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[満たされる。満たされる。
足が痺れて居るのが「わかる」。
この衝動に身を任せている時に得られる人ならざる力は、
ひとを食べれば食べるほど、強くなっていく気がしている。
押し殺してきた感情を、顔に出すようにもなってきた。
泣き叫んでひとに縋った等、
少なくとも両親が出て行った時以来した覚えはない。
はむ、と、赤を食む。
少し違う味に、未だ涙が止まっていない事に気付いた]
[銀のナイフを構える前に銃声が、響く。
キリルを呼ぶロランの声が聞こえて、続く大きな音に意識をとられる]
――…ロラン!?
[素早い身のこなしに驚いたように名を紡いだ。
キリルを守ろうとするその行動。
幼馴染という彼らの関係を思えば理解できる。
そう、この時は、理解し納得しようとした。
キリルの身体が頽れるをただ見守る。
ロランの叫びに眸が揺れる]
[ゆる、と首を左右に振り
男はミハイルの方へと歩んでゆく]
これで、終わり……
[彼の言葉を鸚鵡返しに呟いた。
終わりであれば、これ以上失われない。
夜に怯えず常の長閑な暮らしが戻るはず。
否、戻りはしない。
欠けた者が戻るはずもなく
ぽっかりと空いた穴は塞がらない]
ミハイル、済まない。
嫌な役を、押し付けた。
[キリルを殺す事を選んだのは同じだが
手に掛けた彼の負うたモノを思えば謝罪の言葉が零れる]
[ミハイルがキリルをイヴァンのもとへ連れてゆく。
ロランは彼女から離れ難いようだった。
男は視線を落しきつく柳眉を寄せる。
いつのまにか陽は落ちて月明かりが注ぐ。
赤い、月が見下ろしていた。
人狼に怯える日々は去ったはずだった。
夜になろうとも鍵をしめて屋内にこもる必要もない。
そう、思いたかったが――。
カチューシャを家まで送ろうと振り返った時
黒い一陣の風がその場を駆ける]
[何が起きたのか男にはわからなかった。
振り返った時、見えたのは大きく揺れる花々。
月明かりを受けて赤の色をうつした花弁が
はらはらと舞い散っていた。
生温かな獣の匂いが辺りに漂う。
其処に居たはずの
レイスとロランの姿は、消えていた]
[泣きじゃくっているロランの声がいたい。
慰めの言葉も浮かばず、幼なじみの死と嘆きを受け止めている。
キリルがミハイルに抱き上げられるのを見て、ロランを助け起こそうと近寄りかけた。
その時、ふいに強い風を感じて]
きゃあっ!
[黒い風の正体はわからなかった。
近づくまえに、風におされてへたりこんだ。
無意識に閉じていた瞳を開いたときには、ロランもレイスもいなくなっていた]
後で、イヴァンとキリルも食べるから。
そうすれば、一緒にいられるんだろ?
[囁く声が届く相手はもういない。
ただ、ここにいる、と胸元抑える様子を覚えていた。
彼女は少しでもそれで満足してくれるだろうか。
昨日、満足をしたか問うてきた彼女は、
とても満足しているように見えなかったから。]
[お伽噺はまだ終わらない。
人狼はまだ、いる。
そう知らしめるかのような、現象。
男はミハイルとカチューシャを順に見詰める。
その顔は困惑というよりは険しさの滲むもの]
――…終わらない。
キリルだけじゃ、なかったんだ。
[いなくなった二人のどちらか。
それはまだ確かめてはいない憶測に過ぎぬもの]
ミハイル。
キリルをイヴァンのもとに連れて行くのは
夜が明けてからにした方が、良いと思う。
[今は危険かもしれない、と
男はミハイルに言葉を続ける]
…逃げなきゃ。
[月が巡る。
紅く染まる眸が、忌まれる事多い鳥の色に戻っていく。
血でぐしょぐしょになった服は取り換えて、体も拭いた。
この先何処に行くというのだろう。
こんな事をして、最早この村にいられる事は無い筈で。
ぐい、と手の甲で目を拭った。
感情が一周して、少しだけ、笑い声すらたてた]
――…、ミハイル、カチューシャ。
[二人を交互に見遣り名を呼ぶ]
今夜は僕の家に泊まっていかないか?
幸い、部屋は余っているから。
[カチューシャはオリガの部屋に
ミハイルは主寝室に、と考えながら提案する]
――ロランの自宅――
[開け放たれた作業場の窓。
酷く生臭い臭いは広場までも漂っていた。
大きな作業机には、仰向けに寝かされたレイスの死体が有る。
首は鋭い刃物で掻き切られ、その上から齧られた痕。
胸元引き裂かれ、心の臓まで喰い荒らされていた。
そこから床まで垂れる血は床、沢山の獣の足跡が沢山ついており、
動物に対しての知識があれば狼のものだとも判るだろう。
きちんと作業場を見渡せば、隅のひとつの机の上に
鹿の革を加工して作られたちいさな水筒とベルトが
置いてあるのが判るだろう。
水筒には可愛らしくリボンが着けられており、
ベルトはガッチリとしていてなかなか千切れそうにもないもの。
作業したての、まだ堅い革で出来たそれらには、
塩辛い透明な液体が付着していた。
だがその場に、ロランの姿は、無く。]
[消えたロランとレイスを探そうとは言わない。
消えたどちらかの身が危険だということは感じていたが
探すあてさえ思い当たらぬ今からでは遅いだろうとも思う。
頷くカチューシャが立ち上がれば
遅れて手を差し出した]
足は平気?
[レイスに怪我の手当てをしてもらうはずだった彼女。
あれから様々なことが起こり其処まで気がまわらなかった。
案じるように視線を足元へと注ぐ]
[差し出されたユーリーの手に、小さな手を重ねた。
立ち上がるのを助けてもらって僅かに息をつく。
怪我のことを聞かれて、ようやく傷を意識した]
――うん、ちょっと痛いぐらい、だから。
[なんだかんだありすぎて、一度家に帰ったときに軽く傷口を洗っただけだった。
今はかさぶたができているけれど、なにかあればまた直に開きそうではあるけれど、平気だと頷いた。
ロランとレイスがいたほうへともう一度だけ視線を向ける]
[狼の背に跨るというよりはしがみついて、
深い森の中にいた。
闇の中で、狼の眼だけがらんらんと光る]
…逃げなきゃ。
[それでもまだやる事がある。
みつからぬように村から距離を保ち、
それでも村から離れずに。
うろうろと、仄暗い森の中をさまよう]
[木々の隙間から見える月を見上げる。
狼達の息遣いが、暖かく耳を擽る。
言葉交わす事は出来ない。出来やしない。
長く長く息を吐いて、毛並み握る手に力を籠めた]
…ひとりだ。
[ぽつり、零す。
自分で選んだ事の積み重ね。
判って居る。判って居るのに、涙がこぼれた]
[重なるのは華奢に見える娘の手。
カチューシャの応えを聞けば頷きを向けた。
誘うようにもう一度ミハイルへと視線を向ける。
家に明かりを灯し部屋へと案内すると
蜂蜜をいれて少し甘めにしたホットミルクを差し入れて
風呂に湯を用意して、湯浴みが出来る旨を伝えておく。
そうして、戸締りを確認し男は自室へと戻っていった**]
[ミハイルの返事をきいて、ユーリーの家に向かう。
案内されたのは、都会にでていったオリガの部屋。
差し入れのホットミルクに、強張っていた表情を笑みに変えて。
伝えられた言葉にちいさくありがとう、と答えた。
そしてホットミルクを飲んで落ち着き、湯を借りて身奇麗にした後]
[オリガの部屋のオリガのベッドに体を横たえる。
この部屋で、幼馴染の女子三人があつまったことだってあった。
今は、一人きり。
赤い色を流して横たわるキリルの姿が、瞼の裏に浮かんで。
腕で目元を押さえる]
……
[ロランは、無事だろうか。
不安は消えず。
そのまま、眠る事もできずに夜を明かすこととなった**]
―― 自室 ――
[気付けば夜が明けていた。
窓から射し込む陽の光が瞼の裏を染めている。
目許を手で覆い、くぐもる声を漏らした。
暫く経ち、明るさに慣れてくればゆっくりと手を下ろし目を開ける]
……ン。
[二年前ならば妹が起こしにきたであろう時間。
朝早くから元気な妹に対して兄の方は朝に弱い。
その妹の部屋にはカチューシャが泊まっている。
意識がはっきりとすれば身体を起こし手早く身支度を整える]
[机の上に置いたままになっているグラス二つと水晶玉。
男は水晶を手に取りそれを覗いた]
もう触れることはないと思ってたのに
[皮肉なことだと思う。
自分の為そうとしている事を思えば苦さが込み上げた。
確かめようとしたのは、ロラン。
覚悟していた結果に深い息が漏れる]
だから、あの時、……
[キリルを止める手立ての話をしたとき
ロランは如何やって止めるのかと問い返した。
彼もまたそうであったから、男に問うたのだと知る]
[あの時は説得すべき相手は其処に居ないと思っていたから
男はロランにキリルを説得する為の働きかけをしようとしていた]
――…あの時、
僕が如何やって説得するのか、知りたかったのか ?
如何、ロランを止めるのか――…
[問うものの答える者は此処に無い。
困ったような、どこか自嘲的な笑みが漏れた]
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