
(もう少しキーを撃ち込んでおきたかったけれど、限界かしら)
[周囲の高まった緊張にそう判断した。残りは自分で補うしかないと、バズーカを地面へ捨て置き両腕を胸の前でクロスさせ、両手を両肩に当てる。肩のタトゥーが消え、掌に具現するのはタトゥーから現れたかのようなアゲハチョウとスズメバチ。その大きさは実際のものより遥かに大きいものであったが]
耐えて下さるかしら。
そうでなくば困るのですわよね。
[呟きは極小さい。とある目論見はあれど、手を抜くつもりは無かった。両手にアゲハチョウとスズメバチを乗せた状態で二人の動向を窺う。動きがあれば、直ぐに返すことが出来るように]
―隔離エリア―
な。
[アーベルの電撃に頼ろうとは思った。
だがそこまで無茶をするとは思わなかった]
また…無茶をする。
[呻く声に急いで近寄った。
頭痛がする。構わない。
消毒と痛み止めの成分を含ませた物質を掌に生み出し、アーベルの爛れた手を握ろうと伸ばした]
─北エリア・林─
……どーやら。皆様、やる気のようで。
[傷を受けながらも構えるロミと、何やら構えるオクタヴィアと。双方の様子に、小さく呟く。
口調は軽いが、さほど余裕があるわけではない]
……ま、ここまで来たわけだし。
[呟きながら、漆黒の針を両手に]
やれるだけはやらんと、さすがにカッコつかねぇしな。
[す、と。常磐緑が細められ、ゆっくりと腕を胸の前で交差させる]
……今度がほんとの、大盤振る舞い。
出し惜しみなしの一撃、ご覧あれ、と!
[言葉と共に交差していた腕が、左右に開く。
勢いをつけて放たれるのは、針の雨──否、乱舞]
[オクタヴィアの手に、蝶と蜂が具現する。だが、今はそちらを気にしている余裕はない]
(『力』が残ってる内に――『鴉』さの翼を折らねえと!)
[ライヒアルトに向かい、駆ける。
その眼前、無数の針が煌めき舞っていた]
――『跳ぶ』!
[足元の地面に向けて念じた。より高く、より速く、自分の体を持ち上げるように。
針を越え、更にライヒアルトより上空を取らなければ、攻撃は当たらない]
あああぁぁぁ……っ!
[土の力で空を飛ぶ。
その矛盾は莫大な負荷となって、全身を軋ませた。
この一撃を当てられても、その次の、即ちオクタヴィアの攻撃に対応出来るかはわからなかったが。
それでも今は、目の前の相手だけを見据えて――]
堕ちろ――っ!!
―隔離エリア―
ええ、そうです。
けれど使いこなしきれないので。
[差し出されたアーベルの手を握り皮膚に浸透するよう送り込む。
痛みを多少和らげることはできるがそれだけ。本格的な治療には程遠い。
頭痛が更に酷くなり堪えるように顔を顰めた]
こちらが生来能力だったら便利だったでしょ、う。
…あの?
[離そうとした手は握られたままで。
眉を寄せたまま怪訝そうな声を上げた]
─北エリア・林─
Ein Füllungsanfang………。
[呪のように呟くと、キイィィィンと言う音と共に二匹の虫が駆動する。生体ではなく機械に近いそれらは複眼を幾度か明滅させた。エナジー充填、それは自分の力のみならず、先程銃弾を撃ち込んだ影からも注がれる。あの時の布石は直接攻撃のためでは無かったのだ]
────Vollendung.
[声と共に二匹の虫が両手から舞い上がる。お互い交差するように飛び交い、スズメバチはライヒアルトへ、アゲハチョウはロミへと近付いて行く]
さぁ、舞い踊り遊ばせ!
[声を張り上げたのは二人が仕掛け始めたのと同時。スズメバチは複眼と針から、アゲハチョウは複眼と触覚から細いレーザー光線を放った。複眼の一つ一つから放たれるそれは、放射状に広がりながら二人へと降り注いで行く。ライヒアルトはともかく、持ち上がる大地により場所が変わったロミへの射撃はいくらか外れたかもしれない]
[一方でオクタヴィアは迫る攻撃に防御行動は見せども、その場から動くと言うことはしなかった。動けないと言うのもあったが、動く気が無かったのもある]
[自分はここで負けるべきだと考えていたために]
[己が目的は『遊戯』を『盛り上げる』こと。勝つことが目的ではない。この二人ならばどちらが勝っても、そう考えた末の決断だった]
[少しでも壁にするべく、地面へ捨て置いてあったバズーカの端を右足で踏み、跳ね上げらせる。それを手に持つと、迫り来る針の乱舞のうち、顔に当たりそうなものだけを防ぐように翳した。それ以外の場所は無残にも針が貫いて行く]
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